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Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

「すきなもの,おしえて」1時間目

2009-07-08 00:03:14 | 国語
 「すきなもの,おしえて」の研究授業が明日に迫っている。

 今日,第1時間目の授業を行った。時間は15分ほどである。

 最初に教科書の「すきなものひろば」のイラストを見せる。
 そこには,電車,ジャングルジム,いちごを食べている絵などが貼ってあることを確認した。
 
 「この人は,『私はいちごが好きです』と答えたんですね。では,何と質問したら,そういう答えが返ってきたのでしょうか」と発問した。
 
 子どもは「好きな食べ物を教えてください」と答えた。
 これは教科書に書いてあるので,それを読んだのだと思う。
 もちろん正解である。
 これがこの単元の基本話型になる。

 「では,『ジャングルジムが好きです』と答えた人は,どういう質問をされたのでしょうか」と発問。
 「好きな遊びを教えてください」であるという。
 同様に電車についても聞いてみる。
 これは少し難しかったようだが,「好きな乗り物を教えてください」という解答に落ち着いた。

 ここで,板書する。

○すきなたべものをおしえてください。
     ↓
●ぼくは□□□がすきです。
     ↓
○ありがとうございました。

 読ませて,基本話型を確認していった。

 次に,演示による確認を行う。
 1人の子を指名し,私と一緒に演示した。

T:「よーっ!○○。お前の好きな食べ物,何?」
C:「ぼくはそうめんが好きです」
T:「あっそう。どうもありがとうね」

 「今,先生がやったのは○だろうか,×だろうか。せーの」と言って,一斉に頭の上に挙げさせた。
 全員が×である。
 そこで,なぜ×なのか問うた。
 すると,言葉遣いが正しくないというのである。フォーマルスピーチではないということである。

 役割交代をして,再び演じる。

T:「好きな食べ物を教えてください」
C:「えっ?俺の好きな食べ物?ラーメン,ラーメン!」
T:「ありがとうございました」

 これも○×で判定させた。当然全員×を提示した。

 正しい演示をやり直して,情報をインプットさせた。

 隣の子同士でさせてみる。
 聞いた人の名前と好きなものを簡単にメモさせるようにした。

 一斉に行うので,1人1人の活動をしっかりと見ることは難しい。
 そこで,相互評価させた。
 黒板に書いたのと同じ言い方で,丁寧に言えていたら○,そうでないところがあったら×である。
 最後に聞いたところ,一応全員が○を出していた。

すきなもの,おしえて 4

2009-06-19 18:06:56 | 国語
 3番目は,視写である。ワークシートを用意したい。
 理由は2つある。
 1つめは,子どもたちのノートと教科書の文のます目の数が違うからである。教科書は縦10ますであるが,子どもたちのノートは縦8ますである。ノートでは混乱が生じる。
 2つめは,机の上が繁雑になるからである。普段,必要なものだけ出して学習に臨むよう指導している。ここでは教科書とプリントの両方が必要なのであるが,机の上に両方出すと大変狭くなってしまい,作業がしにくい。また,教科書を見ながら写すという作業を今までしたことがない。

 プリント1枚に,教科書のコピーとます目を印刷して配るのが,もっとも混乱が少ない。
 手本となるコピーを左側,自分が書くます目を右側に印刷する。ただ,私のクラスには左利きの子が5人もおり,これに配慮する必要はある。

 視写のワークシートも,最初の方や途中が薄く書いてあるのをなぞらせるようにしたなっている必要がある。1文字ずれてしまえば,全てがずれてしまう。
 私のクラスには自分の失敗にパニックを起こし,癇癪を起したり攻撃的になったりする子もいるので,配慮を要する。

 4番目に,友達に聞いたことを文章に書く活動に入る。
 ここでは,隣の席の子に聞いたことを書くようにする。「誰のことを書いてもいいよ」と投げ掛ければ,紹介されない子も出てくるからである。

 文章を基本形に倣って書かせる。
 例えば,次のようになるはずである。
「ぼくは,Aさんに,すきなたべものをききました。Aさんは,たまごやきがすきだといいました。」
「わたしは,Bくんに,すきなどうぶつをききました。Bくんは,とらがすきだといいました。」

 何に書かせるかが問題である。

 3年前に1年生の担任をしたときは,おたよりノートに書かせた。
 国語の時間に隣の子に聞いたことを,帰りの会でおたよりノートに書き,チェックした。書く活動には,おそらく5分ぐらいしか掛っていないはずである。
 書いた内容を読んだのは,私と保護者ということになる。友達同士は読み合っていない。

 この後の発表会のことを考えれば,今回はこういうわけにはいかない。
 やはりワークシートが妥当であろう。

 また,発表時,作文を読まれるだけでは,子どもたちは飽きてしまう。絵があるとよい。
 台紙を用意し,表側に絵,裏側に作文を貼る。そうすれば,発表者は作文を読み,参観者は絵を見ながら聞くことができる。

 台紙に貼る方法ならば,絵は,隣の席の子が自分で描くこともできる。そうすれば,共同作品となり,関わり合いが一つの成果として見える形になる。

すきなもの,おしえて 3

2009-06-19 18:02:00 | 国語
2~3時間目:「友達の好きなものをみんなに教える文章を書こう」

 最初は「話す・聞く」活動である。前時の内容を,新しい友達と繰り返すようにしていく。
 基本型は同じである。

A:○○さん,あなたの好きな食べ物を教えてください。
B:はい。私の好きな食べ物は□□です。
A: ○○さんの好きな食べ物は□□ですね。分かりました。ありがとうございました。

 反復練習による習得を図る。
 何度も繰り返すことで,型が自然と分かり,言語技術が身につく。
 
 次に,聞いた事柄をまとめる活動に移っていく。
 しかし,いきなり書くように指示しても子どもたちはとまどうはずである。どう書いていいのか,型を示す必要がある。
 型が教科書に示されている。

「ぼくは,○○さんに,好きな食べ物を聞きました。○○さんは,□□が好きだと言いました。」

 聞いた内容が過不足なく,2文で簡潔にまとめられている。
 ステップを踏んで文章構成をつかませていくようにする。

 1番目は,これを読んで聞かせる。教師の範読である。
 自分で読むことのできない子もいるので,聴覚から情報を入れる。

 2番目は,子どもたちに読ませる。
 聴覚あるいは視覚からインプットした情報を,声に出して読むことによってアウトプットする。
 読んだ自分の声,あるいは周りの子の声が自分の耳に入り,情報がさらに強化される。

すきなもの,おしえて 2

2009-06-16 23:28:06 | 国語
指導計画では4時間扱いである。

1時間目「友達と好きなものを教え合おう」

 まずは,教師が活動のモデルを示す。そのことによって,子どもたちが見通しを持って活動に取り組むことができる。

A:○○さん,あなたの好きな食べ物を教えてください。
B:はい。私の好きな食べ物は□□です。
A: ○○さんの好きな食べ物は□□ですね。分かりました。ありがとうございました。

 教科書では「好きな食べ物を教えてください。」と記述してある。
 しかし,好きな食べ物に限定されていては,話題が広がっていかない。
 「好きな動物を教えてください。」「好きな遊びを教えてください。」というように,さまざまな話題に広げて,教師と子どもとの掛け合いで演示していく。
 
 次に,友達同士での聞き合いを行う。
 隣の席の友達に聞く。まずは1対1である。
 聞き手は何かメモをするとよいが,あまり多くの内容を書き取ることは難しい。回答者の名前と好きなものぐらいであろう。これだけあれば,話を再現できる最低限のものである。
 
 「好きな食べ物を教えてください」「私のと好きな食べ物はいちごです」「ありがとうございました」というだけでは,味気ないような気もする。
 どうしてそれが好きなのか,ほかにどんなものが好きかなど,話題が広がるとよい。
 しかし,この後の書く活動のことを考えると,ここで話題が広がるのも考えものではある。
 
 隣の子との聞き合いが終わったら,グループのほかの子と行う。次に頃合いを見計らって,自由に席を離れての活動に広げていくようにする。

 また,ここで大切なのは,敬体での表現に慣れることである。丁寧な言葉遣いを徹底させるようにする。

すきなもの,おしえて 1

2009-06-15 23:35:50 | 国語
 国語「すきなもの,おしえて」(光村図書1年)の研究授業を行うことになった。

 「好きなもの」を話題にして,友達と話したり,書いたものを読み合ったりする教材である。友達に好きなものを尋ね,聞いたことを文に表すという活動である。
 「話す・聞く」の領域と,「書く」領域の複合単元であるといえる。

 ここでの目標は次のようになっている。

(1)友達と尋ね合い,答え合って,口頭での正確なやり取りを楽しむ。
(2)尋ねたことをもとに書き,みんなに文章で知らせることを楽しむ。

 また,この教材で身につけさせたい力として,次のようなものが挙げられている。

①尋ねたいことが相手によく分かるように話す。
②大事なことを落とさないようにしながらよく聞く。
③友達に尋ねたことをもとに,友達の好きなものが分かるように,語と語や文と文との続き方に注意して書く。
④文の終わりに句点を打つ。

 この教材では,教えるべき基本型が明確に教科書に示されている。

 「話す・聞く」の領域では,次の形式が基本型となる。

 A:○○さん,あなたの好きな食べ物を教えてください。
 B:はい。私の好きな食べ物は□□です。
 A:○○さんの好きな食べ物は□□ですね。分かりました。ありがとうございました。

 このモデルは教師が示す必要がある。教師がモデルを示すことで,子どもたちは活動の見通しが持て,不安や抵抗感が軽減する。


 「書く」の領域では,次の形式が基本型になる。

・「わたしは,何を,どうした。」
・「○○さんは,何が,どうだ。」

 教科書の例示も2文で簡潔に構成されている。これがモデルとなる。
 
 まずは,視写によって,基本的な文章の構成を身につけさせる。
 次に,友達に聞いたことを,基本型に合わせて文章に書くようにさせる。

「ああ」

2008-12-30 16:47:24 | 国語
 校内で2年国語「お手紙」の研究授業があった。

 事後検討会で話題になったのは,「ああ」の音読の仕方である。
 「ああ。」「とってもいいお手紙だ。」の部分の「ああ」である。これは,感嘆の「ああ」である。

 子供たちの読みは「ああ↓」であった。
 これに対し,私は読み間違いではないかと指摘した。
 私は同じ感嘆でも,「ああ↑」と読むべきだと考えていたからである。

 なぜ私が「ああ↑」だと思ったかというと,前の場面に「ああ↓」があるからである。
 がまくんが「ああ。一度も」という場面である。これは落ち込んでいるのであるから,明確に「ああ↓」である。

 この2つの「ああ」を対比させるのが,この教材のねらいの一つであると思う。

 子供には,この2つの違いを音読によって表現させなければならない。

 その場合,感嘆の「ああ」を「ああ↓」と表現したのでは,前の場面の「ああ」との違いが明確にならない。
 実際,私が聞いていて子供たちの音読した「ああ」はため息のようにも聞こえた。

 以上が,私が「ああ↑」でなければならないと考えた理由である。

 検討会では,「ああ↑」「ああ↓」のどちらもあり得るというような曖昧な結論に至った。子供たちはがまくんの気持ちを考えて一所懸命表現していたのだから,それでよいのではないかというのである。

 しかし,私はそれではだめだと思う。
 物語の解釈としては「ああ↑」も「ああ↓」もあり得るだろうが,教材としての解釈でいえば,「ああ↑」とすべきだと思う。
 どちらでもいいというような教材観では,授業はできない。
 授業者は,確固たる信念を持って授業に臨むべきである。

「ちいちゃんのかげおくり」の研究授業

2008-11-01 23:54:30 | 国語
10月29日,勤務校で「ちいちゃんのかげおくり」の研究授業が行われた。

検討会の中で,この時間の主発問について話題となった。
主発問は,「ちいちゃんの願いは叶えられたのだろうか」である。

 このような発問は,子どもたちの答えが○か×かということのみに限定されてしまうので,よくないのではないかというのである。例えば,「ちいちゃんの願いはどうなったのだろうか」のようにしてはどうかという意見も聞かれた。

 私はこれらの意見には反対であった。今回の発問がよかったと考えていたからである。

 「ちいちゃんの願いはどうなったのだろうか」という発問は,拡散的な発問である。いろいろな意見が出される。答えが拡散しすぎて,収集がつかない可能性もある。
 「どうなったか」と聞かれても,この場合は答えにくい。優秀な児童数名の発表にとどまってしまう可能性の方が大きいと思う。

 一方,この時間の「ちいちゃんの願いは叶えられたのだろうか」という発問は,集中的な発問である。答えは,○か×かである。○×であるから,全員が答えられる。○×で,まずは自分の立場を決めた。そして,どうして○なのか,どうして×なのかを考え,ノートに意見を書いた。全員が書くことができたのである。
 
 ○の意見として,「きらきらわらいながら走っていったから」「空の下では会えなかったけれど,空の上で会えたから」などが挙げられた。
 ×の意見として,「命が空に消えてしまったから」「お兄ちゃん,お母さん,お父さん,ちいちゃんは,命がなくなってしまったから」などが挙げられた。
 読みの浅い面も多々見られたが,その後討論していく中で,議論は深まった。討論で○から×に動いた子や,どちらか分からなくなったという子もいた。

 結論先行型で,まず自分の立場を決め,その論拠を文章の中に求めるという展開である。この展開によって,全員が自分なりの意見を持ち,その後の討論に主体的に参加できたのである。

 主体的に参加するには,まず自分の立場をはっきりさせることであると思う。そうすれば,相手の意見を「なぜか」「ほんとか」と聞くことができる。
 
 傍観者がいなかったこの授業は,大変優れていると思った。

打破したいダラダラした雰囲気

2008-04-13 23:17:46 | 国語
 私の担任している4年生は,活気のあるクラスだと思います。
 しかし,ところどころでどんよりした空気が感じられます。
 
 まず,挨拶です。
 「おはようございます」と当番の子が言うと,「おはようございまぁーす」と復唱するのです。
 この「まぁーす」が気になるのです。
 空気が緩むのが感じられます。
 
 授業開始の号令もそうです。
 「○時間目の授業を始めます」と当番の子が言うと,「はじめまぁーす」と言います。
 
 同様に「さようなら」も「さようならぁーー」となぜか伸ばすのです。
 
 新学期が始まって,2日間は様子を見ていましたが,3日目についに指導を入れました。
 「『さようならぁーー』ではない。『さようならっ!』だ」
 
 その場では直るのですが,次の日になるとまた元通りです。
 少なくとも昨年度1年間はそのようにしてきて,何も指導されなかったのでしょうから,直すのには時間が掛かりそうです。繰り返し根気強くやっていかないと駄目だと思っています。
 
 国語の音読も同様です。
 だらだらと間延びした読み方をするのです。「みっつのぉおねがいぃ」のような感じです。

 実態把握のためと思って,最初の1分ぐらいだけ我慢して聞いていたのですが,やはり我慢なりません。
 私は1年生を担任したときでも,ゆっくり読ませることはしませんでした。普通の速さで読ませていました。したがって,この4年生の読み方は,1年生以下と感じてしまいました。

 「そんな読み方では,眠くなってしまう。もっとハキハキ読みなさい」と指示しました。
 しかし,子供たちは意味が分からなかったようです。ただ,声が大きくなっただけで,読み方に何の変化もありません。

 「何も変わらないではないか。先生が言ったのは,声を大きくしなさいということではない。普通のスピードで読むのです。普通に話をしているスピードです。ダラダラのんびりと読むのはやめなさい。下手です。お話になりません」

 そして,範読をしました。これでようやく分かったようで,普通のスピードで読むことができるようになりました。
 しかし,翌日になると元通りです。
 既に習慣づいていることなので,これも時間が掛かりそうです。
 繰り返し繰り返し,指導していく必要がありそうです。

聴解力

2007-12-17 00:27:05 | 国語
 『「聴解力」を鍛える三段階指導』(野口芳宏監修 山中伸之著)を読みました。
 
 聴解力とは読解力と対になる術語です。 

 この本の中に,子どもの聴解力が劣ってきた理由のひとつとして,「最近のテレビ番組は,出演者が話したことを文字にして画面下部に出すことが多い」と挙げられています。

 ためしに「エンタの神様」という番組を,ボリュームゼロにして視聴してみました。ほとんど全てが字幕になるので,ボリュームゼロでも内容を理解できました。聴かなくても内容が理解できるのです。

 字幕が出るというのは,耳と目から情報が入ってくるので分かりやすいのですが,その反面「文字を追えば内容が分かるのだから,と安心してしまって,声に耳を傾けようとしなくなる」という危惧もあります。

 この本を読み,聴解力を鍛えることをもっと意識して,これから授業づくりをしていかなければならないという思いを強くしました。