1月11日の「初春俳句バトルin田無」に携わったスタッフの何人かがその感想を寄せてくれた。題は小生がつけさせてもらいここで披露する。
兼題が難しかった
大槻正茂
俳句を始めて2年ですが、とても良い経験をさせていただいたと思っています。
私の「成人の日のドリブルと青空に」に対して審査員の松田ひろむ先生の7点がうれしかったし、最後に観客の皆さんからもお二人の方に選ばれてうれしかったです。感謝です。
季題に出された「成人の日」はとても難しかったです。まず、音数の6音でとても困りました。5音以上の季語は作りにくいです。
次に50年前の自分の成人式のことを思い出すと、その頃は晴れがましいことは大嫌いでした。「遠まわりして⋯」と作ると天地先生から「何故?」と追及されました。「指切り」を入れると「甘ったるい」、「見境もなく愛してた」も「控えめのアイシャドウ」も上手くいきませんでした。今の世代の成人式を想像しても類想的なことしか思い付かなくて参りました。俳句の本では例えば「七五三の俳句は子供のことは詠まない」とあるようですが、実際に「成人の日」で類想的になるのを避けて作るのはすごく難しかったです。
繰り返しになりますが、審査員や皆さんから1点でもいただけて、本当にほっとしました。
これで少しは鍛えられたかなあと思っています。ありがとうございました。
30人以上の観客がおられたのでしょうか。有名人が出ている訳でもないのに大勢の観客で驚きました。
欲張りなことを申せば、審査員の方々の御意見をもっともっとお聞きしたかったです。「ひこばえ」と「いやさか」のバトルとは言えつい先だってまで同じ句会でした。
相手の句を批評するって難しかったです。それなら審査員に十分にあれこれ言ってもらい、
むしろ審査員同士でバトルしてもらった方が面白かったんじゃないかとも思います。
うきうき準備
木村弘子
「ひこばえ」と「いやさか」は、根本は同じ一本の木でした。ひこばえ句会のメンバーが
多くなり、時間的に困難になったため、根分けした形で二つになったのです。
共に学び、楽しんだメンバーが別々になるのは忍びなく、何か交流を持ちたいということで、私は単純に「新年会」や「忘年会」を合同で行いましょうと提案したのですが、さすがは先生、私たちにふさわしい、「初春俳句バトル」を考えてくださいました。お祭り好きの私は、うきうきと準備のお手伝いを申し出て、赤と青の旗や幼稚なアイディアですが選手の胸につける赤と青のリボン状の飾りをつくりました。むかし文化服装学院で裁縫をやったのでズボンの裾直しなどの針仕事は得意。ちょっとだけお役にたてたかなあと自負しています。
さて、当日皆さんの強力態勢は、驚きと感動でした。
瞬く間に会場が整えられ、会場係り、審査員、選手の皆さんは、それぞれのお役目を立派に果たされました。
生来人は、「競う」と言う気持ちを、誰しも持っているのではと思います。
もともとは、お仲間」の「ひこばえ」と「いやさか」ですが、今日は、バトルです。目的は親睦ですが、「勝ちたい!」と、選手たちは思います。論争が始まりどんどん活発な意見で盛り上がります。さあ! 緊張の一瞬です。審査員五名の旗が一斉に上がります。
赤、青、どちらが多いか? そして歓声、溜息、拍手の嵐です。先生の司会はお見事でした。
最後に観戦者の皆さんに選句して頂く場面もあり、まさに会場の全員がひとつになって、楽しんだ「初春俳句バトル」でした。
飯嶋玲人から辛目の査定をされた司会の天地わたる(撮影:小牧洋)
観戦者をもっと巻き込みたかった
飯嶋玲人
句会、吟行は仲間内だけで完結しますが、今回のイベントの主旨は、そこに留まらず第三者に向けて発信し、かつ「遊び心」を持って楽しむ事だと思います。
その点このイベントは、手作り感も満載で、また観客の方も思ったより多く来場戴き成功だったと思います。
私個人としてはこの年齢になって情け無いのですがもう少し人前で「喋る事」で無く「話せる事」が出来る様にならないと駄目だなぁと感じました。
先程この「俳句バトル」会は成功したと書きましたが、点数で評価すれば10点満点で7点かなと思います。
減点部分は、もう少し観客を巻き込んでもよかったのでないかと思います。日本人は積極的気に手を挙げ自分の意見を言う事に慣れていませんが、今回の観客はわざわざ会場に足を運んで来ているのだから、何かしらの感想なり意見は持っていたのではないかと思います。
ですので、司会者は開会時に
という旨、アナウンスしておけば、観客席ともう少し一体感が生まれた様な気がします。
でも今回が初めての試みです。そう始めから上手くいくはずはありません。これを踏まえ、是非これからも2回3回と続けて欲しい思います。
「鷗座」主宰、松田ひろむ先生(撮影:喜多いさむ)
自分の中のバトル
久保直己
初めての俳句バトル。正直お化け屋敷に足を踏み入れるかのように開会に臨んだ。
天地先生が常々句会で、自分の選についての根拠を語ることを重要視してるが、今回の俳句バトルは、参加者も審査員もみんなが、自身の句力をぶつけ合うイベントであった。
自己の俳句に対する見識、知識を表に出して、その評価を目の当たりにする。荒っぽいが、句力向上には即効性があるかも知れない。
自分で作句する時、同じテーマで2つ作って、自問自答で今日のようなバトルをすれば
良い句が出せるようになるのかも、と思った。
自分自身でやっても、元が一緒だからすぐは効果は出ないのだろう。
ただ、こんなプロセスを繰り返していけば、成果が上がる日も来るかと期待を持った。
来賓の審査員で、鷗座の松田主宰に来ていただいた。
実は30年前は鷹に所属されていて、中央例会で、藤田湘子や飯島晴子の薫陶を受けておられたとのこと。懇親会で、会場で指摘のあった、「不要な “かな”」の話から発展して湘子の型その3についての考え方までお話を伺うことができた。
松田先生、有難うございました。
今回、蘖組も弥栄組も発言しようとして、かなり一生懸命俳句の評価について頭を廻らせた。きっとみんな句力がステップアップしたかな、と思う。
今月25日のいやさか合同句会は白熱の句会になりそうだ。
兼題が難しかった
大槻正茂
俳句を始めて2年ですが、とても良い経験をさせていただいたと思っています。
私の「成人の日のドリブルと青空に」に対して審査員の松田ひろむ先生の7点がうれしかったし、最後に観客の皆さんからもお二人の方に選ばれてうれしかったです。感謝です。
季題に出された「成人の日」はとても難しかったです。まず、音数の6音でとても困りました。5音以上の季語は作りにくいです。
次に50年前の自分の成人式のことを思い出すと、その頃は晴れがましいことは大嫌いでした。「遠まわりして⋯」と作ると天地先生から「何故?」と追及されました。「指切り」を入れると「甘ったるい」、「見境もなく愛してた」も「控えめのアイシャドウ」も上手くいきませんでした。今の世代の成人式を想像しても類想的なことしか思い付かなくて参りました。俳句の本では例えば「七五三の俳句は子供のことは詠まない」とあるようですが、実際に「成人の日」で類想的になるのを避けて作るのはすごく難しかったです。
繰り返しになりますが、審査員や皆さんから1点でもいただけて、本当にほっとしました。
これで少しは鍛えられたかなあと思っています。ありがとうございました。
30人以上の観客がおられたのでしょうか。有名人が出ている訳でもないのに大勢の観客で驚きました。
欲張りなことを申せば、審査員の方々の御意見をもっともっとお聞きしたかったです。「ひこばえ」と「いやさか」のバトルとは言えつい先だってまで同じ句会でした。
相手の句を批評するって難しかったです。それなら審査員に十分にあれこれ言ってもらい、
むしろ審査員同士でバトルしてもらった方が面白かったんじゃないかとも思います。
うきうき準備
木村弘子
「ひこばえ」と「いやさか」は、根本は同じ一本の木でした。ひこばえ句会のメンバーが
多くなり、時間的に困難になったため、根分けした形で二つになったのです。
共に学び、楽しんだメンバーが別々になるのは忍びなく、何か交流を持ちたいということで、私は単純に「新年会」や「忘年会」を合同で行いましょうと提案したのですが、さすがは先生、私たちにふさわしい、「初春俳句バトル」を考えてくださいました。お祭り好きの私は、うきうきと準備のお手伝いを申し出て、赤と青の旗や幼稚なアイディアですが選手の胸につける赤と青のリボン状の飾りをつくりました。むかし文化服装学院で裁縫をやったのでズボンの裾直しなどの針仕事は得意。ちょっとだけお役にたてたかなあと自負しています。
さて、当日皆さんの強力態勢は、驚きと感動でした。
瞬く間に会場が整えられ、会場係り、審査員、選手の皆さんは、それぞれのお役目を立派に果たされました。
生来人は、「競う」と言う気持ちを、誰しも持っているのではと思います。
もともとは、お仲間」の「ひこばえ」と「いやさか」ですが、今日は、バトルです。目的は親睦ですが、「勝ちたい!」と、選手たちは思います。論争が始まりどんどん活発な意見で盛り上がります。さあ! 緊張の一瞬です。審査員五名の旗が一斉に上がります。
赤、青、どちらが多いか? そして歓声、溜息、拍手の嵐です。先生の司会はお見事でした。
最後に観戦者の皆さんに選句して頂く場面もあり、まさに会場の全員がひとつになって、楽しんだ「初春俳句バトル」でした。
飯嶋玲人から辛目の査定をされた司会の天地わたる(撮影:小牧洋)
観戦者をもっと巻き込みたかった
飯嶋玲人
句会、吟行は仲間内だけで完結しますが、今回のイベントの主旨は、そこに留まらず第三者に向けて発信し、かつ「遊び心」を持って楽しむ事だと思います。
その点このイベントは、手作り感も満載で、また観客の方も思ったより多く来場戴き成功だったと思います。
私個人としてはこの年齢になって情け無いのですがもう少し人前で「喋る事」で無く「話せる事」が出来る様にならないと駄目だなぁと感じました。
先程この「俳句バトル」会は成功したと書きましたが、点数で評価すれば10点満点で7点かなと思います。
減点部分は、もう少し観客を巻き込んでもよかったのでないかと思います。日本人は積極的気に手を挙げ自分の意見を言う事に慣れていませんが、今回の観客はわざわざ会場に足を運んで来ているのだから、何かしらの感想なり意見は持っていたのではないかと思います。
ですので、司会者は開会時に
① 司会者がバトル時でも時折観客席に赴き、意見を求めます。
② 最後に十句の中から好きな句を一句挙手で選んで戴く。
② 最後に十句の中から好きな句を一句挙手で選んで戴く。
という旨、アナウンスしておけば、観客席ともう少し一体感が生まれた様な気がします。
でも今回が初めての試みです。そう始めから上手くいくはずはありません。これを踏まえ、是非これからも2回3回と続けて欲しい思います。
「鷗座」主宰、松田ひろむ先生(撮影:喜多いさむ)
自分の中のバトル
久保直己
初めての俳句バトル。正直お化け屋敷に足を踏み入れるかのように開会に臨んだ。
天地先生が常々句会で、自分の選についての根拠を語ることを重要視してるが、今回の俳句バトルは、参加者も審査員もみんなが、自身の句力をぶつけ合うイベントであった。
自己の俳句に対する見識、知識を表に出して、その評価を目の当たりにする。荒っぽいが、句力向上には即効性があるかも知れない。
自分で作句する時、同じテーマで2つ作って、自問自答で今日のようなバトルをすれば
良い句が出せるようになるのかも、と思った。
自分自身でやっても、元が一緒だからすぐは効果は出ないのだろう。
ただ、こんなプロセスを繰り返していけば、成果が上がる日も来るかと期待を持った。
来賓の審査員で、鷗座の松田主宰に来ていただいた。
実は30年前は鷹に所属されていて、中央例会で、藤田湘子や飯島晴子の薫陶を受けておられたとのこと。懇親会で、会場で指摘のあった、「不要な “かな”」の話から発展して湘子の型その3についての考え方までお話を伺うことができた。
松田先生、有難うございました。
今回、蘖組も弥栄組も発言しようとして、かなり一生懸命俳句の評価について頭を廻らせた。きっとみんな句力がステップアップしたかな、と思う。
今月25日のいやさか合同句会は白熱の句会になりそうだ。