『敬老の日』に母を訪ねて

　　
　　　　　　　　　　　　
　今日は『敬老の日』。総務省の推計によると今月15日現在、65歳以上の
高齢者は2944万人。総人口に占める割合は23,1％、過去最高を更新した。
男女別の高齢者数では、男性が1258万人で初めて全男性人口の20％を
超えた。女性は1685万人で同25,8％を占めるに至った。
　私が高齢者介護の仕事に就いた1980年頃には10％以下だったが、その後
目覚しい高齢化に従い2000年には20％を突破し、推計通りだと2025年には
30％を超えるという。その頃、私は…
長寿は確かにめでたいけれど、此処最近の所在不明問題や年金詐取などを
耳にすると、果たしてどうヨ…と、疑念がムクムク。
　　　　　　　　　　　　　
　暫らく振りに田舎に住む母を訪ねた。父を亡くし90歳を過ぎた母は逢う毎に
記憶力や判断力が衰え、程なく『二度わらし』状態かも…。
今回不思議なことに、いつも子供たちが帰省した際に泊る二階に夜具が一人分
用意されていた。尋ねると誰か泊っていった、片付けなくちゃと思っていたと言う。
「誰が来てくれたの？Ｋ叔母さん？Ｙ叔母さん？」。「いや違うねぇ、え～と」。
さっぱり要領を得ない母の返答に、まぁいいっかぁ。
父の墓参を済まし母の敬老祝いをして帰宅すると、妹から週末に母を訪ねる予定と
電話があった。母にも先日連絡したと…、あぁあの寝具は妹から電話を受けた時に
準備したのだと分かった。押入れから出し陽に当てて温めておいてくれたのだろう。
妹が来ることは忘れていたが、その優しい母の心遣いが嬉しかった。
　つい先程の出来事や話した事は綺麗さっぱり抜けてしまうのに、母親らしい優しい
思い遣りは、しっかり健在。
母さん、「何たるトンチンカン…」と、笑った娘を許してネ。