オランダで開発された自動無段
変速機構は、その後日本を中心
とする二輪メーカーにより現代
版CVT(コンティニュアス・バリ
アブル・トランスミッション)と
して実用化されて普及した。
日本での先駆者はホンダだった。
ホンダではこのベルト式CVT
システムを「Vマチック」と呼
んでいる。
現在はほぼすべてのスクーター
に採用されている駆動方式だ。
回転するプーリーの中に竹輪の
ようなおもりがいくつも入って
いて、それが遠心力により外に
移動することで自動クラッチと
連動して変速を行なう。
エンジンの回転数に合わせて自
動的に適切シフトに移行して必
要なトルクを後軸に伝える画期
的な構造だ。
ただし、竹輪型のウエイトボル
トとプーリーは走行距離が進む
と摩耗するので交換が必要。
また、ベルトも損耗するので、
一定距離経過後には交換が必要
となってくる。
現在、生産国を問わずスクーター
のほぼ全てに採用されているベ
ルト式CVTシステムだが、これ
は非常に面白いユニークな機構
だ。
よくこんな物を考え付くなぁと
先人の発想力、開発力、人間力
に敬意を抱く。
ギア付きオートバイとはまた別
な面白さがスクーターにはある。
それは乗り味や利便性だけでな
く、内部構造の造りが工学的に
非常にユニークで面白い。