3週間も前のことになりますが、年若い友人が結婚することになり、式披露宴に招かれて行ってまいりました。フォーマルキモノは久しぶりで緊張します。髪もふだんの『なんちゃって耳かくし』ではナンなので、会場の美容院で結ってもらいました。
今日の着物:振袖反物仕立ての訪問着(店じまいの呉服屋さんで買って「まゆ」で仕立て)
今日の帯:丸帯直し袋帯(きむら)
今日の半衿:白ちりめん半衿(長じゅばんについてた)
今日の帯揚:礼装用白帯揚(前から持ってた)
今日の伊達衿:礼装用白伊達衿(前から持ってた)
今日の帯締め:礼装用白金帯締め(前から持ってた)
今日の帯留め:ねじねじトンボ玉(玉やふちこま)
今日の足袋:杵屋白足袋(広島の杵屋)
今日の草履:佐賀錦金襴草履(前から持ってた)
今日の着物、このつい2~3日前に『和裁工房まゆ』さんから仕立てあがって届いたもの。間に合いましたー。
それは夏の終わりのこと、仕事仲間から「主人の母が懇意にしている呉服屋さんがこんど店じまいするってことで反物を処分しているの。見に行かない?」と誘われまして。二つ返事でOKし、彼女に連れられてお店に入ると、畳の上には仮仕立て状態の振袖ばかりが重ねてあったのです。
振袖では・・・と思っていると店主のお婆ちゃんが「お袖1枚で2枚お袖を取って、余った一枚を帯に作ったらいいのよ」と。おお、それはステキだ!と一気に心が動きました。
そう思って羽織ってみると、さすが振袖、柄が大きい。普通の訪問着にはなかなかない感じも気に入って、無茶無茶安かったし、一枚求めて。
そして、ネットで見つけて前からお世話になっている『まゆ』さんのお仕立て1万円キャンペーンを利用して仕立て・・・今日の日を迎えた、というわけでした。
更に帯はこの前『きむら』に行ったときに見つけた丸帯、袋帯二本にしてもらって常連さんマダムと分け合うことにしたもの。これも最近仕立てあがって今日が初着用です。
ちょっと古典的な柄の訪問着にモダン柄のアンティーク帯がいい感じに合ってる!と自画自賛しつつ。
フォーマルキモノをランクアップする、ふちこまさん作のトンボ玉もばっちりだ!
結婚式場は大きな湖を望むきれいなチャペルでした。
年若い友人、今日はやっぱり特別に綺麗。初めてお会いする新郎は、『笑福亭たま』さんによく似たイケメンでしたー。
イケメン新郎はファイヤーマン。披露宴には同僚のひとがかけつけて、余興で救助活動のデモンストレーションをやってくれました。
ファイヤーマンズ、このあとふんどしいっちょになって組み体操の人文字で『おめでとう』を作ったりしたのですが、それは会場の後ろの方だったから写真が撮れませんでした残念。
って、残念がってたのは同じテーブルでは私だけで…そのほかの彼女の友人はうら若いお嬢さんたちでしたので、半裸の男どもを見てけっこう引いてたみたい。ああ、年をとるとはこういうことなのね…と我が身を省みたことでありました。
それはともかく、いろんなひとの祝辞やご両親の謝辞、スライドで映されるふたりの歴史など…『夫婦になる』ことって不思議なことだなあと感じたのでした。これまで他人だったのに、これから誰よりも近しい関係になっていくなんて。
「神が結びつけたもの」という司祭さんの言葉、確かにこれはなんかどっかそういう超越的なものの仕業という感じがします。不思議だなあ。
とてもいいお式でした。綺麗なかっこもできたし、美味しいものいただいて、幸せなひとを見る。私も幸せな気持ちになったのでした。
おふたり、お幸せに。
今日の着物:葉っぱ訪問着(きむらの着物、オーイワさんにいただく)
今日の半衿:隈取刺繍半衿(ヤフオク凛の半衿)
今日の帯:小豆色芭蕉模様昼夜帯(mikaさんにいただく)
今日の帯揚:蝶模様モスピンクハギレ(きむら)
今日の帯締:紫桃金平組(母に買ってもらった)
今日の足袋:薄紫銀杏模様足袋(京都分銅屋)
今日の草履:畳表龍村花緒(松屋)
今日の根付:シェル葉っぱ(覚王山の材料やさん)
今日のバッグ:古布紫がまぐち(島工房)
この着物、ずーっと前に『きむら』で見て、目をハートにしていたのです。でもその後、きむらの常連のお客様オーイワさんがお買い上げになったと聞いて、がっかりしたりほっとしたりしていました。恋しい着物も知っている方のところにあると思えばなんだか心安らかになりますもの。
…の、その着物。「葉さん着て」とオーイワさんがくださったのですっ!!なんてうれしい~~申し訳ない~~うれしい~~~。どう御恩に報いれば…というわたくしにオーイワさんは「もう、大事に着てくだされば」と仰るのみ。あああ、ありがたい~~。
これはもう、大事に大事に着なければっ!!と、洗い張りして自分サイズに縫い直し。今日という日を迎えました。
サイズは自分サイズだけれど、お袖はいただいたそのまんま、長めにしてあります。それで、それに合わせて長襦袢も作りました・・・といってもコレも得意の『洗い張り・仕立て直し』ですけど。
そして、今日お披露目。訪問着ですもの、やっぱりハレの日におろさねば。
でも、あまり仰々しくならないよう、帯はあえて昼夜帯。これもいただきもの。mikaさんありがとう、出番多いですコレも。
はからずも頂き物で着物帯と揃っちゃいました。人の情けが身にしみるコーデです。
mayさんはお嫁入りのときにお母様が持たせてくださった訪問着だそう。豪華だけどしっとり、季節に良く合っています。上等紬のイメージが強いmayさんですが、やわらかもんも似合うじゃん。
こあらちゃんは大島に銀杏の帯。銀杏は今日『お軽と勘平』を演じる仁左衛門サマの紋だとか…さすが、詳しい方のコーデです。ぁ、そいえばわたくしも足袋が銀杏・・・でもこれはかえって仁左衛門サマに失礼ではっ(汗)。
始まる前に、幕間でいただくお昼ご飯を予約。休憩時間が短い御園座では必須です。
席は一番安い三階だけど、通路の前なので他人の頭が気にならない良い席でした。
幕が開き、仮名手本忠臣蔵が始まります。人形浄瑠璃として誕生したこの劇、まずは人形ぶりに舞台の上で固まった登場人物が、せりふを言うほどに人間になっていきます。
私たちが見る午前の部は、塩冶判官がいかにして高師直の恨みを買ったか、という『兜改め』から『松の廊下』そして『判官切腹』、最後はお軽と勘平の『道行』という、物語の前半。ドラマなどで見る『忠臣蔵』との異同が面白かったです。こっちの方がすごっく泥臭い。
絵に描いたようなベタなヤなやつ高師直の腰ぎんちゃく鷺坂伴内が動きといい表情といい笑い転げちゃうほど面白い…と思ったら演じているのは片岡亀蔵でした。
前に『法界坊』のスケベ番頭で爆笑させてくれたのも、シネマ歌舞伎『らくだ』で腹の皮よじれるらくだをやってくれたのも、このひと。役者の名前には疎いわたくしも、亀蔵は覚えたわ。
さて松の間刃傷のあとお昼ご飯、塩冶判官切腹の後はコレ
こあらちゃんに御園座名物最中アイスを召し上がっていただかねば!
…って、わたくしはビーーーール!!だって、会場内暑くてのど渇いちゃったんですものう。
そして終幕、仁左衛門サマの凛々しい勘平を堪能し、忠臣蔵昼の部は終わったのでした。あー楽しかった。できれば討ち入りまで見たかったけれど、それはまた今度のお楽しみにしましょう。
出口で記念写真。楽しかったねー。
このあとは近くのティールームでおしゃべりし、歌舞伎ファンこあらちゃんにっぽんちゃんからいろんな話も聞かせてもらって、フルに楽しんだ一日が終わっていきました。
にっぽんちゃん、貴重なチケットをありがとうー。とっても楽しみました。またよろしくねー。
こあらちゃん、遠くから来てくださって嬉しかったです。こんどはそちらでお会いしましょう。
mayさん、この前もこのあともなんだかんだと御一緒いただき、幸せですわ。
みんな、また一緒に遊びましょうねえ。ああ能天気な人生。
10月17日(土)は、金沢にていつもの『き楽寄席』。お茶子をやってまいりました!
今回の噺家さんは、いつもの笑福亭小つる師匠、そして桂勢朝師匠です。
今日の着物:秋色雪輪柄平紬(祖母のものを和裁教室で自分サイズに直した)
今日の帯:飛鶴名古屋帯(ヤフオク)
今日の半衿:白塩瀬(長襦袢についてた)
今日の帯揚:黄色絞り帯揚(祖母のもの)
今日の帯締:橙青雪輪平組帯締(ヤフオク)
今日の簪:富貴花(竹蔵龍)
今日の足袋:杵屋白足袋(広島の杵屋)
今日の草履:酒袋台すうちゃんお見立て花緒(松屋)
今回はmikaさんとmayさんに前夜からウチに来てもらい、朝一緒にキモノ着て出発しました。
mayさんは伊勢木綿、これは何号?爽やか格子がmayさんカラーです。mikaさんはこの前「きむら」に御一緒したときに求めた大島を初着用。うん、やっぱり似合うじゃん!
オット運転のウチ車で高速道路に乗り、一路金沢へ!
到着すると、小つる師匠勢朝師匠がすでにいらして、リハーサルをしていました。小つる師匠、今回咽喉を痛められていて声が…。慎重にマイクを調整します。もう一方、勢朝師匠とのコントラストがすごくてマイク調整たいへんそう。
一段落して、スタッフミーティングです。今回から『き楽寄席』スタッフ法被を作りました。なんか気合が入ります。
(でも、舞台に上がるときは脱いでねと小つる師匠にご教示いただきました。そいえばスタッフ法被を着てるお茶子っていませんね)
mayさんmikaさんにも法被を着てもらって受付のお手伝いをお願い。このために前泊までしたもらったという(笑)。
手前は金沢のよしこさんです。
さぁ、本番!小つる師匠の登場。一席目は『くっしゃみ講釈』。プログラムでは最後にこれをということになっていたのですが、声が不安ということで始めに持ってきたそう。咽喉を痛めているときに、よりによってくっしゃみ講釈・・・とハラハラしましたが、マクラではかすれ気味だった声がネタに入るとどんどん艶を増し・・・
はーくしょん!!はーくしょん!!クライマックスのくっしゃみ連発、悪態の歌まで迫力の熱演でした。師匠、講談もお上手~。聞き惚れました。
続いて、勢朝師匠は『ハイウェイ歌合戦』。
マクラでは見台に肘をつき、ぼそぼそぼそ…と語っていたのがネタに入るとテンション急上昇!!声量も急上昇!!!
勢朝師匠演じる『ハイウェイ歌合戦』、ライブ繁昌亭で野球選手バージョンで聴いたことがありましたが、今回は政治家バージョンで。時計屋のハトヤマさんたちが繰り広げるバスの中の歌合戦!扇子をマイクに、素晴らしい美声を響かせ、笑わせてもらいました!
トリは再び小つる師匠の『道具屋』。この前谷六寄席で聞いたばっかりですが、続けて聞いてもやっぱり面白い。
のんきもんのほやほや道具屋くん、お間抜けだけどちゃっかりしてて。お客さんとのやりとりも可笑しいー。
わたくしはずっと舞台の袖にいたので、声だけ聞いて笑っていました。でも、後から写真で表情を見ると、ほんとにいろんな顔、いい顔をなさってたんだなーと改めて思います。今回はカメラマンオット、「笑い声が起こっているときならシャッター音が気にならないと思うから」と、ネタの間も写真を撮るのを許可してもらったのです。
お客さんが笑っているときの師匠方、こんな表情をしていらしたのねー。
客席からも何度も大きな笑いの渦が沸き起こり、とても楽しい時間でした。
最後に席亭なぁさんが小つる師匠が来年10月『枝鶴』襲名する話をして、『大阪締め』でお開きとなりました。
咽喉が苦しい小つる師匠に代わって勢朝師匠の音頭で「打ーちましょ!」パン!パン!
こやって練習して、来年の襲名披露金沢公演ではきっちりそろった大阪締めを、松竹芸能の方にも聞いていただこうと!…そのまんま響いてほしいような冴えた手拍子がホールに広がり、『小つると勢朝のき楽寄席』お開きになったのでした。
そして、その後は打ち上げ・・・
と、ふだんならなるところですが、今回は夜にもうひとつ、寄席があったのです。金沢から車で小一時間離れた小松市にて勢朝師匠が年一回催している寄席。せっかくだから、スタッフみんなで行きましょう!
ここでは小つる師匠が『ちしゃ医者』、勢朝師匠が『松山鏡』を演じました。
小つる師匠、咽喉の調子が悪いのに3席目・・・なのに、ノリノリのちしゃ医者。のーてんきなお医者さんのかわいいこと。
そして、締めには勢朝師匠の南京玉すだれ!
「山のつり橋」ができないな・・・と、焦った様子でやり直し繰り返し。そして最後に成功させて大喝采!!
…あまりにもはまりすぎ。これってもしや・・・・?
さあ、全てを終えて、打ち上げです!!乾杯したときには、時計は既に21時を回っていました。
「小つる師匠、声の調子悪いときになんでよりによって『くっしゃみ講釈』を…?」
「いやー、演目送ったときには調子悪なかってんもん」
「勢朝師匠、『山のつり橋』、ホントにできなかったんですか?」
「ふふふ。ふふふふ」
話が弾みます~。スタッフやっててとても楽しいひと時。
冥利に尽きるツーショット。
二次会にはかっちょいいバーでやかましく呑み。『き楽寄席』フルコース、今回も堪能しちゃったのでした。あ、この写真はバーのひとにシャッター押してもらったので、めずらしくカメラマンオットも写っていますわ。
翌日も、ふつかよいでへなへなしつつ金沢堪能し。味わいつくした時間でした。
mayさんmikaさん、おつきあいありがとう。なぁさんはじめ金沢のみなさま、離れて長いのにこやって会えるのが嬉しいです。
小つる師匠勢朝師匠、素晴しい落語を、楽しい打ち上げをありがとうございました。
そして、カメラマン&運転手オットにすぺさるさんくす。
金沢のき楽寄席。次回は来年のGW明けの週末あたりを予定しています。お読みの皆様もぜひ、お運びくださいませ~。
更新が一ヶ月以上も滞ってしまいました。この間、キモノを着なかったかというと全然そうではなく、10月4日には岡崎で『伝馬寄席』、17日には金沢で『き楽寄席』、25日には御園座で歌舞伎『忠臣蔵』とキモノ三昧していたのです。さらに今週末は結婚式披露宴にも出席し(当然キモノ)、翌日は安城で『りらっくご』。キモノが気持ちいい季節になりました。
というわけで、たまってる話題を少しずつでも御報告しないと。まずは4日にでかけた『伝馬寄席』です。袷の季節到来、張り切って着てまいりました。
今日の着物:葉柄錦紗小紋(中の島着物市で求めたものを洗い張り縫い直し)
今日の帯:牡丹柄繻子名古屋帯(mikaさんにいただく)
今日の半衿:牡丹柄木綿ハギレ(居内商店おまけ)
今日の帯揚:白地紫飛び絞り帯揚(きむら)
今日の帯締:紫丸組紐(目黒のたんす屋)
今日の簪:眠り猫(竹蔵龍)
今日の足袋:茶色小花(まねきや)
今日の草履:酒袋台すうちゃんお見立て花緒(松屋)
『伝馬寄席』は岡崎のお寺で年に1度、もう23年も催されているそう。ことりちゃんが誘ってくれました。息子ちゃんも一緒に3人でGO。ことりちゃんは藍色の菊柄木綿で艶っぽく…写真を撮り忘れたのが残念。
『伝馬寄席』会場のお寺。うっそうと木の茂るお庭を抜けていくと、大きな本堂が現れました。
その正面、御本尊様の前の扉を閉めて、高座が組まれます。
立派な欄間、天井。なんて豪華な落語会会場でしょう。
出演・演目は
笑福亭鉄瓶「ちりとてちん」
笑福亭由瓶「おごろもち盗人」
柳亭 市馬「掛け取り」
中入り
桂 九雀「猫の忠信」
鉄瓶さんは5月の『き楽寄席』以来2度目。…実はこの寄席は鉄瓶さんが出るというので楽しみにやってきたのです。期待通りのウキウキするような楽しい噺っぷり。
由瓶さんは初めてだったのですが、めりはりのある語り口ってだけじゃなくどっか『変』。マクラから噺から抱腹絶倒でした。また聴きたいー。
市馬師匠は、噂にたがわぬ美声。それを存分に生かした『掛け取り』。噺も歌も、たっぷり楽しませてもらいました。
九雀師匠も、聞きしに勝る面白さ!おしずさんをめぐるお間抜けちゃんたちのやりとりや、ラストの猫登場の急転直下!
4人で4席、どれも外れなく面白く、ほんとうに濃い素敵な時間でした。伝馬寄席。また行きたい!ととても思いました。ことりちゃん、ありがとう!!
そのことりちゃんが席亭の『りらっくご』 11月8日(日)に催されます。まだお席がございます、お読みのみなさま、どうぞいらしてくださいませ。着物スタッフもお待ちしていますわ。
2009年11月8日(日) 14:00開場 14:30開演
安城市文化センター1F和室(JR安城駅南口より徒歩10分)
出演:桂佐ん吉、桂こごろう、笑福亭生喬(落語1席ずつ&トーク)
全席自由 前売¥2000 当日¥2500
ご予約の申し込みは、
o-rakugo@mail.goo.ne.jp
まで。
※前売券のご予約は前日(11/7)までの受付です。
当日券もございます。