キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

2012夏キモノ

2012年08月26日 | キモノとわたくし

 こんにちは、葉です。まだまだ暑い毎日ですが、キモノ界の夏は今週いっぱいでおしまいですね。週末おでかけキモノ人のわたくしにとっては、もう今年の夏キモノはおしまい。

 というわけで、7月13日のまつもと大歌舞伎以来の、この夏に着たキモノをまとめてご報告いたします。

 

 あ、まずはちょっとさかのぼって7月1日の「りらっくご」。「きむら」で求めた小千谷縮に、大須骨董市で求めたハギレからカクマさんに作ってもらった帯で臨みました。帯留には桂南天師匠にちなんだ南天柄のトンボ玉。ふちこまさんに作ってもらいました。

 そういえば、こちらではご報告しそこねているのですが、「りらっくご」にいつも来ていただいている桂こごろうさん、4月15日に二代目桂南天を襲名なさいました。もちろん、私どもりらっくごスタッフ有志で大阪の襲名披露、そして名古屋の会にも参りました、もちろんキモノで。南天襲名なさってからは「さん」づけでなく「師匠」をつけることにしたのです、なんとなく。

 この日の小千谷、お袖が長いのはちょうどいい替え袖があったのでまあいいかと思ったのですが、カタモノの長いお袖はやっぱり動きにくいと思って、袖丈をつめてもらうことにしました。ついでに袖付け位置も直してもらったので、だいぶ着易くなったはず・・・お袖が長いということは若いひとが着るということで、帯を胸高に締めるために袖付けがだいぶ上だったのです。来シーズンは着易くなったこの小千谷、活躍しそう。やっぱり涼しいのは麻ですものね。

 

 そして7月28日、金沢で「笑福亭枝鶴のき楽寄席」お手伝いにいったときのキモノ・・・

 自分撮りした帯回りしか画像がなくって恐縮ですが、「つゆくさ」の流水柄有松絞りの浴衣に半衿・足袋で着て、帯は鶴柄の絽。枝鶴師匠の落語会にはかならず「鶴」なナニカを身につけるのが、「小つる」時代からの自分ルールでございます。そして確かこのときは、ふちこまさんに作ってもらった五枚笹模様のトンボ玉かんざしをしてました。

 落語会の後には花火大会鑑賞が夏の「き楽寄席」のお決まりで。このときも、片づけ終わって軽く打ち上げた後に花火を見ました。このときは長襦袢は脱いで金魚の半幅という浴衣姿になりました。上の長着は同じでも、浴衣で着るととたんに軽やかに涼しくなりますね。下着になったみたい。って、もともと浴衣ってそういうものですけど。

 

 これは8月3日、三谷幸喜のお芝居、戸田恵子の「なにわバタフライ」をtomoさんと観に行ったときのもの。きむらで求めた宮古上布に、やっぱりきむらの「魚のような目の魚」帯で出かけました。「なにわバタフライ」は、ミヤコ蝶々さんの半生をドラマにしたもの。「あ、だから宮古上布?」とtomoさんに指摘されるまでは、自分ではまったく気づいてませんでしたー。

 宮古上布、この涼しさは格別ですね。長襦袢も麻で、体を風が吹き抜ける快感を味わいました。

 

 

 これは8月18日、桂紅雀さんの落語会に着て行ったもの。祖母のものだった雪輪柄の夏お召しに「きもの・なかむら」で求めたトンボ柄の帯を合わせました。

 まだまだ残暑厳しい頃ですが、暦の上では秋。ふと見た空に赤とんぼがつーっと飛んでいて・・・そうして、こういうコーディネイトになりました。こういう風に遊べるのが着物の楽しさ。スケスケキモノっていかにも夏って感じで涼しげで、大好きです。とはいえ、なんのせスケスケ。後姿の足元がちょっとみっともないことになってしまっていました(汗)。あと2寸ほど、丈を伸ばそう。。。

 

 そしてこれは昨日8月25日、tomoさん・mayさん・ヤドカリさんと名古屋に夏の終わりのイタリアンを楽しみに行ったときのもの。きむらで求めた着物に浅草の骨董屋さんで求めた帯を合わせました。半衿はるびーぶる、帯留めはGUREさん作。

 この着物は今期求めたもの。きむらにて、おばちゃんが「葉さんが好きだと思うのがあるよ!」と出してきてくれたのです。わたくしの名にちなむ「葉」柄だし、アンティーク独特の大胆な色柄、そしてアンティークなのに丈がたっぷり。抗えずに求めて、ずっと着る機会を狙っていたのです。

 だがしかし。さあ着よう!と朝キモノを出して、替え袖(さっきの小千谷につかったのん)を出してみると、短い!キモノの袖のほうが一寸ほど長いのです。ごまかしちゃう?・・・でも、お袖からのぞく長襦袢の袖がちんちくりんなのはかっこ悪い!イヤ誰もあんたのカッコなんて気にしてないって、とどこかでつっこむ声はあったけど、誰知らずとも自分自身がカッコ悪いことを知っていて、どうして胸張ってちゃらちゃら歩けるでしょう。

 ・・・作ろう。5分ほど逡巡してそう決心して、ハギレ箱から以前替え袖作ったあまりの麻襦袢の身頃を引っ張り出してきて、ちくちく。衿肩開きのところをさっと繕って、どうせここは見えないところだからいい。という調子で省略できるところはしまくって、小一時間ほどで替え袖ができました。それをさらに着物の方に縫い付けて、大うそつきで出かけた、この夏さいごのキモノお出かけでした。

 でもこのキモノ、丈は十分だけど身幅が狭くて。そしてやっぱりあの小千谷同様袖付けが上だし。これも、自分サイズで縫い直しちゃおうかなと考えています。お袖はどうしよう。やわいキモノはお袖がひらひらと長いのもいいけど、これはいくらなんでも長すぎかしら。もう少し・・・袷の着物でそうしているように一尺五寸くらいにしようかしら、など今、考え中です。

 

 さて、来月からは単の季節。絽とかスケスケとかとはしばしお別れ。まだまだ暑いから涼しく着る工夫をしながら、徐々に移っていく季節と戯れて行きたいと思っています。またご報告できるときがありましたら、読んでやってくださいませ。


まつもと大歌舞伎 『天日坊』

2012年07月15日 | キモノとわたくし
 7月13日、長野県は松本市に「まつもと大歌舞伎『天日坊』」を観に行ってまいりました。mikaさんとオットと3人連れ。オット同行なので写真がでかいです。
 


今日の着物:雪花絞り(ココロヤ)
今日の帯:絽・波千鳥(大須骨董市のハギレをカクマさんでリーバーシブル二部式に)
今日の半襟:薄緑綿絽草花模様(竹蔵龍)
今日の帯揚:黄緑絽帯揚(大須商店街で1000円ワゴン)
今日の帯締:ぷっくりお花の三分紐(すずめのトランク)
今日の帯留:クリスタル雪(日比野琴さん)
今日の足袋:白麻足袋(つゆくさ)
今日の草履:白レース草履(ヤフオク)
今日の簪:瑪瑙透かし模様

 雪花絞りの初おろし。ココロヤさんのお勧め、あえて糊付けしないでしなしなっとした柔らかい着心地を楽しみます。
 白地に緑の雪花が、反物で見ていたときよりも華やかでかつ涼しげで、とても気に入りました。お気に入りを着るとテンションが上がります。
 ましてや今日のお出かけは『まつもと大歌舞伎」。さらに席はまさかの2列目桟敷。チケット発売時間を秒読みで待ち構えてネット購入した成果!



 勘九郎襲名記念の看板もあちこちにありました。



 会場の二階に続く階段には幟がずらっと。



 この催し「まつもと大歌舞伎」、市をあげてのお祭ということで会場の前には縁日が立ち、天日坊の法被を着た市民ボランティアの人が楽しそうに立ち働いておられました。大道芸も出て、大賑わい。
 そのなかで、病気療養中の勘三郎へのメッセージを募る箱もあり。

 お元気でしたら出演なさってたでしょうに。お早いご快癒を願って、わたしたちもメッセージをしたためました。

 さあ、開場なって席へ。
 まつもと大歌舞伎『天日坊』。河竹黙阿弥原作・宮藤官九郎脚本・串田和美原作。
 従来の歌舞伎の枠を突き崩す、というよりもこれこそ「傾き者」の『歌舞伎』って感じ。
 櫓の上で打ち鳴らされるふれ太鼓はタムとシンバルの演奏で、下座ではエレキギターとトランペットが鳴り響き。
 そうしてもう、『天日坊』の世界です。
 チープ絢爛な舞台の上で、繰り広げられる非日常の世界。そのなかの、生々しい感情の遷移。俗で可笑しくて。ぴしっと端正で。ため息出るくらい綺麗で。息も止まるくらいの迫力で。あっという間に時間が過ぎました。
 勘九郎、すごい、上手い。七之助、凄艶。悪女似合いすぎ。獅童、かっこいい。
 クライマックス、20人のトランペッターがずらり並んで吹き鳴らす前での大立ち回り、2列目の恩恵をたっぷりこうむる大迫力。
 総じて、大満足で終えた観劇でした。やっぱり生の舞台はいいです。これからもできるだけ行こう!観よう!と心に誓いました。



 縁日に展示してあった人形。
 ほんものの衣装も、傾いてました!
 
 
 

  
 

「きむら」コーディ

2012年06月24日 | キモノとわたくし
  昨日は遠方からのお友達を「きむら」にお連れしました。
 「きむら」行くとて、求めたものを着ているところをおばちゃんに見ていただきたくてこのコーディ。


 今日の着物:蝙蝠ジョーゼット(きむら)
 今日の帯:撫子朝顔路昼夜帯(きむら)
 今日の半襟:薄緑すかし模様入り(竹蔵龍)
 今日の帯揚:セピア色夏花模様絽ハギレ(すうざんさんにいただく)
 今日の帯締:ぷっくりお花の三部紐・璃寛茶(すずめのトランク)
 今日の帯留:髑髏蜘蛛(竹蔵龍)
 今日の簪 :露を置いた朝顔トンボ玉(おーこさん)

 なんだかしっくりきまって気に入ったので、久しぶりにブログに載せる気になったのです。
 夏着物は体感温度は洋服の比でなく暑いけれど、気分が涼しくなるのでいいんです!
 
 お友達、ゆうけいさんは「きむら」でステキな出会いがあってよろしゅございました。
 わたくしも気になるモノが・・・でもちょっと、財布をきゅっ。ここのところ散財気味&来月もお友達を「きむら」にお連れするので。

 ゆうけいさんと別れた後はうまこさん・ことりさんと「大人の遠足
 「りらっくご」にもよくいらしてくださる時代小説家の奥山景布子さんに、名古屋のバーチャル歴史遠足を引率していただきました。

 その「りらっくご」、来週日曜の7月1日より第10回記念の会が開催です。
 桂こごろうさんが南天を襲名なさいました、その記念の会でもあるので、抽選会などお祝いイベントもございます。
 皆様の来場をお待ちしています。

『りらっくごvol.10』
2012年7月1日(日) 14:30開場 15:00開演
刈谷市総合文化センター 4F研修室
出演:桂こごろう改メ桂南天、桂米紫、月亭八斗、豊来家玉之助(太神楽)
前売¥2000 当日¥2500 (全席自由、定員140名)


チケットのお申込み、お問い合わせは、りらっくご事務局(ことり)まで
o-rakugo@mail.goo.ne.jp
お申込みの方は、お名前、ご連絡先メールアドレスまたは電話番号、チケットの枚数をお知らせください。


 今日の頭はルチ将軍♪






着物で楽しむお正月

2012年01月09日 | キモノとわたくし

 新年あけましておめでとうございます。
 おめでたいとばかりは言えない憂世ではありますが、それでも新しい年になるという気分は悪いものではないという気がします。
 今年もマイペースでしか行けませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日の着物:青梅小紋(ヤフオク・SINNEIを洗い張り縫い直し)
 今日の帯:鶴刺繍帯(るびーぶる)
 今日の半襟:源氏香刺繍半襟(きむら)
 今日の帯揚:モスピンク蝶柄ハギレ(きむら)
 今日の帯締:ぷっくりお花の三部紐紫(すずめのトランク)
 今日の帯留:南天トンボ玉(玉やふちこま)
 今日の足袋:リバーシブルネル足袋(居内商店)+ひょうたん刺繍ストレッチ足袋(みっちゃんにもらった)
 今日の草履:赤い花緒のじょじょ(松屋)
 今日の髪飾:古布バレッタ(繭堂)

 tomoさんにお誘いいただき撞木館での『着物で楽しむお正月』なるイベントに行ってまいりました。


 tomoさんは赤い梅柄着物。わたくしは青の梅柄。梅子姉妹♪
 

 大正時代に建てられた『撞木館』、数奇屋風の建物にステンドグラスのはまったドアがあったり、楽しい趣の建物。その「和館」畳敷きの部屋の襖が開け放たれ、歌留多やら福笑いやら双六やら、昔懐かしい遊びができるようにしつらえてありました。


 福笑いに挑戦!

 ひさ~しぶりに百人一首をしたり、表で羽根つきをする勇者を応援したり(わたくしは寒さにくじけてパス)。
 お茶をいただきながらおしゃべりしたり。


 何より圧巻だったのは、着物姿の老若男女が集っていたということでした。いやー、キモノってほんとにいいですね。この写真はそのほんの一部の方々と。


 ↑この写真を撮っていただいたおかげで、ブログを更新しようという気がむくむく沸いたのでした。
 キモノ、ひとりで着ても楽しいけれどみんなで着るとなお楽し、ですね!
 今年もたくさん、キモノでお出かけをしたいと強く思いました。


 実は、これが今年2回目のキモオデで。前日にも出かけていたのです。行き先は覚王山の『きむら』初売り3割引♪
 
 この日の着物:牡丹五枚笹訪問着(きむら)
 この日の帯:繻子糸巻き刺繍名古屋帯( 近所のスーパー2階のリサイクルショップ)
 この日の半襟:源氏香刺繍半襟(きむら)
 この日の帯揚:紫水玉ハギレ(きむら)
 この日の帯締:ぷっくりお花の三部紐オリーブ(すずめのトランク)
 この日の帯留:金地多色レース帯留(玉やふちこま)
 この日の足袋:ネル裏白足袋(福助)
 この日の草履:龍村花緒畳表草履(松屋)
 この日の簪:鼈甲風アールデコ(LUNCO)

 この日は、今年初めての大ジャンプをいたしまして、お宝を手に入れちゃいました♪
 このお宝様を身につけたときにはきっと、ここで披露させていただきます。

 前のようにキモノを着るたびにご報告というペースには戻らないと思いますが・・・ブログは細々と続けていこうと思っています。申し訳ありませんが、たまに見に来てくださると幸いです。今年もよろしくお願いいたします。

 


 

 

 


六代目笑福亭枝鶴襲名披露!!

2010年10月30日 | キモノとわたくし
 平成二十二年十月二十二日。六代目笑福亭枝鶴が誕生いたしました。
 その場に、立ち会ってまいりました。ご報告いたします。


 笑福亭小つる師匠。パソコン通信ニフティサーブの酒フォーラムでお見かけした最初は、『小つる』というハンドルの普通のおじさんだと思っていました。みんなが『師匠』って呼んでるのはふざけて言ってると思っていました。
 
 でも、金沢でなぁさんが主催したお酒と落語のオフ。そこで初めてハンドルネーム小つるさんがほんものの落語家さん『笑福亭小つる』師匠であることを知り、そのときに初めて目の前で演じられる生の落語を聴き。

 「おもしろい!なんだこれは、ほんとに面白いぞなんだこれは」

 と思ったのが、私と落語の出会いでした。
 つまり、小つる師匠が私の落語体験の原点なのです。

 その、笑福亭小つる師匠が先週10月22日。六代目『笑福亭枝鶴』の名前を襲名なさいました。
 笑福亭枝鶴。大きい名前だし、いろいろといわくのある(笑)名前。
 その瞬間に立ち会うべく、大阪は国立文楽劇場まで行ってまいりました。寿ぐ気持ちを表す、(自分的)満艦飾に着飾って。

今日の着物:五枚笹模様訪問着(きむらのアンティークを洗い張り仕立て直し)
今日の帯:鶴刺繍帯(るびーぶる)
今日の半襟:鶴刺繍半襟(ヤフオク)
今日の帯揚:銀杏紅葉飛び絞り帯揚(きむら)
今日の帯締:金紫平組帯締(前から持ってた)
今日の帯留:金地多色レース帯留(玉や ふちこま)
今日の簪 :赤華トンボ玉(玉や ふちこま)・鼈甲に金鶴簪(ヤフオク)
今日の足袋:杵や白足袋(広島杵や)
今日の草履:龍村花緒畳表草履(松屋)

 着物の五枚笹は笑福亭の紋、そして帯は『小つる』であり『枝鶴』である『鶴』。この日のために求めて、初おろしです。半襟にも鶴で、晴れの門出を祝う気持ちを装いに込めました。
 髪は、できればまたみっちゃんに結ってほしかったのですが時間的にかなわず…自分でがんばってみた『束髪』です。
 そして、髪と帯留めにはふちこまさんの作品を。この精巧な玉から伝わってくる強い念が、師匠にも届きますように。


 同行してくださった皆様。
 それぞれに寿ぐ気持ちを装いに込めた華やかな着姿で、嬉しくなってしまいます。


 楽屋を訪ねると、(まだ)小つる師匠はいつもと変わらぬ温かい笑顔で迎えてくれました。・・・と思っていたのですが、後で写真を見ると師匠、だいぶやっぱり緊張しておられました。私も緊張していたのでわからなかったらしい。
 菓子折り代わりのご祝儀をお渡しし、記念写真を撮らせていただきました。



 開場まで表で待っていると、おひさしぶりのさえさん親子と会うことができました。さえさんも鶴の帯。


 ロビーは人でいっぱい。記念の手ぬぐいを売っていたり、後援会の募集もしていました。キモノを着た人もたくさん。そして、大阪は粉浜の『メルシー寄席』の皆さんからの幕も飾ってありました。

 さて、いよいよ時間です!!

 まずはじめは、笑福亭喬若さん『動物園』。喬若さんは、前に『き楽寄席』で金沢にみえたことがあります。あのときは、まだ襲名の話も出ていなかったころ。時の流れを感じます。さらっと笑わせて空気を温めてくれる『動物園』でした。

 続いて、笑福亭学光さんの『試し酒』。ぶつぶつぼやきながら次々と一升酒を飲み干す酒飲みの、そのぼやきがマクラの語り口調とあいまって妙におかしい。

 そして、桂 南光師匠。このお祝いの席にこれをやるか!という感じのシモネタ系『義眼』。もうこれがおかしくって、襲名披露という硬めの場所だということを忘れて笑ってしまいました。

 中トリ、桂春團冶師匠。襲名を寿ぐ短いマクラのあとにしゅっと衣擦れの音を残して羽織を脱ぐと、そこで会場の空気が変わりました。『祝いのし』。おなじみの、たよりないような男のあれこれ、少しドッキリするような台詞もあったり、別の世界に連れて行かれる感じ。

 中入りを経て、幕が上がります。舞台中央で頭を下げる師匠…今はもう、枝鶴師匠。厳しく緊張した面持ちです。枝鶴師匠の左右には、黒紋付の師匠連が綺羅星のごとく居並んでいます。
 そして、その後ろには、梅香茶に水引の鶴をあしらった幕。そうです、これが我々『き楽寄席』世話人一同であつらえた幕なのです。席亭のなぁさんはじめ、一同でいろいろと相談しつつデザインを決めた、この幕。眺めていると感無量です。初めて師匠の落語を聴いたときのこと。金沢で寄席をはじめるという話をなぁさんから聞いたとき。初めてのお茶子。初めての大きな舞台。いままでのいろんなことが一瞬でぐるぐると頭を巡りました。
 
 口上。司会の鶴瓶師匠、なぜだか思いっきり笑いをこらえながらの司会です。笑福亭筆頭の笑福亭仁鶴師匠から始まって、桂福團治師匠 笑福亭松喬師匠 笑福亭福笑師匠 桂南光師匠 笑福亭松枝師匠 笑福亭鶴志師匠 と、それぞれ先代枝鶴師匠の爆笑エピソードやら笑えないエピソードやらを紹介しつつ、新しい枝鶴師匠誕生を祝いました。会場には爆笑とどよめきが満ちていき、枝鶴師匠、頭を下げながらだんだんと吹き出すのをこらえるようなお顔になっていきました。
 口上の最後は桂春團冶師匠。先代の枝鶴師匠とともに落語に燃えていた青春時代を振り返りつつ、この六代目笑福亭枝鶴の活躍は、春團冶師匠自身の青春がまた甦り続く気持ちでもある、と語っておられました。落語への、そして枝鶴師匠への思いがしみじみと伝わる祝辞でした。

 その、春團冶師匠の音頭での『大阪締め』。舞台も客席も、そしてきっと舞台袖や裏に詰めかけた噺家さんたちも、みんな心を合わせて六代目笑福亭枝鶴の誕生を祝い、活躍を祈る。そんな温かい空気が、会場全体に満ち溢れているのが感じられました。

 口上のあとは、笑福亭仁鶴師匠の『道具屋』。いろんな人で何度も聴いているこの古典、仁鶴師匠が演じるといっそう、そのとぼけてへんてこな主人公の味が染みていくようです。しみじみと爆笑した、そんな時間。

 そしてとうとう、六代目枝鶴初の落語。
 谷六寄席の贔屓連が贈った大きな座布団が運ばれます。そして、枝鶴師匠登場。なにかふっきれたような、爽やかな笑顔です。座布団の話から枕を振って、噺は『宿替え』。先代の枝鶴師匠も得意としてレコードにも吹き込んだというこの噺、いつものようなめりはりのある丁寧な話しっぷりで、はちゃめちゃな主人公に笑わせてもらいました。

 襲名披露の会が終わり。
 ロビーでは枝鶴師匠が出てきて記者会見をしたり、たくさんの人がどよめいて笑いと興奮と華やぎが満ちていました。
 私たちも、心地よい余韻を感じつつ、会場をあとにしたのでした。
 うん、とてもいい襲名披露公演でした!

 そのあとは打ち上げでいっぱいやってー。
 mikaさんと、飲み足りずにもういっぱい飲んでー。

 楽しい気持ちで、襲名披露公演の夜は更けて行ったのでした。
 お付き合いくださったキモノ友達のみなさま、どうもありがとうございました。それから、カメラマンとか道案内とかいろいろしてくれたオット、いつもありがとう~。


 枝鶴師匠、襲名ほんとにおめでとうございます。これからもまた、落語で幸せな気持ちにしてくださいね。

 と、その六代目笑福亭枝鶴襲名披露公演。
 後ろ幕を作った、金沢の『き楽寄席』でも来年公演いたします。
 2011年1月8日(土)。きっと、今回同様あたたかく楽しい会になることと思います。
 マイミクの皆様、よろしかったらぜひお運びくださいませ。
 興味ある方はコメントまたはメールなどでお知らせくださったら、チケットの手配などさせていただきますわ。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 わたくし、お茶子いたします。襲名披露では、いつもとちょっと違った所作もあって、今から緊張しています。

 

 
 

 第40回吟味喰らぶ「夏バテに効く料理を吟味する!」

2010年10月15日 | キモノとわたくし
2ヶ月近く更新せずにいるうちに、すっかり秋になってしまいました。
 そして今から2ヶ月以上前の話を書くのです。本当に申し訳ありません。
 更新をさぼっていた間は着物を着なかったかと言えばそうではなく、暑さにもめげずちょこちょこと着物お出かけはしていたのです。

 来週には、どうしても早くお伝えしたくなるに決まっている催し『六代目笑福亭枝鶴襲名披露公演』があります。
 それまでに、溜まってしまったキモオデ報告、駆け足ですがさせていただきたく思います。ほんと駆け足になりますがご容赦くださいませ。

 まずは、ひとつめ。
 それはキモヅカ翌日の8月14日のこと。名古屋は錦の名店・加寿也にて開催された第40回吟味喰らぶ「夏バテに効く料理を吟味する!」に行ってまいりました。ご一緒してくれたのはmayさんご夫婦、サリィさんご夫婦、にっぽんちゃん、そしてカメラマンオット。


 今日の着物:有松絞り流水浴衣(つゆくさ)
 今日の帯:リバーシブル『松寿』帯(骨董市の帯を作り帯に縫い直した)
 今日の半衿:秋草模様絽(絽名古屋帯の解きハギレ)
 今日の帯揚:鱗模様絽ハギレ(きむら)
 今日の帯締:名物裂はめこみ三分帯締め(祖母のもの)
 今日の帯留:シルクロード(竹蔵龍)
 今日の足袋:草色水玉夏足袋(まねきや)
 今日の下駄:chokoさんの下駄(chokoさん)

 多くは語りません・・・この項の主役はこのお料理です!

 
・自家製豆腐板ラー掛け
・冷した焚合せ(鰯・蛸・南京・冬瓜・小芋・椎茸)
・ゴーヤチャンプルー
・だだちゃ豆
・冷や汁泥亀バージョン
・鱧湯引き、鰹石ラーユッケ、鱸塩昆布
・はも松茸柳川風鍋
・どぜう唐揚
・冷やしそうめん(うなぎ入り)
・メロン

 夏バテに効くとか、それどころでない美味を満喫いたしました。もちろん楽しいおしゃべりも~。
 
 我ら一行7名のお酒はわたくしが一括してセレクト。贔屓の松の寿と英君で固めました。どれも好評で嬉しいことでありました。
 いいお料理にお酒に仲間。幸せの半日でした。

キモヅカ・スカピン!

2010年04月26日 | キモノとわたくし

 久しぶりの更新だというのに、何のことやらなタイトルで失礼いたします。
 えー、キモヅカは『キモノで宝塚』、そして『スカピン』は演目名『スカーレット・ピンパーネル』の略でございます。
 なんだかもやもやっと逼塞していたこのひと月。ふさいでいるからキモオデしないのか、キモオデしないから気持ちがふさぐのか、閉じ篭っておりました。
 さあ、鬱々気分を吹き飛ばすキモヅカはじまりはじまり~~! 

 今日の着物:青色錦紗小紋(ヤフオク着物を洗い張り・縫い直し)
 今日の帯:蝶々昼夜帯(ヤフオク羽織を洗い張りして帯に仕立て直し)
 今日の半襟:波模様緑半襟(蝶々昼夜帯を作った残りのハギレ)
 今日の帯揚:抹茶色縮緬帯揚(祖母のもの)
 今日の帯締:緑三部紐(きもの・なかむらさんのおまけ)
 今日の帯留:ピンクの薔薇(ドイツの雑貨屋で買ったオーナメントに金具をつけた)
 今日の簪:銀粘土蜘蛛の巣(キョウコちゃんに作ってもらった)
 今日の足袋:緑古典模様(まねきや)
 今日の下駄:赤い花緒のじょじょ(松屋)
 今日のバッグ:緑蝶々袋(蝶々昼夜帯の残りでことりちゃんに作ってもらった)

 のっけから「誰が鬱々気分だったって?」と訊かれちゃいそうなはしゃぎポーズで失礼いたします~。いやもう、これがヅカの力なのですわ。まぶしいほどに前向きなエネルギーにあふれたところ、それが宝塚歌劇。さらに麗しいキモノ友達とご一緒ですもの、鬱気分など一気に吹き飛んじゃったのです♪


 その、麗しのキモトモ。愛知からにっぽんちゃんとわたくし、三重からmayさん、大阪からこけしさんとkaoさん。
 朝早いのにがんばってキモノを着たにっぽんちゃん、小粋な紬に羽織が可愛い。mayさんは新緑を思わせるさわやかな紬姿。こけしさんははんなりした柔らかものをなんてしゃっきりスマートに着ていらっしゃるのでしょう。kaoさんは、何といっても紗羽織がかっこいい。垂涎ものをさらっと着ていらっしゃるのが憎いくらい!

 さて宝塚歌劇。
 今回は4月と言うことで、音楽学校を卒業したての新入生の挨拶口上からはじまります。緑の着物に袴をきりっと着付けたお嬢さんたちがすらっと舞台に整列し、代表の3人が緊張しきった面持ちで口上を述べ、そして宝塚の歌。なんていじらしく、ういういしい。
 『清く・正しく・美しく』…外の世界ではもう陳腐に成り果ててしまっているこの言葉が、なんともまともに真っ当に響いてきて心を洗います。

 そして、舞台。
 『スカーレット・ピンパーネル』は『紅はこべ』と言えば「ああ」と思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。100年ほど前に書かれた人気小説で、何度かドラマにもなっている。フランス革命後の混乱期を描いた波乱万丈の愛と冒険のドラマです。
 革命後政権をとったロベスピエール一派は粛清を繰り返し、世の中はかえって乱れて行きました。その中、ゆえなく処刑されていく貴族達を助けるために立ち上がったのがイギリス貴族のパーシー、またの名をスカーレット・ピンパーネル。その妻マルグリットとの愛憎、敵役の革命政府幹部ショプランとの戦い。物語の世界に引き込まれていきます…。


 あっという間に第1部終了、幕間にはこけしさんが用意してくださったお寿司をいただきつつおしゃべり。こけしさん・にっぽんちゃんは前にもこの演目を見たことがあり「ショプランの憎々しさがもっとほしいわ」など目の付け所が違います。他にもいろいろ解説してもらい…「歌舞伎のイヤホンガイドみたい、聞いてると倍楽しいわ」とkaoさん。まったく同感です。

 第2部は1部に増してどんどん展開していくドラマ、華やかな宮廷シーンもふんだんに、これぞ宝塚!という時間でした。ハラハラさせて・・・でも大団円!胸のすく結末。面白かった!

 そして、さっき挨拶した新入生たちがロケットダンスを披露します!みんな綺麗に舞台化粧をして、けれどやっぱり緊張しきって笑顔は顔に張りついたよう。いっせいに振り上げる脚は若々しく綺麗だけど、まだなんとなくぽちゃっとしている。
 一生懸命、本当に一生懸命に踊っているその姿を見ていると、どうにも目頭が熱くなっていけません。おばちゃんこういうの弱いの、ダメなのー。

 フィナーレは出演者たちの歌とダンス。ヒロインを演じたひとはほんとに踊りが上手い。いえ、みんな上手いんですが、ほれぼれ見てしまいます。
 大階段を下りてくる、ひとりひとり。悪役の人も今はにっこり笑って明るいオーラを振りまき、そしていっそう強い光を放つ主人公の人。舞台の端から端までずらっと並んで、客席に生きるエネルギーを降り注いでくれました。
 幕が下り・・・「よかったねー!」「よかったー!」言い合います。ああほんとに元気が出た・・・!

 終演後はお茶とおしゃべり。3時からの公演を観にみえた大阪のFさんと京都のFさんとも合流して、話に花を咲かせます。おふたりとも大変に美しい人で、お知り合いになれて嬉しい。
 おふたりはお昼ごはんを私たちはお茶とケーキを。
 
 公演特別メニュー、サーベルつき。
 
 「にっぽんちゃん、戦おう!」

 Fさんたちがお芝居を観に席を立った後も、キモノの話・宝塚の話と話は尽きません。いつも思う、もっと時間があったらなー。

 名残を惜しみつつ席を立った後もまた遊ぶ。

  オスカルとアンドレになるmayさんとわたくし。こういうことをするのは慣れっこのわたくしたち、ポーズに照れがございませんでしょ。


 こけしさんとkaoさんにもオスカルとアンドレを強要するわたくしたち。うん、お二人も決まっているわ。でもまだ照れがあるわね(笑)。
 きゃあきゃあ笑いながらはしゃぎながら、ウキウキした気持ちを持って帰途についたことでありました。すごく楽しかった!元気出た!
 チケットをお世話してくれたにっぽんちゃん、ほんとうにありがとう。mayさんこけしさんkaoさん、またゆっくり会いましょう!

 
 まだ肌寒かったけれどすっきり晴れていて、八重桜はじめスミレや山吹など花も綺麗に咲いていて。生きてるって素晴らしい。そんな一日でした。やっぱりヅカはいいなあ。キモオデはいいなあ。
 

 


『伝馬寄席』でキモラク

2009年11月05日 | キモノとわたくし

  更新が一ヶ月以上も滞ってしまいました。この間、キモノを着なかったかというと全然そうではなく、10月4日には岡崎で『伝馬寄席』、17日には金沢で『き楽寄席』、25日には御園座で歌舞伎『忠臣蔵』とキモノ三昧していたのです。さらに今週末は結婚式披露宴にも出席し(当然キモノ)、翌日は安城で『りらっくご』。キモノが気持ちいい季節になりました。
  というわけで、たまってる話題を少しずつでも御報告しないと。まずは4日にでかけた『伝馬寄席』です。袷の季節到来、張り切って着てまいりました。

 
 今日の着物:葉柄錦紗小紋(中の島着物市で求めたものを洗い張り縫い直し)
 今日の帯:牡丹柄繻子名古屋帯(mikaさんにいただく)
 今日の半衿:牡丹柄木綿ハギレ(居内商店おまけ)
 今日の帯揚:白地紫飛び絞り帯揚(きむら)
 今日の帯締:紫丸組紐(目黒のたんす屋)
 今日の簪:眠り猫(竹蔵龍)
 今日の足袋:茶色小花(まねきや)
 今日の草履:酒袋台すうちゃんお見立て花緒(松屋)

 『伝馬寄席』は岡崎のお寺で年に1度、もう23年も催されているそう。ことりちゃんが誘ってくれました。息子ちゃんも一緒に3人でGO。ことりちゃんは藍色の菊柄木綿で艶っぽく…写真を撮り忘れたのが残念。
 
 『伝馬寄席』会場のお寺。うっそうと木の茂るお庭を抜けていくと、大きな本堂が現れました。
 
 その正面、御本尊様の前の扉を閉めて、高座が組まれます。
 立派な欄間、天井。なんて豪華な落語会会場でしょう。

 出演・演目は
 笑福亭鉄瓶「ちりとてちん」
 笑福亭由瓶「おごろもち盗人」
 柳亭 市馬「掛け取り」
     中入り
 桂  九雀「猫の忠信」

 鉄瓶さんは5月の『き楽寄席』以来2度目。…実はこの寄席は鉄瓶さんが出るというので楽しみにやってきたのです。期待通りのウキウキするような楽しい噺っぷり。
 由瓶さんは初めてだったのですが、めりはりのある語り口ってだけじゃなくどっか『変』。マクラから噺から抱腹絶倒でした。また聴きたいー。
 市馬師匠は、噂にたがわぬ美声。それを存分に生かした『掛け取り』。噺も歌も、たっぷり楽しませてもらいました。
 九雀師匠も、聞きしに勝る面白さ!おしずさんをめぐるお間抜けちゃんたちのやりとりや、ラストの猫登場の急転直下!

 4人で4席、どれも外れなく面白く、ほんとうに濃い素敵な時間でした。伝馬寄席。また行きたい!ととても思いました。ことりちゃん、ありがとう!!


 そのことりちゃんが席亭の『りらっくご』 11月8日(日)に催されます。まだお席がございます、お読みのみなさま、どうぞいらしてくださいませ。着物スタッフもお待ちしていますわ。

 2009年11月8日(日) 14:00開場 14:30開演
 安城市文化センター1F和室(JR安城駅南口より徒歩10分)
 出演:桂佐ん吉、桂こごろう、笑福亭生喬(落語1席ずつ&トーク)
 全席自由 前売¥2000 当日¥2500

 ご予約の申し込みは、
 o-rakugo@mail.goo.ne.jp
 まで。
 ※前売券のご予約は前日(11/7)までの受付です。
 当日券もございます。




シネマ歌舞伎『らくだ』『連獅子』

2009年03月12日 | キモノとわたくし

 『らくだ』と言えば、落語では有名な大ネタ。それが歌舞伎の演目にもなっていて『シネマ歌舞伎』として映画になっていると聞けば、これはもう「行ってみたい!」のひとことです。落語ではひとりで様々に演じ分けている怖いにぃさんや実は酒乱の紙屑屋さん、実際の役者が演じるとどんな感じかな?そして、例のかんかん踊りはどうなるかしら?

  この日は風は冷たいけれど陽射しはもう春!という日で。陽気に浮かれたコーデになりました。


 (鏡が汚くてお恥ずかしゅうございます…)
 今日の着物:ピンク渦巻き小紋(ヤフオク時代着物)
 今日の帯:黒地雪輪名古屋帯(ヤフオクきものなかむら)
 今日の半衿:緑麻の葉にレース(彩匠バーゲンに自分でレースくっつけた)
 今日の帯揚:草色雪輪ハギレ(すうちゃんにもらった)
 今日の帯締:ピンク組紐(義母にもらった)
 今日の帯留:ハチドリちゃん(ブローチを帯留に)
 今日の簪:銀粘土蜘蛛の巣(キョウコちゃん作)
 今日の足袋:桃色小花(まねきや)
 今日の下駄:赤い鼻緒のじょじょ(松屋)
 今日のバッグ:さくらもち(島工房)
 ご一緒してくれたのは、落語の『らくだ』も一緒に行ったことりちゃん。
 なので、帯留がことりなのです。
 
 ことりちゃんも春コーデ。銘『菜の花』なお着物で。
 
 シネマ歌舞伎は名古屋駅前のミッドランドスクエアで上映中。まずは同じ建物の中のレストランでランチ。平日だと言うのに時分どきには長い列ができていました。予約して行って正解ですわ~。『美食米門』で月替わりのランチを。
 そしてエスカレーターで一階上がると、そこがミッドランドシネマ。さぁ『らくだ』!

 ぷぷぷぷ。大爆笑!!
 そんな、『らくだ』でした。かっこいいはずの勘三郎、すっかりお間抜け小心者の紙屑屋さん。すごんで見せて怖いけれどもどこか笑えちゃう、三津五郎の兄貴分。そして亀蔵の『らくだ』…えーと、これって歌舞伎ですよね。ドリフのコントじゃないのよね。
 落語では後半の酔っぱらい部分に重点がありますが、この歌舞伎では『死人のかんかん踊り』をたっぷりと見せてくれました。我に返って真面目に考えれば酷い話なんですが、『らくだ』。我に返らせないのはやっぱり、芸の力なんですね。いやーまったく、面白かったです。

 そして『連獅子』。かっこいいとはこういうこと!という感じです。
 目も絢な衣装、動作や目つきのひとつひとつが、これしかないというびしっとした決まり方。長い年月の間に練り上げられ洗練された、日本の美意識の集大成を見る思いです。これはKISSも真似るよなあーとへんな感心をしたりして。

 どちらも、映画ということで生な舞台ではなかなか見られない細部のアップまで見ることができて、たいへん面白かったです。でも逆に「今全体はどうなっているの?」と思うところも多く…今度はぜひライブで鑑賞したい!とも強く思ったのでした。

 シネマ歌舞伎、文七元結なんかもあるみたい。また行きたいなあ。『猫の忠信』とか『七段目』とか歌舞伎の入った落語ってたくさんあるけれど、落語も歌舞伎になっていますのね。ますます楽しい和の世界、でございます。 


みやこちゃんをお手入れ

2008年08月28日 | キモノとわたくし

  この夏大活躍してくれたみやこちゃん。何度も着て、その風合い着心地にうっとりさせてくれました。なんつーても涼しい!
 みやこちゃん、来年もよろしくね…の気持ちを込めて、お手入れ。mayさんが、大阪でキモノ達人の方に教えてもらったことを詳しくブログに載せてくれたので、そのとおりにやってみました。

  
  お手入れ前のみやこちゃん。けっこうしわしわになっちゃってます。あと、涼しいとは言え汗もいっぱい吸ってると思う。

  
  そこに、全体に霧を吹きます。しゅうしゅう、霧吹き一本分の水を使い切ります。あ、その前に下にビニール敷いておくの忘れないように。けっこう水を吸い込みますが、後半はぽとぽと水が垂れてきます。

  
  びとびとのみやこちゃんを、大きいゴミ袋の上で綺麗に畳みます。その上からまたゴミ袋をかぶせて、上に座布団を重ねて軽く圧しをして、小一時間放置。

  
  そして、再びちゃんと干します。しわも伸び、水分と一緒に汗も飛んでさっぱりします。
  そして、乾いたらまたちゃんと畳んでできあがり。みやこちゃん、この夏はどうもありがとう。来年の夏もまたよろしくね。

  …などと言いつつ、なんだか、あっけないくらい簡単にお手入れできたので、もしかしたらまだ1回くらい着るかもしれません。そしたらまた、こうやってお手入れしたら良いんですわね。
  mayさんに教えてくださった方も「宮古上布ほど扱いの簡単な着物はありません」と仰っていたそうですが、これでいいなら確かにすごくらくちん。これからもお手入れしつつ、どんどん着ていこうと思います。みやこmyらぶ。
  mayさん、貴重な情報を伝えてくださってどうもありがとうございました。


ユはユモジのユ

2008年06月23日 | キモノとわたくし

  キモノの際のおぱんつ。みなさま、どうしてらっしゃいますか?
  帯周りにかかると着崩れの原因になったりもするので浅いものをつけたりもしてましたが、どうも好きじゃなくって。
 「キモノのときはこれを」と和装ぱんつなるものも何故かウチにはあったのです。ご存知でしょうか、あの、そのまま用が足せるように「股割れ」になっていますの。
 

コレ、便利ではあるのでしょうが、あまりに不恰好。誰に見せるもんじゃなしとはいえちょっとねえ。

 というわけでいろいろ試みていましたが、最近コレがお気に入り。湯文字、でございます。「二布」とか「おこし」とも申します。素材はさらし木綿。肌にも優しく快適ですのよ。暑い夏もさらっと爽やかです。
 
 すうーーっと息を吐いておなかを引っ込めてから、きゅきゅっと巻いて脇に挟み込むの。ガードル効果がありながら窮屈でないのは、ゴムや紐でなく布の面で支えているからでしょう。
 
 洋装のおぱんつに慣れている身には多少心もとないものもありはしますが、そのちょっとした心の揺れが和の所作にもつながっているような気もします。

 さらし木綿や、夏は楊柳でも。着馴れた浴衣を解いて作ってもいいかしら。水を通した絹で作るのも肌触りがよくて気持ちよさそう。冬はネルで暖かくするのがいいですね。湯文字。おすすめでございます。
 


陽春大歌舞伎!(昼の部)

2008年04月10日 | キモノとわたくし

  日曜日は春の恒例、陽春大歌舞伎に行って来ました。歌舞伎ですもの、お洒落して出かけます!
 せっかくだから何か演目にちなんだものをと『鬼平犯科帳』に合わせて『鬼』の帯留めをヤフオクで落札したのですが、間に合いませんでした。ざんねん。というわけで、コーデのテーマはただ『春』。蕨たんぽぽに桜を咲かせて。来週も夜の部に出かけますが、もう桜は散っちゃってるでしょうから、これが最後の桜コーデになるかな。


 今日の着物:蕨たんぽぽ付け下げ(ヤフオク『北條』で求めて『和裁工房まゆ』でお仕立て直し)
 今日の帯:銘『綾居笠』(きもの・なかむら)
 今日の半衿:塩瀬白(うちにあった)
 今日の帯揚:朱鷺色縮緬桜(昔母に買ってもらった)
 今日の帯締:橙青雪輪(ヤフオク)
 今日の足袋:杵屋白足袋(広島の杵屋)
 今日の簪:鼈甲鶴(ヤフオク)
 今日の草履:銀黒市松コルク(松屋バーゲン)
 今日のバッグ:銘『桜餅』(島工房)

 先日の着姿が我ながらあまりにもアホの子だったので、今日はちょっと賢く見えるようにと思い・・しかし浮かれて踊っては同じことでした・・。

 さて、お洒落して集まる御園座の前。陽春大歌舞伎の始まりです!
 
 あまりにもいい天気で、外で撮った集合写真が白く飛んじゃいました。
 ぶるちゃん・わたくし・mayさん・おーこさん・くみさん、そしてにっぽんちゃんは今日はお洋服姿。

 
 mayさんは吉右衛門の紋『揚羽蝶』にちなんで蝶の帯ですって。なるほど、そういう見立てもありますのね。
 ぶるちゃんの帯は、こないだ『きむら』にご一緒したときにさりげなく求めてたお宝。同じく『きむら』お宝着物に合わせてしっとりはんなりよくお似合いだわ。
 おーこさんの帯は『すうざん屋』。これまた華やかで上品だこと。
 わたくしのこの帯は、長さは二重太鼓できるのですが、柄あわせをしようとするとやたら余る一重太鼓になるという悩ましいシロモノ。でも、何とか合わせて満足。

 
 劇場入りすると、乙女は恒例の『最中アイス』を。そしてわたくしは・・。だって、暑くってのど渇いたんですもの。ここの生ビールは泡がクリーミーで美味しいわ。

 
 並んで席に着きます。さすが歌舞伎、キモノ姿の人が多くて眼が嬉しいわ。でも、ラフな格好の人もけっこういます。気楽に歌舞伎、というのはいいんですが、さすがにジャージはちょっと・・。
 「家でごろごろしてる格好そのまま出てきたって感じよね」
 「御園座の裏に住んでたりして」
 わたくしたちの前と後ろにそれぞれ、『ごろごろそのまま』組のおとっつあんがいました。これが後に悲劇を!

 幕が開き、一題目『ひらかな盛衰記』のはじまり。絢爛な色彩の世界が目の前に広がります。源平合戦の時代を舞台に、義理と人情と恋の物語が繰り広げられ・・・
 「ぐええっ」
 いきなり蛙をつぶしたような音が。後ろのごろごろおやじです。いい場面でこのおやじ、思いきりげっぷをしやがったのです。ここはあんたんちの茶の間じゃないぞっ。
 このおやじ、この後も2~3回「ぐええっ」をやらかしやがりました。うう。

 幕間にお昼ご飯をいただきつつ話したところ、ぶるちゃんの前のでかいおっさんは前に後ろに大きく舟をこぐもので、舞台が見えなくなって往生したとか。
 「完全に寝とるんだわあ。そんなに興味ないなら来なけりゃいいのに」
 「新聞屋かなんかから券もらったのかしらね。寝てもいいけどじっとしとれって」
 「後ろでげっぷしてたひともいたでしょう」
 「あれねえ。隣に奥さんらしきひとがいたけど、気にならないのかしら。自分のダンナがあんなんだったら恥ずかしいよねえ」
 わたくしども、お洒落して楽しみに出かけてきてますもの。水を差されて腹立つことしきり。よくあることではあるんですが、慣れるもんじゃありませんわ。

 二題目は『鬼平犯科帳 大川の隠居』鬼平はもちろん、中村吉右衛門そのひとが演じます。これが楽しみで来たのです。わたくし、鬼平はドラマも小説も大好き。
 幕が開き・・鬼平が白塗りだっとか、粂八が蟹江敬三じゃないっなどの違和感はあれど、そこは舞台の力。すぐに鬼平の世界に入っていきます。黄八丈に黒繻子の衿をかけたお茶屋の娘さんの、赤い帯揚げが粋なこと。鬼平の仕草、伝法なようで崩れない。裾をさばいて座り込むときも、脛があらわにならないようにさりげなく手を添えている。かっこいいなあ。

 と、そこに。
 「ぐええっ」
 またやらかしやがった!許さんっ。わたくし、目に力を集めて鋭く振り返り、かのおやじを一瞬にらんでやりましたっ。
 そしてすぐに前を向いたので、おやじの反応はわからなかったのですが、以降「ぐええっ」に悩まされることはありませんでした。

 鬼平犯科帳、大川の隠居。老盗賊に父の形見の煙管を盗られた鬼平が、粂八と一計を案じて取りかえす・・けれど、ただ取り返すのではなく、老盗賊に諄々と自分の生い立ち・悪を知るからこそ悪を憎む気持ちを語り、老盗賊と心を通わせていく様子が豊かに伝わってきます。絢爛豪華はないけれど、こういう歌舞伎もいいなあ。

 
 観劇終えて満足の笑顔。また楽しい時間を過ごせました。みんなありがとう。チケットを取ってくれたにっぽんちゃんにすぺさるさんくす。

 
 このあと高島屋に昔きものバザールを見に行って、目に毒なものを見ちゃって身悶えた、とかはまた別のお話でございます。 


お直ししてみました&どの帯かな?

2008年03月20日 | キモノとわたくし

 丈はまぁまぁあるけれど裄と身幅が足りなかった着物。柄行きも気に入っているし、思い切って「お直し」に出してみました。薄汚れてもいたので、解き洗い張り&仕立て直し。仕立てあがってきたものを着てみましたよ!
 
     お直し前                     お直し後

 どうでしょ、着た感じでは前よりずいぶんゆったりしたのですけど、見た目はそれほどではないかな?裄はだいぶ変わりましたよね。また、洗い張りのおかげで生地がとてもしなやかに軽くなりました。

 この付け下げは蕨とたんぽぽの模様。早春限定っていうのが贅沢でいいでしょ。
 求めたのは確かヤフオク『古布・骨董・北條』5000円くらいでした。お直しはやっぱりヤフオクの『和裁工房まゆ』で、年末の「お仕立て10000円セール」でお願いしたのです。それプラス洗い張り8400円。胴裏と八掛が傷んでいたので、胴裏は『まゆ』さんにお願いして3650円、八掛は手元にあった他の着物の解きを使いました。
 求めたお値段よりもお直しの値段の方が高い。でも、こうやってお手入れをして自分サイズにしたことで、この着物がいっそう好きになりました。これからも春が来たと思うと身にまとうお気に入りの一枚になりそうです。

 アンティークのキモノは正式な場所にはちょっと気がひけることもありますが、きっちり洗ってサイズも自分のものになったこの着物、もうどこにでも着ていける。というわけで、ちょうどセミフォーマルなパーティーがあるのでさっそく着て出かけることにしました。
 さて、帯をどうしよう。いろいろ乗せてみます。

 季節ものということで桜の帯をいろいろと。この地色に黒い帯はなかなか合う。右から2番目は黒と白い部分のバランスがちょうどいい。でも、この組み合わせはアンティークコテコテな感じでちょっとセミフォーマルな場には合わないかも。3番目刺繍の帯も。
 華やかな感じにするなら、着物の模様の色から朱色に合わせた帯を。桜の散った4番目の帯もまぁいいが、ちょっと地味になるかな。お祝いパーティーという趣旨から言えば、季節は関係ないけど金糸銀糸の入った5番目か。

 というわけで、冒頭のコーディネイトに決めたわけです。
  
 帯周りはこんな感じ。やっぱり桜の花は欲しいので、竹蔵龍さんの『宵の桜』帯留めを。これいっこでずいぶん華やかに。小物って楽しいですねー。

 たんぽぽ蕨、そして桜。ことほぎの金扇銀扇。お宝キモノで心も軽く、勇躍パーティーに出かけたことでありました。


なにかが違う‥

2008年02月07日 | キモノとわたくし
 その日はオットが所属する楽団が出演する演奏会を聴きに行ったのです。コンサートにはコンサートコーデで気持ちを盛り上げたい。前の演奏会のときもそうやって行きました。→
 今回も、その気でコーディネイトです。帯周りは残念ながら前回と同じですが、着物が違うからいいよね。よく見るとこの着物、白い模様は鼓です。オットは打楽器奏者、ちょうどいい。

 防寒対策もばっちり。まずは『ぱっち』を着用してございます。そして、はっきりしないお天気対策の雨コート・雨草履。わたくし晴女ですが、長く続く風邪っぴきのため神通力も低下しているのでしょう。風邪こじらさないようにしないと。ストールで首筋のガードも万全。
 そして、風邪っぴき外出の必需品、マスクで完全防備です。

 ・・あれ?
  
 途中までお洒落をしていたはずなのに、なんか違う。どこで間違えた?

 mayさんまで風邪引きさんでツインマスク女。・・あやしいですね、やっぱり。
 舞台から見てもわたくしたち、白いマスクがふたつ並んでいてそれはそれは目立っていた、とオットは申しておりました。うーん。

ばかおばの肖像

2007年10月09日 | キモノとわたくし

 実家にて、見つけました!めいこに着せたキモノをわたくしが着ている写真です。
 
 ばかおば、このとき10歳。お正月にキモノを着たくて、母の箪笥から発掘したのでした。着せてもらって嬉しかったなあ。

 この少女、数十年後にこんなんなっちゃうとは、ぜ~んぜん予想していなかっただろうなあ。今のわたくしを知ったら…喜ぶか怒るか悲しむか笑うか!?