菊水「節五郎元禄酒」より
元禄と言えば、江戸時代中期のはじめ、町人文化が発達した時代で、松尾芭蕉、井原西鶴、近松門左衛門などの名前がすぐ浮かんできます。
が、食文化の発展もめざましく、鯉のあらい、うなぎの蒲焼、いかや貝類の焼物は言うに及ばず、高野豆腐ほかさまざなな野菜類の煮物、吸物が登場しました。また、柚子や山椒などの香辛料も食膳に顔を見せています。料理に砂糖が使われるようになったのもこの時代です。
酒も、室町時代に奈良の僧坊で現代の酒造りの原型がつくられてから、江戸時代に入ると摂津の池田、伊丹、灘で清酒が造られるようになり、江戸へも大量の酒が送られて、酒文化も多様に花開きました。