渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ワインディングの走り方

2023年10月17日 | open



昔大型バイクに乗っていたが
今は身体を壊してバイクを降り
ている奴とマニュアル四輪車で
峠を走った。そいつが助手席で。
「どういうオートバイの運転の
仕方をするか」
という質問をされた。
走行中のロードのレイアウト
ごとに自分の二輪の乗り方を
解説した。
「この右は逆ハングオフしな
がらブレーキングで速度調整、
そして次の左でペタンと寝かす」
「この立ち上がりはここから
スロットルを開ける」
「このコーナーはS字二つ目
の立ち上がりで出口先のあの
あれをリファレンスポイント
としてぼんやりと見ながらス
ロットルをプログレッシブに
開けられるだけ開ける」
「直線ではどんな短い直線で
も可能な限り加速する」
「直線からのコーナー手前で
はほぼフルブレーキング」
等々。
すると、「それ、峠族の乗り
方だな」と助手席の奴は言う。
「そうかねぇ・・・」と言い
ながらこちらはヒール&トゥ
で峠を軽快に走る。

だが、速度差はあれ、基本は
コーナー手前で充分に減速、
寝かし込み、パーシャル、
立ち上がりでスロットルを
開けて行く、というのは二輪
ライドの基本中の基本だ。
一番危ないのが、メリハリ無く
のんべんだらりと一定速度で
直線を走り、また旋回中も同
じ速度で走るやつだ。あれ危
険。
たとえ3km/hでも5km/hでも
10km/hでもきちんと減速して、
そして立ち上がりではリアに
駆動をかけてトラクションを
感知しながら立ち上がって行
くのは二輪ライディングの基本
だ。
それが、峠族たちはツイスティ
なRが狭いワインディングロー
ドでも短い直線で130km/h出し、
ブレーキングして80km/h旋回
とかするから何かと問題が起き
る。
だが、速度は制限速度や法定速
度であっても、操作の基本は
同じだ。速度域が異なるだけで。
速度域が異なると外力フォース
も度数が異なるので、それなり
の対処が必要になるが。

本当の事を言うと、「峠族の
乗り方」などは無い。
膝を開くか開かないかの違い
があるだけで、峠族たちは
白バイと同じ操縦操作をして
いる。
あと、白バイと違うのは峠族
はレーシングコースと同じよ
うに減速しながらのシフトダ
ウンではブリッピングを必ず
やる。
やらずに快速走行をしてみる
といい。
エンジンはオーバーレブする
し、後輪はシフトのたびに
ロックするし、危険この上
ない。
白バイはレッド付近でタコ
メーターダンスをさせない
のでブリップ無しでもシフト
ダウンができる。
高回転域を利用する走りで
は、排気量に関係なく、ま
た電子デバイスシフターが
あろうがなかろうが回転同調
の操作は必須となる。

オートバイの本当の乗り方は
かなり絞られたものとなり、
峠族用の乗り方などは無い。
つきつめれば、正しい操作操
縦はみんな同じ操作操縦方法
になってくる。
日本刀の操刀が高度になれば
なるほど流派など関係なく
同じ操刀法になってくるのと
同じだ。

二輪走法も真剣日本刀の刀術
も、要諦と真髄は同じである。
「本物のやり方は範囲が狭い」。
これだ。
世界グランプリライダーが
ほぼ全員同じ操作操縦をして
いるのには意味がある。
フォームまで同じだ(笑
剣術も同じ。構えは微細な差異
はあれど、刀を振りかぶって
切り下す。ただそれだけ。
中身は流派関係なく同じである。
オートバイも、「適切速度まで
減速し、体重移動し、車体を傾
け、旋回立ち上がりで加速する」
という基本は絶対事項として
ぶれない。
それを外す身勝手な事をすると
転倒したり脱輪衝突したりする。

 


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