渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

二輪はコーナリングで安定する

2023年09月25日 | open



オートバイが一番安定している
のはエンジンを切ってスタンド
を立てている時だ。

センタースタンドが無ければ
レーシングスタンドで直立
させている時等は安定している
ように見える。

だが、これは実は安定している
ようで左右のどちらかに少し外
力を
加えたら倒れる危険がかな
りある。
センタースタンドは、固定安定

性よりもむしろメンテ性のため
にある。
サイドスタンドで下側に斜め
テンションをかけた停め方の
ほうが実は3点支持部分の間隔
の幅から
もセンターより安定
する。


このことは、停止状態ではなく
走行状態でも、さらに別物の
外力によって旋回中には二輪
は安定するという物理性を持
つ事とたまたま合致する。
車体を立てた直進走行こそが
安定しているかのような錯覚
になるが、それはジャイロ効果
と駆動による牽引力のために
後輪にトラクションを感じて
いるから
であり、直進車体立て
でハン
ドルを切るまでいかず
とも当て
舵するとカクンと切っ
たほうと
逆方向に二輪車は倒れ
る。高速道路走行でもそうだ。

直立は前進方向には安定性を
持つが、左右方向にはとても
不安定だ。どちらにでもすぐ
進路を変えてしまう。
前輪も直進加速時にはサスが
荷重が薄れて不安定。

ところが、バンクさせて旋回させ
ると二輪は非常に安定する。
これは前後ともコーナリングフォ
ースによってサスが沈んで仕事
をしているからであり、また、
キャンバーにより内向性を得た
前輪が安定して内側向きに安定
して転が
ろうとするからだ。
なので、一見非常に安定している
かのような直立直進状態よりも、
コーナリングでパーシャルから
やや微細に後軸に駆動をかけた時
のバンクして旋回しているオート
バイは極めて安定している。
(3:15からその安定旋回状態)

逆ハンステアを使ってペタン

と寝かせている事も動画に
収まっている。

ただし、二輪のコーナリング
には大きな落とし穴がある。
それは、前輪も後輪も直立時
よりもスリップ
しやすい事と、
次が大事なのだ
が、旋回速度と
バンク角とパー
シャルもしくは
駆動かけの三者
が一体化しない
とうまく曲がれ
ないし、「旋回
が危険な状態」
を作り出して
しまう事だ。

ピタリと決まった旋回状態は
直立直進よりも両輪が安定す
るのだが、上記三位一体のど
れかが崩れても「不安定で危
険な旋回」に即転化してしまう。
オートバイに乗れている人は
コーナリングの安定旋回の
状態はよく知っているから
私の説明でもすぐに得心が
行くだろう。
逆に、旋回安定領域を持たない
人たち、未経験の人たちは、
バイクを傾けている
コーナリ
ングが安定するなんて
何を言
っているのだろう、と
思う事
だろう。自分の未知の
世界の
事実を示されても理解
できない
どころか、逆に私が
示す物理
的事実を「珍理論」
と悪書犯
罪掲示板で罵ったりする
のが
関の山だ。

だが、事実は事実として存在
する。

寝かし込みから立ち上がりまで
のコーナリング全域ではないが、
オートバイは旋回中こそが車両
の挙動として一番
安定する状態
がある。直立直進より
も。
停止状態でのスタンド立ては
一見安定しているように思える
センタースタンドよりもサイド
スタンドで真下に荷重をかける
ほうが安定するが、走行でも
奇しくも直立直進よりも傾斜=
バンク旋回のほうが安定する
領域が存在するのである。

ステップセンサーをこすって
いるので、これ以上は寝かせ
られない。車両によるが、そ
の限界バンクの少し手前段階
付近の、この画像でいえばこ

れよりやや起きたあたりが良
安定区域だ。
寝かせ過ぎないのも逆に不安
定になる。前輪が旋回挙動を
始める
あたりの区域はそれ。
その不安定区間を早く抜ける
ためにバンクはペタンと一気
によどみなくスムーズに寝かす。
急激に乱暴にではなく、流麗に

流れるようにペタンと寝かす。
ペタン寝かしによるタイヤを

潰す加圧をかける乗り方で前
後輪が暴れて飛ぶ事はまず起

きない。

なお話がずれるが、空気抵抗は
60km/hあたりから極度に増大す
る。
そして、一つの増大のピークが
なぜかしらあり、それは60km/h、
80km/h、120km/h、160km/h、
210km/hとなる。
カウル等のエアロパーツの空力
効果は法定速度の60km/hでも
充分に発揮される。
空力は全面投影面積が影響する
ので、加速時には前傾して伏せ

るのが二輪走行のセオリーだ。
ほんの5センチ身をかがめる
だけでもかなり抵抗が異なるし、
タンクにベタ伏せだと完全に
カウルの効果が現れる。
これはカウル無しのネイキッド
でも加速時には背中を丸めて
前傾姿勢になるのは大原則だ。
上体を立てて起こしたままだと
航空機のブレーキパラシュート
のようになり加速しないし身体
が後方に持っていかれるので
危険だ。頭の天辺から背骨の
途中まで抜けるようにGを受け
流す前傾姿勢が正しい。

ゆえに、カウルのスクリーンを
黒く塗って目隠ししたりするの
は前方が視認できない危険走行
車両に自分が改悪して
いる事に
なる。カウルの空力には影響
無くとも前方視認性の役目を
100%殺しているからだ。空力
発揮状態での前方視認を。


空力を得るために、直線でも

コーナー立ち上がりでも、レ
ースではカウルに伏せる。
公道車であってもカウル付車
のスクリーンを黒塗りで前が
見えなくするのは、危険を招
く馬鹿げた改悪だ。



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