Y's クロニクル

旅行等の一生思い出に残る事から日々の小さな出来事まで少しずつクロニクルに残せたら・・・と思っています。

なぜに映画「リスボンに誘われて」が後を引いているか?

2015-10-28 08:32:31 | TV・映画の感想、書評など

昨日、映画「リスボンに誘われて」を見て原作が欲しくなりアマゾンで購入と書いた。
その後、内容が気になりちょっとネットで調べてみたのだった(原作は英語版だからさ~

なぜに映画を見て原作が読みたくなったかというと、美しい言葉がちりばめられていたから~
原作者 パスカル・メルシエを哲学の教師とか書いたけれど、どうも哲学者であり作家である・・・の間違いみたい
きっとあれだな・・作家で身を立てる前は教師もやってたんだよ~

でね、ネットで調べたら日本語訳のバージョンが過去に出版されていたんだって~
私は「Nighttrain to Lisbon」って入力したから英語版しか出てこなかったんだ~
日本語の題名はそのまんまで「リスボンへの夜行列車」だって~
この本は無理やりジャンルに当てはめるとしたら「哲学的ミステリー」??? らしい。
これからもわかるように、私の様な英語難民に英語版で哲学って無理じ~ゃん
まだ、ベルンの街でうろうろしている段階だからいいけどさ、これ列車に乗っちゃったら読みこなせないよ

始めに唐突に言っときますが、この映画は最後の方で興ざめしたな~
この映画のキーマンであるアマデウの恋人エステファニア(メラニー・ロランフランスの女優さん)
なんとなく知的で儚げな感じじゃない??? 

 「メラニー・ロラン リスボンに誘われて」の画像検索結果

これは1970年初頭のカーネーション革命の頃の回想なのね、主人公が現在の彼女に
会いに行くわけだけど、それがね~歳をとったから~とかそういう次元じゃない

 「レナ・オリン」の画像検索結果

レナ・オリンっていうスエーデン出身の女優さんでイメージ全く違うじゃない

このがっかりさは「初恋が来た道」のチャン・ツィー・イーがお婆さんになって昔の面影が
微塵もないので「こうはならないだろーーー」と同じくらい合っていない。

 「初恋が来た道」の画像検索結果

ギスギスした感じでイメージ違い過ぎ~

っていうがっかりさが半端ない。両映画ともそこが残念だった・・・・・

本題に戻って、この「リスボンに誘われて」の中で重要なのが若きアマデウによって書かれた一冊の
自費出版本「言葉の金細工師」
この本に自分を見出すかのように、そして本に挟まれていたリスボン行きの切符に導かれるかのように
ベルンからリスボンまで仕事を放棄して旅に出たわけよ。

そして本の中の言葉は私の中にも落とし物をしていったわけね。

ふとある事から手にとる事になったこの本は主人公の知らない作家の本だった。
そしてページをめくると
「人生の一部にしか生き得ないのなら、残りはどうなるのだろう?」
こんな文章から始まるんだもの主人公じゃなくても引っかかるよね~なので原作を読んでみようと・・・

キラキラなアマデウのお言葉の数々~

”若い時は皆、不死であるかのように生きる 死の自覚は紙のリボンのように我々の周りを付かず離れず踊るだけだ
それが変わるのは人生のどの時点でだろう?そのリボンが我々の首を締め始めるのはいつだろう?”

こんな言葉がさ、夜行列車の寂し気な感じとか、ファドに象徴されるように哀愁漂うリスボンの風景と
オーバーラップして、思索するにはもってこいの秋ともなると買っちゃうよね~読めなくても

このアマデウは若くして死んだ医者であり革命に参加した人でもあるのだ。

”ふたたび人生のあの時点に立ち、現在の私へと導いた道とは違う方向に進みたい。
人生を十分に生きたとき、我々は自分へと旅をする、人生がどんなに短くとも ”

”結局は自分自身の問題なのか?肯定しうる人生にするために、
成し遂げ、経験すべきこと自ら課した人生像のせいなのか?”

”なばら死への恐怖とは、自分がなろうとした人間になれない事への恐怖だ。
完全な自分になれないという確信に襲われたとき、
残された時間をどう生きれば良いのかわからなくなる”

”人生を導くのは偶然だ。
残酷さと思いやりと幻惑的な魅力にあふれている”

”人生の重要な分岐点、生き方が永久に変わる瞬間に騒々しい演出があるわけではない。
実際には人生に変化をもたらすものは、ひそやかに忍び寄る。
その瞬間は静かに展開し、全く新しい光のもとに人生が照らし出される”

”我々は自己の一部を残して旅立つ。そこを離れても同時にとどまるのだ。
自己の内には戻った時にだけ見つかる何かがある”

”人生を十分に生きたとき我々は自分自信へ旅をする。
たとえ人生がどんなに短くとも”


これは原作の中からの文章だけれど・・・

 「もういちど人生のあの時点に立って、現在の私を私たらしめた道のりとはまったく違う方向へ向かいたいという望み
夢のようにはかない、悲壮な望み・・・私の背後にある時間を戻す旅に出たい、
けれど同時に私自身を・・・過去の出来事によって形作られたいまの私という人間を
その旅に連れていきたいという、なんとも不条理な望み」

 
映画の中の言葉とリンクしてますね~
 
ポルトガルというカトリック国でアマデウは無神論者でした。
けれど、無神論者であってもやはり神から逃れられない人々であるのだな~とも感じられますですね~
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」と同じ精神を感じるというか・・・
ガルシアはコロンビア人のジャーナリストでコロンビアはやはりカトリック国、ポルトガルの
お隣のスペインに統治されていたんだよな・・・ 
 
映画では味わえなかった原作の世界を味わってみたいと思わせるのに十分な言葉たちでしょ? 
原作は2004年に発売されて以来世界中で400万部も売れたんだって~
日本では早川ミステリーから2012年に出版されアマゾンでは中古品でも5000円以上の物が
多いというか4000円以下の物はないんだよ~
頑張って英語で読むしかないか~。。。 
 

 

 



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