Studioきのんち

作編曲家でOWLのキーボーディスト 木ノ下達也のブログ

【モニターは】ライブに於けるステレオ問題【モノラルなの】

2013-06-01 02:37:38 | 楽器、PC
Img_2022


新品ながらも内部結線が外れたまま届いたという、例のクラッシック・プロCSP10P
(当時の記事:http://blog.goo.ne.jp/kinosa-studio/d/20120707


本来OWLのストリートライブや野外イベント用に購入したものだけど、本日のKC.GEORGE & THE SHINE BANDのリハに鍵盤用モニターとして一台持ち出してみますた。


結果から言って…いいじゃない
十中八九のプレイヤーは”これでいいじゃん”になると思う


一台15,800円でこれだけ鳴ってくれりゃ文句も言えない
近いサイズで同じくパワードのYAMAHA MSR100やMSR200と比べれば半分以下のお値段でしっかり鳴る
とくにYAMAHAのSTAGE PASSシリーズで初期の頃のものは鳴らない子だった…


そんな訳で一流メーカーの一台分の値段で二台買えるのですから鍵盤弾きとしては是非二台揃えましょう
でも只でさえ機材の多いキーボーディスにとって二台運んで設置するということがどれほど大変か安易に想像がつく事でしょう
なので面倒い時は一台だけ持って行って自分のでLch、スタジオやライブハウスのモニターでRchとかに振り分けて聞くのがお勧め


間違っても一台にLR両方ぶっ込んではいけません


ピアノやストリングなどの音色でステレオサンプリングされているものは位相の関係で一つのスピーカーで鳴らすと思いっきり引っ込んで聞こえます。
アコピなどは音域の広い音色は鍵盤の場所によって音量が凸凹になってかなり辛い
どうしても一台しか鳴らせない状況下ではどちらか片chだけモニターするのが現代キーボード的にはベスト


基本的にPAとはモノラル信号の集合体なので、ステレオサンプリングが出回ってきた次期にモノラルモニターでは音色ごとのバランスが把握できず結構戸惑ったものです
ステレオピアノの音色からモノラルエレピの音色に切換えると”エレピ、でかっ!”てなります
でもステレオで聞いている客席側はそうではないのです


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実際今回のリハでは一台だけ持って行って図のように設置してみたのですが、近年稀にみる良モニター環境でした
荷物は増えてしまうけどやっぱり持ち歩くべきだなと痛感した次第であります


鍵盤奏者的にはこういった方法で解決したようにみえますが、実はステレオ問題というのはまだまだ残っているのです


それは他の演奏者のほとんどがモノラルでモニターしている、ということです


アコピのバラードなどで歌い手が気持ちいいバランスでモニターしていたのに、クールなエレピの曲になるとキーボードの音量が大きすぎる
PAに下げてもらうと今度は他の曲でアコピ音量が小さい…
でも表は変わってないのでPAは気づかない
あのPAはヘタだ…とかなってしまうんですねw
それを避けるにはPAが演奏者と同じくモノラルモニターでずっとチェックしてなければなりませんし、どの曲でどの音色を使うか把握しなければなりません
さすがにそれは現実的じゃない


はたまた、同じステージで他の演奏者に”あいつのピアノの音色は起たない、音作りがヘタなんだな…もう仕事を頼むのは止めよう…”となってもこれまた困ったもんですw


ハイエンドのステージではイヤモニでステレオモニターもあたりまえになってきましたが、まだまだ一般的なライブハウスなどはモノラルモニター環境がほとんど
ステレオサンプリングの音色は広がりもリアルさも段違いですからキーボーディスととしては是非とも使いたいところですが、実は客席以外の他の演奏者にはそれほど良くは聞こえていなのです


同じことは音源制作でも言えます
有線などでお店のモノラルスピーカーから聞こえてきた時、ステレオサンプリングのピアノがやけに小さい…等々
(勿論気のきくエンジニアさんはちゃんとモノラルでの聞こえ方も考慮されてますが)


実際、ステレオじゃないピアノ音色などほぼ皆無になってきました
どこかのメーカーさんで素晴らしいモノラルピアノ音色作ってくんないかなあ…
モノラルはステレオに対応できるけどステレオはモノラルに対応しきれないことが多々ある…というお話でした