稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

特に残心に気をつけて(木曜会、2019年2月7日)

2019年02月08日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時30分まで。今年5回目。
参加者は30名ぐらいかな。それほど寒くは無い。

稽古は面を着けずにストレッチと素振りから。
面を着けたら私は別枠で初心者のO野君を指導。

以下、聞き取れた師匠の話の一部を記す。

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切返しの声は出来るだけ長く伸ばすように。
(進行方向の足を)出して打つ。打つ時に逆の足を引き付ける。
逆になっている者が多い。対角線で「出して打つ」ことが大事。

摺りかぶりは速くすると誤魔化しが効かないので身体が整ってくる。
摺りかぶりを応用しての打ちは逆にゆっくり打つのが効果的。

打ちは足を上げずに右足のつま先を前に(床を滑らすように)伸ばして打つ。

しっかりした打ちが出来ない(面の上の上で竹刀が滑る)のは、
右手と左のバランスが悪く、肩を軸(支点)とした打ちになっていないからで、
振り下ろす力だけが強く、当たる瞬間に力が分散するからである。

剣道の打突は竹刀の上下運動に身体の平行移動を加えたものである。

ちょこちょこちょこと間合いに入ってしまうと、いつ打つのかわからなくなる。
間合いは「相手と自分との距離的な間合い」である。
自分から入っても相手に入られても距離としての間合いは同じである。
しかしどちらが先に間合いを作ったかで優劣は変わる。
自分から先に間合いに入って打つ準備が完了していたら優位である。
自分が準備完了しているところへ相手が間合いに入ってきた場合も優位である。
結局は、どちらが先に間合いに入ったかではなく、
どちらが先に打つ準備が出来ているかで優劣が決まるのである。

いつでも打てるという気構え身構えで間合いに入ることが重要。
「ここではちょっと打てないなあ」という場合は間合いを調整する。
右足詰め、左足詰め。上体は動かさないまま足だけで詰めていく。

打ったあとで見得(ミエ)を切ることが残心ではない。
肩と肩とがすれ違ったら、右足を軸にしてクルッと回って相手に向き合う。
右足が相手の左足まで行ったら、右足を軸にして回る。
右足でブレーキを掛けて回るのではなく、右足軸で、勢いは変えずに。
後ろに下がるが、歩み足でも構わない。

相手より先に相手を見つけ次の準備(身構え気構え)を行う。
そうすることで主導権を取るのである。

打ったあとの残心の距離(向かい合った距離)が短いと忙しい剣道になる。
向かい合った時に、相手の竹刀の先は離れているように。

主役は自分から打っていかない。
時代劇の主役になったつもりで主導権を取る。

有形の先々の先=相手を引き出す、誘い出す。
無形の先々の先=気迫、気勢でモーション無しで打つ。
西善延先生の攻めは風が当たっているような攻めである。気が継続する攻め。
攻めているつもりでも気が出ていないと待ちになってしまう。


(切り返し)


(右足詰め、左足詰めの説明)


(初心者のO野君も、ようやく打ち込めるようようになった)


【感想・反省点】

本日の稽古では大いに考えさせられた。
普段、ベテラン七段と稽古をする時には、どんと構えているのではなく、
出来るだけ自分から仕掛けていくよう心掛けている。

自分から仕掛けるのは、仕掛けて相手を引き出すのが目的だが、
相手がまったく同ぜず、動いてくれないのが悩みである。

攻めているつもりで気が出ていないというのはまさしく自分の事である。
どうしたら「気が継続する攻め」が出来るのか。
ベテラン七段に対して通用する攻めとはどうするのか。
今後の課題として取り組んでいきたい。
コメント
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