渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ブローニング

2023年05月19日 | open



M.ブローニング(1855-1926 米国
ユタ州出身)
江戸期ならば武浪人とでも書か
れそうだが、原音で呼ぶならば
ブラウニング。彼がこの地球の
歴史を変えた。

ブロといえば、私にとっては
ブローバックのことではなく
ブローニングだ。
もっとも、ブローバックもブ
ローニングが完成させたもの
だが。

コルトに売却したM1911系の
ブローニングのシステムは発
表当初からすでに最高峰の領
域に完成されていた。米軍で
はM1911A1は軍用拳銃として
70年以上に亘って長く採用さ
れており、日本でも自衛隊と

警察が公式に制式銃としていた。


ブローニング・ライトニング
モデル上下2連


ブローニング(日本語発音)は、
世界で最高峰に位置した銃器デ
ザイナーのうちの一人であった
といえる。

大手銃器メーカーのほとんどが
自社ブランドでナイフをリリー
スしている。

手元にあるブローニング・ナイフ
のうちフォールディング(折り
たたみ)式のナイフのごく一部
を一部並べてみた。

大きさ順に並べる。
上からM277、M806、M141、DA43。
日常一番使い倒しているのは
一番上のM277だ。


ブローニングDA43はかつて人気
を博したアルマーのシリアタック
に似ているブレード形状で、大き
さもシリアタック同様かなり大。


米軍特殊部隊グリーンベレー
の隊員向けに開発されたと
いう売込みだったアルマー・
シリアタック。
シリアタックという名称が何
とも「そうなの?軍隊って
やっぱりそうなの?」とか
思いたくなる呼び名だ(笑)。
傭兵部隊ではシリアタックは
まずないが、国軍正規軍では
どこの国でも結構聞く話だ。
日本のかつての武士の世界も
シリアタックが横行していた
し、新選組でも「流行ってお
り困ったものだ」という記録
が残されているし、南九州あ
たりではつい最近までその風
習(?)が残っていたと聞く。
私にはよく解らない世界の話
だが、芸能界でも少年性犯罪
被害として横行している芸能
事務所もあるようだ。

ブローニング・ブレードの比較。
それぞれにコンセプトがあって
ブレードデザインが異なる。
軽作業でとても便利であるのが
一番左のM277だ。

ただし、キャンプなどのアウト
ドアでは右から2番目のM141が
軽くしかもブレード形状もとて
も使い易い。ブレードにはチタン
コーティングが施してある。
これまで4丁購入し2丁は友人の
ところに(苦笑
M141も香港OEMだ。
デザインが秀逸なブローニング・
ナイフだが、一番クオリティが
高いのは左から2番目の日本OEM
のM806だ。カスタムナイフの
ような精度が出ている。
M141は CHINA の刻印があるの
が如何ともしがたい。NをBに
彫り直したい。
というか磨って消した(笑





かつてアメリカンナイフの
ほとんどが日本の岐阜県関市
の刃物メーカーにOEM生産を
依頼していたが、現在は人件
費の安さから大陸中華にOEM
がどのメーカーも移行した。

一番使い込んでいるM277は
中華OEMだが、米国本国ナン
バーでは560というタイプと
同種と思われる。


米国ブローニング。マウンテン・
チタン・モデル560


これは私の個体のM277。
これまで8丁購入し3丁手元に
残っている(他は親戚友人に)。



小型ナイフでサムスタッドピン
は私には不要なので取り外し
ている個体もある。この穴あき

デザインも気に入ってる。
ナイフ形状にはベンチメイド
やガーバーにソックリなタイプ
があるが、このブローニング
小型フォールディングはとても
使いやすい。



他には開刃すると全長30センチ
ほどになる超大型フォールディ
ングもある。

製品ナンバーD52。でかすぎ(笑

ブレード厚5ミリ(笑
フィクスド(鞘=シース付ナイフ)
のような刃厚を持っている。
ハードに使える。


でかすぎて使えないかと思った
ら、これが存外結構使えるナイ
フとなっている。


ナイフのデザインは見た目重視
よりも、使い勝手から入って
行っているところが実用刃物
の面目躍如といったところか。

ただし、現代日本刀と同じで、
見てくれのみ重視でまったく
使えないナイフも
かなりあるの
で、やはりナイフといっても
見抜く目は必要と思える。

ちなみに包丁のことは英語で
キッチン・ナイフ、クッキン
グ・ナイフと云うので、日本人
はほぼどの家庭にもまずナイフ
があり、日本人全員がナイフを
所持していることになる。

ただ不思議なのは、なぜ日本
の伝統刃物には折りたたみの
フォールディング・ナイフが
登場しなかったのか、という
事が挙げられる。折りたたみ
の登場は文明開化以降となる。
これの謎も興味深い。
元々包丁も日本刀形状だったし。
今全世界がお手本にしている
日本の包丁の完成された形状
は江戸時代中期以降に鉄砲鍛冶
と刀鍛冶が手がけて形状を完成
させた。舟入形は室町からあっ
たものの、現在に繋がる形状は
江戸期中期以降に登場した。
平和となり軍需が激減したので、
技術を新時代の平和産業に活か
したのだろう。

堺の打ち刃物が現代包丁形状の
嚆矢で、江戸期には「堺土産」
として全国に普及した。
それまでは日本国内では日本刀
の短刀のような形の包丁ばかり
だった。
現在のアゴが柄から大きく突き
出した斧のような形状の包丁は
堺の転職した鉄砲鍛冶が作り出
した。
ここでも鉄砲と刃物の関係が出
て来た(笑)。
切っても切り離せない関係は、
やはりそこに鉄があるから。
どちらも武器になり、どちらも
武器ではない使用法での平和利
用もできる。
どう使うかは人間次第。
刃物は人を殺さない。人が人を
殺す。
また、武器は人を助けない。人
が人を助ける。
これが、地球の人類の定理だろう。


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