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ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

五週間

2012-09-01 | 精神医療
今日、東京は久しぶりに雨が降った。
気温もあまり上がらず、過ごしやすかった。

そして神田の心療内科への通院日だった。

カウンセラーに、この三週間はかなり調子が安定していたことを話した。
むやみに悲しくなったり、自分に否定的だったことはほとんどなかった…と告げた。
カウンセラーはカルテをずっと見直しながら、
「この三月の状態から、よくここまできましたね」
と言った。
そして次回は五週間後になった。
思えば、三月後半から四月に掛けては、毎週受診していたのだ。
カウンセリングの後、主治医の受診となった。
先生は、私の状態を喜んでくれてから、
「私に掛かるようになってから、抗うつ薬を全く飲まない時期はなかったですよね」
と確認した。先生は断薬するチャンスと考えているようだった。
私も同じことを感じていた。でも、慎重にしたい…と言うと、「もちろんです」と応じてくれた。
そして受診も五週後になった。これほど期間が空くのは、二年振りくらいだった。

私のお気に入りのロザリオ型ブレスレットが、この一週間くらい見えなくなっていた。
職場でユニフォームを毎日洗濯してもらうので、間違って制服のポケットに入れてしまったかと秘かに待っていたが、それもないようだった。
身に付けてないと心細いので、受診の帰り四ッ谷のカトリック聖品店に買いに行った。

きっとあのブレスレットは、あまり悪いことが起こらないよう、ホームのどこかで私を見守ってくれているに違いない。

認める

2012-08-27 | 精神医療
ついこの間まで、私は友人たちに実にしばしば自分の記憶力や思考力の低下、判断力の無さをメールで訴え、嘆いていた。
思えば傍迷惑なことをしていたと思うが、上司が変わったとたん、それをしなくなった。
今でも記憶力は悪い。でも思考力は少し甦って来たと思うし、判断力にしてもまたそうだ。

上司から自分は否定されていない…という安心感が、仕事中にパニックに陥ることをなくし、自己否定の負の連鎖からも救ってくれたのである。その結果、記憶力の衰えがあっても自分は働けるんだ…という意識の変化がおきている。

四月五月頃のこのブログには、過呼吸や突然の強い不安に悶える記載が繰り返し出てくる。
今でも仕事上の悩みはもちろんあるが、不安発作に似た症状は全く起きないし、その兆候も感じない。

会社を四週間休むときの診断書に、私の主治医は「適応障害」と書いた。
「上司との関係が強い症状の原因で、その職場環境が変われば症状は解消します」
と主治医は言った。そのときは半信半疑の部分もあったが、その通りだった。

私は、過呼吸の、突然襲ってくる強い不安の、しつこい不眠の苦しさを、生涯忘れないだろう。
あの恐ろしい苦しみを二度と味会わないためにも、「自分を認める」術をいつも考えておきたいと思う。

減薬

2012-08-11 | 精神医療
今日、心療内科に行って、カウンセリングと診察を受けてきた。

カウンセラーにこの三週間の状況を話すと、如何に劇的にストレスが減ったかが、改めて自分でも分かった。
診察になって、18年間ずっと診てくれている主治医に、上司が異動になって心も体もとても楽になりました…というと、我がことのように喜んでくれた。

そして薬を減らす話になった。
私は抗うつ剤と抗不安剤と睡眠導入剤を服用している。一般に抗不安剤は調子の悪いときに飲む頓服薬だから、この三週間ですでにかなり減薬していた。ひきかえ抗うつ剤は、慎重に減薬しなければならないと言われる。
とりあえず半量にすることを試みることになった。
かなりのことだが、それくらいの状況とコンディションの変化はあると思った。

状態の悪い人は精神薬の服薬をためらうべきでない。というより、現在の精神医療の水準では絶対に必要なものである。
でも思考力や知覚への影響を考えれば、少ないに越したことはない。

今日は、嬉しい一歩になった。


酒と不眠について

2012-07-09 | 精神医療
私はもう18年以上睡眠導入剤を飲んでいる。

量や種類は様々だ。

18年の間には、飲まなくても大丈夫だな…という時期もかなりあった。

そういうときは、錠剤を齧って半錠だけ飲んでいた。

お守りのようなものであった。

いちばんひどかったのが去年の3月半ばから4月に掛けてだった。

ほとんど連日2~4時間しか眠れず、一睡も出来ずに職場にいくこともままあった。

眠れないのは本当につらかった。


友人知人にも、早朝覚醒で悩んでいる人がけっこう多い。

年齢を重ねると、睡眠障害はどうしても増えるようだ。


私が主治医からきつく言われているのは、「絶対に酒で眠ろうとしないで下さい」ということだ。

「酒は睡眠導入剤より遥かに依存症になりやすいのです。精神だけでなく、体も壊してしまいます」と。

実は私も一時期は毎日のように焼酎を飲んでいた。

しかし、一年半前くらいから、体が酒を受け付けなくなった。

ずっと下戸だったから、元に戻ったようなものだが、今となっては酒に弱くてよかった…と痛感している。


今より調子が良かった頃でも、酒を飲むと必ず翌日は抑うつ感が強くなった。

私のような下戸でも、酒の誘惑の強さは知っている。

だが、私の主治医だけでなく、全ての精神科医が「不眠に酒は禁物」と断言している。


ときに嗜むくらいならいいだろう。

だが、精神的な悩みを抱えている人はなおさら、「酒で眠ろう」「酒で全てを忘れよう」とは、決して思わないことだ。

これは、確言できる。







はげまし力

2012-06-26 | 精神医療
老人性うつ…という病名があるように、高齢者はうつ傾向に陥りやすい。

私のホームにも「死にたい」といつも訴える方がいる。

職員である私は「大丈夫だよ!」と励ますのが役回りだ。

不思議なもので、「大丈夫!」を連呼していると、自分も少し元気になってくる。

苦しんでいる人を励ますことは、意外な力を自分にもたらすのかも知れない。