「物欲箪笥」これは、お着物仲間mikaさんのブログ「キモノ備忘録」のカテゴリーのひとつ。実に秀逸なネーミングが心に残っていたのです。
mikaさん、ごめんなさい。拝借させてください。
キモノにはまってから買い集めた着物や帯。もうどうしようもないところまで来ていました。畳紙に入れたまま床に積み上げている状態。なんとかしないと!
それで・・買っちゃいました、箪笥を。ヤフオク15000円。江戸時代の箪笥だそう。何度もメールのやりとりをして実用に耐えることを確かめて落札したのです。ヤッター。さっそく、床に溢れたキモノを収納しました。ついでに、季節の入れ替えもしました。そしたらなんと・・・箪笥に隙間が出来ちゃいました!!
あらまー・・困ったわ。収納場所がないから、物欲多少は抑えられていたというに。しまうところ、あるじゃん。どうしよう。
と、かようにわたくしの物欲を再び目覚めさせてしまったこの箪笥。これはもう、命名するしかありません。『物欲箪笥』と。
そういうわけで・・お名前拝借します。mikaさん、許してちょ。
おされなカフェにて。
今日はお着物仲間のぽんごちゃんとランチ。
ぽんごちゃんは用事の後なので洋服だし、空があやしいのでキモノを着ようかどうしようかためらっていましたが、今が着納めの単があるのでやっぱり着よう!と直前に思い切り、あたふたとコーディネイトしました。
というわけで「困った時の同系色」になっています。
この単、裄丈が短くて袖が長い。そう、「なんちゃっておはしょり」加工要員なのです。お袖を短くする前に長いままで着ておきたかったので、無理矢理に着てみたしだい。
長いお袖をひらひらさせて歩くのも楽しいんですけどねー。やっぱり着やすい方がいいかなと思って。大好きな雪輪模様、気軽に着たいので。
それから、今日の帯。ちょんちょんと小さく入っている模様をアップにすると
こんな絵とか
が描いてあります。
これは大津絵といって、江戸時代初期から大津で描かれていた民画なのだそう。教訓的な意味合いがあったり、お守りだったりするんですって。
私は全然知らなかったのですが、滋賀県では小学生が図画の時間に描いたりするようなポピュラーなものだとぽんごちゃんに聞きました。そう、今日この帯を締めてきたのは、滋賀県出身のぽんごちゃんに見せてウケたくって。「わーー」と喜んでくれたので、たいへん満足でした。どうもありがとう~。
ぽんごちゃんと別れた後は、このいでたちのまま電気屋さん・本屋さん・スーパー・カメラやさんと巡り、大荷物抱えて帰宅したのでした。ふだんぎキモノは働くキモノ。
着付け教室の生徒はみんなで10人。私同様この4月からの人が5人、もっと前から通っている人が5人でした。先輩たちは1人が去年の10月から、4人は去年の4月かそれ以前から通っているようでした。
私たち初心者は、まず『紐の結び方』から習います。腰に紐を巻いて、押さえた手の親指と人差し指で『L』の字を作って、くるっと巻いてしゅっと抜く。簡単そうだけどやってみるとなかなかできません。「これができないと何もできませんよー」そう言われて焦ります。私、今まで普通に『ちょうちょむすび』してました。これまでやってたことってみんな間違ってたんじゃあるまいか。よし、習いに来た甲斐があるぞー!がぜん張り切る私。
こんなふうに、教室では毎回新しい知識や技術を習え、とても刺激的でした。紐の結び方に始まって、丈の決め方、えもんの抜き方、おはしょりの処理など、「そうだったのか!」の連続。今までいかに適当に着ていたかを思い知りました。「浴衣なら着られる」と思っていたけど・・ははは(汗)・・という感じ。
帯だって、唯一結べると思っていた『文庫』も、実は間違いだらけでしたし、途中でわけわかんなくなっていた『お太鼓』なんて、やっとどうやってあの形になるのかがわかったというくらいのもの。もう、夢中になって毎回帯や着物と格闘していました。そうやってすごく頑張って着た着物や帯、自分では精一杯の結果を先生がちょっと触ると、見違えるように綺麗な着姿になるのも驚きでした。うーん、着付けの道も奥が深い。
1年間のカリキュラムを終えても尚通っている人がいるのも、そういうわけだったようです。先輩たちは、てんでに名古屋帯や袋帯を結んでは先生に手直ししてもらっていました。「まぁこれでそろそろ外に出られるかしらね」と、先生の評。どうも先輩たち、キモノで気軽に遊びに行ったりはしていない様子。
そういえば、講習の合間のお話でも「帯をそんな胸高に締めたら若い娘さんみたい」「衿は詰まり過ぎても抜きすぎてもみっともないですからね」などの警告を多く受け‥いや、それはそのとおりなんでしょうが‥「気楽に着物を楽しんでくださいねー」と一方では勧めるのと矛盾したメッセージが送られていたようで、全体的に「うかつな格好で外には出られない」雰囲気があったように感じました。
まぁしかし、それは私にはあまり関係ないことで。着付けを習いに行くまでに、キモノの楽しみ方については既に自分のイメージが出来ていました。お気に入りの服としてキモノを着る。その場をより楽しむためにキモノを着る。だから、綺麗には着たいけど、隙のない装いをしようとは思わない。ただ、許容範囲のイメージを知るために知識はほしい。
キモノライフのお手本は、着物好きの友人や、ネットで知ったふだんぎ着物愛好家の方々でした。当時自分の中でネットアイドルだった方々と、後になって一緒に遊んだりできるようになるとまでは、この頃は思っていませんでしたが‥。
そういうわけで、教室の雰囲気にもかかわらず、私は私で新しく習った知識で早く実地を試したい気持ち満々でした。どんどん新しいことを習っていくのが本当に楽しくて、それぞれ完璧には程遠いものの知識技術を大いに向上させ(これまでがあんまりにもだったので伸びる余地が大きかった)、4月から習い始めて6月の頭には、もういそいそと着物で出かけました。
出かけた先は「蔵女性サミット」という、日本酒造りにたずさわる女性達と語らい、かつ飲もうという集まり。日本酒で女性ならやっぱり和服でしょう~というノリでした。
着付け習って2ヶ月の蛮勇 先日と着物は同じ。着こなしは進歩したか?
キモノを着ていったということで、蔵女性の方々にも喜んでいただけ(たと思う)、更には特別ゲストの漫画家、「夏子の酒」の尾瀬あきらさんとのツーショットまで撮れちゃったりして、とてもいい思いをすることができました。やっぱり着物のお出かけはいいなぁ~としみじみ感じたことでありました。
酒飲みならば知っている「夏子の酒」の尾瀬あきら氏と
余談ですが、この「蔵女性サミット」で初めてオフラインでお会いした、栃木県の銘酒「松の寿」の美人若奥様「若葉さん」、最近キモノに目覚められたよう。少しは私も影響したかなと思うと嬉しいです。最近発売された雑誌「散歩の達人」にも着物姿で載っているそう、チェックせねば。
余談もう一つ。このあいだ大阪でお会いしたあなんさんの着付け教室では、初級クラスの仕上げとして「キモノを着て街を歩いてお茶をする」というプログラムを組んでいるそうです。教室内では着られても、そこから「街を歩く」というのはちょっとしたハードルだから、まずは先生と・みんなと一緒に街を歩いて、その楽しさを知る!というのを修了式代わりにしているのですって。キモノを着る楽しさをよーく知ってみえるあなんさんならではだわ!と、たいへん感動いたしました。着付けは習ったけど恥ずかしくて‥という方、多そうですものね。私みたいんは別として。
私が行っていたのもこういう感じのトコだったら、逆にもっとずっと通っていたかもしれないなあー・・。
昨日作った「大うそつき」さっそく装着してまいりました。
上手な嘘がつけたかしら?そういう長襦袢に見える?
今日の帯は「すうざんや」で求めた昼夜帯。「お釜」柄なので、新米の季節にふさわしいと思い締めました。この帯、柄の出し方が難しい‥柄を出そうとするとたれが長くなってしまって、苦労してお太鼓を作りました。角出しにした方が良かったかなあ?二重太鼓はできるかな?
今日のお出かけ先は、名古屋は錦の割烹「加寿也」美味しい料理とお酒を味わう「平成吟味くらぶ」という催しです。詳しくはリンクを見てみてくださいね。堪能しました!!
お着物仲間のmayさんもみえました~。
mayさんの秋らしい紬、ステキです。帯はちょうちょでした。可愛い~。
この集まり、いつも私は意味もなくひとりキモノ着てましたが、キモノ仲間がいるとやっぱり心強く楽しさ倍増でした。ありがとう~>mayさん
明日は着物で出かける予定です。
で、2~3日前からコーデを考えていたのですが、上はともかく襦袢に適当なものがない。ないこともないけど色が気に食わない。
そうだ、大阪で買ったハギレがある。これ、半衿を取って帯揚を取って、まだ少し余っている。よし、これを振りのところに持って来て「大うそつき」にしよう。振りから市松模様をのぞかせちゃおう!
こんな布です。
このハギレを替え袖につければいいのだけど、どの袖にしようか。どうせなら新しく替え袖作っちゃおう。材料はある。
材料は、祖母の古い長襦袢です。この長襦袢、袖丈が一寸二分(45㎝)しかなくって、そのままでは手持ちの着物に使えない。なので、袖丈を何とかするか、ばらして替え袖と裾よけにするか‥と悩んでそのままにしていたのです。
裏はシミだらけなので使えない
私の袖丈は一寸三分。襦袢は無双袖なので、単に作り直すことはできます。でも、いっぱい布が余っちゃう。もったいない。せっかく長いのだから出来るだけ切らずに何かに作り替えたい。長いお袖の着物用の替え袖にもできるし。
身頃のほうの裾よけを取った後の布を、替え袖が作れないかなぁと思って測ってみましたら、くりこし分つまんであるのを伸ばしたらぎりぎり取れそう。よし、それでいこう。
身頃分で袖を作るとなると衿肩開きの部分を切ってあるのが問題だけど、どうせ大うそつきだもの、見えないところを継いじゃえばいいや。
‥何ともケチケチした話でお恥ずかしいんですが‥キモノを愛しく思うと、ほんのちょっとの布も無駄にしたくないと思ってしまうのです。
一枚の長襦袢から、替え袖二組(長いのと短いの)と裾よけを作ると、ほとんど布が余らない。こういうの、とても気持ちいいんですが、わかっていただけるでしょうか?
というわけで作業計画が立ったので、まずは明日使う予定の「大うそつき」から手をつけることにします。
何はともあれ、裁断。バラバラになった長襦袢~。
ふたつに切った身頃を解いて、まずは衿肩開きを継いで。
継ぎあて。ここは肩に来るから見えない!
別布をどうやって振りに持ってくるかなぁと悩みましたが(切りばめふうにしようかとか)、まずはこの布で普通に替え袖を作り、別布は上からくけることにしました。こうしておけば、不都合があったときに外して普通の替え袖として使えるし。
別布つける前
つけた後。左が裏、右が表
後姿の振りからのぞくことを思うと、裏の方に少し多めに布を使ったほうがいいかと思ってそのようにしました。
でも、布がそんなにないので、もしかしたら上手な嘘はつけないかもしれない。後ろから見たら別布だってのがバレバレかも。ま、そんときゃ外しゃいいのよ。
まぁ、明日は実験です。
さて、どうなるかな~。
それにつけても、昼から晩までずっとこんな風にちくちくしていました。なにせ明日着るものだ。なんて泥縄。大阪に行く前もそうだった。
せっぱつまらないと動かないこの癖‥直る日は来るのでしょうか(来ないな)。
着付けの講習第1回目は・・・「注文取り」から始まりました。
あらかじめ必要だと言われていたものは「肌襦袢・裾よけ・長襦袢・着物・帯(半巾・名古屋・袋帯)腰紐(4-5本)伊達締め(2本)足袋・前板・帯しめ・帯揚・帯枕」ですが、手持ちにない人には「きもの道学院(仮名)」の純正品を頒布しますよ、という話です。
これに加え、「無理なさらなくてもいいですからね、ご紹介だけ」と言って勧められたのが「きもの道ランジェリー(仮名)」でした。
これは、図のようなものなのですが‥キモノ乙女の間では有名ですよね。要するに上等なうそつきです。
別売りの「きもの道衿(仮名)」・きもの道袖(仮名)」をつけたら長襦袢として着ることができる。衿袖をいろいろ付け替えれば複数枚の長襦袢を持っているのと同じことになって経済的。それに衿袖を外したらそのまんま洗濯機で洗えるから清潔。その上、きもの道衿(仮名)は美しい衿のラインが作ってある立体設計だし、きもの道ランジェリー独自の工夫・補正ポケットで体型に合わせた補正もでき、労せずして美しい着姿が得られる。
というわけで、いい事尽くめの優れものですよー、私はもうこればっかり!と先生は熱く語り、「でも、お手持ちがある方は無理しなくてもいいですからね。ご紹介しただけですから。」と付け加えました。
楽だ!安あがりだ!と聞けば、心は揺れます。でも、私もう長襦袢持っているし(お祖母ちゃんのだけど)。それに、安いって言っても一式買うと2万円近くかかります。そりゃ呉服屋さんで長襦袢新しく仕立てるよりはうんと安いけど‥。でも、私はそもそも「呉服屋さんで仕立てる」をばんばんやっちゃうようなお大尽キモノ生活を送る気なんてなかったし‥。
私が逡巡しているうちに、他のひとたちは次々に先生に注文をしています。気がつくと残っているのは私ひとり。
「無理はなさらなくていのよ」と先生は繰り返します。見渡すと、先に講習を始めている先輩達は皆この「きもの道ランジェリー(仮名)」を使っている様子。なんだこりゃー、やっぱりそういうことかぁ。
群集心理であやうく注文しかけましたが、みーんな買っているせいで逆に思いとどまった天邪鬼のわたくし。
でも、後から頭を冷やしてみると、やっぱり買わなくて良かったです。結果として、このことで厭な扱いを受けることはありませんでした(それどころか‥続きはいずれ)。「紹介しただけ」という先生の言葉に嘘はなかったのです。ちゃんと、普通の長襦袢の着方も教えてもらえました。「楽して綺麗に着られる」もので最初から練習してしまうと、普通に着ることができなくなったと思います。差別なく教えてくれた先生に感謝です。
それに、後からいろいろ調べたり経験したりした結果、うそつき一式に2万円はやっぱり(私には)高すぎです。
キモノ好きの友人は「いらなくなった長襦袢の衿を外して『なんちゃってきもの道衿』!袖を外して『なんちゃってきもの道袖』!いらなくなったタオルでゾーキンのようなものを作って補正パッド!」となど楽しい工夫を教えてくれました。そのほかにも、いろんな人がいろんな工夫をしている。私もいろいろと。こういうのが楽しいんです。それが私のキモノ道。
そして、私にとって致命的に思える「きもの道ランジェリー(仮名)」の欠点が、後に見つかりました。
「きもの道ランジェリー(仮名)」、本体の小さな衿に外側から「きもの道衿(仮名)」をひっかけて固定するのですが、その小さな衿が図のように上の方から除くと肌と半衿の間に見えるのです。
先生はかなり小柄な方なので、後ろから回るとその小さな衿、いつもばっちりと覗いていました。他の方々も。気がつかないうちはそう目立つものでもありませんが、気になりだすと気になって。
その後、講習の中で「きもの道ランジェリー(仮名)」がいかに優れているかということはたびたび話題になり、心が軽くゆれることもありましたが、やっぱりその「小さな衿芯覗き」がストッパーになってついに買わずに終わることになりました。
もっと後、和裁教室で半襦袢を作ったり、ネットで使いよいうそつきに出会ったりもしましたので、もし買ったとしても今はたいして使っていないと思います。なにはともあれ、初志貫徹できて良かったなあと思ったことでありました。
着物で大阪に行って来ましたー。mikaさんのお引き回しで、一日ずっぱりと楽しんでまいりました。
今日のコーディネイトは、ほとんど9月2日と同じですが、帯揚に紫のハギレ(雪輪模様なんだけどわからない)、帯留に竹蔵龍さんとこの「髑髏蜘蛛」を使ってちょっとバージョンアップしたつもり。さらに髪は「なんちゃって耳かくし(のつもり)」で、全体に大正をイメージしてる(つもり)のですが、何故かは後で書きますね。
まずは、中之島公会堂で行なわれている「中之島きものいち」へ。ヤフーオークションでおなじみのカヨイコマチさん・風雅舎さんほか、素敵なセンスのアンティークが満載です。
ここで、ちやさん・どなさんと合流。おふたりともキモノ乙女なのですが、今日はお洋服で、ちょっと残念。でも、お洋服もファッショナブルで素敵。ちやさんは可愛らしい方、どなさんはかっこいい方でした。着物好きということで素早くうちとけて話が弾みます。
mikaさんとわたくし。mikaさんはお月様模様の絞りの帯に着物はお月様の色。秋らしい爽やかな着こなし。
おしゃべりしながら着物や帯をあれこれ見てまわります。状態のいいものが多いのでお値段もそれなり。でも、納得する質の高さです。一面に黒い繻子に真っ赤な金魚が刺繍された帯、笹に雀の舞う織の帯、グッピーやエンゼルフィッシュの舞う訪問着‥溜息が出るほど素敵なものたち。諦めがつく値段のものもあるのですが、悩んじゃうものも数枚あり‥結局、一枚やっちゃいました。風雅舎さんの錦紗。
だって「葉」ですから‥「葉っぱ模様」がほしかったんですもの。羽織ったら、mikaさんたちにも「似合う」って言ってもらったし‥「背中丼」に弱いわたくし。さて、どんな帯を合わせよう。わくわくです。
もうひとつ、葉っぱにカナブンがとまっている帯留めもあって心は揺れたのですが、こっちの方は諦めました。でも、mikaさんがお買い上げになったので一安心。いつの日か飽きたならぜったい譲ってくださるようお願いしておきました。
次に行ったのが、前から行きたかった「船場センタービル」。あんなに大きくて広いとは思っていませんでしたー。ここでは主にちやさんお馴染の下駄やさん「ちぐさ」と、ネットで買い物したこともある「居内商店」へ。ちぐささんは気さくなおじちゃんとにいちゃんがやっている、小さいけどいいものばっかり置いている店。そして安い。(でも松屋と同じくらいで安心)。居内さんは、お店が閉まっていたのを強引に開けてもらってホリホリ。あったかそうな別珍の足袋3200円、リバーシブルだと知ってがぜん買う気になりお買い上げ~。
と、ここでちやさんどなさんと別れてmikaさんに連れて行ってもらったのは、古い日本家屋。
これからここでお芝居があるのです。「消えた黄金狂」ここの2階の座敷で事件が起こる。それを名探偵・明智小五郎と小林少年とともにが私たち観客も参加して推理するという。「あなたも明智小五郎の世界の住人になりませんか?」ってな感じでキモノ推奨の企画。これに参加するために、大正時代を意識したコーデを作ってみたというわけです。
ところが、蓋を開けてみたらキモノを着ているのはmikaさんと私、それにもうお一方の玄人っぽい御婦人のみ。まぁ、天気予報が雨だったから無理もないかもしれませんが‥。でも、そのせいで新聞記者が「あとで取材させて」と言ってきました。なんかわからないけど一応OKして座敷に上がりました。
お芝居は、座敷に座る私たちのすぐそばで始まりました。殺人未遂事件が起こり、いろいろな人間関係が示され、さぁ謎解きというところで推理タイム。自分の推理を書いて提出し、明智小五郎が犯人を名指しします‥おお!私の推理が当たったわ。
観客30人のうち当てたのは4人。mikaさんの御主人も当てました。記念品を貰って記念撮影です。
お芝居が終わるとさっきの新聞記者が来ました。「きものdeからほり」の特集記事を書くので、インタビューと写真を頼むとのこと。ほかにきものの人がいなかったので私たちに白羽の矢が立った模様。いろいろ訊かれ(なぜ生年月日を訊くのだ)、写真を撮るとて何度も歩かされ(自然に談笑している様子を撮るために何とも作為的なことを。これがマスコミかぁ)。しかも、その写真使うかどうかわからないって。何なんだ。記事が出るのは約1ヵ月後だとか。朝日新聞取ってる方、私がどっかにいたら教えてください。
さて、取材から解放されたあとはお待ちかねの宴会です!mikaさんはお着物仲間であるとともにお酒仲間でもあるのです。同じく両方仲間のあなんさん、お酒仲間のマーキーさんとも合流し、mikaさん夫婦行きつけの「さらむむ」さんにて大宴会。5時半くらいに飲み始め、気がついたら11時を越えていました。食べて飲んで喋って笑って。楽しい時間はすぐに過ぎます。お店のお酒、ほとんどの銘柄飲んだんじゃないかしら。しかも冷と燗両方で。肴も相応に食べ、最後に鯛茶漬けをいただいて、満足した所での記念写真です。
あなんさんは「きものれっすん七緒」という着付け教室を主宰してらっしゃる着付けの先生。HPにお顔を出しているからここでも消さなくていいよーと許可を貰ったので、美しいお顔を出させていただきました。綺麗よねえ。あなんさんのお着物は、三崩しの地模様に万筋、その上に貝合わせの染められた凝った変わり江戸小紋。センスも着姿もさすがです。
朝から晩までキモノ三昧・楽しいこと尽くめの一日は、こうしてくれていったのでした。
引き回してくださったmikaさん、楽しい時間をともにしてくれたちやさん・どなさん、そしてmikaさんの御主人セバスちゃん、あなんさん、マーキーさん。ほんとうにありがとうございました。また遊んでくださいねえ。こちらにもぜひぜひ遊びに来てね~。
あやしいわたくし‥
わたくしをあやしくしているこの布は、カンボジアの「クロマー」という布。40cm×120センチくらいの薄くて丈夫な木綿の布で、カンボジアの人には欠かせないもの。タオルになったり鉢巻になったり風呂敷になったり赤ちゃんを胸にぶら下げたり、それはもう多彩に使われています。
日本人のわたくしとしては、これを見た瞬間思いました。
「替え袖になる‥!」
一枚で、うそつきの替え袖ちょうど一枚分くらいです。こんなにちょうどいい大きさなんて、カンボジアと日本、何かご縁があったのかしら。
このクロマー、アンコールワットなどカンボジアの観光地に行くと、小さい子供が腕いっぱいに抱えて売っています。一枚だいたい1~2$。
今年初めカンボジアに旅行したとき買ってきたこれで、今日作りました、替え袖。
33cm×49cmになるように、袋縫いして袖口と振りをくけてお仕舞い。
替え袖を作るときの注意点は、片袖だけ2枚作っちゃわないこと。一生懸命作って「出来た~!」と思ったら右袖だけ2枚できてたことがあります‥。
この替え袖、実は泥縄なんです。あさってから着物でお出かけ予定。単の下に着る単のお袖で適当なのがないので、急遽クロマーを引っ張り出したのでした。
さぁ、これで出かけられるわ!‥‥あとはお天気だけです‥‥。
最後は「えいっ」と選んだ着付け教室。見学も受けつけているというので見に行くと、20畳ほどの畳敷きの部屋に受講生が10名ほどに先生が2人。若い方の先生は助手ということでした。
先生方は「きもの道学院(仮名)」に所属していて、プログラムは本院の初等科に準じて組まれているとのこと。これを修了したら、「きもの道(仮名)」の方から修了証も出て、更に先のコースにも進めますよ、ということでした。まぁそのへんは私は興味ない。
一番気にしていたのは「買わないといけないもの」がどのくらいあるかということでしたが(けち)、必要なものがお手持ちにないのなら「きもの道(仮名)」標準グッズを斡旋しますよ、という感じでした。必要なものとは「肌襦袢・裾よけ・長襦袢・着物・帯(半巾・名古屋・袋帯)腰紐(4-5本)伊達締め(2本)足袋・前板・帯しめ・帯揚・帯枕」。これらはすべて祖母が遺したりしたものが揃っています。何も買わずに済む、ありがたい。これをクリアしたので、来週から正式に通うことに決めました。
教室の雰囲気など、もっと検討すべきこともあったかなという気もしましたが、この時はとにかく「いよいよ習うぞ!」という意欲でいっぱいでした。10数名の女性が皆それぞれ着物を着ている姿というのにも魅了されましたし、先生2人の着姿はやっぱりすばらしかったのです。小柄な年配の先生は、衿元をゆったりと開けて楽そうな着付け、助手の先生は細身を生かしてしゅっと粋な感じで。あんなふうに着られるようになりたい!と、教室が始まるのが楽しみでした。
初日。先生二人が前に、受講生10人が5人ずつ並んで正座します。「正しい御辞儀の仕方」を習い、静かに礼。このように、美しい立ち居振る舞いも少しずつ教えてくれるとのこと、着物美人への道!と期待も高まりました。
昔キモノを愛好する現代女子の困りごと‥それは「裄丈が足りない」こと。昔の日本女子、小さい人が多かったから。でも、昔キモノには今ではなかなか見られない面白い柄があったり、思い出のあるキモノだったら何とか着たかったりしますよね。
というわけで、いろいろ工夫をするわけです。上の写真もその産物。名づけてなんちゃっておはしょり。
祖母の遺した夏お召し。雪輪は大好きなので、ぜひ着たい。でも、身幅も狭く、何より丈が微妙に短いのです。対丈には長いけど、おはしょりができるかできないか、帯の中に入っちゃうくらい。ちょっと着にくい。お袖は長くてかわいいのですが‥。
むりやり着たのが、上の写真です。
まぁ着て着られないことはないのですが、やっぱり着にくいし動きにくい。どうせだったら着易くしたい。というわけで、和裁教室に持ち込みました。
はじめの目論見では、帯で隠れるあたりで胴を切って、別布を接ぐようにしようかと。これって、丈が足りない場合によくやる方法。でも、先生に相談したところ、このキモノはかなり古いもので布のしょうが抜けつつあるので、ちょっと危険らしい。また、それってけっこう面倒(全部ほどいて縫い直し?)らしい。
というわけで、冒頭の「なんちゃっておはしょり」作成となりました。
長いお袖を標準の長さに切って、余った布を半分に切って長くつなげて。それを二重にして、幅が足りないぶんは帯の下に入るだけ別布を足し、マジックテープをつけます。
キモノの方は袖を外したついでに幅もギリギリまで出して広げました。丈は対丈に直し、あと、背縫いを上からもう一本補強に縫いました(special thanks to 和裁の先生)。
さて、着てみます。対丈なので前をあわせてそのまんま、はだけないようにコーリンベルトでとめます。身幅が自分サイズなので着易い。「なんちゃっておはしょり」を巻いてマジックテープでとめ、ベルトつきの帯板をまわしたら、こりゃ腰紐も伊達締めもいらない感じです。
どうでしょう?普通におはしょりして着てるように見えますよね?うーん、せっかくだからもうちょっとおはしょりを出せばよかったかな。
着た感じは、紐が少ないのとおはしょり分帯下の布がないので、夏には涼しくてよかったです。
欠点は、おはしょりして体へのフィット感を調節しながら着ることができないので、裾が広がったり衣紋が決まらなかったりしがちであることかな。ぱぱっと着られちゃうけど微調整は必要ですね。まぁ、総じて言えば長いお袖で短い丈の昔キモノに「なんちゃっておはしょり」なかなかいいかもです。
数々の失敗を繰り返しつつ心に芽生えた気持ち「着付を習おう!」。しかし、なかなか実際に足を運ぶまでになりませんでした。
何故かというと「着付け教室」に関しては、どうも悪い噂ばかりを聞いていたからです。お金ばっかりかかってたいしたことは習えないとか。その教室独自の器具を買わされ、その器具を使った着付しか教えてくれないとか。呉服屋さんと繋がっていてしつこい売りつけに会い、買わなかったら先生の扱いが違ってくるとか。女の園で見栄の張り合いがすごいとか。
でもまぁ、何にせよ行動しないことには始まらない。というわけで、まずはネットで検索。着付け教室×愛知で調べると、大手から個人から、たくさんの教室がヒットしました。
(写真がないと寂しいので記事に関係ない写真。当地名物おっぱいまんじゅう)
そのなかでまずやめておこうと思ったのは、大手の着付け教室。
カリキュラムを見ると、ここはどうも私のようにただ着物を楽しみたいという者が行くところではなく、資格を取って仕事にしていきたい人に向いているように思えました。いろいろ器具や小物を買わされるのもここが多かったし。紐にせよ帯枕にせよ祖母の残したものがたくさんあるので、あるものを使いたいというのは第一条件でした。
それに、パーティーやコンテストなどの交流行事があるのも何だか煩わしく、華やかな訪問着で絢を競うというのも私の目指す気楽なキモノ生活とは離れていると思いましたし。
次に除外したのが「無料着付け教室」の類。
「無料ほど高いものはない」と言いますから。「見学会」の名目で強引な売りつけがなされるのはこの類に多いと聞いていました。講師料や経費がどこから出ているのかと考えると、これは無理からぬことです。セールスや勧誘を断るのは得意(鬼並み)の私ですが、厭な気分になるのがわかっているところに行くのは厭でした。
(後から聞いたところでは、とても当たり外れがあるようです。無料で習えてキモノ友達もできてとても良かった!という声も聞きました。逆に、強引に売りつけられてキモノ自体嫌いになったという声もありました。)
迷ったのは、個人でやっている着付け教室。
特に、呉服屋さんなどとのつながりはなく楽しむためにやっていますよーと強調しているところには心惹かれました。でも、今度はその輪の中に入っていけるかなあと心配が。昔から、学校など女子が集まってきゃあきゃあやっている中では馴染めない性質でした。これこそ行ってみないとわからないのですが、できれば教室の人間関係はある程度希薄な方がありがたいなあと思っていました。
悩むだけ悩んで、あげく疲れて「えいっ」と決めちゃう、というのが私のパターンですが、この着付け教室選びも結局そのとおりになりました。
行くことに決めたのは、近所の公民館で開かれていた「着付けと帯むすび」教室。器具を使わない手結びで、週1回開催、1年の講座。料金は3ヶ月ごと1万円。 公民館でそう商売気な催しもないだろうし、1年と期間が切ってあるなら煩わしい人間関係もたいして生じないだろうし、見栄の張り合いがしたい有閑婦人はもっとサロン的なところに行くだろうし‥。
これらの目論見、一部は当たって一部は外れて‥。まぁ、決めた条件を列挙するといかにも熟慮の末選んだような印象ですが、いちばんの決め手となったのは「近い」ということでしたから。でも、着付け教室行きの荷物はけっこう重くかさばるものですので(キモノ・長じゅばん・小物一式ほか)これはかなり重要な条件だった、と今では思います。
(おいしいですよ)
(次回、いよいよ習い始めます)
前回の私のきものみち・序章で「キモノが好きだなあと思いつつ、何となく縁がなく過ごしてきた」と書きました。でも、後からだんだん思い出しました。忌わしい記憶と封印していましたが、実はこんなこともあったのです‥。
それは8年前、金沢に住んでいたときのこと。友人が落語と日本酒の会を主催しました。旅館を貸しきって、飲み仲間の真打さんに落語を演ってもらい、そのあとの宴会ではそれぞれ飛び切りの日本酒を持ち寄って飲み明かそうという、夢のような企画。
もう「行く!」と即答です。ウキウキした気分で私が思いついたのが「キモノ着ていこう!」でした。古い日本旅館・落語・和食・日本酒。これはもうキモノでしょう!というノリで‥浴衣しか自分で着られないくせに‥なんというおっちょこちょいでしょう。このせいでいろいろ痛い目に遭っているというのにこればっかりは今でも治ってません。
さて当日。着付け、なかなかうまくいきません。帯の結び方も、本を見てもよくわからない。焦るけれども時間は迫る。えーいもう、これでいいやあ!といいかげんで外に出ました。
この日、私は金沢市民の台所「近江町市場」に落語家さんと遠来のお客様を案内する役割でした。初対面の方々に「わーキモノだー」とちやほやされ、嬉しくなって市場をぶいぶい歩き回り、その勢いで落語を聴いて大笑いして、上機嫌で宴会になだれ込みました。
その宴会にて。綺羅星のごとく並ぶ銘酒をあれこれと飲みつつ‥不意にハッと気づきました。 私・・・・この着付け・・・・!!!
(胸に挿してあるのは皆が持ち込んだお酒のリスト。すごく嬉しそうな顔で写っている)
!!!!・・・・ひだりまえだ・・・・!!!!
なんちゅうかもう、顔から火が出るとはこのことです。いくらあわててたとはいえ、 なんちゅう恥ずかしい間違いを!!!
今から思うに、鏡に映った自分と本の写真とを見比べつつ着たせいだと思うのですが‥それにしても。早く気づけよっ>自分。
この格好で私は金沢の真ん中近江町市場を嬉しそうに歩き回っていたのです。今なら泣くほど恥ずかしい罰ゲームですが、気づかんということは恐ろしい。金沢といえば小京都、キモノにうるさい人もたくさんいたろうに。道行く人は、いい年してなんちゅーおばかさんだと思ったのではないでしょうか。誰にも何も言われなかったのは、あまりといえばあんまりに初歩な間違いなので皆あっけにとられたのでしょうか。
宴会仲間、とくに落語家さんは、気づいているけど武士の情けで言わんとおいてくれたのだと思います。その気遣いは嬉しいけれど気づいてみると恥ずかしい‥といって、すぐに部屋に引っ込んでささっと直せるような技はもとよりなく、結局一次会が終わるまでその格好で酒を飲んでおりました。
なので、その会の写真には左前で市場のし歩く私・左前で落語聴いて笑う私・左前でうまそーに酒を飲む私‥が満載で、今見ても顔が赤くなります。最後に撮った集合写真では一生懸命胸元を隠して写っておりました。
#これを読んでおいでの方であの画像持ってる方いましたら、お願いですから左右反転して保存してください。
ちなみにこの会、この後どういうわけか「キモノを着て落語を聴く会」みたいなふうになって今も金沢で続いています。会場も変わり持ち込み宴会もなくなりましたが、打ち上げで美味しい日本酒を飲むってのは変わっていません。ここ愛知に転居してからも毎回楽しみです。今年も私、でかけます、キモノ着て。ちゃんと前合わせを確認して。
よろしかったら、みなさまもいかがですか?「き楽寄席 笑福亭小つる金沢落語会」
http://homepage2.nifty.com/kanazawa-rakugo/kirakuyose/2006/index.html
キモノ推奨ですが、洋服でもOK.
このほかにも、いいかげんにお太鼓を結んで出かけたらいつのまにか「だらり」となっていて恥ずかしかったりなど、、「キモノが好きだ。着たい。着よう」と蛮勇を奮って赤っ恥ってなことがいろいろあって、いつか着付けをちゃんと習わねば、という思いは心の中にしっかりと刻み込まれていたのでした。
(後姿も変です)
(まだ続くきものみち。次回は一章・着付け教室編)
今日はキモノ友達のすうざんさんとキモノでランチ&お買い物。
今日から9月になり、着物の暦では薄物から単を着る季節です。でも、まだまだ暑いから名残の夏キモノで‥と思っていたら、朝から雨でなんだか肌寒い。予定変更して、片貝木綿の単で出かけました。
これは私が反物から縫った3枚目の着物。今日初めて袖を通します。帯は骨董屋で求めた夏帯。アザミと桔梗の刺繍なので、個人的に「アザミ嬢のララバイ帯・菜の花ぬき」と呼んでいるもの。
写真はランチの後さっそく出かけた履物やさん「松屋」にて。
「松屋」では前から気になっていた畳表の下駄の台に、秋から使う用の花緒を選んですげてもらいました。
前に行った時気になっていた花緒を取り置いてもらっていたのですが、今日見るとなんだか感じが違う。気候が違ってくると感じ方も違うんだって。お店のひととすうざんさんといろいろ話をしながらぴったり来るものを選びます。実は、こんなときにセンスを貸してもらっちゃおうと思って、すうざんさんについてきてもらったのです。
腑に落ちて選んだ花緒を、足にあわせてすげてもらいます。贅沢だ。でも、松屋さんはとてもお財布に優しいので安心。これで「ズック」くらいの値段。
店の前の道では仔猫がたわむれていました。しばし、なごむ。
買い物のあと、近くの和風カフェ「kujira」でまったり。写真はくつろぐすうざんさん。
すうざんさんはとてもセンスのいいキモノ美女で、コーディネイトがいつも楽しみです。また、とっても買物上手で骨董市などに一緒に行くと素晴らしい掘り出し物を見つけてくれるのです。最近そのセンスを生かし、彼女のブログの中で「すうざんや」を開いて掘り出し物を分けてくれはじめたので、私はさっそく帯3本をお願いしました。その帯の受け取りも、今日の目的。
右の帯は源氏車に流水・菖蒲・撫子の夏帯。真ん中は深い赤に薔薇の花。左は「お釜」模様の昼夜帯。裏の模様もステキです。 どれも気になるほどの汚れなく、骨董にしてはとても綺麗。なのに、一本1000円!!掘り出しの腕がわかります。
帯3本と下駄一足を抱えて、ほくほくと帰った今日のデートでした。ありがとうすうちゃん、またよろしく~。
最後の写真は、今日予定していた夏の名残コーデ。このキモノと帯も、実はすうざんさんお見立て。何か最近とっても頼っているなぁ。