キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

雪尽くし・中島みゆきコンサート!

2007年09月30日 | 今日のキモノ

 中島みゆきコンサートツアー2007が、9月29日岐阜県可児市文化創造センターから始まりました。もう四半世紀以上もみゆきサマに魂を奪われているわたくし。今回奇跡が起こって初日のチケットをゲットできたので、みゆきサマにちなんで「雪尽くし」コーデで初日を祝います~。
  
 今日の着物:赤紫縮緬単色無地・雪輪三つ紋(ヤフオク時代着物さん3800円)
 今日の帯:クリーム地菊楓雪輪紋名古屋帯(ヤフオク時代着物さん2100円)
 今日の半襟:灰色雪結晶刺繍半襟(Berry工房さん1600円)
 今日の帯揚:紫雪輪ハギレ(大須骨董市800円)
 今日の帯締:紫三部紐(金山ノスタルジックモール500円)
 今日の帯留:雪月花(竹蔵龍さん4800円)
 今日の足袋:薄紫雪兎(まねきや980円)
 今日の簪:銀粘土雪輪(京子ちゃんに作ってもらった8000円)

 うふふ、簪から半襟から雪尽くし!紋が雪輪の色無地は単なので、ちょうどこの季節限定でばっちりです。コンサートに行く心弾みにも拍車がかかろうというもの!

 雪尽くしコーデに身を包んで出かけたコンサート。みゆきサマの歌は深く心に沁みて、疲れた心に力を与えてくれたのでした。行けてよかった・・。実は、このツアーまだあと3回チケットを取っているのです。次もその次も、「雪」なコーデで行けたらいいなあ。


蜻蛉玉・大垣・蜻蛉玉

2007年09月13日 | 今日のキモノ

 先週の日曜日には『大垣オフ』が予定されていました。キモノ仲間のおーこさんが、家庭の事情でなかなか出てくることができない。ならば会いに行っちゃおう!という趣旨のオフ。行きたいなあと思いつつ、わたくしも近頃浮世のさだめに翻弄されて疲れ気味、行ったらリフレッシュするだろうと思いつつ、行く元気が今ひとつでどうしようかなぁと迷っていました。
 そしたら、もうひとつのことから思いがけず土日ともキモノで出かけることとなりました!

 もうひとつのこと。それは、キモノ関係のネットで知己を得たふちこまさんが、富山から名古屋にいらっしゃるという知らせ。ふちこまさんは蜻蛉玉を造っていらして、そのグループ展を名古屋栄の丸善でなさる、そのために週末かけていらっしゃるのだとか。
 ふちこまさんとはネットでだけお話してその潔い人柄に惹かれ、オフラインでもお会いしたいものだなあと常々思っていました。これはいい機会、会いに行こうかな。

 と、そんな話をしたところ、おーこさんが「葉さん、すごい人とお知り合いですね!!」と。おーこさんは蜻蛉玉作りにはまって1年とちょっとなのですが、ふちこまさんは憧れの作家さんなのだそう。ひえっ、そんなすごい人だったのか。
 おーこさんもこのグループ展には行きたい!ととても思っているのですが、家庭の事情で名古屋まで出ることが難しく、悔しくもどかしい思いでおられるとか。「是非行って見て来て、そしてどんな作品があったか教えて!」おーこさんの切なる願いが伝わってきます。
 よーし!では土曜日にふちこまさんに会いに行こう。そして日曜日におーこさんと会って、その話をしよう。週末の予定は、こうして決まりました。

 さぁ、張り切ってキモノを着ます!
 
 今日の着物:蜘蛛の巣ポリ単:竹蔵龍さん 39800円
 今日の帯:蜻蛉帯:きもの・なかむらさん 40000円
 今日の半襟:薄緑すかし模様 竹蔵龍さんよりいただく
 今日の帯揚げ:クリーム色草花模様 大須骨董市800円
 今日の帯締め:草色三分紐 きもの・なかむらさんよりいただく
 今日の帯留め:髑髏蜘蛛 竹蔵龍さん 18900円
 今日の足袋:草色水玉夏足袋:まねきや 780円
 今日の草履:酒袋台すうちゃんお見立て花緒:松屋バーゲン6000円
 今日の簪:銀粘土蜘蛛の巣:キョウコちゃん作 8000円

 季節柄、蜘蛛の巣着物と蜻蛉帯は着納めかな?「蜘蛛と虫」コーデ、着納めが初お披露目となりました。お宝同士の気合の入ったコーデ、今日の気分によく合っています。いざ出陣~~!

 会場の丸善ギャラリーに着くと、奥の方で縞の木綿を粋に着こなした女性がお客さんと話をしています。あれがふちこまさんかな?接客が終わるまで、展示されている蜻蛉玉を眺めていることにしました。

 ・・と、軽い気持ちで見始めた蜻蛉玉ですが・・あっという間に。
 魅了、されていました。

 蜻蛉玉。大きいものでも直径3センチくらい?だいたい1~2センチの小さな管玉。なのに、その中になんて大きな世界が展開しているのでしょう。じっと見つめていると、玉の中に吸い込まれてしまいそうです。
 一面の花畑があります。月夜の野原に薄が揺れています。宇宙。銀河。曼荼羅。季節を表現しているものもありました。ウサギや猫が躍動していました。作家ごとに個性もいろいろ。
 そしてふちこまさんの作品。こんな小さい玉が、なんて存在感。重なり合い響きあう色、確かな線。これは「秋の気配」?これは「祈り」?緻密で、繊細で、雄大です。ああこれはおーこさんが心惹かれるはずだわ。

 夢中で見入っておりましたところ、「葉さん、ですよね?」とふちこまさんが声をかけてくださいました。はっと現実に引き戻されたものの、心の半分はまだ玉の中に。「あ、ああ葉です、ふちこまさんはじめまして、作品、凄いですね!」話しをしつつ、なかなかうつつごころが戻ってこないのでした。

 そして‥気がついたら「連れて帰る子」を一生懸命選んでおりました。
 
 ふちこまさんと、「うちの子」を見つけてにんまりするわたくし。

 今日のこと、明日おーこさんに話そう。この玉を見てもらおう。きっと感激してくれるわ。そう思いつつ、ギャラリーを後にしました。感動の余韻で、なんだか足元がふわふわと雲を踏むようでした。

**

 翌日。この日のコーデは前日とほぼ同じ。会う人が違うからいいよね、というずぼらな理由です。
 ただし、おーこさんにみていただくため、帯留めは昨日求めた蜻蛉玉、『白蛇戦国玉』戦国玉・・古代中国の春秋戦国時代にお守りとして使われた玉の意匠を配した玉のこと、らしいです。それに、ふちこまさんに見立てていただいた帯締め、帯揚げは玉に合わせて手持ちから鱗模様のハギレを合わせました。

 さて、大垣へ。mayさんと申し合わせて同じ電車に乗り、大垣駅に降り立つとおーこさんとぶるちゃんが待っていてくれました。
 
 今日のオフのメンバー(全員で写った写真がなかったので、ちょっと合成しました)。
 おーこさんは阿波しじらかな?木綿の着物に格子の帯。自作の蜻蛉玉帯留めはウサギ模様で秋らしく。しっとりと大人っぽい着こなし。
 mayさんは綿麻の着物、この色はmayさんカラーですね。帯は紅葉模様が季節です。
 ぶるちゃんの着物は夏銘仙?夏お召し?ちょっと透けるしゃりっとした生地で、色合いがいかにも今の季節。帯はお太鼓に青海波の刺繍が。
 
 まずは、ランチ。一軒家そのままをカフェにしているから「イエ・カフェ」なのかな?と思いきや、素直に「アイ・イー・カフェ」だったらしい。
 
 のんべ組はスーパークリングワインでかんぱーい。

 ランチをいただきながら、いろんな話を。おーこさん、たいへんだね。みんなそれぞれ、いろいろあるよね。愚痴も苦労話も、話して聴いて癒される時間。
 そして、わたくしは昨日の話しをいたしました。蜻蛉玉、すごかったわ。小さな玉の中に世界があるのね。わたし、たまらなくなって求めてしまったわ。今つけている、これ。
 
 話の途中から、おーこさんの瞳がうるうると濡れてきました。
 「素敵な蜻蛉玉・・。こんなのがたくさんあったのね。見たい・・。」頬が赤らんでいます。恋する乙女のようです。
 「ねえ、大垣から名古屋って、そんな遠くないじゃん。なんなら今日、一緒に行こうよ。」「そうそう、私も見てみたいよ」
 みんなでおーこさんに勧めます。「行きたい・・主人に聞いてみるわ」

 もう行く方向。では、大垣めぐりちゃっと行きましょう。せっかくおーこさんいろいろ考えててくださったし、わたくし大垣初めてだし!

 というわけで駆け足の大垣観光。市内を流れる水間川、船町港跡。
 
 大垣は水運の町。ここから桑名までの船のルートは江戸時代から明治にかけてたいへんな賑わいだったとか。そういうところなので、川端には灯台が。「住吉灯台」跡です。
 
 ここは芭蕉の「奥の細道」の旅終焉の地でもあるということで、こんな像もありました。江戸は千住の宿を出発し、巡りめぐってここまで来た芭蕉翁。こんなところでキモノ女におもちゃにされようとは・・。

 
 川上に向かって少し歩くと、大きな水場が。大垣は水の都。澄んだ水が滾々と湧き出でています。
 えー、画面左端の写っていないところには、若いカップルがひっついて座っておりました。水面を見つつ、愛を語らっておったのでしょう。ごめんねおばちゃんたち遠慮しなくて。「わーー、きれいねえ~」「あっ、魚がいるわ~!」わあわあぎゃあぎゃあ。

 
 さて、それから大垣城へ。ここは関が原の前哨戦になった戦国時代の要所だったとか。歴史に思いをはせ、、ってmayさんぶるちゃん、何ゆえそんな顔をしていたんかいっ?!

 
 歴史散歩のあとはやっぱりこれよね。
 
 大垣名物、水まんじゅう~。冷たくってとぅるるん♪として、とっても美味しかったです。でも・・あの時は言えなかったけど今言わせてください。「カエルの卵に似てるよね!!」
 ・・いや、ほんとーに美味しかったです。お土産に買って帰りましたもん。

 ここで、おーこさんご主人に電話しに行きました。名古屋に行っていいか、尋ねているのです。戻ってきたおーこさんの顔は輝いていました。「行って来ていいって!今日は食事を作ってくれるって言ってくれたわ!!」

 ぶるちゃんとは残念ながらここでお別れして(ホント残念)、さぁ一路名古屋へ。
 
 期待にわくわくうるうるのおーこさん

 あ、しまった。また来るとは思ってなかったから、キモノ昨日と一緒だ。ズボラがバレちゃう。‥ま、帯留でこれだけ変わるってのを見てもらえるからいいかと言い訳。

 会場に着きました。ふちこまさん、お客さんと話しておられます。目で挨拶だけして、まずは作品を。

 おーこさん、吸い寄せられるように作品群に近づいていきます。溜息。ひとつひとつ丁寧に見て行きながら、「どうしてこんなことができるの~」とつぶやいています。造る者ならではの見る目が、感動をより大きくしているようです。
 mayさんも目を大きく見開いて作品に見入っています。わたくしも二度目なので少し余裕で作品を愛でました。やっぱり凄い。何度見ても。
 あれが素敵これが欲しいを言い合っていると、お客さんとの話を終えたふちこまさんが来られました。「友達を連れてきました~」さっそく、おーこさんを紹介します。

 「私も蜻蛉玉を作っているんです・・でも、ほんとうに素敵で凄くて・・」
 おーこさん、瞳は輝き頬は紅潮し。ぱあっと輝くように綺麗です。やはり恋は女を美しくするのね。ふちこまさん、丁寧に答えてくれています。隣で漏れ聞くわたくし。専門技術の話はよくわかりませんが、『芸談』に当たる話は心に残っています。

 「私も10年前はぜんぜん作れなかったのよ。でも、長いことやっていたら作れるようになった。技術は、経験さえつめば必ず向上するわ。だから、大事なのは技術ではないの。自分はどんな玉を作りたいのか、ということなのよ。それさえ大事に育てていけば、技術は後からついてくる。自分の感じるところを大切にするのが一番大事なの」。
 深くうなずくおーこさん。おとなしやかなおーこさんの、心の底にある何かに「ぽっ」と火がついたところが見えたような気がしました。うん、きっと思ったものが形をなす日が来るよ!楽しみだわ。

 「蜻蛉玉って、製作のための技術はどんどん進歩して行っているの。昔の玉で凄いのがあるって言っても、それを作る技術自体は今のほうが進歩している。金工なんかでは今ではどうやっても作れないっていうような作品もある。どうしても昔を越えられないっていうのは悲しいわ。でも、蜻蛉玉はそうじゃない。腕さえ磨けば昔を越えられる。元気が出るわ。」
 力強いお言葉。これからふちこまさんが作り出す作品、未来の古典になっていくような作品をこれからも見て行きたい。

※これらの言葉、わたくしの記憶フィルターがかかったものですから‥文責はわたくしにあります。ふちこまさん、間違ったことを書いていたらお教えください。

 いくら見ても見飽きることのない作品たち。
 見ているうちにたどり着くのはやっぱり・・「連れて帰りたい!!」。
 さぁ、われらが「買い物女王」mayさん面目躍如タイムです。

 mayさんがじ~~~っとながめ、手にとってためつすがめつしている帯留め。珊瑚色の上に精巧に色が重なった花、その間に細い筋が緻密に引かれ‥細かい細工が小さな玉をとても大きく見せている、迫力の一品。・・お値段も迫力。惹かれつつ迷っているmayさん。

 「それ、泣くほどたいへんだったの」ふちこまさんがおっしゃいます。「ひとつひとつ重ねて行って・・そうせずにいられなくて作っていたけど、もう二度と作りたくないくらいよ。しかもそれ、作っているうちに神様が降りてきて一回で失敗せずに作れてしまったものだから、失敗作が手元に残っているってこともないの。そのデザインはそれひとつしかこの世にないのよ」
 mayさんの心がぐらぐら揺れているのがわかります。本当に、見れば見るほど凄い作品。いいなああ。それに、色といい雰囲気といいmayさんにあつらえたよう。行っちゃいなよmayさん、ダイブ、キヨミズステージ!‥mayさん陥落。そして、わが子になった作品を手に笑み崩れています。

 「いい方のところにお嫁に行ってくれて嬉しいわ。いちばん気に入っていた子だったの」。ふちこまさんも喜んでおられます。
 「そんな大切な作品を、私なんかがいただいていっていいんですか?お手元に置いておきたいとは思われませんか?」
 「それはないの。私は作家ですから、作品は手元に置かないんです。お客様のもとにお嫁に行ってくれるために作っているんです。そうして手元は空にしておかないと、作家はいい作品を作れないのです」

 おーこさんも迷った末に鮮やかな緑の簪(そこに精巧な縄目の模様が踊っている)を求めました。これ以上ない、というような幸せそうな顔です。見ているこちらまでうれしくなってしまう。

 買い物を終え、ふちこまさんを囲んでみんなの笑顔。
 
  それぞれ美しいものを手に、ギャラリーを後にしました。今日はおーこさんが雲を踏むようなふわふわとした足取り。心弾みが伝わってきます。

 「葉さんのおかげで、今日は夢みたいに嬉しかったわ。ありがとう、ありがとう」
 おーこさんに何度もお礼を言っていただき、わたくしのこころも嬉しい気持ちで満たされる思いでした。ただちょっと紹介しただけですのに、こんなに喜んでもらえるなんて。人生には、何も悪いことをしていないのに責められるという巡り合せに遭うこともありますが、こんなふうに何もたいしたことをしていないのにとても感謝されるという巡り合せもありますのね。

 凄いほど綺麗なものにも逢え、歴史にも触れることができ、感謝という贈り物までもらうことができた。この週末、とてもいい時間をすごすことができました。わたくしも元気をもらえました。出会ったすべての人にありがとう、です。
 


栗栖の里に秋の風吹く

2007年09月07日 | 今日のキモノ

 9月に入ったというのにこのところまた暑さがぶりかえしていますね。でも、9月2日の犬山・栗栖はきっぱりと秋でした。
 そう、我らがカリスマ美容師栗栖のみっちゃんのところに行ってきたのです。
 
 今日の着物:薄茶縞片貝木綿(反物25000円を和裁教室で仕立てる)
 今日の帯:乱菊昼夜帯(すうざんや1000円)
 今日の半襟:赤菊木綿(居内商店さんのおまけ)
 今日の帯揚げ:紫雪輪(骨董市ハギレ800円)
 今日の帯締め:紫白三部紐(金山ノスタルジックモール500円)
 今日の足袋:麻夏足袋(ゆかたや1800円)
 今日の下駄:畳表右近下駄縞花緒(松屋バーゲン台4000円花緒2000円)

 今日の帯、すうざんやの昼夜帯は、実は他の方が前にほしいと言っていたのです。でも、そのまま連絡なくほぼ1年がたち、時効ということで二番手のわたくしの元に参りました。でも、もしも「やっぱりほしい」と仰ったらお譲りする覚悟。なので、もしかしたら来るかもしれないその日の前に、早く締めておきたくて今日の登場となりました。
 それにしても、こんな状態がいいアンティーク帯が1000円!すうざんや恐るべし。骨董市の混沌からお宝を掘り出す眼力、いつもながら感動ものです。

 みっちゃんの美容院は、名鉄犬山駅から車で10分くらい行った栗栖というところにあります。その名のとおり、道端にはこんなものが。秋だなあ。
 
 9月に入り、単の季節になりました。単と薄物、それだけ見れば薄物の方が涼しそうですが、実は透ける薄物は下着に手抜きができない。見た目は涼しげですが、けっこう暑かったりします。その点透けない単、下着に手抜きしまくり。
 今日は縫さんとこの半襦袢を素肌にそのまま着て、下はステテコ着用のみです。その上に木綿をゆるゆるに着ていますから、固めの生地は肌の上に浮き、その間を風が吹き抜けて行きます。秋風を纏っているようです。気持ちいい‥と見上げる空には赤蜻蛉がついついと舞っています。秋だわぁ。

 さて、みっちゃんのお店。あいかわらずパワフルなみっちゃんです。ひとしきりおしゃべりに花を咲かせたあと、髪をやってもらいながらキモノ相談。幅が細くてどうしよう?な帯について‥。
 この帯、名古屋帯ではありません。昼夜帯か袋帯。なので、前幅は半分でなく太めに折ればOK。「でも、後ろは?普通に結んだんじゃ帯が細くってお尻が巨大に見えるのよねえ」わたくしがそう申しますと、みっちゃんこともなげに即答。「そんなん、なーんてことないわよっ」
   
 「ほら、こんな風にななめにお太鼓を作ってみたらどう?絽の目が交差して動きも出るし、お魚にも躍動感が出ていいがね!」
 
 「『ヤの字』風に、こんな風にテを斜めに出してみても面白いよね!」

 「葉さんが締めるんだったらこんな感じかな。他にも、もっとかわいらし~い感じが似合う人だったらこうかなとか、ホントいろいろ浮かんでくるよ。お太鼓にしなきゃとか、堅く考えなくていいのよ!折り紙と同じと思って、いろいろやってみたらいいのよ」
 なるほど~!なんだか目ウロコです。日ごろから、キモノは自由な発想でとか思っていましたが、意外と融通が利かない考え方をしていたなあと改めて思いました。

 みっちゃん、プロ美容師。仕事で着付けをするときには実にさまざまなハプニングがあるそう。お客さんが持って来られた着物がぜんぜんサイズ違いであることなど、日常茶飯事。
 「でも、この着物じゃ着付けられませんなんて決して言わないの!あるもので何とか形にするのが仕事なんだから。だから、こんなことなーんてことないんだわさー」すごいねえみっちゃん、すごいねえ。「当たり前!だって私はプロだもん。『ちょっとできる人』じゃなくって、これで店を作ってるプロだもんね~」
 そう話すみっちゃんの目はキラキラしています。ほんとうにこの仕事が好きで、誇りを持ってやっているんだなあ。かっこいいぜみっちゃん。

 そのほかにも、『美女塾』補習みたいなお化粧指南とか(わたくしチーク入れる位置間違って覚えてました/汗)、有益情報をいっぱいもらいながら、キモノセットしやすいカット&パーマをしてもらい、セットも終わるとわたくし、こんな感じです。
 
 木綿の着物に合わせて、シンプルな髷。クラシカルな雰囲気、なんかレトロなビールのポスターみたい。
 キモノ話や美容の話、そのほかにもいろんな話をして爆笑したりもしながら、楽しくて役に立つ半日があっという間に過ぎていきました。終わってお店を出ると、暮れかけた空に風はいっそう涼しく、山と川と緑に恵まれた栗栖の里はすっかり秋の中でありました。





 (おまけ)
 『いろんな話』の中で心に残った話。
 「ダンナの兄弟の子供がウチに来てたんだけど、ふと見るとなーんか変わった飴をなめているんだわ。ばーちゃんに『なに、あれ?』て聞いたら『キノコの飴』て言うの。よく聞いたら、田縣神社におまいりに行って買ったっていうんだわあ」
 「田縣神社!それは、まさかっ」
 「ああっ、知ってたやっぱり~。ちんちんがいっぱい祭ってある神社っ。だからちんちん飴だったのよっ。キノコとか、今さらごまかすでないわ~」
 「しかし何ゆえそんなもんをお求めになっただ?」
 「わっからーん。顔が描いてあってかわいかったって言ってたけどさあ」
 「顔っ。ちんちんにっ。どんながやー」

 田縣神社、実はみっちゃんちから程近いところにあるらしい。さらに大縣神社という、あの、対になる神社もほど近くにあるそうな。犬山近辺、侮りがたし。どちらもたいへんきちんと伝統ある神社だそうでございます。
 キモノ乙女の皆さん、風情ある町並みやアンティークやさんや『フルーツ大福』だけがみっちゃんち訪問の余禄ではありませぬ。北尾張デンジャラスゾーン探検もまた、大人のロマンではございませんでしょうか!どうでしょう、レッツトライ!(全員無視) 


おばばか報告・おんな四代?

2007年09月06日 | ちくちく

  妹から写真が届きました!
  
 
 あう。あてずっぽで丈をつめたら短かった!
 という痛恨はありますが、やっぱり可愛い~~~(おばばか)!!写真を見てもにこにこしちゃいます。実物が見たかったなあ、遠方に住まいしているとこんなときはほんとうにもどかしい。

 姪っ子めいこ(仮名)、キモノ着てたいへんな喜びようだったそう。
 「めいこはいま、せかいでいちばんかわいいおんなのこ!!」と叫んだそうですわ。ほほほ、おばちゃんはうれしい。ちくちくした甲斐あったよ!
 「『今』と言うところが、まぁおのれを知ってるよな」とその母(妹)は冷静でございました。
  
 おかあちゃんといっしょ&おとうちゃんといっしょ。

 妹は今まであまりキモノに興味がなかったのですが、わたくしや周りが着ているのを見て「着てみようかな?」という気になったとか。おお、なんかうれしいぞ。というわけでわたくしのキモノを一式送りました。この結婚式&披露宴は『平服で』ということだったので、こんな感じかなぁ?と考えたコーデです。どないなもんでしょうか。何はともあれ、ほっそりとよく似合っていると姉は思いました(ちなみに私が着るとこんなもん)。
 着付けは美容院でやってもらったのですが、でも、背が高いから大変だったらしい。そのせいなのか、苦しくてご馳走が食べられなかった~と嘆いていました。妹よ、自分で着ればそのへんは大丈夫だぞ。教えてやるで君もキモノにはまるよろし。

 めいこの方は、終始ご機嫌。ちょうちょのようにひらひらとあちらのテーブルこちらのテーブルと駆け回り、行く先々で「かわいいねえ」と言われてご満悦だったとか。
 ふふふ、さぞ人目を引いて、可愛かったろうなああ(おばばか)。

 この着物わたくしも小さい時に着ましたが、どうやらわたくしのために作ったというよりももっと古いもののようです。母によると「嫁入りのとき、箪笥の肥やしにっておばあちゃんが手持ちの着物を入れてくれたなかにあった」ということですから、もしかしたら大正生まれの祖母が着ていたものかも。柄行きなど、そんな感じですもの。

 もしかしたら母も小さい頃着たかも(母は全くキモノに興味がない人ゆえ、着たとしても忘れている可能性大)。そしたらこの着物、祖母・母・わたくし・姪とおんな四代で着たことになります。つくづく、着物ってすごい。

 
 この着物、身揚げを伸ばしながら、十三参り前まで着ることができます。めいこが育つたびにちくちくしよう、そしてずっと可愛い姿を見たいものだわ、とこの伯母は思っております。ほとんど生きるヨロコビってくらい楽しみです。
 キモノ好きだった祖母も、天からめいこを見てよろこんでいるだろうなあ・・。