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『美女塾』和装メイク講座・お笑いつき

2006年10月05日 | キモノびぢんへの道

  10月3日(火)、キモノ仲間の美容師・栗栖みっちゃんに着物メイクを習いに行ってきました。題して『美女塾』。期待まんまんで出かける犬山の街。受講生はぽんごちゃん・chieさん・わたくし葉、そしてメイクモデルは白雪ママさん

  眉ペンシルの削り方から始まり、まずは講義。そして白雪ママさんをモデルにみっちゃん師匠の腕の冴えに感心し、ここまでは普通に過ぎましたが。さて、実習。

 まずは、洗顔と基礎。オイルでメイクを落として、化粧水をコットンにたっぷり取り、マッサージも兼ねて顔にぴたぴた。この辺から既に、あやしくなってきます。「メイク・アップだからねー。上げるのよー」と言われ、頬を下から上にぴたぴたぴた。「こうやるのっ」みっちゃん師匠がコットンを取り、ピタッ!ピタッ!ピタッ!力強いストローク。既にプロの技です。
 首筋、耳下腺のところも忘れずぴたぴた(ピタッ!ピタッ!)し終えると、おお!なんだか顔がしゅっとしたような気がする!頬に触れるとしっとりひんやり。こんな風にしてからメイクすると、崩れにくいんだって。

 更にパックして、乳液を塗って(余分はティッシュオフ)、ベースメイク。さて、本格的にあやしくなってきました。基本は、顔の中で高いところに多く、低いところに少なく。墨絵が濃淡で遠近感を出しているように、ファンデーションで凹凸を強調するテクニック。上手な人が塗ると、ファンデだけチークいらないくらいになるんだって。
 さぁやってみよー!!と、スポンジを持って・・固まります。えーっと、みっちゃん師匠はどうやってたっけ。えーと、アンダーベースどのくらい使ったらいいの?どこから塗りはじめるんだっけ?ほっぺたからすーっと・・ならない。あれ?あれ?

 「せんせえ~(泣)」3人3様に声をあげます。
 本人たち大真面目なんですが‥いかんせん、技術がないところに大量の情報が流れ込み、頭はパニック体はショート。耳から煙出そう。どうしていいかわからない。
 みっちゃん師匠は八面六臂です。「こうやるのっ(塗りっ)」「ちょんちょんじゃなくってずーっと塗るのよっ」「ちゃんと目のきわまでっ」「耳も塗った?首は!?」声をかけられるごとにひくっとなってあたふた鏡を覗きこむ受講生。向こうでは白雪ママさんが腹を抱えて笑っています。

 どたばたとベースを塗り、ファンデを塗り、粉で押さえ(パフは滑らせてはいけない。よれる。そして、粉も目の際までちゃんと押さえる)、いよいよ眉にかかります。

 眉は、顔全体のイメージを決めるとても大事な部分。形にはちゃんとセオリーがある。和装メイクでは眉は『笹眉』。黒目のふちが眉の中心で、眉尻は小鼻と目尻の延長。
10月6日追記:訂正です。正しくは『笹眉』の中心は黒目の真ん中。黒目のふちが中心なのは洋装の場合です。みっちゃん師匠、ありがとうございました。図は差し替えました

 と、このセオリーを念頭に自分の顔を見てみると、、眉毛長すぎ。


 長いわ太いわ。

 ここでみっちゃん師匠が衝撃の事実を教えてくれました。『顔』という立体を見た場合、眉尻までを『顔面』と認識しやすい。つまり、眉尻までが長いとそれだけ『大顔面』に見えやすいというのです。がーん。私は大顔面を強調して生きてきたのかー。

 とても大事なことを教えてもらいました。少しでも小顔に見せるべく、眉毛いじります。と、決意も固くアイブロウペンシルを手にしたのですが‥‥せんせえ~~。見当がつきませーん(泣)。「片方はやってあげる」と、左眉を作ってくれるみっちゃん師匠。皆あしゅら男爵。またも腹を抱える白雪ママさん。
 右眉はまず自分で描いてみなさい!との課題。でも‥‥せんせえ~~~。右と左が違いすぎて全然わかりませ~~ん。「黒目の外側が中心の山よっ」「せんせえ~~黒目が動きます~」‥白雪ママさんは悶絶。
 結局、両方描いてもらいました。何かえらいすっきりと顔が。お互い、顔を見合わせてにやーっと笑います。


 これが正しい眉毛

 そして、アイライン。目をつぶって、まぶたを指で伸ばしつつ、まつげの際にすっすっと描くのです。目をつぶっ‥あれ?「せんせえ~~何も見えませーん」「片目は開けとくのっ」白雪ママさんは息も絶え絶え。

 すったもんだしながらアイラインを引き、ぼかし、金色のシャドウをアイホールにぼかし、チークを入れ(和装メイクは頬骨よりもやや上からくるっと)、唇を塗って(和装では着物に負けない明るい色を。着物の赤に合わせた赤を)‥いっちょうあがり。おお!みんな、ほんのりしっとり、着物の似合う和風美人になっています!「げらげら」笑いが「うふふ」笑いに。綺麗になって喜びの含み笑いです。さすがに全顔写真は載せられないので、お見せできないのが残念。

 これまでプロのひとにメイクをしてもらったことは何回かありましたが、それは、何色もの粉を使って顔を極彩色に彩るものでした。確かに綺麗にはなったけど何だか自分の顔じゃないみたいで、しかもあんなにたくさんの化粧品は揃えられないから、結局自分とは無縁のものね、と思っていたのです。
 けれども、今日教えてもらったメイクは、洗顔からはじまって、基礎をしっかりと手入れしていくことで地顔をレベルアップしていくというもの。化粧水の段階で既に顔が変わっていたし、ファンデは一色でもきちんと塗ったらちゃんと顔に立体感が出ることもわかりました。そして、セオリーに従って眉を作ることの大切さ。日頃何気なくやっている挙動ひとつひとつをきっちり正しくすることで、こんなに変わっていくんだ、と感動しました。そして、そうやってメイクアップした顔は、確かに私の顔で。いつもの化粧よりも自然なのに、いつもより綺麗。うーん、これが普通にできるようになったらスゴイです。

 この日習ったことはあまりにも多くて、とてもすべてを消化することはできませんでした。頭でわかっても手が動かないとしょうがないし。みっちゃん師匠が何度も言っていたように『練習!』それあるのみです。
 それにしても、短い時間にたくさんの大切なことを教えてくださって、みっちゃん師匠、どうもありがとうございました。これに懲りずまた教えてください。
 そして『美女塾』の名誉ある第1期生・同期のぽんごちゃんchieさん、モデルと大笑い担当の白雪ママさん。ご一緒してくれてありがとう。おかげで楽しかったです。また一緒に遊んだり習ったりしましょう。

 講座を終え、綺麗になって気分もウキウキと犬山の街を歩きました。そして、昨日書いたことに至る、のでした。