氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

火鉢

2005-12-29 09:17:55 | 懐かしい品物
昭和30年代の初めまでの家庭の暖房器具は「火鉢」(ひばち)「炬燵」(こたつ)「行火」(あんか)「湯たんぽ」くらいでした。
お金持ちの家庭には「ガスストーブ」や「電器ストーブ」が有りましたが「石油ストーブ」は未だ一般的ではありません。

「火鉢」は瀬戸物や唐津物の陶器製でした。
毎朝ガスこん炉で炭を熾し「火鉢」に入れる。
炭を灰で隠して五徳の上に薬缶をかけていました。
お客さんが来ると薬缶のお湯でお茶を入れて「火鉢」の灰を掻き分けて埋もれていた炭を出し暖かくします。
客用の少し小さい「手あぶり火鉢」も有りました。

「練炭火鉢」も有りましたが家では使わなかった。
「練炭」による一酸化中毒が多かったからです。

私は「火鉢」が好きでした。
「干し芋」や「カキモチ」(お餅を薄く切って乾かしたオカキ)を焼いて本を読む。
至福の時間です。

「火鉢」にへばりついて「漫画」を見ていると大人によく言われました。
「子供は風の子・・・表で遊んでおいで」
表は寒いし誰も遊んでいません。
直ぐに家に帰り「火鉢」に駆け寄り言いました。
「子供は火の子・・・火鉢の子」

瀬戸物の「火鉢」が懐かしい。
しかし「炭」は何処で売っているのだろう?
バーベキュー用の炭や高級な「備長炭」は見るが普通の「木炭」は見かけない。

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2 コメント

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股火鉢? (のり坊)
2005-12-31 19:09:12
 火鉢の文化というのもいいものでした。ほんとうに余裕というものが要るのですね。だいたい炭火を熾すのに時間がかかり、消すのにもいい加減に出来ない。いい火鉢や炭にはお金もかかる。

うちは「練炭火鉢」も使ってたなあ、引越しずいぶんしたので忘れたが、掘りごたつやアンカでは豆炭!なんかも使ったような!要するに石炭のなれのハテなので後の灰の始末が悪くて捨て場所が大変、それで記憶にあります。

それより、火鉢を足の間に抱きかかえていると親父が「股火鉢」するなと怒ってたっけ!
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股火鉢 (氣楽亭)
2005-12-31 19:43:41
炭の粉を糊で固めた「タドン」も有りましたね。

田舎では籾殻を蒸し焼きにして炭にしたような自家製の安手な炭を使っていました。

火持ちは悪く直ぐに灰に成ります。

何と言っていたか忘れました。



>火鉢を足の間に抱きかかえていると親父が「股火鉢」するなと怒ってたっけ!



祖父が大変な事を言っていました。

私は一人っ子で兄弟が居ません。

従兄弟達と仲が好かったのですが・・・股火鉢を男がしても余り怒りませんでした。

男の真似をした従姉妹が股火鉢をすると烈火のように怒ります。

「女の癖に・・・焼きハマに成る!!」

「焼きハマ」の意味が解らなくて聞いたら怒られました・・・
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