1989年から1991年の米国在住中、テレビでの政治家や評論家のインタビューにおいて、良く聞かれる言葉の中で特に印象に残っている言葉がある。
「Create Jobs」
「仕事を作る」まさに「雇用機会の創出」ということだ。
当時は、日本経済は絶好調であり、ほとんどの業界が超繁忙期。人出が足りなくて、いかにロボットやコンピュータに仕事をさせるかが真剣に議論され、さまざまな開発もされていた。
したがって、そんな状況の日本人から見ると、「Create Jobs」がなぜ政策課題になるのかと、正直言ってあまりピンとこなかった。
時は流れて、今となれば、まさにこのことこそがわが国の喫緊の政治的・経済的な課題。
日本経済もある意味成熟したのであろうか。当時の米国のように。そして、これからは国内において良質な雇用機会をいかに創り出していけるかが、極めて重要な問題となりつづけるであろう。
ベンチャー企業の立上げを経験したものであれば、人を雇うことがどれほど大変なことかが身にしみて分かっている。雇用するということは、その当人のみならず、その人が養っている家族全員の安寧がかかっている。
また、雇用は単に賃金を払えば良いというものでもない。いかに楽しくかつ誇りを持った仕事ができるか。そして、仕事に従事する時間も、一定以上の余裕とゆとりがなければならない。その上で、できるだけ報酬は高いに越したことはない。
雇用責任とは、そういう問題である。
だからこそ、ベンチャー企業では、なかなか新卒者を雇用することはできない。新卒者を雇うことは、少なくとも数年間は、成果や結果を求めなくてもよいぐらいの収益上の余裕がなければならない。これは創業期においては、それほど安易なことではない。
今の会社を創業して丸3年が経過したが、5人の創業メンバーから、9人の社員と数名の契約社員となった。それらの家族を合わせれば、相当な人数を支えている。
「エネルギーサービスをビジネスに!」
その志が達成されるのは、定期的に新卒者を雇用できるようになる時であろう。その日が一日も早く来るよう努力したい。
それが国の課題である雇用機会の創出であり、ささやかな貢献になるのだから。
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