キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

栗栖の夏は『居酒屋みっちゃん』

2008年07月23日 | 今日のキモノ

  毎日暑い日が続きます。その猛暑の中、犬山は栗栖のみっちゃんちに行って来ました。お仕事がらみでなくみっちゃんのところに行くのは初めて。
 
 今日の着物:アカイロ流水夏お召し(ヤフオク時代着物で購入、和裁教室で自分サイズに直した)
 今日の帯:熱帯魚刺繍路(ヤフオク)
 今日の半襟:緑流水紗(きむらで買った着物にビリーが来たので解いた)
 今日の帯揚:水色紫花絽(きむらで買ったハギレ)
 今日の帯締:黒に赤線三分紐(ふちこまさん)
 今日の帯留:白蛇戦国玉(ふちこまさん作)
 今日の簪:胡蝶(竹蔵龍)
 今日の足袋:白麻足袋(まねきや)
 今日の下駄:葉模様台緑花緒(松屋)

 今日のコーデについてはいろいろと語りたいことが。
 まず着物ですが、これは去年のクリマに着ていったもの。ただし去年はお直し前だったので袖が長く身幅が狭いまま着ていました。これでは着にくいので和裁教室に持ち込みましたところ、実はこの着物『大四つ身』…12~3歳の少女の着物、だとのこと。どおりで衿が長かった。
 それで、袖を切って身幅を出すだけでなく衿付けも変えて、本裁ちの自分サイズに直したのです。これですっかり着やすくなりました。そして、そんなことがしてしまえるキモノの力をあらためて感じたことでありました。 

 そして、帯。去年の7月に初めて締めたところ、幅が狭くてなんかヘンだった…という話を9月にみっちゃんにしたところ、「こうしたらいい!」と教えてもらった、その結び方をやっと試してみたところです。
 
 なるほど、幅の狭さカバー。粋な感じですわね。…ちゃんとこういう変わり結びに見えるよね、お直しオバサンにつかまったりしないよね、とちょっと怖れつつのお出かけなのでした。教えてくれたみっちゃんに見てもらおう。


 仕立て直しあがりの着物に初めて締める変わり結びで、勇躍乗り込んだ犬山。トモさんも一緒です。
 
 トモさんは爽やか色の麻縮みに『きむら』で求めた帯。涼しげです。

 栗栖のみっちゃんち。いつもは美容院の方だけど、今日はおうち。みっちゃんと、娘ちゃんのれいたまちゃん、そして「はじめまして」の赤ちゃん、うり坊くん。
 
 うり坊くんはまだみっちゃんの一部みたいにいつもくっついてるし、まだまだ甘えたい盛りのれいたまちゃんもやっぱりくっついてるし。かわいいなあ。でも、お母さんはたいへんだなあ。
 「まぁたいへんって言っても自分の子だでねえ。たかが知れたたいへんだわ。どおってことないよ!!」
 相変わらずパワフルなみっちゃんであります。
 
 そして、テーブルの上にはぴかぴかの夏野菜。
 
 「これ、ぜんぶウチで採れた野菜よー!今日はウチの野菜ばっかり食べてもらうからねー」
 おお、すばらしい。
 「あ、キューリがないがね。畑にキューリ採りに行こう!」
 路地を挟んですぐのみっちゃんち畑。おじいちゃんおばあちゃんの丹精で、大いに茂っています。トマトやナスが鈴なり、そしてキューリもあっちにこっちに「まぁご立派」なのがぶらんぶらん。
 「採ってすぐ食べるって、いいでしょう。切るからね、持ってて!」
 掴んだキューリはとげとげが手に刺さって痛いくらい。キッチン鋏で蔓から切り離すと、清々しい青い香りがぱあっと立ちます。わあ、ステキ。これぞ『キューリ切って感動』(違)。
  
  キューリ弄ぶ人妻ふたり。

 みっちゃん、うり坊くんとれいたまちゃんをまとわせながら、そしておしゃべりもいっぱいしながら、次から次へと料理を出してくれました。ところてんに始まって、キューリの塩もみ・冷やしトマト・かぼちゃのスープ・ナスの塩もみ・ピーマンの生姜いため・そしてメインのタコライス!
 
 どの料理も、野菜の味が濃くってとっても美味しい!それにつけてもみっちゃんの手際のよさには感嘆。居酒屋みっちゃんですねえ(わたくし、お酒もいただいちゃいました)。

 そして、まだデザートが。
 じゃーん!!登場したのは懐かしいカキ氷器。
 
 これと全くおんなじ器械がウチにもあったわ!一気に漂う昭和のかほり。そして、ノスタルジイ。子供の頃、先を争ってぐるぐる回したよね!カキ氷、好きでした~。
 高速回転するみっちゃんの手。期待に満ちて見つめるわたくしたち。
 
 「いっただっきま~~す♪」

 みっちゃん特製抹茶シロップと練乳がけのカキ氷。しっかりと抹茶の味と香りがして、上品な淑女のデザートでした。…とは言え、必死でぐるぐるして大はしゃぎで食べてるわたくしたち。結局2杯ずついただいちゃいました。

 美味しいお料理ばかりでなく、おかみのほかに若いコたちがおもてなししてくれる『居酒屋みっちゃん』。
 
 れいたまちゃんとうり坊くん。そっくりきょうだいです。
 初めのうちはふたりともみっちゃんにぴったりくっついていましたが、だんだんうちとけてくれて嬉しかった。れいたまちゃんは「あのね、あのね…」といっぱいおしゃべりするし、うり坊くんはだっこさせてくれたし。ちいさいこはいいなあ。新品のいのちはまぶしいなあ。

 
 だいまんぞく、のトモさんとわたくし。

 大いに楽しんでいるうちにあっという間に時間は経ちました。自家製夏野菜をお土産に頂き、いっぱい喋って笑った楽しい気持ちで帰途に着いたことでした。
 みっちゃん、美味しい料理と楽しい時間をどうもありがとうー。冬野菜の居酒屋みっちゃんにも期待してますー。今度は酒下げていくねえ。 


ももおふ・・・11人いる!

2008年07月06日 | キモノイベント
 近所にあるカフェ『カフェ・スウィート』には季節限定で桃デザートが出ます。今年もまた、桃のシーズンが到来いたしました。さっそくももおふでございます。
 
 今日の着物:黒地に雪輪水玉夏お召し(ぽんごちゃんよりいただく)
 今日の帯:雪結晶名古屋帯(ぽんごちゃんよりいただく)
 今日の半衿:蜘蛛の巣刺繍絽(自分で刺繍した)
 今日の帯揚:白黒鱗縦絽(きむらのハギレ)
 今日の帯締:黒に赤三分紐(ふちこまさん)
 今日の帯留:蛇戦国玉(ふちこまさん作)
 今日の簪:縮緬の桃(自分で作った)
 今日の足袋:白麻足袋(まねきや)
 今日の草履:パナマ台青花緒(ヤフオク台に松屋で花緒)

 この着物と帯は先日ぽんごちゃん宅に伺ったときにいただいたもの。今日はぽんごちゃんも来るので、さっそく着てみてもらうつもり。先日大阪に行った折に着ていたのも黒地の雪輪柄夏お召しでしたが、デザイン的には似ていてもテイストが全然違いますね、面白いものです。
 そして今日の『ちなみもの』は簪。一昨年ももおふのために自作したもの。使い回しですわ。

 毎年「桃!桃!」と大騒ぎしていたせいで身の回りのキモノ乙女の方々にも桃熱が感染したようです。この日は『外を歩いている人がばったり倒れて死ぬ』かと思われるような暑い日でしたが、集まりも集まったり総勢11人!限定スウィーツなだけに『数が限られる』ことになったらだうしやう。

 
 mayさんは三重から、おーこさんは岐阜から。県境を越えて桃食べに来たおふたりを、最寄り駅でピックアップ。
 
 お店に着くと、ことりちゃんが早く来て席を取っていてくれました。4人集まり、さっそくおしゃべりが始まります。
 
 ほどなく、ぢょゆう・すうざんさん登場。これで5人。
 
  ポンちゃんが娘ちゃん連れて登場。可愛い子供キモノに注目が集まります。これで7人。
 
 トモさんフミさん登場。これで9人。
 
 ぽんごちゃんとこぽんごちゃん。これで11人いる!

 11人でわあわあとおしゃべり。おひさの人、おはつの人。キモノと桃の取り持つご縁です。
 

 桃デザートはけっこうなボリュームなので、ランチは軽く済ませました。そして、いよいよお待ちかねの桃。桃クレープと桃パフェです!!
 
 桃クレープににっこりするぢょゆう。魅惑のクチビルはまさに桃。
 そいえば今日はすうちゃんがまたしても『アレコレ』に載ったお祝いでもあったのでした。持ってきてくれた雑誌をみんなで見ます。綺麗だけど、実物の方が数段ウツクシイわ。
 
 わたくしは桃パフェ。へっへっへっへ、一年待ったわ~。
 トッピングの生桃だけでなく、アイスクリーム部分にも凍らせた桃が入っています。ももまみれ。シアワセ。わたくしは長いこと『純・酒飲み』をしていましたので、キモノ仲間とおつきあいするまではパフェのヨロコビを忘れていたのです。でも、やっぱりいいわパフェ。酒もいいけど。両刀使いになっちゃって、どうしましょうこの人生。心身ともに豊かになってしまふわ。
 
 パフェなmayさん、クレープもひとくち。
 そいえばmayさんも両刀の人だねえ。一緒に豊かな人生を歩もうねえ。

 
 
  おおそうじゃ、おーこさんの帯留が『桃』でした。ハートをひっくり返したの。前の晩自分で作ったんですって、さすが!
 
 ポンちゃん母娘は残念ながら中途退場してしまったので、残りの着物勢で集合写真。お洋服のぽんごちゃんがシャッターを押してくれました。どもありがとう。

 それぞれの着姿。こうやって並んで見ると、ひとりひとりみんな、半衿の出し方も衣文の抜き方も違います。でもそれぞれしっくり似合っています。みんな合格!という感じでしょ。何の試験の時間でもありませんが。キモノって、自由に着て楽しむものだよなあという感を新たにします。

 カフェ・スウィーツには秋限定の栗デザートもあり。くりおふでもまた、みなさん集まっちゃうかなと今から楽しみです。でも、その前にもきっといろいろ会いますね。またそれぞれ楽しい着こなしで出会いたいものです。


*11人いるとなるとどうしてもあの名作マンガを思い出してしまうわたくし。ところどころ意味不明のフレーズが混じってしまったことをお赦しくださいませ。ちょっと『みゆき』も。

はもはもくらぶ

2008年07月05日 | 今日のキモノ

 おなじみ加寿也の『吟味喰らぶ』も第30回となりました。記念すべきお題は『はも』。夏の魚です!mayさんご夫妻と、初参加のにっぽんちゃんと繰り出しました。
 
 今日の着物:セオα蜘蛛の巣(竹蔵龍)
 今日の帯:薄緑源氏車(すうざんや)
 今日の半衿:薄緑草花透かし模様(竹蔵龍)
 今日の帯揚:草色花柄絽(すうちゃんよりいただく)
 今日の帯締:黒に赤三分紐(ふちこまさん)
 今日の帯留:蛇戦国玉(ふちこまさん)
 今日の足袋:水玉夏足袋(まねきや)
 今日の草履:酒袋台すうちゃんお見立て花緒(松屋バーゲン)

 あいにくの雨なので、ポリ着物。でもお宝。竹蔵龍さんとこの蜘蛛の巣です。mayさんも雨対策とて木綿。保多織が涼しげです。

 
 毎度皆さんの持ち込みお酒撮影から始まる吟味喰らぶ。今回は間違いが一本…これは板さんの在庫でしたー。
 
 まずはもの骨せんべい(&枝豆)、そしてはもの玉子と肝の時雨。さくさくと香ばしい骨せんべいや深い味わいの肝、ほろっとほぐれる玉子に期待が高まります。
 

 これは私の持ち込みお酒。名前に惹かれて。そして、撮影風景。mayさんが撮っていてくれました。

  はものたたきにめじまぐろのお刺身。一ミリほどに薄く刻まれたはも、骨の存在を感じさせません。

 はもしゃぶしゃぶ。お出汁につけるとぱあっと花が咲いたように実が広がります。ポン酢も添えられていましたが、お出汁だけで味わうとはもの淡白にして深い味わいがよっくあじわえて素敵。
 そして、はもの押し寿司。
 いずれも、見よこの骨切りの技!という感じです。滑らかな舌触り。

 厨房では板さんがずーーっと骨切り骨切り。20人分、25尾のはもを料理したそうです。すごいー。

 初参加のにっぽんちゃんも満足そう。料理ももちろん、そして日本酒の美味しさにも開眼してくれたそうでわたくしもうれしい。にっぽんちゃんはこの『郷の誉純米吟醸』がことにお気に召したらしい。
 「私も、日本酒って臭くて不味い、おじさんの飲むお酒だと思っていたのよ。でも、ここで紹介してもらったお酒を飲んで日本酒のイメージが変わったの。美味しいよねえ日本酒って!」と、mayさん。そう、日本酒って、ホントは美味しいのよ!美味しいお酒を飲もうよ~。普及活動につとめております、私。

 和風甘酢あんかけ。さっぱりとした味わい。はもをこんな風にいただくなんて、ぜいたくだわあ。
 冷汁にもはも、入っています。汗が引くような爽やかな味わい。おなかぱんぱんのはずなのに完食してしまいました。

 お好みアイスで〆。今回も満足の吟味喰らぶでしたー。


 宴果てて、満足の笑顔。料理もお酒も美味しくて、しやわせであります。板さん、ありがとう。
 mayさんにっぽんちゃん、また行こうねー。吟くらだけでなく、キモノ乙女宴会もやりたいねえー。


らくごのはしごin大阪

2008年07月03日 | 今日のキモノ

 キモノ仲間のことりちゃんと、大阪に行って落語のはしごをしてきました!
 
 今日の着物:銀色雪輪夏お召し(ヤフオクものを和裁教室でサイズ直し)
 今日の帯:紫白鱗半幅(大須骨董市の名古屋帯を半幅に直した)
 今日の半襟:水色紫花柄絽ハギレ(金山ノスタルジックモール)
 今日の帯締:黒に赤三分紐(ふちこまさん)
 今日の帯留:蛇戦国玉(ふちこまさん作)
 今日の足袋:麻夏足袋(まねきや)
 今日の草履:黒字に銀色雪輪(ヤフオク)

 ことりちゃんは前々から上方落語を愛好していましたが、ここ最近になってその熱が俄かに上がり。ご贔屓の『桂紅雀』さんと『桂こごろう』さんの落語会『べにこご』に行こう!と誘ってくれたのです。『べにこご』は、古い民家をを使ったカフェで月いち催されているイベントで、演者とお客の距離が近い楽しい催しらしい。ほぉ、興味津々です。

 この会、開始が19時半と遅く、こちらから出かけると泊まりで行かねばなりません。どうせ一泊で行くのなら、ちょっと早めに出てお昼も落語を聴こうよーとこれは私が誘い、その日の落語会を調べましたところ梅田花月の『花花寄席』に私の好きな『笑福亭たま』さんが出てる。
 たまさんの落語は生で聴いたことはないのですが、数年前金沢の『き楽寄席』に小つる師匠と一緒にいらしたときのビデオで『時うどん』を見てその迫力にびっくりし、ぜひ生で見たいものだと思っていたのです。『花花寄席』、たまさんの出番はトリ。たっぷり聞かせてもらえそうで楽しみです。


 というわけで出かけた大阪。着くなりまずは、大阪といえばお好み焼きでしょう~(わたくしは当然『生中』もいただきました)。

 梅田の駅からちょっと歩くとうめだ花月はありました。ちょっと早く着いたのでまだ中には入れない。ふと見上げると、こんな垂れ幕が。
  
 おおそういえばここは『曽根崎心中』のご当地ですものね。お初天神か。ちょっとお参りしてきましょうか。
 それにしても「永久の愛を誓う」って…そりゃまあ、寿命の方を調節したもんで永久の愛ってことになったけど…だまされて借金背負って心中はイヤだよー。
  
 まぁここで仲良くしてはるからいいけど。
 ちなみに「お初天神」は曽根崎にあるからの通称で、祭神は普通に天神さん、菅原道真公でした。お初徳兵衛を祀ってあるのではないのね。

  
 などわぁわぁ言いつつ時間も来たのでうめだ花月へ。
 …しかし…開場10分後だというのに劇場前、閑散としています。…イヤな予感が走る…。

 その予感はあたり。入場してみると、お客さんがぱらぱら…!!200人は入ると思われる小ホールにお客さん…30人弱くらいでしょうか…。うわあ…わたくしたちの席、最前列の真ん中なんですけど(全席指定)…。
 二番太鼓がなり、開会アナウンスがあってもその数は変わりません。出囃子とともに幕が上がり、一番バッターの噺家さんが現れます。うわ、近!お客の少なさに苦笑し、やりにくいなぁと思っている、その表情が細かいトコまで見えてしまいます。あーん、何だか気まずいよう。

 次々と登場する噺家さんたち。どの方もこの閑古鳥を気にせずにはいられない様子で、マクラは必ず自虐ギャグだったり、見るからにテンション低かったり、逆に浮かれてみせたり…。ネタに手抜きめいたものはなかったと思うしそれなりに笑いもしたのですが、噺家さんの様子を見ているとこちらは「笑わなきゃ」と義務感が生じちゃったりして。やっぱりお客さんがある程度入っていないと、演じる方もつらいでしょうが見ているほうも疲れますわね。繁昌亭は連日満員だというのに、花花はどうしてこうなんでしょう。演者自体はそんなに変わらないのに、不思議だなあ。

 と思っているうちにいよいよトリ、笑福亭たまさんの出番です。出囃子とともに現れ、座って一礼「どもー!笑福亭たまでございます!!」と元気いっぱい声をあげたとたん、あれ?場内の空気が変わりました。「たま」な空気が満ちてきています。
 お客の数には触れもせず、マクラのショート落語から迫力満点。ネタは『くっしゃみ講釈』。失恋したおまぬけクンのとぼけた様子やのぞきからくり『八百屋お七』、そして講談の名調子からくしゃみの連発まで、大熱演に引き込まれて大笑いいたしました。後ろの方からも、さっきとは段違いな笑い声のかたまりが聞こえてきます。途中で人数が増えたのか?と後で振り返ってみましたが、ずっと同じ閑古鳥ではあったのです。少ないお客ではありますが、みんなたまワールドに引きずり込まれたのですね。すごい、えらい!

 どうなることかと思いましたが、最後にしっかり笑ったのでいい気持ちでうめだ花月を後にしました。やっぱりたまさんいいなあ。またライブで見たくなりました。

 ここでいったんホテルにチェックインし、一休み。そして今度は『べにこご』に出かけます。案内によると『べにこご』が開催されるカフェ『天人』は中崎町の駅から徒歩4分とのこと。ただしことりちゃんによれば「初めてのひとはたいがいわからないところにある」そう。
 でも、逆にその言葉がヒントになって、近くまで行ったらあっさり見つけることが出来ました。「ひとんちに入っちゃう」ようなほっそい路地を抜けたところにその『天人』はあったのです。付近は昔ながらの住宅地の、老朽化した建物をそのまま生かしたカフェや雑貨やが点在している、ちょっとあやしい町並み。そのなかでもひときわあやしいメキシコ料理のカフェでまずは腹ごしらえ。
 
 カウンターにはメキシコ人の兄ちゃん、キッチンもラテン系のひとばかり。気づけばお客もみんなラティーナ。そのなかでキモノ着ている日本人。エキゾチックぅ。

 おなかを満たして『天人』に移動。『べにこご』会場には続々とひとがやってきています。大入り満員。とは言っても会場が小さいので全員で30人くらいでしょうか。座敷に座布団を敷き詰めて、ぎゅうぎゅうです。お客さんは常連さんが多いみたい、でも排他的な感じはなくって、すんなり参加できる。いい感じです。

 『べにこご』まずは桂紅雀さんの『青菜』から始まりました。熱気のこもった会場に「柳陰」のひんやりした感触を感じるところから始まり、植木屋さんの素っ頓狂、おかみさんの汗だく、引き込まれ大笑い。
 続いて桂こごろうさんの『へっつい盗人』。マクラから「えーと、なにやりましょう?」とのんびり始まり、「いいや、やっぱりこれ」と始まったこの話。泥棒するというのにのんびりとした登場人物のたたずまいにそのままつながってほのぼのと、でもやっぱり笑ってしまいました。
 会場の雰囲気も相まって、紅雀さんこごろうさんお二人との距離がとっても近い。みんなでいい時間を共有している、という感じです。
 後半はおふたりの漫才や会場からのアンケートをもとにしたトークなど、ますます身近な感じで、あっという間に夜も22時半をまわって『べにこご』終了。とても楽しい時間でした。
 この濃い時間にはこの隠れ家的カフェ、ぴったり。ぜったいまた来たい!と思えるイベントでした。紅雀さんもこごろうさんも芯がしっかりしてておもしろい!また聴きたい、と強く思いました。

 帰りの電車、ことりちゃんと感想を言い合いながらホテルに戻り、興奮冷めやらぬままいっぱいおしゃべりをして、大阪の夜は更けていきました。
 楽しいイベントを教えてくれてありがとう。べにこご、癖になりそうです。また行こうね。そのときはまたはしご落語をしましょう。今度は繁昌亭に行くかな?たまさんのもまた聴きたいねー。