イタリアのミラノと言えば、観光名所の大聖堂ドゥオーモ
13世紀に建設が始まり、完成したのは500年後の1813年という
多くの尖塔を持つイタリア・ゴシック建築の傑作です。
此処を訪れたのは、2000年9月と2013年3月のことでした。
現地ガイドの説明では、先に訪れたローマやナポリに比べたら
ミラノは治安も良いので、自由にホテル近くを散策しても大丈夫と言われました。
但しスリには注意するように‥とのこと。
宿泊したホテル近くのメトロ周辺を写していたら
改札口に立っていた女性駅員に、突然「No
」とカメラ撮影を制止されました。
構内が無人の時は何も言われなかったのに、通勤客が映り込む場面は✖だったようです。
全くもう、東洋から来た観光客には困ったものだワ‥みたいな表情は
今も忘れられないミラノの思い出です。
読み始めた内田洋子著『ジーノの家』第1話は ≪黒いミラノ≫
ミラノの何処かアブナイ界隈での体験談を書いているのですが
ふと浮かんだのは、アラン・ドロンの出世作『若者のすべて』
南イタリアの貧しい生活から逃れようと、ミラノに出てきた青年ROCCO。
家族思いの若者が世間に揉まれながら成長していく、ヴィスコンティの話題作でした。
アラン・ドロン、若くてシャープで綺麗でキラキラしていて‥素敵だったわぁ。
そして同じミラノを描いた須賀敦子のエッセイ『ミラノ 霧の風景』
今は霧の向こうに去ってしまった友人たちを偲ぶ此のエッセイは
深い霧に包まれたミラノの街を幻想的に描いて
須賀作品のうちでも最も好きなエッセイです。
いずれ誰もが行く霧の向こうの世界を
愛おしく懐かしく美しく描き切った須賀さんの文章は
今回の内田洋子さんにも共通する巧みさで
すっかり魅了されてしまいました。
じっくり味わい尽くしたい作品です。