氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

傷痍軍人

2005-06-29 10:18:24 | 懐かしい言葉
生玉神社や高津神社の夏祭りの参道に露天に並ぶ白装束の集団が居た。
アコーデオンやハーモニカで悲哀なメロディーの軍歌が聞こえてくる。
此処は~お国を~何百里~離れて~遠き~満州の~赤い夕日に~照らされて・・・」

旧軍の軍帽を被り白い着物を着用している。
募金箱を持つ手は肘のところから欠損していて金属製のフックに成っている。
両足が膝から無い人は膝にパットを装着しハーモニカを吹いている。
五体満足で両眼を失明し黒眼鏡をかけ白い杖を持っている。
片足の人、片手の人・・・様々な肉体的欠損を持つ傷痍軍人の募金活動である。

春秋のお彼岸さんの四天王寺の参道や石の鳥居脇などでも沢山の傷痍軍人を見た。
阿倍野、天王寺、難波、大阪駅、梅田、京橋の各ターミナルでも見かけた。

電車や汽車の中でも良く見かけた・・・
旅から旅を掛けて全国を募金活動しながら幾つもの傷痍軍人集団が存在したのだろう。
子供心に不気味で怖かったことを思い出した。

昼下がりの銭湯で傷痍軍人の集団に出会った事もあった。
傷口がハムのように丸くピンク色をしていた・・・
負け戦で手足を失ったオジサン達はもの悲しげで僕達に初めて悲哀を教えてくれたのだ。
夏が来ると思い出は懐古モードに入り際限が無い。

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