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福岡 森村さんは、子供の頃から美術に興味をもたれていたのですか?
森村 どうでしょうか。私は、社会的敗者として出発したような気がするのです。みんなで何かをするという社会生活において、うまく立ち回れなかったのです。そして、どこへ逃げたかというと、空想の世界に走ったのです。今でいう、ひきこもりですね。ただ、そこで、空想の世界を丸ごと外へ投げ出す芸術というものに出会えたことが私にとって幸いでした。つまり、ふくおかさんが著書にも書かれている「内側の内側は外側だ」というものの捉え方ができたことが幸いだったのです。芸術というのは、まさにそうなのです。内向的に、自分の内側へ向かってどんどん入り込んでいくと、そこに「リアリティ」が見つかる。
芸術というリアリティを介して、そとの世界へ出られる通路を見つけることができたのです。それを見つけることができなかったら、私は内側で腐ってしまっていたかもしれません。私のように内側へ向かう人間は、世の中の役に立つことができないのですが、そういう人間に芸術というものが与えられたとき、今までネガティブだったものがポジティブに変わるということもままあるのです。
福岡伸一対談集 『エッジエフェクト』より 朝日新聞出版
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森村さんって、知らない人でした。
何しろ、徳さんは、思いっきり芸術から遠い所で生息してるんだもん。
徳さんのためにそのプロフィールを書き写しておく。
森村泰昌
1951年、大阪府生まれ。美術家。85年、自らゴッホになった作品で美術界に登場以降、名画の登場人物や映画女優、歴史上の人物に扮するセルフ・ポートレートを次々に発表。綿密な研究と独自の解釈と意図で構成された作品は国内外デ高い評価を得ている。
だって。
そして、参考までにその代表作を
なんで、森村さんのこんな発言を抜粋したかというと、誰にでも内向的心というものはあるわけで、一人鬱々としたときに、ネガティブからポゾティブに変化することがあるとの発言は励みになるんだもん。
そう言えば、思い出した。
意味合いは多少違うが、昔、大島渚の『ユンボクの日記』で
「唐辛子は煮詰められていよいよ辛くなり、麦は死して新しい芽を吹く」
という印象的なセリフがあったっけ。
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