またしても、カテゴリ『買っちゃいました』です。
と言っても、今日の報告はとってもプチプチ。なんと言っても百均ですから。
先日のカヨイコマチさんで着物や羽織をディスプレイしているハンガー。シンプルな針金ハンガーだけど、キモノ用で幅が広かったのです。「こんなのあるんですねえ」と感心しているとカヨイコマチさん「これ、百均なんですよ」と!
そんなものが百均にあるとは、寡聞にして知りませんでした。これは行かねば!と買い物のついでに近所の百均へ。
あったー!
なんたって100円。気軽に使えちゃう。土用の虫干しの時期にはもっと買ってもいいな。
200円だとこんなちゃんとしたのもありました。やるなあダイソー。
もうひとつ買ったキモノグッズはこれ。
縫さんのHPで紹介されていた『着くずれしない腰紐』を作るための、幅広のゴムです。前に見たときには百均にはなかったんだけど。品揃え、日々変わっていくんですね。
針金ハンガー3本、着物ハンガー、ゴムひも。しめて600円のちっちゃいキモノ散財でした。おねうち♪
先日「プロジェクトH」で仕上げた羽織を初めて着ました!羽織紐はこればっかり使っている、おーこさんが作ってくれた金平糖。
着物は鼓模様綸子小紋(ヤフオク・時代着物さんで3000円くらい)
帯は水仙刺繍塩瀬(ヤフオク・カヨイコマチさん3000円くらい)
半衿は黒花刺繍縮緬(Berry工房さん・1500円)
帯揚げは、これも出番が多いクリーム色草花柄ハギレ(大須骨董市・800円くらい)
帯締めは黄緑×白黒の三分紐(いただきもの)
帯留めは竹蔵龍さんのシェル・アクアs(5000円くらい)
足袋は黄緑古布風(まねきやさん・980円)
草履はおニュー、コルク台黒かわり市松(松屋さん、台2000円と花緒4200円)
帯つき姿はこんなです。
このいでたちで出かけた先は大須。『ギャラリー大須』で、カヨイコマチさんの『名古屋にまいりましょう』がこの土日開催なのです。この帯を選んだのも、そういうわけで。
いつも飛び切り素敵なキモノを見せてくれるカヨイコマチさん、今回もきっと素晴らしいものがあるに違いない!わくわくして出かけて行きました。
そして‥(下の項に続く)‥
というわけで、今日はカヨイコマチさん『名古屋にまいりましょう』
ギャラリー大須の2階に足を踏み入れると、そこはキモノのワンダーランドや!
素敵なアンティークの帯がたーんと。手の込んだ刺繍に目がハートになってしまいます。
麻雀牌柄の帯~。
色っぽい羽織~。
我が名ゆえ惹かれる葉っぱ柄~。
羽織も着物も大きめのサイズのものが多く、「着られる!」と思うと心は弾みます。でもやっぱりそういうものはお高い‥。薔薇の羽織は3万円、葉っぱの着物は4万円。でもでも~羽織って鏡を見ると心はぐらぐら‥。
と、ぐらぐらした心のまま帯を見ると、3万円4万円の帯の中に1万円台のものもあるのです。日頃の私の買い物からすると大きい金額だけど、でもこのクオリティーでこのお値段、ほ、ほしいっ。
よし、帯を買おう。さて‥と、選び始めましたが、迷って迷って。あれもいい、これもいい。知恵熱が出そう。「これ全部いただくわ!」ができたらどんなにいいだろうと思いながら、血を吐く思いで選んだのがこの2本です。
左の桜笠染め帯が15000円、右の杜若刺繍帯が10000円。5ケタの買い物をするとびびってしまうわたくしとしては、まさにキヨブタ!
でも、う~れ~し~い~~♪
会心の買い物をして、興奮と虚脱感の両方を感じつつ、カヨイコマチさんと記念撮影しました。
カヨイコマチさん、4月7日8日の『ギフロマンチカ』にもいらっしゃるそう。また素敵なアンティークを見せていただけると思うと今から楽しみです。・・貯金しとかなきゃ。
それにしても今日は、いつもひとりだと買い物を躊躇ってしまうわたくしにしては珍しい大散財でした。カヨイコマチさんの魔法にかかっちゃったかしら。(あるいは『ショッピングの女王様』の生霊が‥?)
最後まで迷った帯たち。また逢えることがあるかな‥。
プロジェクトHaori !!
身丈わずか143センチ。
幅が足りない。
羽裏はどこだ。
継ぎ合わせること、数ヵ所。
「はーい、ここを縫ってねー」‥
そして、迎えた、完成の日。
162センチの葉の、挑戦の記録。
2006年、夏。葉の元に、一本の電話がかかった。
「あのねー、田中(仮名)のおばちゃんがねー、もうキモノ着ないから、葉ちゃんにあげるってー。もらっておいたからねー」
電話の主は、実母。顔の広いひとだった。近所中に娘が最近キモノを着ている事を触れ回っていたのだった。
葉、キモノ好き。ありがたい話ではあった。だがしかし。
不安は的中した。
田中のおばちゃん。とても小柄な人だった。
葉のもとにもたらされた、身丈わずか143センチのキモノ多数。‥とても、着ることはできなかった。
なんとか、浴衣などの単ものは身幅を出し袖を直して対丈で着た。
しかし、袷。まるっきり解いて、作り直すしかない。‥羽織にしよう。そう思った、そのときからこのプロジェクトははじまったのだった。
羽織を作ろう!と決めた着物。身丈143センチ
アナウンサー「袷で、長羽織を作る。しかも、小さい着物から縫い直すなんて、すごくたいへんなことだと思うんですが‥どうしてそんなことをやる気になったんですか?」
葉「前にも古い羽織で道中着を作ったりしたんですわ。それで、こんどは羽織りかなーと。あんまり持ってないですしねー」
アナ「単と袷、羽織と道中着。かなり違うと思うんですが‥」
葉「いやー、あんまり考えてませんでしたー。とりあえず、先生に相談したらなんとかなるかなぁって~」
2006年、9月。
和裁の先生に相談した。先生、二つ返事で引き受けてくれた。「着物って、これだから愉しいのよねー」心強いお言葉。葉、嬉しかった。いそいそと、着物を解いた。
ただ、羽裏が必要だった。着物の八掛だけでは尺が足りない。また、羽裏はお洒落のポイント。無地ではつまらなかった。
どこかに羽裏はないか。何か手持ちのものを解くか、ハギレを探すかと考えていたその頃。オットの実家に帰省した葉、たまたまキモノを着ていた。すると、義母。「使う~?」と言って呉れた羽織。小さくて着られないが‥可愛い羽裏だった。葉、その日のうちに羽織を解いて、洗ってアイロンをかけた。
その義母の羽裏。身頃分と袖を継ぎ合わせて、長羽織に必要な長さができた。
残りは、着物の八掛と継いで、袖の裏になった。
これで、ようやく長羽織に必要なだけの布が、揃ったのだった。それは、2006年10月のことだった。
慎重に寸法を決めて‥
見ごろを裁つ!(手は先生の手です)
しかし、困難はまだ続いた。
幅が足りない。
羽織の袖は着物よりも二分長く作る。葉の袖幅は九寸。しかし反物の幅自体が九寸そこそこ。
「継ぐしかない」
奥身分を足すことにした。幸い、継ぎ目の目立たない柄だった。
次なる課題。羽織の、衿。ひと幅が必要であった。
着物の衿や奥身は半幅しかない。足さねばならないのか。何を。緊張が走ったそのとき。
「余り布がありました!」
別の文庫にまぎれて、この着物を作ったときの余り布が発見された。その長さ、4尺。「小さい人だから‥こんなに余ったんだ。おばちゃんありがとう」
しかし、長羽織の衿にはやはり足りない。‥やむを得ず、掛衿を継いだ。継ぎ目が目立たないこと、ここでも助けてくれた。
(どこで継いであるかわかりますか~?)
アナ「いっぱい継ぎましたねー」
葉「はいもう、山盛り。羽裏を継いで、袖裏を継いで、衿を継いで、袖を継いで‥。継ぎ目を縫って、縫い目を割って、縫い代を綴じるんです、全部。んもうちくちくちくちく。やってもやっても形にならない。思えばこのへんが一番つらかったです。」
しかしパーツが揃うと、和裁の時間のたびに羽織は少しずつ、できあがっていった。
先生に待ち針を打ってもらって、そこを縫う。その繰り返し。
裏と表を合わせたり、袖の丸みを作ったり、難しいところは先生が縫ってくれた。
そして、袷は‥難しいところが多いのだった。
葉は、ひたすら待ち針を打ってもらったところを縫い続けた。
和裁教室。女ばっかりでわあわあきゃあきゃあとしゃべくりながら。長羽織、ちゃくちゃくと出来ていった‥。
そして年が明け、いつのまにか2月。ついに、その日は来た。
その日は和裁の日ではなく、先生のお宅で「おうち展示会」だった。しかし、葉は身頃・袖がそれぞれ出来上がっていた羽織を、持って行った。「せんせー、待ち針打ってくださーい」
賑やかに、反物を品定め。おしゃべりしながら、先生の手元は素早く動いていた。そして・・
「はいこれー。あとは裏をくけくけして綴じてねー」
いつの間にか袖。ついていた。裏地を止めつけてある待ち針が、まぶしかった。
「せんせー。ありがとーーー」
葉、帰宅していそいそと、裏を綴じた。
縫い終わったー‥。
アナ:結局袖は先生がつけてくれたんですね。
葉:そうなんです。わたくしは裏を綴じただけ。衿のところも前下がりもマチのところも先生がやってくれましたー。あ、あと袖の丸みもー。
アナ:えっと。結局、葉さんは何をやったんですか?
葉:だから~、先生が待ち針を打って「ここを縫ってね」というところを縫って、「ここをくけてね」というところをくけたんです。ぁ、あと着物を解いた!
アナ:えー‥裁ってもらって印しつけてもらって待針打ってもらって縫い方指示してもらって、そのうえ難しいところは全部縫ってもらったわけですよね。
葉:そうでーす。
アナ:それって‥「葉さんが羽織を作った」と言えるんでしょうか?
葉:えーと‥「葉は羽織を縫った」とは、なんとかかろうじて言えるような気が、しないでもない、ような気がする‥ゴニョゴニョ」
アナ「‥言葉の綾ですね」
翌週。葉は、縫い終わった羽織を持って和裁教室に行った。
魔法のアイロンをかけてもらうためだった。
先生の手が素早く動くと、よれよれだった羽織、仕立て上がりのようにしゃんとした姿になった。
これを文庫に入れて、しばらく落ち着かせてから、着るつもり。
おばちゃんが着ていた143センチの着物は、こうして162センチの葉の長羽織として生まれ変わった。
ほどくと四角い布になる着物。着物として着られなくなったら羽織に、道中着に、もっと古くなってもいいとこどりしてでんちこなどに。生まれ変わりながら、布としての命が尽きるまで、愛しみ尽くすことができる。着物って、ほんとうに佳いものである。
新しいものを誂えるのはもちろんこの上ない愉しみだけれど、こうやって昔のものを甦らせていくことは、それとはまた違った無上の愉しみであるとしみじみ思った。
そして、一枚の着物のためにこうやって時間も手間もかけること‥これは現代ではたいへんな贅沢ではないだろうかとも、感じたのだった。
これが こうなった
こうして、おばちゃんの着物を葉の羽織に縫い直す「プロジェクトH」は成功した。
しかし、葉の元にはまだおばちゃんの着物、たーんとあるのであった。
旅は、まだ終わらない。
昨日は、おなじみ古きもの「きむら」へ。 目的は、去年の暮に心惹かれ、「とっておいて!」とおばちゃんに言ったきりそのままにしてしまっていた『壇ノ浦着物』の白黒、いや壇ノ浦なだけに赤白はっきりさせること。・・と言っても、すでに勝負はついていたようなものですが‥。
何はともあれ、この日のキモノ。
着物は『紫オフ』の時にも着ていた紫錦紗。この着物、初めて「きむら」に行ったときに求めたのですが(確か5000円くらい)、まだおばちゃんに着たところを見せていないので、今日はぜひ着て行きたかったのです。
もうひとつの『ぜひ』は水仙柄の帯。今のうちに締めておかないと季節が終わってしまうから大忙しです。これはヤフオク・カヨイコマチさんで3000円くらいでした。
半衿と帯揚は大須骨董市で買ったハギレ(800円くらい)をふたつに切ったもの。安かったけれど出番が多いクリーム色草花柄。帯締めはいただきものの古い三分紐に、帯留めは竹蔵龍さんの『シルクロード』。
最後に、羽織は江口屋さん4000円のアールデコ風。ちょっと春のイメージを出したいと思ってこの色になりました。この日はほんとうにぽかぽか暖かく、2月と言ってももう春だなぁという気候だったので。
さて、「きむら」。到着すると玄関はこんな感じ。
いつもの仲間がすでに到着、華やかにキモノを広げて談義に花を咲かせていました。
そして「葉さーん、こんな着物があったのよーー」と、見せてくれたのがこれ!
「羽織ってみたら?」と言われてさっそく羽織ってみます。あああ、素敵。
とっても肌触りがよく軽い錦紗縮緬、わたしの好きな抹茶色、そして模様はわが名ゆえ惹かれる葉っぱ柄!
「でも高いよー」とおばちゃん。気になるお値段は七万円!だって、とても状態がいいのですもの。シミ・ヨゴレ無し!そして、サイズも、わたしには少し小さいけれどアンティークとしては大きめ。そりゃ仕方ないわなぁ。
七万円‥先日のお誂え訪問着十万円はプラスいろいろがありましたが、これは、これだけ。心、ぐらぐら揺れています。
でもやっぱり、高いいい~。
その後も、薔薇柄のシックな訪問着などいろいろ羽織ってみますが、やっぱりあの葉っぱ柄が目の裏にちらつきます。ああ、悪いもん見ちゃった。
しかし、いよいよ『壇ノ浦』をもう一度出してきてもらって羽織ると‥。
これはこれで『葉っぱ着物』とはぜんぜん違う面白さがあります。これは、笑いが取れる。やっぱりいいわぁ。
みんなにも「こういうのは葉さんしか着られないよねー」と言われ(ほめられているのか微妙な気もするが)、壇ノ浦の合戦いちまんごせんえんみごとに討ち取ったり!という結末となりました。
波の下にも都は候らふぞ‥という柄なので『壇ノ浦』(命名:わたくし)
今日の合戦に加勢してくれたツワモノたちです。
すうざんさん・にっぽんちゃん・白雪ママさん・ぶるちゃん・mayさん。華やかに揃いました。こうやって美しいひと・美しいものと一緒に過ごす時間。実にシアワセな人生のひとこまです。
そのほか、結城紬をいろいろとおばちゃんが出してきて、みんなで賑やかに触ったり羽織ったり。結城もいいなあ。いつか欲しい。大好きな刺繍ごってり帯もいろいろ見せてもらいました。あの川島織物の袋帯も欲しいなあ。
でも今日は壇ノ浦の戦果に深く満足して、帰途についたのでした。とはいえ脳裏には葉っぱ着物の面影が焼きついて離れなくもあったのでした。‥業の深い女です、つくづく。
**
そして今日。帰宅してポストを見ましたら、葉書が2枚。履物やさん『松屋』のセールのお知らせ(2月14日~25日)。カヨイコマチさんの『名古屋へまいりましょう』(2月24日・25日)。
ああああ、ホントつくづく、業の深い女です‥‥。
行かなきゃ。
今日は知り合いがライブハウスに出演するというので、ライブコーデで行ってまいりました。
今日のキモノは骨董市にて買った立湧お召し、500円!です。裄も丈も足りないので、対丈に着て浅く合わせ、半衿をがばちょと出してカバーした、つもり。
帯と半衿はUSAコットンで自作したもの。音符柄です。そして帯揚も、鍵盤柄のリボンでつくった丸ぐけ。手袋も鍵盤柄、そして帯飾りにミニチュアのギターを。ライブに行くぞー気分をもりあげます。
帯回りはこんな感じでした。
ライブハウスにて。
ここのマスターがビートルズ大好きなので、店内はそういう感じ。ここで催されるライブもその頃っぽいものが多いみたい。
今日の演奏曲目は「好きさ好きさ好きさ」「エメラルドの瞳」などのグループサウンズに、「青春の影」「初恋」など70~80年代の歌もあって、懐かしい気持ちで酔いしれておりました。酒にもちょい酔いました。
和裁の先生と長いつき合いの呉服屋さんが、先生のお宅に反物や帯をたくさん送ってきてくれたというので見に行ってきました。おうちでのキモノ展示会のようなもの。普通の展示会だと店員さんがついて回っていろいろ勧められたりするのが煩わしくて行きにくいのですが、そういうひとがいないので(先生が「来なくていいから!」と断った)ゆっくりいろいろ見られる!と、わくわくしながら出かけていきました。
先生のお宅、リビングと続きの和室には反物や仮絵羽状態のきものや小物がいっぱいに広げられ、先に来たひとたちが賑やかに着物談義をしていました。
わたくしがまず見たのは「洗える着物」。一枚も持っていないので、この際買ってもいいかしらと思って。「洗える着物」だけで大きな箱に2箱、気になったものを片っ端から当てていきました。楽しい柄がたくさん。トランプ柄や、「風神雷神」や‥。
わたくしが気に入ったのはこの「風神雷神」。生地の質感もよろしく顔うつりも良く、遠めには市松に見えて近くによると風神雷神の柄。「洗える着物」を着るのは雨のときだからちょっと洒落も効いてていいかしらと思って。「黒い八掛をつけたら粋じゃない?」など、おしゃべりしあって、夢が膨らんでいきます。
値段は‥反物5万円弱。胴裏・八掛・仕立て代を加えると8万円くらい(たれものの袷は自分で縫えないので)。8万円かぁ‥。
一緒に反物を見ている人は2反3反と選び出して取り置いています。でも、わたくしは決心がつかず‥
決心できないまま、絹モノの方を見ていきました。やっぱり絹の手触りは気持ちいい。これも片っ端から当てていきます。と、そこにわたくしの目をハートにするものが!
我が名ゆえ惹かれる葉っぱ柄、とても柔らかい縮緬地に柿渋染の色もはんなりと。「それにはこの帯揚げがぴったりよ~。帯締めはこれなんか素敵」先生が箱から選んでくれた帯揚げ帯締めが、これまたぴったりで~。
でも、お値段は‥にじゅうまんえん弱!!に~じ~う~ま~ん~‥プラス胴裏八掛仕立て代~~‥
無理すれば出せないお金ではないけれど、趣味で着るもんにそんなに使う~~‥と、心は乱れます。すてき~でも~すてき~でも~とココロに繰り返すヘタレなわたくし。
これまた保留にしたまま、仮絵羽の訪問着のところへ。こ、ここまで来ればもう手の届く値段ではないから心安らかに見ることができます。店員さんのいない気安さ、仮絵羽を羽織ってファッションショー。こーんな素敵な宝尽くしの訪問着も羽織らせてもらいました。
いい気になってあれこれと羽織っていましたら、また現れたのです、目をハートにする着物!しかも!赤札で半額以下のじゅうまんえん!!
江戸小紋に裾と袖にストライプ模様のある訪問着で、この江戸小紋が我が偏愛の「雪輪」だったのです!
「これはいいわよう、どっしりといい縮緬。模様づけも上品だしお洒落だし。帯ですごくいろいろ着られるから便利。10万円はお買い得だわ」先生も勧めてくれます。マージンが入るわけではない専門家の言葉。説得力ありまくり。心、激しく揺れます。
わたくし「帯はどんなのがいいでしょう?」先生「そうねー、例えば‥」
スワトウ刺繍の帯、市松落ち葉帯。なるほど、スワトウ刺繍の方はフォーマル感あり結婚式にも行ける。落ち葉の方は粋です。秋のお出かけであればパーティーでも歌舞伎でもばっちり!。
和裁仲間で着物お出かけすることがたまにあるのですが、そのときの先生の装いはきりっとあかぬけた感じで、さすが!と思っていました。そのセンスを分けてもらっている感じです。しょっちゅうキモノを着ているわたくしですが、こういう「きちんとしたキモノ」には自信がないのです‥うーん‥。
どんどん心惹かれてうなっていましたら、和裁仲間のひとが「これは?」と。先生も「いいじゃない~」と小物を合わせてくれました。
この帯も、赤札で半額以下になっていたのです。はちまんえん。しなやかに軽く、しかも精巧な織。金と銀のこの組み合わせは、確かにコーディネイトしやすい。この着物だけでなく、手持ちのあれこれにも合いそうです。あああ、こころがすごく揺れています。
**
洗える風神雷神。葉っぱ着物。そして雪輪訪問着。帯。帯〆帯あげ‥
どれを取っても、すごく心惹かれるものでした。そして、お値段はとってもリーズナブル‥普通に呉服屋さんで買うよりもとってもお安く、お買い得なものばかりであることは、心から頷けるものでした。
なので、一緒に見ていたひとたちは次々とお買い上げしていかれます。傍らに積みあがる「おとりおき」の山。
‥なのに、わたくしは。‥「お買い得!」とも「いいなあ!!」とも激しく思いつつ、なんだかどうしても買う決心がつかないまま、帰途についたのでした。
十万円。二十万円。三十万円。いいトシですもの、けして出せないお金ではないのです、どうしても欲しいと思うならば。
あったらいいと思うし、買ったならば後悔はしないとも思うのですが。でも、どうもそれだけのお金を出すことが思いきれなくて。
**
家に着き、ヤフオクのウォッチリストをチェックしました。狙っていた着物が、ああ~2万円を越えています。もうあかんなあ。
‥と、いうのがわたくしのキモノ金銭感覚なのですな。ふふ。じゅうまんえんを「安い」と思っていた感覚から、一気に日常に引き戻されました。
そう、キモノは、わたくしにとっては日常。お米やタオルや石鹸のように、普通の気持ちでざぶざぶと使いたおしてしまうもの。キモノを着ても、着ているってことを意識して不自由になりたくない。着てしまったら、着ていることを忘れているくらいがちょうどいい。
そう思うと、じゅうまんえんはやっぱり重くって。
あのキモノ、いいんだけどなあ。でもなあ。
‥「でもなあ」と思いつつ、出せるお金ではないよなあ、じうまんえん。
**
新品の、上等の生地綺麗な染めや刺繍の反物を当てて、八掛は~小物は~とおしゃべりしつつ仕立てあがった姿を思い浮かべるのは、とっても愉しい時間でした。
ひとそれぞれ、うつる色も違う。ぴったりの色を選び当てて「これにするわ~」と喜ぶひとたち。キモノが出来上がったら、もっと嬉しい笑顔に遭えることでしょう。その日も楽しみです。
でも、今のわたくしにはまだそれは、ちょっと遠いような気がします。じうまんえん・にじうまんえんを一枚のキモノに出して自然でいられる器量がありません。
でもいつの日か、自然にそんな買い物ができるようになりたい。その任に合うだけのキモノ人になりたいものです。
美しい反物に触れるのはこの上ない愉しみです。普通だったら、それは「買わねばならない」というかなりのプレッシャーを受けながらでないと味わえないもの。でも、今回はおかげさまで重圧なしでほんとうにいい目の保養をさせてもらいました。セッティングしてくれた先生のおかげ、そしてお買い上げをしたみなさまのおかげで。わたくしは思いっきり見るだけ羽織るだけ、教えてもらうだけ。申し訳ないです。
ああだけど、そんなわたくしでも、キモノ仲間は付き合ってくれます。
それだから、みんなのしあわせ祈るのさ♪
今日は節分。というわけでそういうコーデでお出かけしてまいりました。
今日は「へのへの」ではなく『おたふく』で参ります。だって節分。福は内、お多福来い来いの日ですもの。
そして、きょうのわたくし表情はおたふく。かねて行きたかった『豊田市美術館』に、やっと行くことが出来たので。ここ豊田市美術館、行くだけならいつでもいいのですが、特に写真撮影によろしいところだと聞いていましたので、ぜひカメラマン(オットともいう)と一緒に来たかったのです(えー、ちなみに後ろにいるのがそのひとです)。
今日のコーデ。羽織はヤフオク時代着物さんの。流水や橘の地模様が入った錦紗縮緬です。羽織紐はおーこさん作。
着物は復刻伊勢崎銘仙。着物を着始めた頃にネットで反物を買って仕立ててもらったもの。半衿はそのときのオマケで貰いました。帯は先日と同じ「おすピー裏」便利なヤツです。
そして、帯留めは縮緬細工の『おたふく』。今日のメインはこれで、これを生かすようにと引き算しつつコーデを考えていったのですが、どうだったでしょう?
あと、ひっそりと節分つながりで、帯揚の水玉は豆まきの豆のつもり‥これは、手持ちのスカーフです。
さて、豊田市美術館。広い敷地にはまだ固いつぼみの桜の木や冬枯れの杉の木が植えられています。こんなベンチも。
今日はいい天気で、池の水面もキラキラ。いい気分でずんずん歩いてきました。
あちこちに、現代美術のオブジェが。野外展示のそれとは、自由に戯れることができるよう。というわけでたわむれるわたくし。
美術館建物の2階屋上には、鏡のオブジェがたくさん。よく磨きこまれてぴかぴかです。さて、どっちがほんとうのわたくし~?
美術館の中に入っていきます。なんとここ太っ腹にも、常設展は撮影OKとのこと。うれしがっておたふく、クリムトやホアン・ミロ、横山大観と一緒に記念撮影(でもさすがにブログに載せるのはまずかろうと削除)。
半日たっぷり作品を見て回り、屋外の茶室や池でも遊んで、いっぱい写真を撮ってもらって満足して帰途についた一日でありました。
豊田市美術館、展示されている作品にも見応えがあり、鏡のオブジェ初め写真撮影には面白いポイントもいっぱい。レストランのランチもちょっと凝ったメニューがあったりして、なかなかに楽しいところでした。また行きたいな、今度はキモノ乙女のみなさま、是非御一緒しましょう。そしてまた、写真も‥!