月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

かしたけ

2021-05-18 18:33:20 | キノコ
この時期カンゾウタケの偵察にシイ林を訪れると、ベニタケの仲間に出くわすことがある。

ベニタケといえばふつう、夏のキノコでこの時期に見つかるのはおかしいんだけど、例外もいるらしい。たとえば、カシタケと呼ばれるキノコがそうだ。

カシタケ
春にシイやカシ林の地上に発生。カサ径3~8cm、饅頭形から平らに開き、表面は微粉状で湿っているときにはやや粘性がある。色は赤色、淡紫色など、変化が多い。ヒダは離生しやや密、白色から淡黄白色。柄は白色。

正直に言って、春に生える以外はもうどこにでもありそうなベニタケの特徴である。たとえばカシタケが何となく秋に出たら、もう区別がつかない。

それでなくともベニタケ類はキノコの専門家ですら避けて通るという分類の難しいキノコグループ。このキノコがカシタケだと証明できるかと言えば、それは無理そうだ。まあ春と言うには遅すぎるし、色もグレー系統、サイズもひと回り小さいから、違うとは思うけど、とりあえずカシタケだということにしておこう。


裏側。この時期によく見られるカラムラサキハツは肉に辛みがあり、柄に少し透明感がある点が異なる。