月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

酷暑の爪跡

2010-09-27 21:04:10 | 植物
ドライブしながらヒガンバナを探していると、どうやら咲いている場所に共通点があることを発見した。といっても話は簡単、日陰に咲いてる、っていうそれだけ。

木立の近くとか、傾斜のきつい土手とか、雑草で覆われた茂みの中からとか。うーん、気温が下がっても地温が下がらなければ咲き始めない、ということだろうか。それともこの夏の高温乾燥で花芽がダメージを受けてしまったか?前者だと信じたい。

今年の夏の高温乾燥は確かに異常のレベルに達していた。猛暑を超え、酷暑も超え、「激暑」とか「ひどすぎるっ暑」とか新たに言葉を作らねばならん領域であった。これはもちろん人間以外の全生物にも作用しているはず。確かに、そういう目で見てみると、たとえば植物には少なからぬ爪跡が見られ、痛々しい。

今日は近所の公園を散歩したのだが、ソメイヨシノは、まだ9月だというのに9割方、落葉してしまっていた。中には生きながらにしてヒイロタケに侵され、最期の狂い咲きを見せている木もあった。
トチノキもひどい。そもそも高温乾燥に弱いこの木を開放系の公園に植えること自体間違っているのだが、葉っぱはすべて日焼けして縮れてしまい、緑色もあせて、もはやトチノキに見えない状態になっていた。

イチョウも同様。すでに黄葉していて、梢の先には葉が見られない。
ケヤキは虫食いでズタボロ。
ハナミズキも葉の色がおかしい。
トウカエデは一見まともだが狂ったように種をつけているものを見つけた。

公園の植え込みはそれぞれが孤立しているので、自然林よりダメージが顕著になってしまうのだろう。菌類の援護が受けづらいことも関係があるかもしれない。被害は特に落葉広葉樹で大きい。来年以降が心配な状態だ。

この分なら自然林もただでは済まないかもしれない。日本海側の沿岸を中心にナラ枯れの進行が進んでいると聞くが、これで木が弱れば、被害域が広がってしまう危険性がある。キノコ好きとしては少々気がかりな話だけど……見守るよりほかはない。