東京ラブストリー

「師匠、それはシモンフミじゃなくて、サイモンフミ！」

「ムム！ガーファンクルなのか」

「止めて下さいよ！漬物が腐りますよ！」

「お前こそ、旧い言葉を使いおって！」

ともかく『東京ラブストーリー』全４巻を瞬く間に読んでしまった。
久しぶりの漫画だ。
そしてこれは随分昔の漫画のはずだ。
出張先の某団体がバザーに出していたものの売れ残りもんだ。
時間の空いた隙に手に取っていたら、「それ、あげますよ」とあっさり言われた。
徳さん、この手の貰い物が好きである。人畜無害の贈与。

徳さん、漫画好きではあるがこの手の漫画には手を出した事が無い。
都会っぽいというだけで読む気になれなかったのだ。

食わず嫌いとはこんな事を言うのだろう。
表題とは裏腹に、少しもスマートでない人間葛藤が描かれていた。
しかも、ありそうでなさそうなデフォルメが満載されてて飽きる事を知らなかった。
最後の店じまいだけは取って付けたようなものだったけど、、、。

そして想う。
やっぱり、これは漫画だからいいのだ。
サブカルチャーだからいいのだ。
これが、芸術でございと、『国立メディア芸術総合センター』に鎮座してたら、その事実だけで、東京ラブストーリーのハラハラドキドキ感は壁に糊付けされた薄汚いものに変わってしまう。

無粋だぜ、麻生君！