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サラリーマン映画などで人気を博した小林桂樹さんが、16日に亡くなった。
森繁久弥の『社長シリーズ』でも、真面目なサラリーマン役を好演していた。
『裸の大将・山下清』や『名もなく貧しく美しく』は、あの円やかな風貌から来る
温かで素朴な人間像が良く伝わっていたと思う。
1972年から73年に掛けて放送されたNHK金曜ドラマ『赤ひげ』は、大好きな
山本周五郎の原作だったので、毎回楽しみに観ていた。
江戸時代の小石川養生所を舞台に、赤ひげと呼ばれる気骨ある新出去定と
野心に燃える若き医師・保本登、そして貧しい江戸庶民の哀歓を描いたドラマ。
未熟な保本が赤ひげたちの感化を受けて、人間として成長してゆく過程が一つ
ひとつのエピソードを通して丁寧に描かれていた。
脚本は倉本聡さん、後の数々のドラマを彷彿とさせる優れたシナリオだった。
小林桂樹の赤ひげは厳しさの中にも慈愛深い人間性がよく表現されて、原作を
より深みある魅力的な物語に魅せてくれた。
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もうひとり、映画で『赤ひげ』を演じた俳優は三船敏郎さん。1965年の黒沢明作品。
それまでの豪快な三船のイメージを覆す人間愛の物語に、最初は
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見事な新出去定を演じた。肩を怒らせて貧乏長屋を訪ね歩き、強欲なヤクザどもを
やっつけるシーンなど、如何にも三船出演らしい黒澤演出を驚きつつ楽しんだ。
中には原作イメージを壊す映画やTVドラマがあり、愛読者の不興を買うことが少なく
ないが、この2作の脚本はどちらも人物描写や時代考証がよく考えられていたと思う。
山本周五郎作品、暫らく振りに読んでみようか…と、小林桂樹さん死去のニュースを
聞いて懐かしく思い出した事だった。
今はもう亡き、山本周五郎・黒澤明・三船敏郎・森繁久弥そして小林桂樹の諸氏に合掌。
いずれもあてはまる事でしょうが、これからも尚一層いいところ、いいとこ取りすごしましょう、明日(十五夜)はお天気崩れそう今晩のきれいなお月様に
こんな時いつも『虎は死して皮を残す、芸術家は死して作品を残す』と思います。
それにしても次々と、昭和の人々が消えてゆき淋しい限りです。
そしてホント最近のTVは若者を意識した番組が多くなり、我々オトナはお呼びでない
そうですね今夜は十五夜でした。
たまには雅に、満月など見上げてみましょう
正念場に来たG&Fの勝利を願って…