キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

栗栖の里に秋の風吹く

2007年09月07日 | 今日のキモノ

 9月に入ったというのにこのところまた暑さがぶりかえしていますね。でも、9月2日の犬山・栗栖はきっぱりと秋でした。
 そう、我らがカリスマ美容師栗栖のみっちゃんのところに行ってきたのです。
 
 今日の着物:薄茶縞片貝木綿(反物25000円を和裁教室で仕立てる)
 今日の帯:乱菊昼夜帯(すうざんや1000円)
 今日の半襟:赤菊木綿(居内商店さんのおまけ)
 今日の帯揚げ:紫雪輪(骨董市ハギレ800円)
 今日の帯締め:紫白三部紐(金山ノスタルジックモール500円)
 今日の足袋:麻夏足袋(ゆかたや1800円)
 今日の下駄:畳表右近下駄縞花緒(松屋バーゲン台4000円花緒2000円)

 今日の帯、すうざんやの昼夜帯は、実は他の方が前にほしいと言っていたのです。でも、そのまま連絡なくほぼ1年がたち、時効ということで二番手のわたくしの元に参りました。でも、もしも「やっぱりほしい」と仰ったらお譲りする覚悟。なので、もしかしたら来るかもしれないその日の前に、早く締めておきたくて今日の登場となりました。
 それにしても、こんな状態がいいアンティーク帯が1000円!すうざんや恐るべし。骨董市の混沌からお宝を掘り出す眼力、いつもながら感動ものです。

 みっちゃんの美容院は、名鉄犬山駅から車で10分くらい行った栗栖というところにあります。その名のとおり、道端にはこんなものが。秋だなあ。
 
 9月に入り、単の季節になりました。単と薄物、それだけ見れば薄物の方が涼しそうですが、実は透ける薄物は下着に手抜きができない。見た目は涼しげですが、けっこう暑かったりします。その点透けない単、下着に手抜きしまくり。
 今日は縫さんとこの半襦袢を素肌にそのまま着て、下はステテコ着用のみです。その上に木綿をゆるゆるに着ていますから、固めの生地は肌の上に浮き、その間を風が吹き抜けて行きます。秋風を纏っているようです。気持ちいい‥と見上げる空には赤蜻蛉がついついと舞っています。秋だわぁ。

 さて、みっちゃんのお店。あいかわらずパワフルなみっちゃんです。ひとしきりおしゃべりに花を咲かせたあと、髪をやってもらいながらキモノ相談。幅が細くてどうしよう?な帯について‥。
 この帯、名古屋帯ではありません。昼夜帯か袋帯。なので、前幅は半分でなく太めに折ればOK。「でも、後ろは?普通に結んだんじゃ帯が細くってお尻が巨大に見えるのよねえ」わたくしがそう申しますと、みっちゃんこともなげに即答。「そんなん、なーんてことないわよっ」
   
 「ほら、こんな風にななめにお太鼓を作ってみたらどう?絽の目が交差して動きも出るし、お魚にも躍動感が出ていいがね!」
 
 「『ヤの字』風に、こんな風にテを斜めに出してみても面白いよね!」

 「葉さんが締めるんだったらこんな感じかな。他にも、もっとかわいらし~い感じが似合う人だったらこうかなとか、ホントいろいろ浮かんでくるよ。お太鼓にしなきゃとか、堅く考えなくていいのよ!折り紙と同じと思って、いろいろやってみたらいいのよ」
 なるほど~!なんだか目ウロコです。日ごろから、キモノは自由な発想でとか思っていましたが、意外と融通が利かない考え方をしていたなあと改めて思いました。

 みっちゃん、プロ美容師。仕事で着付けをするときには実にさまざまなハプニングがあるそう。お客さんが持って来られた着物がぜんぜんサイズ違いであることなど、日常茶飯事。
 「でも、この着物じゃ着付けられませんなんて決して言わないの!あるもので何とか形にするのが仕事なんだから。だから、こんなことなーんてことないんだわさー」すごいねえみっちゃん、すごいねえ。「当たり前!だって私はプロだもん。『ちょっとできる人』じゃなくって、これで店を作ってるプロだもんね~」
 そう話すみっちゃんの目はキラキラしています。ほんとうにこの仕事が好きで、誇りを持ってやっているんだなあ。かっこいいぜみっちゃん。

 そのほかにも、『美女塾』補習みたいなお化粧指南とか(わたくしチーク入れる位置間違って覚えてました/汗)、有益情報をいっぱいもらいながら、キモノセットしやすいカット&パーマをしてもらい、セットも終わるとわたくし、こんな感じです。
 
 木綿の着物に合わせて、シンプルな髷。クラシカルな雰囲気、なんかレトロなビールのポスターみたい。
 キモノ話や美容の話、そのほかにもいろんな話をして爆笑したりもしながら、楽しくて役に立つ半日があっという間に過ぎていきました。終わってお店を出ると、暮れかけた空に風はいっそう涼しく、山と川と緑に恵まれた栗栖の里はすっかり秋の中でありました。





 (おまけ)
 『いろんな話』の中で心に残った話。
 「ダンナの兄弟の子供がウチに来てたんだけど、ふと見るとなーんか変わった飴をなめているんだわ。ばーちゃんに『なに、あれ?』て聞いたら『キノコの飴』て言うの。よく聞いたら、田縣神社におまいりに行って買ったっていうんだわあ」
 「田縣神社!それは、まさかっ」
 「ああっ、知ってたやっぱり~。ちんちんがいっぱい祭ってある神社っ。だからちんちん飴だったのよっ。キノコとか、今さらごまかすでないわ~」
 「しかし何ゆえそんなもんをお求めになっただ?」
 「わっからーん。顔が描いてあってかわいかったって言ってたけどさあ」
 「顔っ。ちんちんにっ。どんながやー」

 田縣神社、実はみっちゃんちから程近いところにあるらしい。さらに大縣神社という、あの、対になる神社もほど近くにあるそうな。犬山近辺、侮りがたし。どちらもたいへんきちんと伝統ある神社だそうでございます。
 キモノ乙女の皆さん、風情ある町並みやアンティークやさんや『フルーツ大福』だけがみっちゃんち訪問の余禄ではありませぬ。北尾張デンジャラスゾーン探検もまた、大人のロマンではございませんでしょうか!どうでしょう、レッツトライ!(全員無視) 


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21 コメント

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腹が よじれるぅ・・・ (さろん 栗栖)
2007-09-09 06:45:38
 もぉ~ 葉さんたらぁ~
 朝から 面白すぎて 腹が よじれるわぁ。
にしても 相変らず 完璧なレポートありがとうございます。

 (おまけ)話。
 田県は 小牧でしたね。なんだか あの辺り よく分からないんです。
 まぁ どちらにしても 神社は 面白い。
 桃太郎神社にも 『くぐると 頭がよくなる』洞穴←子供しか通れません。
 『おばぁさんの洗濯岩』←いつも そこで 洗濯をしていたので 岩が 削れて 足跡が残った?
 『鬼の目にも 泪』←「もう 悪いことは しません」って 鬼が いつも 目から泪を こぼしてます。
 葉さんが 見たら そっくり返ると思われるものが いっぱい。 一度 ゆっくり ご案内したいものです。
 
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あれっ? (さろん 栗栖)
2007-09-09 06:48:53
 腹が よじれて 忘れてました。
お褒めに預かり 恐縮です。
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Unknown (花兎)
2007-09-09 12:15:54
すてきー
着姿もだけど、御髪かっこいい~

田縣神社、行ったことあります。
英会話の先生によると、海外からのお客さん向けの観光ガイドブックには必ず載っているそうです。
お賽銭箱に「300円以上でお願いします」と書いてあったり、お賽銭入れると「チーン」と清らかな音がしたりする、楽しいところでした(笑)
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Unknown (花兎)
2007-09-09 12:17:26
うおー、落雷は下のほうの田縣神社へのコメントにつけたのにー!!一行目はハートだけだったのにー!!
なんか失敗してたみたいです。
ごめんなさーい
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ご利益があるんだよ~ (きママ)
2007-09-09 13:06:04
ながみぃちゃんがその形の小さいご神体を抱えた写真を載せてくれたことがありますが、その後無事ご解任でしたわ。(そのときは小牧に住んでたものね)
私らがそこでオフ会したら、どえらい騒ぎになるがね~(してみたい)
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ありゃりゃ~ (きママ)
2007-09-10 01:18:24
「ご解任」じゃだめだよねえ。失礼。
「ご懐妊」です。

某所おふ会、きゃ~~とか言いながら、1番の出席率になったりして。
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『すうざん屋』より (すうざん)
2007-09-10 16:16:31
遅くなりましたが、帯の件について。

結局“さちさん”からは連絡がございませんでしたので、こちらの帯は、晴れて葉さんの帯でございます。

いつまでも可愛がってくださいまし~


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大丈夫だよ。 (きママ)
2007-09-10 16:40:19
ちょうどブログを色々作ってたようで、偶然みつけて、書き込みしたのだけど、返事はなかったよ。
時々お体の調子が悪くなるようなので、間が開いて気づかなく、お返事しづらくなってしまったかもしれません。気づいたなら、気楽に書き込みしてくださいね~
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秋近し? (地元ファン・トモ)
2007-09-10 21:43:38
ども!

犬山はもう秋~でしたか!栗栗栗の季節・・・いや、着物の季節到来ですよぉ・・・でもまだ暑いのはなぜ
ぇ?
実は近いうちに犬山にお邪魔しようと思っているのですが、市内の事を何も知らないのです。是非犬山通の葉さんにおススメ(ここは外せないスポット)など、教えて頂きたいのです。どうぞよろしくです。
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桃から生まれた桃太郎神社! ()
2007-09-12 13:18:23
>栗栖みっちゃん
 そうそう、みっちゃん地に行く途中、車の窓から見えていつも気になっていたの『桃太郎神社』。コンクリートの極彩色犬・猿・雉が、なんとも言えない半笑いテイストでよろしいわあ。
 ほんで、中に入ると‥まああ、そんなおとぼけ時空が展開されているですか!これは~行かねば~笑わねば~。

 やっぱり、北尾張は楽しい異文化空間ですね!

 そして、そのなかでプロの腕を振るうみっちゃん。うーん、なかなかにシュールです。
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