キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

『一期一会の会』に行く

2008年09月23日 | 今日のキモノ

 飲み仲間のMASAさんから「ボクの秘蔵酒を飲む会をやるんだけど」とお誘いいただきました。「行く!」二つ返事です。MASAさんはディープな酒マニア。その秘蔵酒ってどんなんだろう、とワクワク。
 21日の日曜日、高浜の酒屋さん『マルア』にてその会は行なわれました。『マルア』の定例お酒の会『一期一会の会』の特別編。マルアさんでお酒を買ったことは何度かありますが、この会には初参加です。

 さて、酒の会ならば、やっぱりキモノ…というのがマイルール。
 
 今日の着物:阿波しじら(ヤフオク)
 今日の帯:林檎模様半幅(彩匠)
 今日の半衿:菊葉模様市松(白鳥骨董祭)
 今日の帯締:青水色丸ぐけ紐(いただきもの)
 今日の簪:マーブル模様トンボ玉(ふちこまさん)
 今日の下駄:青縞花緒市松台

 今日のコーデのテーマは「気楽な着物」
 
 しぼのある木綿のしじらは皺も気にならないし、半幅をヤの字にしましたから嵩張りません。着付けもらくちんゆるゆるに(しすぎてちょっと後ろの衿がっ)。髪も髷を作らず簪2本でぐるぐるっとまとめて固めもせず。裸足に下駄をつっかけて、ちょいと風呂あがり~♪という風情、のつもり。

 酒の会にはキモノ、というのがマイルールではありますが、そのせいで他の人に要らん気を使わせてしまっては申し訳ないと思ってこのいでたちとなりました。このマルアの『一期一会の会』、常連さんも多いアットホームな会のよう。雰囲気を乱しませんように…と願いつつ。

 HPで拝見すると、参加の皆様お持込みの肴でにぎわっているようす。わたくしも一品、こしらえました。
  
 秋刀魚とイクラの混ぜゴハン~♪
 この季節になるとわたくし、筋子をほぐして醤油漬けイクラを作るのがお決まりですの。なので、秋の冷蔵庫にはいつも自家製イクラ。それを使った一品です。秋の味覚・秋刀魚もたっぷりまぜこんで、ゴハンだけれど酒の肴にもなる、お気に入りのメニュー。
 
 では、行ってきま~す♪♪

 マルアさんの店内、いつもはお酒が展示してあるテーブルにお酒や肴が並んでいました。『一期一会の会』和気藹々と、利き酒会というよりもおうちの宴会に招かれたような雰囲気。

 MASAさんの秘蔵酒、まずは『枯淡 熟成大吟醸』をさらに冷蔵庫で11年寝かせたもの、から始まりました。とろりと甘い不思議な味わい。同じお酒の3年寝かせたものと比べると、年月がやらかした仕事がわかります。味の芯にはぴんと共通した米の旨みを響かせつつ、だんだん角が取れて丸くなっている感じ、かなあ。決して劣化した感じがしないのはお酒の底力でしょうか。
 「うーん、うまいじゃないか」「ほんとですねえ」みんなでわいわいと感想を言い合います。わたくしには初対面の方がほとんどでしたが、酒好き・美味いもの好きという共通項ですぐ打ち解けて話が弾む…これはキモノ好きとも共通ですわね。

 会の模様、この日のそのほかのお酒や他の方が持っていらした肴は、マルアさんのおくさまのブログ『おきらく日記』に載っています。どうぞご覧になって。
 
 『一期一会の会』とても楽しい会でした。キモノなんぞ着て初参加したわたくしを温かく迎えてくださって感謝です。お酒も、おくさまや他のかた作の肴も美味しかったぁ。店主ばぶさん・お気楽おくさま・MASAさんはじめ常連のみなさま、どうもありがとうございました。よろしかったらまた参加させてくださいませ。


快楽亭ブラック毒演会

2008年09月16日 | 今日のキモノ

 快楽亭ブラック師匠。前々から名古屋によくおみえのことは知っていましたが、過激だよーーとの噂に興味をそそられたり躊躇ったりしていたのです。でも先月桃葉さんが大阪のブラック師匠の会を手伝い、「とても書けない…」と書いていらっしゃったことでついに『背中丼』。行ってまいりました!

 ブラック落語にはやっぱり、ちょっと毒入りオトナなコーデよね、とこんないでたち。 
 
 今日の着物:セオα蜘蛛の巣(竹蔵龍)
 今日の帯:赤蜻蛉名古屋帯(きものなかむら)
 今日の半衿:秋の味覚模様ハギレ(きむら)
 今日の帯揚:秋草模様ハギレ(大須骨董市)
 今日の帯締:黒に赤三分紐(ふちこまさん)
 今日の帯留:蛇戦国玉(ふちこまさん)
 今日の簪:紅花模様トンボ玉(ふちこまさん)
 今日の足袋:黒地鼓模様(まねきや)
 今日の下駄:紫縞花緒畳表台(松屋)

 会場は名古屋の『』。居酒屋さんですが、定期的に落語会が催されているそう。
 
 案内してくれたのはことりちゃんです。ことりちゃんは最近落語熱があがりっぱなし。なので異色の落語にも興味津々。「シモネタがわからなかったら教えてね」「OK,まかせて!」…いや別に何の自信もありませんがわたくし。
 さらに「シモネタな落語なんだけど」「へー、楽しみ」と二つ返事でmayさんも同行してくれました。頼もしい友でございます。
 

 開場ぎりぎりくらいの時間に着きますと、すでに常連らしき人々が三々五々たむろしていました。落語の常連客ってなんか独特の雰囲気がありますが、この毒演会にたむろしていた人々はそれともちょっと違った感じ。ひとことで言って『濃い』感じ。

 高座はお店の二階。早めの整理券をもらって前から二番目ちょっとはすかいになるいいところに席を占め、下に降りてあらためて見てみますと…
 
 玄関横には芸人さんのサインがいっぱい。ここに来て寄席などなさったひとたちなのでしょうか。
 
 今日は営業していないけど、いつもは居酒屋さん。ありゃま、十四代がずらっとあったり、いいお酒置いてますわ!「わたしが好きなもので…」と店主さん。ご本人も高座に上がられるそう。居酒屋のお客になって、おしゃべりしながら美味しいお酒が飲めそうですわね。

 さて、時間となりました。出囃子の『青い目の人形』が鳴り、ブラック師匠の登場です。開口一番のマクラから毒入りの時事ネタいろいろ、そして歌舞伎の裏話で笑わせてもらってそのまま一席目は『蛙茶番』。マクラから続く芝居噺がとっても達者で印象的。後半のおげれつ部分は余裕で大笑いいたしました。ふ。シモネタって言ってもこれくらいならぜんぜんOKねっ。

 と思っていたら…二席目は…『一杯のかけそば』パロディ『一発の(ぴーー)』。のっけから連呼される関東四文字。うひゃあ。そして、シモネタマシンガン。うひゃあうひゃあ。おっ・・・おかしいっ!
 これ、元ネタ知らなくても十分笑えますが、かのお涙頂戴話がなぜかまともに受けてたあの頃に聞いたならばもっと破壊力あったろうなあ。あのとき聞きたかったなあ。今だったらそういうネタってなんだろう…あれなどどうか?などなど、触発されて黒い心がむくむくと沸き起こるわたくし。
 しかし、汚れちまったわたくしはともかく、清い心の我が友は大丈夫か?引いちゃおらんか?と横を確かめましたら、ふたりとも大笑いしてて安心いたしました。わたくしたち大人よね大人。

 中入りの後三席目は『七段目』これはエロなくすぐりはちょろっとありつつもたっぷりと芝居話を聞かせてもらって満足。

 そして、最後。「おう、今帰ったよお兼、なんだ真っ暗にしておいて…」マクラなしでいきなり始まりました。江戸弁の歯切れよいやり取りがここちよい、あ、これは江戸落語、名作『文七元結(もっとい)』ではありませんか!
 ちょこちょことくすぐりはありつつも、人情話がテンポよく語られていきます。身投げしようとしていた文七に、娘が身を売って作った五十両を呉れてやる名場面も、親父さんの葛藤がひしひしと伝わってきて…。
 ところが。店に帰って文七が店主と話してるところから話がどんどん。あれ?文七の奉公先が『四つ目屋』って…文七がお金をなくした理由って…ありゃりゃりゃと思っているうちに話がどんどんエロ方面へ!で「ここは泣くところ」というところで大笑いして快楽亭ブラック毒演会、お開きとなったのでした。
 ちなみにタイトルは『文七元結』ではなくて『文七○っとい』でございました(○は伏字でございます。任意のひらがなをあてはめてくださいませ)。

 と、そんなこんなで笑わせてもらった快楽亭ブラック毒演会。「ブラック師匠の落語は二度と行きたくないと思うか病みつきになるかどちらかなんですって」とmayさんが桃葉さんから聴いてきたとか。病みつきってほどではないですが、面白かった。二度と行きたくないなんてことないよね、また行こうねー…と、言い合って別れたことでありました。異色の噺を聴けたヨロコビとともに、友は大人だということも確かめられ、二重のヨロコビを感じた一日でした。
 
 『生涯変態』 潔いフレーズですわ。
 


重陽の節句ですね

2008年09月10日 | 今日のキモノ

 昨日、9月9日は重陽の節句。だからこの帯を締めよう!と、キモノを着ました。
 と言ってもいつもの普段着キモノです。

 今日の着物:ベージュ縞片貝木綿(和裁教室で縫った)
 今日の帯:大菊昼夜帯(すうざんや)
 今日の半衿:菊牡丹木綿ハギレ(居内商店ハギレセット)
 今日の帯揚:薄橙絞り帯揚(義母にもらった)
 今日の帯締:檸檬色組紐(義母にもらった)
 今日の下駄;市松台縞花緒(松屋バーゲン)

 この片貝木綿をまた着るシーズンになりました。木綿の着物は着ていて楽です。普段着オブ普段着ですわ。
 透けない単って、ある意味薄物よりも涼しかったりします。透け透けだと下着に手を抜けませんので、見た目は涼しげでも本人暑かったりしますの。最後に着た『紗』は暑かったー。
 その点、この単の下は手を抜きまくり。上は縫さんの半襦袢に半衿だけをつけて着て、下は湯文字のみ!キモノをゆるゆるに着付けてますので、秋の風が体を吹き抜けていきます。ああ、秋のキモノって感じだわ。菊の節句に菊の帯。気持ちが嬉しいなあ。秋だなあ。

 と、季節を感じつつどこに行ったかというと…おせんたく!
 車で20分ばかり行った西尾市に『あらいぐま』というセルフドライができる店があるのです。夏物、しまいこむ前に洗っちゃおうと思って。10キロまで2000円なので、今期着た正絹ものが全部洗えちゃいます。ついでに、薄汚れてきた帯締め類も洗うことにしました。

 久しぶりの『あらいぐま』。でも、係りのおばちゃんは覚えててくれました。この店、コインランドリーなのですがドライのところだけお手伝いをしてくれるおばちゃんがいて、要所要所を手伝ってくれます。キモノ好きの方なので、親切にしてくださって嬉しい。
 持っていった着物、一枚ずつネットに入れて機械の中へ。溶剤洗いを10分、そして隣の乾燥機に吊るして15分干します。

 乾燥したての着物にはまだ溶剤のニオイが残っていますので、しばしハンガーに。そして、片っ端からアイロンがけ。プロ仕様のアイロン、台がスチームを吸い込むようになっていて、面白いように皺が伸びます。おばちゃんも手伝ってくれました。さすが、手際がいいなあ。

 シミなどはあまりとれませんが、薄汚れはさっぱりして気持ちいい。あとは、ウチで一日くらい干して、しまいこむことにします。また来夏もよろしくねー。さあ、これで心置きなく秋! 


駆け込み夏キモノ!

2008年09月01日 | 今日のキモノ

 昨日8月31日、、駆け込みで今年最後の夏キモノ着てまいりました。
   
 今日の着物:濃紺露芝模様紗(ヤフオク時代着物)
 今日の帯:秋草源氏車名古屋帯(すうざんや)
 今日の半襟:薄緑透かし模様絽半襟(竹蔵龍)
 今日の帯揚:薄紫絽(えり華)
 今日の帯締:薄紫夏帯締(えり華)
 今日の足袋:麻白足袋(まねきや)
 今日の草履:パナマ台青花緒(松屋)
 今日の簪」朧月(竹蔵龍)

 帰宅して写真を見てから気がついた、長襦袢の衣文抜きが透けているぅ~~。
 紗、ホントにスケスケですもの、気ぃつけとかんといかんかったのに!夏の最後の痛恨。ここに記して来年への諫めにいたします。

 このいでたちで出かけたのは、仕事の研修会でした。講師の先生は長年ニューヨークに住んでいらっしゃる日本人女性の方だったので、キモノ姿をお見せしたくて。たいへん喜んでいただけてわたくしもとても嬉しゅうございました。
 その先生、海外にずっと暮らしていらっしゃるぶん、昔の日本のよいところを大切に残してしていらっしゃるのです。細やかな思いやり、そして美しい言葉遣い。仕事の上でも大いに学ぶところがありましたが、ひととして日本女性として見習いたいと思うところがたくさんあって、有意義なひとときを過ごしてまいりました。


 さて、今日からはもう単の季節ですね。夏もの片付けなきゃ。