キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

みやこちゃんをお手入れ

2008年08月28日 | キモノとわたくし

  この夏大活躍してくれたみやこちゃん。何度も着て、その風合い着心地にうっとりさせてくれました。なんつーても涼しい!
 みやこちゃん、来年もよろしくね…の気持ちを込めて、お手入れ。mayさんが、大阪でキモノ達人の方に教えてもらったことを詳しくブログに載せてくれたので、そのとおりにやってみました。

  
  お手入れ前のみやこちゃん。けっこうしわしわになっちゃってます。あと、涼しいとは言え汗もいっぱい吸ってると思う。

  
  そこに、全体に霧を吹きます。しゅうしゅう、霧吹き一本分の水を使い切ります。あ、その前に下にビニール敷いておくの忘れないように。けっこう水を吸い込みますが、後半はぽとぽと水が垂れてきます。

  
  びとびとのみやこちゃんを、大きいゴミ袋の上で綺麗に畳みます。その上からまたゴミ袋をかぶせて、上に座布団を重ねて軽く圧しをして、小一時間放置。

  
  そして、再びちゃんと干します。しわも伸び、水分と一緒に汗も飛んでさっぱりします。
  そして、乾いたらまたちゃんと畳んでできあがり。みやこちゃん、この夏はどうもありがとう。来年の夏もまたよろしくね。

  …などと言いつつ、なんだか、あっけないくらい簡単にお手入れできたので、もしかしたらまだ1回くらい着るかもしれません。そしたらまた、こうやってお手入れしたら良いんですわね。
  mayさんに教えてくださった方も「宮古上布ほど扱いの簡単な着物はありません」と仰っていたそうですが、これでいいなら確かにすごくらくちん。これからもお手入れしつつ、どんどん着ていこうと思います。みやこmyらぶ。
  mayさん、貴重な情報を伝えてくださってどうもありがとうございました。


『達人セット』で落語とディープ大阪

2008年08月20日 | 今日のキモノ

 8月17日は、またmayさんとおでかけ。『たまの小劇場』…花花で笑わせてくれた笑福亭たまさんが小さなカフェで落語をするということで、楽しみに出かけます。さらに、せっかく大阪に行くんだから!とmayさんが桃葉さんに連絡を取ってくれました。ゆっくりお話しするのは初めてで、これも楽しみ。
 せっかくのキモノおでかけだし、キモノ上手の桃葉さんに会うし…というわけでわたくし、満を持して登場のコーデでございます。宝物の宮古上布ちゃんに、科布で作ってもらった帯を合わせて。題して『達人セット』!!
 
 今日のキモノ:宮古上布「みやこちゃん」(きむら)
 今日の帯:科布名古屋(きむら)
 今日の半襟:薄緑絽すかし模様(竹蔵龍)
 今日の帯揚:飛び絞り絽(きむら)
 今日の帯締:白三分紐(コメ兵)
 今日の帯留:髑髏蜘蛛(竹蔵龍)
 今日の簪:鼈甲螺鈿櫛(きむら)
 今日の足袋:麻白足袋(まねきや)
 今日の草履:パナマ台青琉球風模様花緒(ヤフオク台に松屋花緒)

 科布の帯は今日初下ろしなのです。みやこちゃんを引き取りにいった時、おばちゃんが「こんなん合わせるとええねん」と乗っけてみてくれたそれにまた一目ぼれしまして。布の状態だった科布に麻布を継いで、名古屋帯に仕立ててくれるよう、その場でおばちゃんに頼んじゃったのです。キヨブタ!
 「こんな風に合わせたら、まるでキモノ達人みたいだねー」と、その場にいたぶるちゃんが言ってくれたことからこの組み合わせは『達人セット』になりました。

 『達人セット』そのうちmayさんぶるちゃんと『宮古三姉妹』をするときにお披露目しようと思っていましたが、どうやらこの夏中には実現できそうにない。ならば今!と張り切って着用に及んだのです。

 とーこーろーがー。
 締めてみると、お太鼓の真ん中に畳み目が来ちゃってます。うーん、ちゃんと伸ばして置けばよかったなあ。さらに、この帯テがとても長い…きむらのおばちゃん、わたくしをよっぽどでかいと思っているな。普段短い帯を無理無理に締めることが多いので、長い帯にはたいへんてこずっちゃいました。
 というわけで、こういう感じ。『達人セット』なので達人っぽく、どこに出しても恥ずかしくないぴしぃっとした着付けで着ようとか思ってましたが、やっぱり暑さに負けてゆるゆる着付けになっちゃった。でも。そのおかげでえらく涼しかったのです。宮古ちゃんの力も大きい。やっぱり夏はこれですねえ。

 と、達人的に乗り込んだ大阪。『たまの小劇場』会場は、この前ことりちゃんと『べにこご』に行ったのと同じ駅『中崎町』でした。mayさんと落ち合ってランチして、町をふらふら歩きます。昭和な町並みの、路地を入った古いアパートで若い人が雑貨屋さんやTシャツやさんをやってたり、不思議にカオスな町です。
 
 この先の細ーい路地にはまだ先がある…。どんどん探検したくなります。

 そんな町に『たまの小劇場』のカフェもありました。隅っこに小さく高座が組んであって、その後ろにはカーテンが張り巡らされています。そして、会場には椅子がぎゅうぎゅうに…それでも、50席くらいでしょうか。小さな会場。前から2番目に座ったので、演者が近い近い。いいなあこういうの。

 演目は
 東の旅発端   桂さろめ
 阿弥陀池    笑福亭たま
 遊山船      桂ひろば
 くっしゃみ講釈 笑福亭たま
 (中入り)
 漫談       ナオユキ
 壷算       笑福亭たま
 まるまる3時間!おなかいっぱいの寄席でした。たまさんは相変わらずパワフルだ。この寄席はたまさんのホームって感じで、いつもにましてのびのびと演じている感じ。
 『阿弥陀池』は…米朝師匠のをCDで聴いたことしかなかったけど、あんな元気でえっちな噺だったかしら?
 『くっしゃみ講釈』花花に続いて二度目だったけど、やっぱり笑っちゃいました。覗きからくりの歌って、わたくしこの噺でしか聞いたことがないのですが、やっぱり「ほえー」っていうのかな?
 『壷算』は、なんか自分流にいろいろ変えたと言ってた。ここでうまく行ったら外でもやりますわーって、そういう場所なのですな。
 それにしても、こういう小さい寄席があっちこっちにある大阪。やっぱりいいなあと思いますわ。満足。

 さあそして、桃葉さんとデートです♪
 地下鉄の駅で落ち合って、連れて行ってくれたのはここ!ディープ大阪。
  
 大阪のシンボル通天閣~~。なんともシュールな感じの建物ですわ。
 「これ、脚の部分がなんか20世紀少年に出てきたロボットみたいでしょ」と桃葉さん。そのセンス、好き。通じ合えるものがあると確信しちゃいました。
 
 その足元には、アホの坂田…でなくて坂田三吉の碑が(わたくし、どーしても混じっちゃうのです)。

 通天閣の向こうには、もっとディープな大阪が広がっているとか。元遊郭があった地域がそのまんま「女性立ち入りせんほうがええで」となって残っているとか。眺めやるとそこには、アジアな空気が色濃く漂っているようでした。今度は行ってみたいなああ。

 通天閣に登ってみる?という案もありましたが、あまり時間もないのでお店に。桃葉さんご推薦の「玉家」という店。「何を選んでも美味しいのよー」ということで、お任せでいろいろ出していただきました。
 和食の店だけど、こんな創作料理も。
 
 フォアグラのサンド♪メニューにはない特別料理だそうでうれしいな。
 「このタレ、なんだかわかります?焼き鳥のタレなんですよ。バルサミコはいってるでしょとか言われるけど、ぜーんぜん」マスター、楽しそうに料理の説明をしてくれます。『たこ焼きのようでたこ焼きでない』もの、とか。そして、お酒も料理にあわせてとりどりに奥播磨・くどき上手・秋鹿山など…うーん、こうさん~~。
 
 キモノの話、料理の話、落語の話。いろいろに話が弾んで、あっという間に帰りの時間。お名残惜しい…。
 
 ライトアップされた通天閣に再会を誓い、家路をたどったことでありました。

 mayさん、ふつか続けておつきあいいただきどうもありがとう。そして、桃葉さん。短い時間だったけど会えてとても嬉しかったです。またゆっくりお話したいですね。楽しかったあぁ。

#写真はおふたりからいただきました。どうもありがとうございました! 


松の寿&英君を、加寿也&よし亭で

2008年08月19日 | 今日のキモノ

 8月16日(土)、いつもの加寿也『吟味喰らぶ』は『(静岡)英君と(栃木)松の寿を吟味する!』というタイトルで開催されました。
 静岡の英君と、栃木の松の寿。この2銘柄は、酒飲み仲間の間では評判で定番の2大銘柄。どちらも飲みやすく料理の味を引き立てる飲み飽きしない味ながら、かたやシャープで切れ味のいい酒、こなたふくよかで繊細な酒、と個性的。というわけで並び立って愛飲されております。
 お酒が美味しいというだけでなく、どちらの蔵も蔵元さんが気さくに飲み手の中に出てきて、いろんな話をしてくれるのも愛されている理由。今回の吟味喰らぶにも、英君蔵元と松の寿蔵元夫妻が共に杯を酌み交わすために足を運んでくれました。

 さらに。英君と松の寿の蔵元が揃って、一次会で解散なんて有り得ない!というわけで、一宮の銘店『酒房よし亭』での二次会も企画されました。朝方募集をかけて夕方には満席に。蔵元の人気が伺えます。もちろん、わたくしは一次会二次会とも参加です。


今日の着物: 薄紫朝顔絽(金山ノスタルジックモール)
今日の帯:紫白鱗半幅(大須骨董市の名古屋帯を半幅に直した)
今日の半衿: 薄青緑紫唐草牡丹(金山ノスタルジックモールハギレ)
今日の帯締:薄緑三分紐(きものなかむらさんにもらった)
今日の帯留:シルクロード(竹蔵龍)
今日の下駄:縞花緒市松台(松屋バーゲン)
今日の簪:白地に◎トンボ玉(ふちこまさん)

 今日のコーデ、テーマは『飲み会!』
  他のメンバーはきっとTシャツにサンダルくらいで来るでしょうから、そのへんにふさわしくラフに着崩しちゃおうという気持ち。そして、暑いし足袋は履きたくないから裸足に似合う格好、でも昼間から出るので浴衣は着たくない(キモノオトナの意気地ぢゃ)…というわけで、こんなんなりました。

 写真はおなじみmayさんと、真ん中にいるのは『松の寿』の蔵元夫人・若葉さん。キュートな笑顔と可愛いボケで大人気の美人奥様。お顔をお見せできないのが残念です。ぜひじかにお目にかかっていただきたいわ。

   
 今日のお酒!同じ銘柄の中でもいろんなラインナップがあります。それぞれに個性的な味わいです。
 ちなみに、左から4番目の山吹色の『松の寿』と、左から二番目の緑の『英君』は我が家の酒冷蔵庫に欠かせないお気に入りお酒です。んまいす。
 
 加寿也に集った、英君&松の寿ファンの群れ。お揃いの黒Tシャツは酒HP『由紀の酒』チーム。英君&松の寿ブームの火付け役です。

 さあ、宴会が始まります。


 真ん中はジーマミ豆腐。沖縄料理ですが、すっかり板さんオリジナルと思う。トルコアイスのようにもちもち伸びる不思議な食感、こんなん食べたことなかったわー。

 
 英君蔵元・ひでさん。黙ってりゃ二枚目なのに、そのサービス精神からか本性からかしゃべるとエ○蔵元との異名も。でもここでは参加者(うるさがた)のつっこみにこたえてまぢめに造りの話などをしていた模様。
 
 松の寿蔵元兼杜氏の松井さん。イケメンであります。イケメンに注いでもらう酒はうまいのう。
 「山廃って、なんですか?」「えーと、まずお酒を造る酒母というのがあって…」こっちの席は初心者講座です。贅沢じゃー。


 どんどんお料理。真ん中はまぐろの石ラーユッケ。石ラー『石垣島ラー油』いろんなハーブやスパイスが入ったとっても美味しいラー油で、マグロの味を引き立てます。

 ほんでもって、遠来のお客さまのために名古屋メシ三連続!〆の「ひつまぶし」、香ばしい鰻にのっくあうとー。お腹いっぱいなのにお代わりしてしまいました。
 
 お好みアイスでいったん〆。二次会に向かいます…。

 
 
  二次会もやっぱりこのラインナップで。

 
 おなかいっぱいのはずなのにー。大将の料理に箸が止まりませんー。

 
 「新銘柄は『夜の英君』で行くんだよね。鰻エキス入り!」
 「あ、そしたら付録に蔵元のブロマイドをつけるよね。ブーメランぱんつで」
 「ぱんつがスクラッチで、当たりは金のエンゼルで!」
 「いや、当たりはやっぱり若葉ちゃんの水着写真の方が」
 ・・・・のっけからアホな話で飛ばしております。
 
 串揚げアツアツ。ミニトマトの串揚げをかぷっとやって口の中を火傷しても笑っちゃうハイテンションであります。


 ぐちゃぐちゃになる前に集合写真を・・・ということで、ハイテンションの群れ。
 
 わたくし、『お正月仮面』になってしまいましたー(って、ご存知?)。
 
 優しい味わいの鰻雑炊で〆。
 …とここでわたくしは帰宅いたしましたが、みなさんまだまだ盛り上がっていた模様。

 お気に入りの店(×2)でお気に入りのお酒(×2)を、しかも蔵元(×2)と飲む。大変贅沢な一日でありました。なんかもう、身も心もぱんぱんで、心はともかく身の方はどうしたもんでございましょう…。
 それはともかく、楽しい一日。英君蔵元ひでさん、松の寿蔵元松井さんと若葉さん、加寿也の板さん、よし亭の大将、そして参加のみなさん。どもありがとーー。


(おまけ)
 
 今日の写真もすべてオットが撮影したわけですが、それはこのように撮られております。mayさん撮影。thanks!
 オットは撮りツマは飲む。平和な光景でございます。 


美しいものが、無造作に…富山ふちこまさんの工房

2008年08月07日 | 買っちゃいました

  落語の次の日は、おとなり富山県にふちこまさんの蜻蛉玉工房を訪ねました。
 ふちこまさんの蜻蛉玉、去年の秋に初めて拝見し、身が震えるほどに感動したのです。今回はその製作現場を訪ねちゃおう!そんでもって、また『うちの子』連れて帰っちゃおう!と期待満々。落語をご一緒してくれたみんなもお連れしました。mayさんはすでにふちこまさんの玉に惚れこんでキヨミズダイブ済み。mikaさんにっぽんちゃんも、キモノ乙女ですもの気に入るに違いない♪

 
 工房に着くと…そこには、美しいものが無造作にごろごろとしておりました。魂が飛んでいきます。おひさしぶりのふちこまさんなのに、わたくし、ご挨拶もそこそこに蜻蛉玉に見入ってしまいました。ふちこまさんには初対面のオットや、にっぽんちゃんmikaさんを紹介、したかどうかも覚えていない。失礼いたしました。

 
 無造作ごろごろばかりでは無論なく、一隅にはちゃんと展示もされていました。凝った細工の玉が、ここには沢山。帯留めや簪にする玉など、ひとつひとつが小宇宙であるような存在感です。そんな蜻蛉玉が4個、春・夏・秋・冬とセットになっている、なんてゴージャスなものもあり、コーフンせざるを得ずのわたくし。
 蜻蛉玉を連ねたネックレス、羽織紐など、贅沢なものもいっぱいで…。

 うっとりしつつ、夢中で『うちの子』を探します。わたくしが欲しいのは、今回は簪。前におーこさんが求めていらした、玉を替えることができる簪です。  

 迷いまくったけれどやっぱり一番最初に「イイ」と思ったのんが一番だわ。
 小さい玉に細かい細工、でも遠めで見ても迫力が伝わるのは作品の力ですわね。

 
 凝っている、それだけに高価な玉ばかりではありません。こんなお値段かわいい美しいものもあって、掘り出しものの楽しさも味わわせてもらいました。

 mayさんmikaさんにっぽんちゃんも、それぞれに「うちの子」と巡りあえた様子。わたくし、先頭に立ってお連れしたのに何のお世話もしなくって申し訳ありませんでしたが、玉の力とふちこまさんのおかげで満足してもらえてたいへん良かったです。「今度は体験もしてみたいねー」など、言い合ってにこにこと工房を後にしたことでした。ふちこまさん、どうもありがとうございました。またよろしくです。
 



 そして…きゃあきゃあ騒ぐ女どもを横目に、どんなに手持ち無沙汰だったでしょうmayさんのご主人、そして我がオット。それこそ何のおかまいもせずたいへん失礼いたしました。遠くまで連れてきてくれて、本当にありがとうです(礼)。これに懲りず、またよろしく…(上目づかい)。


金沢で落語と花火!笑福亭小つるのき楽寄席・夏の陣

2008年08月02日 | キモノイベント

 7月26日、金沢市民芸術村・里山の家にて催された『笑福亭小つるのき楽寄席』に行ってまいりました。
 小つる師匠は、つい先日2010年に大きな名前『笑福亭枝鶴』を襲名することが発表されたばかり(『枝鶴』についてはなぁさんのブログ『金沢落語情報』に詳しいです)。お祝い気分の落語会、またお茶子をさせていただきました。
 
 スタッフの女性陣はみなキモノ。よしこさんの帯は『鶴』ですね!
 わたくしも着物は飛鶴模様の小紋、帯は松の枝で『枝鶴』を表した、つもり(実は着物の模様は燕っぽいのですが、鶴!これは鶴!と言い張っておりました)。

 『里山の家』は大きな民家を移築した建物。なので、落語ができるように一から準備が必要です。
 
 奥に、机を重ねてあるのが写ってるの、わかりますか?これが高座になります。ぐらぐらしないように緩衝材を挟んでバンドで止めて。手前で広げられているのは緋毛氈。これを被せてできあがり。ちなみに、この緋毛氈は席亭なぁさんが作りました。
 
 見台と膝隠しを組み立てているところ。ちなみにこの2つもなぁさん手作り。愛ですね。
 
 ふざけているのではありません。照明の具合など舞台の見え方をチェックしているところ。でも、高座に座れてちょっと嬉しい。
 
 
 だいたい出来上がったところで小つる師匠が大阪から到着しました。「おおー、ええ感じやん」とおほめのコトバをいただいた後にも、会場のしつらえや照明など、細かく調整していきます。
 
 空調の吹き出しや座布団の配置まで師匠自ら手を下して。ほんに手作り感満載の落語会であります。

 
 今回のき楽寄席には、わたくしのキモノ友達が遠征して来てくれました。三重からmayさん夫妻、名古屋からにっぽんちゃん、大阪からmikaさん。ありがとー。(ああ、どさくさでmikaさんの全身写真を撮っていないーごめんー。)
 mayさんは小つる師匠の枝鶴襲名お祝いで『実りある落語人生を』の思いを込めて、千にひとつのムダもない、茄子の帯。


 準備整い、いよいよ開演です!
 
 マクラは枝鶴襲名の報告と、いろんなエピソード。特に先代の五代目笑福亭枝鶴師匠について、ここには書けないいろんな裏話がいっぱいで。ほーーーそんなことがあったんだああ。

 続いて、ネタは『動物園』。寝ててもお金がもらえる仕事と紹介されたのは動物園のトラの中の人…。このネタって前座ネタで、ふだんは若手さんが演ることが多いそう。私も若手さんの演じるこのネタを聴いたことがありましたが、小つる師匠の『動物園』さすが一味違います。軽やかに演じているなかで、ひとつひとつの仕草や表情は秀逸。とくに『トラの真似』の演技は素晴らしく、会場から拍手が沸きました。ほんまにトラみたいな顔してはったもんなあ。ネタに入ったら写真は撮れないので、お見せできないのが残念です。
 そう、いつも思うのですが、師匠は高座に上がると顔が変わります。集中してはんねんなあ。プロだなあ。

 
 次のネタのため、見台と膝隠しを整えます。いつもは座布団と名ビラだけなので、緊張しております。でも、この緊張感が嬉しい。何もわからずにはじめたお茶子ですが、もうやめられませんわー。

 次のネタは『青菜』
 夏真っ盛りの昼下がり、植木屋さんがご隠居にごちそうになり… 
 
 この噺、ちょっと前に桂紅雀さんで聴いたばっかりですが、同じ噺を続けて聴いても面白いのが古典落語の力ですねえ。
 小つる師匠の『青菜』、ご隠居さん宅でいただく鱸の洗いと『柳陰』の涼やかな味わい…いつも美味しそうな小つる師匠の飲み食い演技に、猛然と鱸の洗い&柳陰がいただきたくなりました。『柳陰』って、あとで師匠に訊いたら焼酎と味醂を合わせたお酒なのですって。それを、井戸できりりと冷やしていただく、甘くて口当たりよさそう。でも、けっこう強いお酒なのですね。植木屋さんはんくんく飲んでましたが、大丈夫かな。
 そして、長屋で再現した暑っ苦しい酒。植木屋さんがご隠居さんの真似っこをしてるさまも可笑しかったし、悪態つきつつダンナさまにつきあうおかみさんも可愛くて。最後のサゲ、わかっててもやっぱり爆笑してしまいました。

 いやー、面白かった。会場の反応も上々、お客さまも笑顔でお帰りだったのがたいへん嬉しかったです。

 片づけをして、スタッフと遠来の客で打ち上げ。
 落語の話やアホな話で盛り上がりました。「次はこんなネタをやって!」ってな話も。 

 そうだ、『青菜』の青菜ってなんだろう?という話題もありました。師匠は蕪の葉のつもりで演ってるそう。まぁどれと決まっているわけでなく、昔はどの野菜って特に限定せずに青いもんは「青菜」って言ってたから、大根の間引き菜かもしれないし、なんか適当な菜っ葉やろな、でも夏やしホウレン草や小松菜でないことは確かやな、って。
 昔といいましたが師匠はこの噺、大正時代の設定で演っているんですって。なので、鱸の洗いに氷が使ってあって、それを植木屋さんが珍しがっているんですねえ。そういえば『鱸の洗い』、普通は『鯉の洗い』にするところを変えたのだそうで。こんなふうな演者の工夫もまた、落語の面白さですね。


 いつもは大阪じめで〆ですが、お店なので東京一本じめで打ち上げのお開き。

 
 さあ、これから二次会、花火です。ここでわたくしの持ち込みお酒を。お気に入りのお酒、栃木の『松の寿』から松の寿タワーと、静岡の『英君』から夏吟醸です~。
 さらに、よしこさんが泡ワインをお持込み、そしてバドワイザー。 
 目の前でどかんどかんと上がっていきます。風も程よく吹いて煙を流してくれて、花火、ずっと綺麗に花開いてくれてました。
 花火を肴に酒を飲む!わたくし、どんどん酔っぱらいになっていきます。気持ちいい~。
 
 花火終了後、集合写真…撮ったんですねえ。わたくし、酔っぱらっててこの辺の記憶があやふやでございます。
 これが、オールスタッフ&遠来の客。落語も花火も、たいへん楽しゅうございました。顔隠しちゃってますが、みんなとてもいい顔で写っております。
 小つる師匠、席亭のなぁさん他金沢のみんな、遠くから来てくれたマイフレンズ、ほんとうにありがとう。おかげでまた、素敵に楽しい時間でしたわ。

 準備からずーっと参加して、味わいつくした1日でした。堪能しすぎてへろへろになり、宿に着くなり爆睡いたしました。遠来のお客様を夜の金沢に案内したかったのですが、電池切れ。ごめんねえ。今度はきっと繰り出しましょう。また来てね。

 これをお読みのみなさまも、よろしかったらぜひお越しください『き楽寄席』。次回は来年の4月、その次は8月に予定しています。詳しいことが決定したらまたお知らせいたしますね。

                          (全ての写真はオットが撮りました。いつもありがとー)