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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

着衣の不思議

2020年10月27日 | open


70年代物のアヴィレックスを愛用している。
このレザージャケットはかなり重い。
4キロ。
持つと「鎧かよ」と思う程にズッシリと
来る。
しかし、着るとあら不思議。全く重さを
感じさせない。
アパレル関係は詳しくないが、多分パター
ンのデザインが機能面において秀逸な
裁断用に型が起こされたのだろうと思う。
よく、スーツなどは吊るしではなく、たと
えセミであろうとオーダーメイドだと体に
ピタリとフィットして全く違和感がない
スーツとなることがある。
このレザーは既製品ではあるが、パターン
が優れているからか、着用すると全く重さ
を感じない。むしろ、国産有名どこの各
製品のほうが「重み」を感じたりもする。
大抵は重量は肩にかかり、疲労度が増す。
このアヴィレックスの革ジャンは、これを
このまま着て寝てもぐっすりと眠れそう
な程に上半身に一切負担がかからない。

アヴィレックスは米軍ミルスペック製品の
コマーシャルモデルから入った戦後のメー
カーだが、ブーツにしてもとても履き心地
が良かったりする。コアなアヴィファンが
多いのは、恐らくその着用感覚が心地良い
からではなかろうか。
私はアヴィレックスのレザーは2着愛用
しているが、着心地は残念ながら国産の
老舗革屋のレザージャケットを遥かに
凌いでいる。
ただし、2着ともオールドビンテージ物で
あるので、現在のアヴィレックスがどうか
は分からない。
着古しているから着やすいのではない。
最初から着やすいのだ。
なんというか、フワリと包まれているよう
な感じで、密着部分も窮屈感は全く無い。
これは何なのだろうと思う。
レザーウエアではやはり洋物が日本を一歩
先んじているのだろうか。
レーシングウエアなどは日本製はかなり
の物なのだが、一般ユースの革物は、どう
しても今ひとつな面がある事も否めない。
AVIREXだけ何か工夫してるのだろうか。
ショットの革ジャンも着ていたが、この
AVIREXほどの「何これ?」というフィッ
ト感は無かった。
軍物からのノウハウ研究という企業姿勢
は、実用品製造においては侮れない。
アヴィレックスの革ジャンはシープやゴー
トやホースを多用するからフィット感が
良いのかというと、そうではないと思え
る。それらの素材の国産レザージャケット
を試着してみると、全然サッパリなのだ。
アヴィレックスは例えカウハイドを使おう
ともフィット感は抜きん出ているのでは
なかろうか。体感としての「重み」など
は素材は関係無いからだ。
私はアヴィレックスのフィット感と重量
を感じさせない快適さの秘密は、優秀な
パタンナーを抱えているからではと読ん
でいる。
とにかく、着てみて分かる良さ。
アヴィレックス、できる。

こちらのAVIREXフライトジャケットの
一着は1978年製のタイプA-2だ。これは
かなり分厚い革を使っている。カウハイド
では?
これまたピタリと包み込みながら窮屈さ
も重さも全く無い。計測すると、この
レザージャケットもかなりの重量がある。
優れた快適さは型紙パターンによる成果
のではなかろうか。
チャック・イェーガーが人類で初めて
音速を超えた時、彼はAVIREXのフライト
レザージャケットを着ていた。


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