天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

消防車に子の手べたべた出初式

2018-01-07 16:36:53 | 世相

放水の虹を見る観客


10時から府中公園で府中市出初式が挙行された。消防団員345名が出席し消防自動車が18台並んだ。

出初式半鐘鳴つて始まりぬ
去年も見に来たが半鐘を叩くのは初めて見た。打ち鳴らすのは景気がいい。

消防車しづかに侍り出初式
子供が電波でリモートコントロールできるおもちゃの消防車を本物のそばでいじくっている。子供でなくても消防車には華を感じる。18台並んでもサイレンを鳴らしていないときは静かである。



整列の影も凛々しや出初式
消防団員の黒い制服がいい。整列は凛々しくその影もさわやか。手袋の白さが際立つ。

うかつにもぼくはこの345名の方々が本職の消防夫と思っていた。
近くに「東京消防庁」と入った方と立ち話をしていて、東京消防庁職員はプロだが消防団員は別に本職のある方々のまさにボランティア活動と知った。
そういえば生れ故郷でも青年団が消防団でときどき演習をしていたことを思い出す。
地域を地域の人が率先して守る――これは日本人の美徳として継承してもいいように思う。
けれど、身を粉にして日々の活動をしてくれる方々に市長や国会議員や都議会議員やなにやらが似たようなスピーチをこれでもか、これでもかとするのはいかがなものか。
来賓は風の当らぬところに着席していて、団員は野天に立ち続けている。もっと話は簡素にするとかできないのか。
儀式を儀式として変えようとしないのはわが国の悪癖ではないか。

空を突き上ぐる纏や明の春
昔ながらの消防団の方々の梯子乗りのパフォーマンスもあった。



青竹の匂ふ梯子や出初式
青竹の香はいいが、なんと梯子乗りの最中、ある若者が落下した。観衆から声が上がった。けがをしなかったのだろうか。そのまま演技は次の人が続けた。




初春や母と子と見る消防車

消防車そびらに母子や初写真

消防車を見せに来ている母子はけっこういる。それだけでも出初式の意味がある。季語は初春しかないようないい景色。消防車を背景にして写真を撮るのも年のはじめにふさわしい。

地べたに絵描く子供や日脚伸ぶ
棒切れで子供が地べたになにか書いている。もう土が固くない感じ。梅のつぼみもふくらんできた。

青空に放水の華出初式
去年見なかった放水を見た。消防車じたい華はあるが放水も華である。地面がべたべた。




出初式もいいのだが、消防団員の労をねぎらうには野外に立たすのではなくて、一流のホテルで昼食会でも催したらどうか。ぼくら府中市民は消防団の方々の慰労にそれくらいの経費を使うことにやぶさかではない。
そんなことを思った2018年の府中市出初式。



飛行機雲が三筋も出た。梯子の人はそれを眺める余裕はなかったであろう。
コメント
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