キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

こんにちは、こぽんごちゃん

2008年03月25日 | 今日のキモノ

 すっかり春ですね。梅は満開、雪柳・辛夷・菜の花など春の花がいっせいに咲き始めています。ぽかぽか陽気の中、今日は久しぶりに普段着キモノのもめんで出かけてまいりました。
 
 今日の着物:紫縞片貝木綿(和裁教室で縫った)
 今日の帯:銘「春の小川」(ヤフオク、どこで買ったかは忘れた)
 今日の半衿:赤紫牡丹ハギレ(居内商店)
 今日の帯揚:桃白市松ハギレ(きもの・なかむら)
 今日の帯締:黒桃太い帯締(きむら)
 今日の足袋:青白カジュアル柄(まねきや)
 今日の下駄:畳表紫縞花緒(松屋バーゲン)

 出かけた先はキモノ仲間のぽんごちゃんち。里帰り出産から戻ってきたので、赤ちゃんにもはじめましてをしたくて。木綿の着物だから、お乳吐き戻しもおしっこも洗たらしまいやどんとこい!抱っこさせてもらう気まんまんです。

 桜並木を抜けていくとぽんごちゃんのうちがあります。ぽんごちゃん、変わらぬ笑顔で迎えてくれました。そして赤ちゃん「こぽんごちゃん」とおはつの対面です。おめめのくりっとしたべっぴんさん。さっそく抱っこさせてもらいました。
  
 ちっちゃくって、ふくふくしていて、ミルクのにおいがします。ああ赤ちゃんっていいなあ。
 
 まじまじとわたくしを見つめるこぽんごちゃん。知らないおばちゃんだー。はじめまして。わたくし葉です。よろしくねー。
 なーんか不安そうな顔をしているなあ。よしよし。よしよし。
 
 ママぽんごちゃんにおっぱいをもらってねんねする、こぽんごちゃん。ぽんごちゃんが、変わらぬぽんごちゃんのままお母さんになっている。そういうものなんだなあ。

 それにしても、こぽんごちゃん見れば見るほどぽんごちゃんご主人に似ています。そうわたくしが言うとぽんごちゃん「アルバム見てみてくださいー」と。アルバム?そこには、こぽんごちゃんの写真がたくさん貼ってある・・・と思いきやこれ、ご主人の赤ちゃん時代の写真ですって!・・・え?この顔、そのまんまこぽんごちゃんじゃないですか。似てるとかそういうレベルでないわ。まさにコピペ。くりっとしたお目目、ふさふさの髪。
 「わたしのおなかから出てきたのに、こうまでダンナそっくりなんて。DNAって不思議ですねえ」とぽんごちゃん。うん、不思議だ。りくつはわかっていてもやっぱり不思議だよねえ。
 
 あんよの指が長いのはぽんごちゃん似なんですって。
 そのほか、福耳なのはご主人のお母さま似かぽんごちゃんのお父さま似か。両親、その両親、そのまた両親・・連綿と引き継がれてきた流れを受けて今笑って泣いておっぱい飲んでいる新しいいのち。まぶしいなあ。
 
 窓の外は咲き染めた桜、腕の中には新しいいのち。ものみな目覚める春です。わくわくするような、くすぐったいような、どこか切ない、でもうれしい。ぽんごちゃん、こぽんごちゃん、どうもありがとう。

 長いこと抱っこさせてもらっていたので、うちに帰ってからも着物の胸や腕にはしばらく赤ちゃんの甘い香りがとどまっていました。くんかくんかしてしばし仕合わせな気分でいた今日でした。


ひと呼んで雪輪のお葉、とか。

2008年03月22日 | 今日のキモノ

 次の日には職場の創立30周年記念パーティーがありました。これまたセミフォーマルな席。ふつか続けて白衿白足袋ででかけるなんぞ、たいへん珍しいことです。
 仕事関係の席だから柔らかものでしなしなと出かけるよりも紬でしゃっきりさせた方がいいかなと思い、お気に入りの雪輪大島で出かけることにしました。訪問着だし。こういうパーティーにはちょうどいい。

 この雪輪大島。前に着たときには雪輪の帯を合わせて、合うことは合うけどなーんか玄人風になってしまったのでした。姐、とか言われそうな。だからこんどはもうちょっとソフトに行きたい。季節だし、桜を合わせましょうか。
   
 今日の着物:雪輪大島訪問着(和裁教室で自分で縫った)
 今日の帯:桜綾笠昼夜帯(きものなかむら)
 今日の半衿:塩瀬の白(うちにあった)
 今日の帯揚:朱鷺色縮緬帯揚(むかし母に買ってもらった)
 今日の帯締:青橙雪輪(ヤフオク)
 今日の足袋:杵屋白足袋(広島の杵屋)
 今日の草履:雪輪花緒草履(ヤフオク)
 今日のバッグ:銘「さくらもち」(島工房)
 今日の髪飾:夜会巻パールコーム(楽天リトルムーン)

 どうでしょ。桜吹雪、という感じでよござんしょ。
 ・・とわたくしは思っていたのですが、会場に着くなり同僚に「どこの姐さんかと思いました」と、言われてしまいました~~。そうかなあ。

 宴は粛々と進み、来賓の長いスピーチのあとフルコースのフレンチをいただいて終了。「お花はご自由にお持ちください」と言われたので、喜んで薔薇の花を集めました。そうやって花を抱えていましたら、
 「その花を投げて武器にする、みたいに見えます。薔薇手裏剣ていうか」
 ・・なーんて言われてしまいましたよう。そんな風に見える?
 
 (せめて演歌歌手の引退とか言ってほしかった・・)

 帯を替えてもやっぱりこの着物を着るとそーいう風に見えるのでしょうか。それならばもう開き直ってそのつもりで着ることにします。

 そうだ。仮装パーティーとかあったら、この着物着よう。ほんで、肩から背中にかけてタトゥーシール貼るの。桜吹雪か緋牡丹か、華やかなやつ。で、ころあいを見はからってばっと片肌脱いでみせるのさ。もちろん胸にはきっちりサラシを巻いておかねばな。

 「ひと呼んで、雪輪のお葉。以後お見知りおきを」・・なーんて、モーソーしつつ、花束かついで家路をたどったことでありました。ふふ、ないかな仮装パーティー。
 


お直ししてみました&どの帯かな?

2008年03月20日 | キモノとわたくし

 丈はまぁまぁあるけれど裄と身幅が足りなかった着物。柄行きも気に入っているし、思い切って「お直し」に出してみました。薄汚れてもいたので、解き洗い張り&仕立て直し。仕立てあがってきたものを着てみましたよ!
 
     お直し前                     お直し後

 どうでしょ、着た感じでは前よりずいぶんゆったりしたのですけど、見た目はそれほどではないかな?裄はだいぶ変わりましたよね。また、洗い張りのおかげで生地がとてもしなやかに軽くなりました。

 この付け下げは蕨とたんぽぽの模様。早春限定っていうのが贅沢でいいでしょ。
 求めたのは確かヤフオク『古布・骨董・北條』5000円くらいでした。お直しはやっぱりヤフオクの『和裁工房まゆ』で、年末の「お仕立て10000円セール」でお願いしたのです。それプラス洗い張り8400円。胴裏と八掛が傷んでいたので、胴裏は『まゆ』さんにお願いして3650円、八掛は手元にあった他の着物の解きを使いました。
 求めたお値段よりもお直しの値段の方が高い。でも、こうやってお手入れをして自分サイズにしたことで、この着物がいっそう好きになりました。これからも春が来たと思うと身にまとうお気に入りの一枚になりそうです。

 アンティークのキモノは正式な場所にはちょっと気がひけることもありますが、きっちり洗ってサイズも自分のものになったこの着物、もうどこにでも着ていける。というわけで、ちょうどセミフォーマルなパーティーがあるのでさっそく着て出かけることにしました。
 さて、帯をどうしよう。いろいろ乗せてみます。

 季節ものということで桜の帯をいろいろと。この地色に黒い帯はなかなか合う。右から2番目は黒と白い部分のバランスがちょうどいい。でも、この組み合わせはアンティークコテコテな感じでちょっとセミフォーマルな場には合わないかも。3番目刺繍の帯も。
 華やかな感じにするなら、着物の模様の色から朱色に合わせた帯を。桜の散った4番目の帯もまぁいいが、ちょっと地味になるかな。お祝いパーティーという趣旨から言えば、季節は関係ないけど金糸銀糸の入った5番目か。

 というわけで、冒頭のコーディネイトに決めたわけです。
  
 帯周りはこんな感じ。やっぱり桜の花は欲しいので、竹蔵龍さんの『宵の桜』帯留めを。これいっこでずいぶん華やかに。小物って楽しいですねー。

 たんぽぽ蕨、そして桜。ことほぎの金扇銀扇。お宝キモノで心も軽く、勇躍パーティーに出かけたことでありました。


今年2度目の『きむら』withぶるちゃん

2008年03月14日 | 今日のキモノ

 年の初めに『きむら』で求めた細雪着物。裄直しを頼んでいたのが仕上がったと連絡があったので、受け取りに行ってまいりました。ぶるちゃんもいっしょです。

 今日の着物:銘:壇ノ浦(きむら)
 今日の帯:草色草紙柄名古屋帯(ヤフオク・カヨイコマチ)
 今日の羽織:アールヌーヴォー羽織(江口屋)
 今日の半衿:卵色草花ハギレ(大須骨董市)
 今日の帯揚げ:卵色草花ハギレ(大須骨董市)
 今日の帯締め:ピンク緑ぶっとい帯締(大須骨董市)
 今日の足袋:草色古典柄(まねきや)
 今日の下駄:酒袋台すうちゃんお見立て花緒(松屋バーゲン)

 着物『壇ノ浦』はきむらで求めたのですが、まだ着ているところをおばちゃんに見てもらっていなかったなーと選びました。あとはそれに合うものを、とずるずる。帯の柄に桜があるのがせめても季節でこだわり。

 
  ぶるちゃんは抑えた華やぎの感じられる装い。紫のグラデーションが艶っぽいです。好み! 
 まずは『カフェの女王』ぶるちゃんセレクトのオーガニックカフェでランチです。かわいらしい若い女性がひとりできりもりしていました。おともだちの家でご馳走になっているような気持ちがほっとする料理の数々。このあと、デザートに苺のムースとタンポポ珈琲もいただきました。
 
 このカフェKATARON。外観はこんな感じ。

 さて、おなかを満たして一路『きむら』へ。
 ぶるちゃんが連絡してくれてて、常連さんのオオイワさんもおみえでした。いろいろしゃべり。そういえば、ゆっくりおしゃべりするのははじめてかも。いつも大人数でワイワイですもの。それも楽しいけどこういうまったり時間もいいものですわね。
 
 しかしそこは『きむら』です。まったりもそこそこにキモノに目が。お直しあがった『細雪』を確認し、もうほとんど心が決まっている『宮古ちゃん』への愛を確かめ。

 それから、最近気になり始めている『結城』。素材感のもつ官能もわたくしの心を捉えはじめましたの。今年の秋には身に纏いたい。でも、結城はお高い。我がものにするならば、あの宮古ちゃん並にわたくしを惚れさせるものと出逢わなければ。
 というわけでおばちゃんに「結城を見たいの」と言いますと、出るわ出るわ惜しげもなく普通のものいいもの珍しいもの‥と見せてくれます。片っ端から広げて纏ってたたんで‥軽くて暖かくしなやかな結城の感触が掌に魂に染みこんでいきます。

 そして、もひとつ今たちまち欲しくなっているもの、長襦袢。「うそつき」の便利も捨てがたいけれど、着物の下にもういちまい美しいものがあるという贅沢が最近欲しくなりましたの。こないだのすうちゃんの「ちらり」にもだいぶクラクラ来ましたし。
 これは結城よりもだいぶ楽な気持ちで、おばちゃんの箪笥を漁ります、長襦袢だから、思い切ってド派手なものが着たいわ。って、表にもいいかげんド派手を着ているわたくしですが。

 
 漁ってしゃべって半日。戦利品です。
 左端。葉柄のショールです。わが名ゆえ惹かれる葉柄、角度によって色を変えるべろあの葉っぱが素敵。
 右上が『ハデハデ長襦袢』‥細雪着物の袖丈72センチにぴったりのお袖。こんな長い袖の着物は他にないから、細雪専門長襦袢になるかしら。あぁ贅沢。
 ぶっとい帯締め2本。アンティークな装いには欠かせないぶっとい帯締め。左のドピンク鱗は『座敷牢コーデ』にも活躍してくれそう。
 右真ん中の抹茶色が『細雪着物』。これを着てみんなでお花見に行くんだー。楽しみだー。
 右下の黄緑花柄と紫、これも長襦袢。黄緑部分がモスの身頃、紫がお袖と裾になっています。昔モノによくある継いである長襦袢。「ちらり」のときは紫だけをお見せすることになりますね。

 これだけ買っても諭吉くらい(細雪着物別)。古着って・・いいものですねっ。
 ぶるちゃんは、静かにシックはんなりの染め刺繍帯をお買い上げでした。これも細雪オフ用だよね。お嬢しようねえ。

 綺麗なものをいっぱい見て触って、心が満ち満ちになりました。ぶるちゃん、おつきあいいただいてありがとうねえ。今度『きむら』行くときは、きっとあの宮古ちゃんを連れ帰るときです。またおつきあいくださいね。そして結城。そして、あのアレ・・。

 ああ。『キヨミズダイブ』。だんだん高いところから飛ぶようになってきているような気がして恐いんですけど。でも・・・いいものはいいねえ(魔の言葉)。だってさ、『きむら』ですもの。呉服屋さんで新品を買うのに比べたらマルがいっこ少ないもんっ(魔の言葉2)。


吟味喰らぶで鮟鱇を喰らふ!

2008年03月12日 | 今日のキモノ

 日曜日はいつもの加寿也『吟味喰らぶ』、お題は鮟鱇。去年の3月に求めた鮟鱇型のポシェットはこの日のために求めたと言っても過言ではないな、しめしめ~と思いつつくりだしました。今日もご一緒してくれたmayさんと、富山から来てくれたゆっこさんとともに。

 今日の着物:紫市松お召し(ヤフオク時代着物)
 今日の帯:牡丹紋昼夜帯(ヤフオク時代着物)
 今日の半襟:灰紫花柄(chieさんよりいただく)
 今日の帯揚:ピンク白市松ハギレ(カヨイコマチ)
 今日の帯締:マルチカラー三分(きむら)
 今日の足袋:黒古典柄(まねきや)
 今日の下駄:赤い鼻緒のじょじょ(松屋バーゲン)
 今日のバッグ:赤色アンコウポシェット(Me-YOU)
 今日の根付:唐草ちびがまぐち(島工房)
 今日の簪:魚柄七宝(ちゃいず)

 mayさんの帯と羽織はお義母さまからのいただきものだとか。着物はつるっとした感触の、お召し?八反?みたいな感じ。そして帯は『すうざんや』。スモーキーなピンクが春らしくって素敵です。柄の桜もちょうど季節先取りでいいねえ。キモノが楽しい季節です。

 
 とか言いつつ花よりダンゴっつーか酒っつーか‥。今日のために参加の皆さんが持ち寄ったお酒を見て、思わず笑みがこぼれるわたくし。オットとわたくしが持ち込んだのは右から2本目の『英君 爆発にごり』。瓶内で発酵が続いて、とても元気にシュワシュワしているらしい。濁り酒の濃厚な味わいとシュワシュワのキレが、アンキモこってりにマッチすると思って選択いたしました。
 同じように考えるひとはいるもので、もう2本「爆発物」なお酒が。いずれも浜松のお酒屋・丸味屋酒店さんから前の日に直送してもらいました。当日持ってきたりしたら、輸送の揺れで開けたとたんブシューーー!!と噴出してなくなってしまいますもの。

 さてその『爆発にごり』で乾杯(板さんが流しで開けてくれましたが、やっぱり多少ブシューッといったみたい)、鮟鱇フルコースのはじまりはじまり!
 
 トップは板さん謹製のジーマミ豆腐でさっぱりと始まり、まずはアンキモポン酢。濃厚な味わいをポン酢が引き締めて。
 そして序盤のエース、生アンキモ照り焼き!表面はカリッと香ばしく、中はふわとろっと味わい深く。特製照り焼きのタレを合わせると涙モノです~。濁りシュワシュワ酒とのマリアージュ最高。


 そして、レアもの鮟鱇お刺身。お刺身と生アンキモ照り焼きは、活けの鮟鱇が手に入った時しか作れないとかでラッキーでした。
 アンコウのお刺身、淡白だけど滋味の感じられる味わい。アンキモ裏ごしを混ぜたタレでいただくと、全身が幸せで満ちあふれます。このあたりでは、すっきりした吟醸のお酒を何種かいただきました。而今純米吟醸無濾過生千本錦とか、緑の英君とか。ああしやわせ。

     
 しやわせをかみしめつつ、燗をつけるわたくし。爆発系の濁りって、ぬるく燗をつけても美味しいんです、味が広がって。
 
 と、まったりしているところに凶暴に美味しいものが!
 アンコウのお刺身、それを昆布〆にした上にアンキモがのっかったお寿司ですう~。もぉダメですあたくし・・。このまま永遠にこのお寿司を食べ続けていたい。でも、ひとり2貫しかないの。うう、焦れ焦れします。
 そこに爽やかにからっと揚がったアンコウ唐揚げで心を落ち着けて。
    ラストの鮟鱇鍋!特製鍋出汁はアンキモ入り。ここに野菜と、アンコウのすべてが投入されます。身はぷりぷりと歯ざわり良く、皮はねっとりコラーゲン。美容によろしな。内臓もそれぞれんまいー。はふはふ。このあたりでは、しっかりした純米をいただきました。『松の寿』の純米とちぎ14とか。
 お鍋をさらえてしまったら、すべての味が染み出した出汁で〆のきしめん。いやーん、降参。食べるだけ食べておなかいっぱいのはずなのに、おかわりせずにはいられない‥。
 余韻を味わいつつ、名残惜しい気持ちでアイスクリーム(10年味醂がけ)をいただき、今回の『吟味喰らぶ』が終ってしまったのでした‥。

 隣のテーブルでは、初めてこのお店に来たという男性が感激の言葉を繰り返しておられます。料理も酒も、こんなに美味しいものをいただいたのは初めてだ!って。富山から来た友人ゆっこさんも大満足してくれました。舌の肥えた北陸人をもうならせる味。えっへん。と、自分の手柄でもないのに胸を張ってしまいます。

 こんどの吟味喰らぶはいつだろう?お題は何かしら。
 鮟鱇にヤラレタばっかりなのに、早くも次が気になる欲どしいわたくし。何であってもまた食べたい!と強く思っているのでした。板さん、よろしくね!
 これお読みの皆様も、よろしかったらご一緒しませんこと?きっと感動なさいますわ。

 翌日体重計に乗ってショックを受けたとかは、また別のお話です・・・

*すべての写真はオット054が撮りました。いつもおつかれさまー。


浮世絵名品展へ

2008年03月06日 | 今日のキモノ

 土曜日に遊んできたばっかりなのに、火曜日にもまたキモノ着て遊びに行きました。なんとまあ遊んでばっかりだ!

 今日の着物:紫めくら縞縮緬(ヤフオク花小袖)
 今日の帯:牡丹紋昼夜帯(ヤフオク時代着物)
 今日の半襟:臙脂牡丹木綿ハギレ(居内商店)
 今日の帯揚:ピンク市松ハギレ(きもの なかむら)
 今日の帯締:緑桃ぶっとい帯締(大須骨董市)
 今日のコート:大輪牡丹道中着(ヤフオク☆ちどり☆)
 今日の髪飾:シェル薔薇バレッタ(ドイツ蚤の市)
 今日の足袋:薄紫雪兎(まねきや)
 今日の草履:畳表縞花緒(松や去年のバーゲン)

 今日の帯、これを前回の犬山行きのときのピンク渦巻き小紋に合わせて『座敷牢』したかったのですが‥合う半襟がなくて断念したのでした。いつかまたやる座敷牢。

 さて、出かけた先は金山のボストン美術館。『浮世絵名品展』が開催されているのです。
 ご一緒してくれたのはすうざんさんとおーこさん。
 
 
 すうちゃんとは年の初めの『きむら』以来、おーこさんとは12月のクリマ以来。しばらくぶりです。ネットでお互い消息を知り合ってはいるけれど、じかに逢うとやっぱりなんとも言えず嬉しい。l着姿もいちだんと艶やかで、知らずと笑みがこぼれます。

 浮世絵展、平日だというのにけっこうな人混み。3人それぞればらばらに見て回ることになりました。
 作品保護のため薄暗い展示室に入っていくと、まずは浮世絵初期の作品から。はじめは墨一色、やがて少しずつ色が加わってきます。歌舞伎役者の絵や芝居の場面などが多く描かれていました。
 なるほどねー‥と眺めていく中ではっと目を引く絵が。それは、若妻らしき女性が強い風の中で洗濯物を干している図。作者は鈴木晴信。強風に舞い上がる袂、髪の乱れを気にしながら洗濯物を飛ばすまいと棒で竿を押さえる若い女性。絵の中に生活が見えます。‥こういうのが、わたくし好きなんです。

 浮世絵といえば役者や遊女のブロマイド的に用いられたという印象が強く、衣装の華麗さなどにずっと目を奪われてきましたが、こんなふうに生き生きした躍動をつたえるものでもあったのですね。
 そう思いつつ見ていくと、以降の展示でもそのような絵がたくさんありました。みんなで揃って柿もぎをしている絵(喜多川歌麿)では、描かれている人物ひとりひとりの性格までも伝わってきそうな感じ。そのほか、お花見や舟遊びや。絵から声が聞こえてきそうです。

 また、こんな風にたくさんの作家を並べてみると、個性の違いも際立ちますね。歌麿はとにかく「艶」。写楽は「変」‥美しく描かないといけなかったに違いない役者絵ですら、なんとも個性的に描いちゃってる。そして北斎は「凄」‥なんか、そこだけ存在感がくっきりと際立っているような。桔梗に蜻蛉がとまろうとしている、その羽根の震えまでも描きこまれているようです。

 
 すっかり堪能して、感想を言い合いながらミュージアムショップでお買い物して、外で写真撮影。「すうちゃん、長襦袢見せてえ」「いいわよ」ちらり。
 
 わたくしは今日は「うそつき」なのでちらりえんりょ。
 
 おやくそくの足元写真の後は‥
 
 『フカひれ』いただいてお肌とぅるとぅるになりましょう~♪
 芸術堪能するとおなかすくわねえ。食べる喋ると口が忙しい。
 このあとおーこさんは蜻蛉玉を見に。すうちゃんとわたくしはコスメを見にとそれぞれ別れ、さらにお喋りしつつそぞろ歩いたのでした。

 
 この『ボストン美術館浮世絵名品展』は4月6日まで名古屋で開催されています。そしてこのあと新潟・福岡・東京とまわるのだそう。みなさま、お近くで開催される折にはぜひごらんになって。とても見ごたえのある展示で、わたくしできたらもう一度行きたいなあ。
 また、名古屋では今、市立美術館で『北斎展』もやっているのです。「凄」の北斎、もっと見てみたい。これは必ず行くと心に決めています。きっとまた、キモノ着て行きますわ。


3月1日大阪&神戸 その2 キモラク!

2008年03月03日 | キモノイベント

  さぁ、いよいよ時間です。会場のお店、四季自然喰処たちばな ヒルトンプラザ イースト店の前に移動すると、キモノが三々五々集まってきました。おぉ華やかだ。訪問着あり、紬あり。男性のキモノ姿も。
 
 
 50人ほど収容の宴会場が会場。その一角のテーブルを高座にして、さっそく林家染左さんの落語が始まります。
「こんなに最前列のお客さんが近い高座は初めてです」と言いつつ、臨場感あふれる熱演。演目は『崇徳院』。ロマンチックで可笑しくて、うん、やっぱり生の落語は良いねえ。
 
 染左さん、微妙な表情が素敵です。

  
 噺が終ると歓談タイム。お向かいにはmayさん、そして同じテーブルには着付けの先生たちがいらしていました。わたくしどもとは一味違う、正統派の着付け。お着物談義に花が咲きます。
 あ、わたくしの隣席が空いているのは、オットただいまお仕事中のため。カメラマンを仰せつかって、あちらのテーブルこちらのテーブルと写真撮って回っているのです。いつもすまないねえ。

 
 ひとしきりお食事をいただくと、染左さんがテーブルを回ってきてくださいました。記念撮影。うれしいなあ。

 
 さらにサービス満点なことに、踊りまでご披露いただきました。さっきは一番後ろだったけど、今度は目の前で。迫力です。「寄席の踊りなので、畳半畳あったら踊れます。蹴らないから大丈夫」と言われ、くつろいで眺めておりました。

 その後はまたしばし歓談。前からお名前だけは知っていた「ききさん」とお話することが出来ました。ききさんはご主人とともに逆瀬川寄席を主催していらっしゃる方。逆瀬川寄席は、わたくしがスタッフ参加している金沢の『き楽寄席』同様、小つる師匠出演の寄席。いずれそちらの寄席にも寄らせてくださいね~金沢にも来てね~とご挨拶。
 
 ききさんとはキモノつながり落語つながり、そして酒つながりもあるみたい。こんどゆっくりずっぱり呑みましょう。

 愉しい時間はあっという間に終る。染左さんの音頭で『大阪締め』をして、宴はお開きになりました。
 
 主催の桃葉さんをmayさんとはさんで。桃葉さん、八面六臂の大活躍でしたね。おかげで愉しい会でした。どうもありがとうございました。
 桃葉さんの帯は、ぼろぼろになっていた帯から刺繍だけを切り取って、新しい帯に再生したもの。昔の精巧な手仕事が甦っています。素晴らしい‥と、こんな話ももっとしたかったですね!またよろしくお願いいたします。
 そういえば、この写真に一緒に映りこんでいる振袖のお嬢さんと錦紗縮緬の訪問着のお嬢さん。コテコテアンティークが目を惹いて、お話してみたかったけど機会がありませんでした。また会えたらどうぞよろしくです。

 生の落語にたっぷりのキモノ。とても濃い時間をすごすことができました。主催の桃葉さんとスタッフの皆様にもう一度お礼を。ありがとうございました。

 キモノで落語。快楽の自乗、癖になりそうです‥わたくしはすでに。
 5月31日(土)には、金沢へ小つる師匠の『き楽寄席』に参ります。キモラクなみなさまも、いかがですか?詳細はこちらです→


 朝から晩まで、たっぷり愉しんだ3月1日でした。おつきあいいただいたmayさんありがとう。
  
 一日中重いカメラを持ち歩き、最後まで写真撮ってくれたオットにも感謝~。


3月1日神戸&大阪 その1 おでかけ着物とモスリン

2008年03月03日 | 今日のキモノ

 昨日3月1日は桃葉さんからお誘いいただいた『キモラク 着物で落語』@大阪。んで、せっかく遠出するのだからついでに前から気になっていた神戸ファッション美術館の『大正・昭和のおでかけ着物』も見に行っちゃおうとmayさんと話がまとまり、欲張りなお出かけをして参りました。
 
 『キモラク』は桃葉さんたちが主催なさる初めての落語会。ブログを拝見したところ、みなさんお洒落していらっしゃりそうな雰囲気。振袖でみえる方もおいでるとかで、わたくしも気合いが入ります。加えて美術館ではきっと素敵なアンティークが見られるはず。よし!わたくしもコテコテで行くわ!
  
    
  
 今日の着物:金茶色錦紗縮緬四季花訪問着(ヤフオク時代着物)
 今日の帯:練色春の花刺繍名古屋(きむら)
 今日の半衿:オレンジ花刺繍(きむら)
 今日の帯揚:桃色桜花ハギレ(大須骨董市)
 今日の帯締:オレンジ四分紐(祖母のもの)
 今日の帯留:シェル・アクア(竹蔵龍さん)
 今日のコート:紫錦紗縮緬大花柄(ヤフオクkimonosarasa)
 今日の足袋:ピンク古典柄(まねきや)
 今日の草履:パール刺繍花緒(松屋バーゲン)
 今日の簪:縮緬桃(自分で作った)
 今日の長襦袢:紫葡萄葉錦紗縮緬小紋(きむら)

 今日の着物はずいぶん前にヤフオクで見つけ、一目で惚れこんでかなりがんばって落札したものなのですが、どうも合わせる帯が見つからなくってずーっと着られなかったのです。コーデ名人のすうざんさんに相談して「コテコテにはコテコテよっ」というアドバイスをもらい、コテコテ帯を探していましたところ年の初めに『きむら』でこってり刺繍の帯を見つけ。合わせてみたら、なるほど~合うぢゃん。うれしいなっ。

 でもひとつ困ったことが。この着物、袖が63センチと長く、合う長襦袢がなくて‥替袖を作っている時間がなかったので苦肉の策、同じ袖丈の小紋を下に来て長襦袢にしました。衿は半衿を付け衿に縫い付けて、留めてあります。裾はおはしょりして。ちょうど補正にもなって良かったかも。
 着萎えてくたっとなった錦紗縮緬、長襦袢として着ると肌に馴れてとても気持ちよかった。近いうちちゃんと仕立て直そうと思いました。

 わたくしのコテコテに対して、mayさんはすっきりと爽やかな装い。クローバーの帯留はオーダー品ですって。mayさんらしく上品でユニーク。さすがです。

 さて、まずは神戸ファッション美術館。『華やぐこころ 大正・昭和のおでかけ着物』。
 展示室を入ると、まずはナポレオンが戴冠式に着た真っ赤なローブが目を引きます。中世から現代に至るいろんなファッションが展示されているのを辿っていくと、最後の方に今回の特別展示がありました。
 『晴れの日に装う』『「よそゆき」の御召』『銘仙でちょっとおでかけ』『華やぐこころ…染帯』各コーナーに、トルソーに着付けた昔キモノが展示してあります。大胆な色、柄。やっぱりいいなあ。

 「素敵ねえ」「これ、欲しいわぁ」言い合いながら見て行きます。赤・黒・梔子色の大きな市松に桜の花が散っている縮緬や、アールヌーボー風のタンポポが大きく描いてある昼夜帯などほんと、素敵。でも、そんなびっくりするほどではないなあ。

 洒落た染帯がたくさん展示してあって見とれます。が、「これって‥すうちゃんこういうの締めてたような気がするわ」「確かに。これすうざんさんに見てもらって、骨董市で見つけてって言ったら見つけてきてくれそう」
 華やかな錦紗縮緬も「この羽織って、縫さんがこないだ着ていたのによく似ているわね」「こっちの着物はきママっぽい」
 面白くはありましたが、珍しくはない。もっとどっひゃーというような、意表をついたものがあるかなと思ったんですが。

 わたくしども、けっこう普通にアンティーク着てますからねえ。箪笥にはそれなりに自慢のアンティークキモノがございます。今日のわたくしの装いだって、この展示にやわか劣るべき。

 かなり期待して出かけてきたため、正直少々もの足りない気持ちを抱きつつロビーのポスターを見ていましたら。気になる展示をしているところがありました。

   
 モスリン。いつも脇役的扱いで、これだけ取り上げて見たことはなくて。
 「どうする?」「どうしよう」
 『大阪暮らしの今昔館』、落語会の会場からそう遠くはないみたい。でも、そんなに時間がたくさんあるわけではないし、ふたりとも大阪不案内だし‥。

 迷いつついったんJR住吉駅に戻りましたら2時半過ぎ。落語会は5時集合時間厳守。どうする?どうする?
 「えーい、行っちゃえ!」
 もう一度場所を確認して行き方を確かめ、大阪駅から地下鉄に移動して、2つ目、天神橋六丁目で降りたら。あらま、駅直結ですぐあるのですね『大阪暮らしの今昔館』。

 「うちらすごいじゃん」「余裕よね」
 お互いを讃え合いつつ、モスリンの展示を見ます。
 モスリン。主にウールの、薄手の平織り。明治から昭和にかけて長襦袢や子供の着物に利用されていましたが、普段着ゆえ残りにくく、今まで紹介されることがあまりなかったそう。骨董市でも見かけることは見かけますが、たいてい虫が喰っているのであんまり求めることもありませんでした。

 けれど、こうやって綺麗に残っているものを見ると、化学染料ゆえのビビッドな発色や普段使いゆえの大胆なデザイン。B級モノの楽しさがあふれています。
 もちろん中には精緻な型染めの高級品もあるのですが、心惹かれるのはどうも、どこか『変』なものなのは‥わたくしの育ちがよろしくないせいでございましょうか。目に刺さるような真緑の枇杷の花模様とか、若冲を思わせるような雄鶏がでっかく描いてある長襦袢など、真剣に「欲しい」と思いました。

 小ぢんまりした展示ゆえ、丁寧に見て回ってもまだ時間には余裕が。こころ穏やかに会場のあるヒルトン大阪イーストプラザに入り、同じフロアのバーで先にいっぱいやっちゃってるわたくしどもでありました。
 

 さあ、このあといよいよ「キモラク 着物で落語」の会です。