目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者 ★★★★

2005-05-29 18:05:37 | ★★★★
 え?アニメ?しかもガンダム?すいません、今日は趣味に走った記事ですのでお肌に合わない方は読み飛ばしてください。次の記事にご期待ください。
 ちなみに★4つ評価も一般人向け評価ではなく、ファン向けの評価です。特に興味のない方は行くこともない映画でしょうから。一般向けに考えた場合、評価は★1つくらいの映画だとは思います。SFロボットアニメですし。

 昨今、ガンダム人気が再燃しているわけですがその波に乗ってかついに10数年前のアニメ作品「機動戦士Zガンダム」の劇場版3部作の1作目が公開されました。公開日に見てきましたよ。まあ、とある映画館ではすごいオタクな方々がたくさんいらっしゃったそうですが・・・意外にも私が見に行った劇場では家族連れがたくさんいらっしゃいました。時代がかわったてきたのでしょうか。子どもたちが生まれてくるもうずっと前の作品のはずなんですが・・・。子どもにはわかりにくいだろうこの作品・・・。

 この映画は非常に特殊な作られ方をしています。詳しくは総監督の富野監督が各誌で語ってらっしゃいますが、言わばテレビ版を再構成した総集編に近い体裁を取っているわけで、20年前の映像もバンバン使ってます。100分ある上映時間の中で大体半分くらいは過去の映像を使っています。いや、それ以上か?今と当時ではアニメの技術もかなり進化していて最新の映像で描かれた部分との映像的ギャップは正直凄まじいものがあります。昔のアニメと最近のクオリティ高い劇場用アニメの絵の違いを思い浮かべてもらえばわかると思います。まるで違いますね、うーん、正直新カットのみで構成してほしかったくらい新カットは素晴らしかったのですが・・・。この映像のクオリティのギャップは観る方に時代のギャップなども感じさせますがそれ以上にコロコロ新カットと旧カットが入れ替わるために、映画のストーリーに集中出来ません!これは結構大問題。人によっては怒るかもしれません。いや、映画生活なんかを見ていると怒っている人のが多いですね・・・。確かに見る人によっては純粋に楽しめないかもしれません。劇場予告編はうまーく新カットを中心に構成しているので否が応にも高まった期待感を裏切られたような感じになるのかもしれません。

 脚本に関しては全50話の30分アニメの3割を一本の映画にまとめるという荒業のため、かなり書きなおされている印象を受けました。多分、アニメ版とは全く時間軸の流れや展開の順序が違っていて、展開は非常に早いです。(アニメの要所はばっちり押さえていますが)そのため、話を知らないとついていくのが大変かもしれません。「機動戦士ガンダム」の鑑賞は必須、出来ればZのテレビ版の視聴も必須かと思われます。そうして自分の脳内で補完する必要はあります。ただ、Z入門編としてみれば非常に入りやすい作品です。この作品を観た後にテレビ版を見てさらに理解を深める、というのもアリかもしれません。

 とにもかくにも新カットと新解釈が見所です。省略されてしまったエピソードもいくつかありますし、主人公であるカミーユの性格がかなり矯正されていたり、と物議を醸しそうですが物語的にはこれが非常に見やすい。テレビ版は非常に難解で理解するのが困難なアニメ作品ということで悪名高いですけど、その印象はまるでありません。新カットのモビルスーツの描き方はとにもかくにもカッコイイ。男の子にはたまらないでしょうね。最後30分は新カット目白押しで終わるので見終わったときの満足感は意外に高くなるんですよね。いやー、なかなかズルイやり方(笑)
 ガクトが主題歌を担当しているのも気に食わない人もいるらしいですし、(私も最初は微妙!って思った)この映画に対して過度の期待をしていらっしゃる方も多いと思いますが、言わばこれは過去の作品であって必ずしも新作映画ではないので「お祭り感覚」で見に行った方がいいでしょうね。そう、せっかくあの大スクリーンでガンダムが久々に動くわけですから。私はそれだけでおなかいっぱいだけどなあ・・・。




 更に加筆します。
 えーと、色々見直してみて思い直してみて。私は素直にこの映画を楽しめました。やっぱりこの映画をいまさらながらに「やってくれてよかった」という感じですか。作画監督と総監督との間で新旧カットの出来について意見の相違があったりした、とか、新旧カットの差がひどい、とか、ガクトじゃなくて森口博子がよかったとか、ハッピーエンドなZとかZじゃないだろ、とかあったかもしれませんけど、そんなことホントはどうだっていいはずなんです。まあ、見る人それぞれで意見は違うでしょうけど。とにかく面白かったんですよ。純粋に。躍動的に動くモビルスーツや様々な新解釈(アーガマ艦橋のモニタとかパソコンのブラウザとか細かい描写)がとても嬉しかった。アッシマー、ギャプラン、百式、MK-Ⅱあたりのプラモデルを映画を見た後に買って帰りたくなるくらいの出来です。
 あと、元ホワイトベースクルーの扱いが非常に良くなっています。これはファンにとっては嬉しかったんじゃないでしょうか。「カミーユから見た伝説的英雄アムロとシャア」という構図、ニュータイプという感覚、うまくアムロをクローズアップすることによってファンにとっては少ない出番がまるで気になりません。あー、ハヤトの声が変わっていたのは残念でしたけど・・・・。もう何と言いますか、ファンは何でも嬉しいというとそれで終わってしまうのですが、これはこれで面白い映画だと私は思います。作画で非常に大きな問題はありますが、そこは脳内でいうまく補完してください(苦笑)


詳しい内容についてはこちらのブログ 
http://blog.livedoor.jp/mpzero/archives/23420195.html

富野監督の発言についてはこちらのブログにて http://blog.livedoor.jp/deathtron/archives/23415886.html

詳細が載っています。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (mobeer)
2005-06-08 12:15:11
ちょっと無理がありましたよね、全50話を映画3本にまとめるとか、昔の画に新しいプリント混ぜたって違和感ばかりが強調されるし。見終わった後に3部作だって知ってさらにビックリ

(>_<)!

旧ガンダムは同じ映画3部作でもまとまって理解できると思うんですが、Zってさらに複雑で登場人物も多いし・・・



と思いつつ、映画見終わった後ツタヤに直行してDVDごっそり借りて来てしまいました(大汗)

(^^;)



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>mobeerさん (kiki@管理人)
2005-06-09 00:19:29
はじめまして☆

確かに無理はありましたねー。

3部作にしないとさすがに無理でしょう・・・苦笑

違和感はひどかったですね。新作カットで

統一していただけたらありがたかったのですが・・・。

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ありがとうございます (まつさん)
2005-06-09 10:20:42
コメントありがとうございました。

>★4つ評価もファン向けの評価です。一般向けに考えた場合、評価は★1つくらいの映画だとは思います

↑この謙虚さに涙!です。映画ってそういう「ファン」的側面ってありますもん。
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