映画『美味しんぼ』から。
山岡士郎(佐藤浩市)と海原雄山
(三國連太郎)。1996年、鎌倉。
実の親子である。役どころも現実も。
佐藤浩市さんは私と同学年だ。
同じ場所。1976年11月。奥が私。
高校1年16才時。今は死んで居ない
一つ年上の従兄と。
先週末の三人撞きで、このような
配置で回って来た。
「なにこれ?囲い玉?」と私が
言うと、二人とも大笑いしてい
た。
迷わず、フィンガーチップレスト
からの直立マッセをして2番を入
れた。
人差し指U字曲げのマッセレスト
ではなく、小林伸明プロのような
フィンガーチップレストからの
直立マッセ。
撞く前に
「無駄足やったな」
と言ってからトン、と。
映画『道頓堀川』での京都から
大阪の千日前ビリヤード紅白に
勝負しに来た撞球師が言った
マッセショットの前のセリフだ。
二人とも映画『道頓堀川』は何度
も観ているので、ウケて笑ってた。
沈めてもナイスショット!とは
言わない。試合ではなくリング
ゲームなので。
残し玉を汚くしても練習相撞きの
ように「失礼」とも言わない。
三人はこの週末にはよくマッセを
やった。三人ともマッセは多用する。
一番マッセが上手いのは元四ツ球
撞きの人だ。私より年上。
次が私で、その次が私より年下の
人。でもかなり撞く。
ポケット・ビリヤードではキャロム
に比べてマッセでなくとも取れる
ケースが多いからと、異常な程
にプレーヤーがマッセを使わない。
というか出来ない人さえいる。
ポケットは上級クラスやプロだった
りするのに。
玉撞きはどんなショットでもでき
るようになっておいたほうがいい。
切り押しや切り引きも。
私は、戦前「マッセ日本一」と呼
ばれた上野の肥土軍作先生にマッセ
は上野の店で手ほどきを受けた。
「あーたのマッセは絶対にラシャを
破かない。どんどんおやりなさい」
とも言われた。四ツ球でもポッケ
でも。
ちなみに、キャロムではマッセが
できないプレーヤーはいない。ゼロ
だ。
マッセができないとプレーが成立
しないからだ。
(1996年4月13日公開/松竹)
ロケ地。新橋。
2022年9月現在。
ロケ地。新橋。
2022年9月現在。
ロケ地。新橋。
2022年9月現在。
この新橋界隈は私が長年の
西新橋勤めの頃、同僚や上
司たちと毎晩のように飲み
歩いたエリアだ。
とても馴染み深い。
このガードなどは戦前から
このままだ。アーチ状レンガ
は太平洋戦争前の写真にも出
て来る。
原作と設定がかなり違うので
原作漫画ファンからは評価され
なかった映画作品が本作。
原作漫画はビッグコミックス
ピリッツ連載。1983年20号 -
2014年25号まで。
原発問題を告発する風潮で作品
を描いて以降、事実上の連載休
止となった。
私は主人公山岡士郎は数々ある
実写版「美味しいんぼ」の中で
は、一番原作の士郎の雰囲気を
出しているのは佐藤浩市だと感
じる。
私はこの映画作品は好きである。
てか、かなり好きだ。
松竹らしさがぶりぶりに出て
いる作品だが。
松竹は「女優さんを撮る会社」
である。
この映画作品は、海原雄山の
キャラ設定を魯山人に寄せすぎ
て、原作漫画の尊大豪辣な性格
でなくしてしまったのが失敗だ
ったのではなかろうか。
だが、現実世界でも三國連太郎
と佐藤浩市は絶縁状態であり、
それが映画作品にどう演技とし
て投影されるかも見ものだった。
ただ、士郎役に佐藤浩市を指名
したのは三國連太郎だったという。
栗田さん役はドラマ版(2007-2009)
の優香が非常に原作の栗田さんの
雰囲気を出していたと感じる。
士郎役はTOKIO松岡。
【真球】超絶スゴ技
地球上には存在しないとされる
真球(しんきゅう)。
その真球を目指して日本のモノ
ヅクリの技術者たちが挑む。
20メートルの限りなく水平な
レール(これを作るのもまた
凄い)の上を転がして、一体
どこまで転がるかその距離を
競う。
ちなみに、オリンピック競技で
世界中の多くの選手が使用する
砲丸投げの鉄球は日本人が作っ
ている。
町工場のおっちゃんが旋盤で
手作業で作る鉄球。
それが地球上で一番の精度を
持つ。
全世界の各国代表選手がそれを
使用している。
日本では概ね45度以上にキュー
を立てるショットをマッセと
呼ぶ。
だが、アメリカでは少しでも
キュー尻を上げてキューを立て
たら、それがカーブショットで
あってもマッセーショットと
呼んでいるようだ。
日本でいうところのマッセ。
先週末の友人たちとの余興ゲーム
でリングゲームの5-9(ゴック)を
撞いた。ノーベットで。
一切金は賭けてない。
金に魂を奪われる行為の実行は
三人とも拒否した。良い合意だ。
その時、こういう配置で私に回っ
て来た。
手玉レール際で次の赤3番が完全
に6番でシュートラインが隠れて
いる。
「これは・・・(笑)」
と二人は笑いながら言う。
難しいから取れないと言うのだ。
「簡単さ」と私はキューを立てた。
そして立てキューカーブで3番を
沈めた。順手の通常ハンドリング
の立てキューカーブで。
こんなのは簡単だ。
難しい課題は次だ。
4番に手玉を予定通り計算通りに
出したが、それこそが大事。
なぜならば理由は以下。
4番を入れてから赤線三角エリア
に手玉を出せる位置に4番シュー
トをする。
そして、4番の次はオレンジ5番
で9番をコンビネーションでコー
ナーへ沈める。
これもただ9番を入れるのは容易
だが、その次が大切。
9番インで2点獲得した後にフット
スポットに置かれる。
そしてその残し玉が重要で、
今度は5番で9番をサイドポケット
にコンビネーションインさせる
位置に手玉と5番を配置させる
ようにその前の5番コンビ9番の
コーナーインをシュートするの
だ。
こうした事は配置を見て、10秒
以内で全てを判断する。
考え中は頭はフル回転している。
この回は何度も何度も9番を再
アップ置きさせるのは失敗した。
5-9コンビのコーナーは成功した
が、その次の5-9コンビのサイド
への9番入れを失敗したのだ。
ただの2点になってしまった。
成功すれば、2点+4点+・・・と
続いていた。
順当に4番ボールのあと5番ボール
を取る位置に手玉を運んだりは
しない。
それが5-9のリングゲームだ。
延々と点玉である5番と9番を
再度台上のスポットに上げて
点数を稼ぐのが主目的となる。
マスワリ途中でそれが何度も
実現するのが理想的。
マスワリで得点倍づけなので
1ラックでとんでもない点数に
なる。
的玉は点玉の5番と9番であり、
ネクストの順番のボールが的
玉ではない。それは先玉でし
かない。的は点玉の5番と9番
だ。それを出来る限り倍づけ
のサイドポケットに狙う。
相手がファールをしたら全現状
からか、手玉原状から先玉をセン
ターかフットに選べる。もしく
は手玉のみキッチン内任意位置
から。
相手がスクラッチならば、手玉
キッチン内任意場所で、先玉を
センターかフット置きに選べる。
当然、撞き順の玉回りを見越して
ファール誘いの汚い残し玉も
作ったりする。3人以上の場合
あまりないが、これが裏握り
(詐欺行為の八百長)だと
特定プレーヤーはまず勝てない。
グルになって玉配置を作られて
しまうからだ。
1対1での正々堂々とした対決と
はならない。賭け玉にスポーツ
性は存在しないからだ。どんな
汚い事でもする。
先週末は気心知れた仲間内の
余興ゲームだったので、そうし
た汚い事は存在しなかった。
だが、リングゲームは、撞球の
ゲーム種目自体が構造的に決め
られた1玉が1点とか確定点数で
もなく、また全玉1点でもなく、
いくらでも点数が変わり、さら
に再アップによってそれが何度
も続くというゲーム性質となる。
決められた玉を落としたりする
のが他のポケットビリヤードの
種目であるのに、リングゲーム
はそうではない。
を取り入れたのだろうが、スヌ
ーカーは点玉の点数が色により
決められている。
またどのポケットも平等なポット
となる。特定ポケットが倍額な
どという事はない。
徹底的にインフレルールを採用
しているのがリングゲームで
あり、賭け玉そのものという
構造ルールになっている。
全世界で私的賭博は禁止されて
これは大昔から今の現代でも。
金は金だが、バクチで稼ぐ金は
人間から勤労意欲を全て剥ぎ取
るのである。
それゆえバクチはよくないのだ。
コインの裏か表かをあてっこする
のなどはまだいい。
ところが行き過ぎると、労働意欲
も、人間的な社会生活も一切求め
なくなる領域に行ってしまいがち
だ。
だから地球上ではどの国でもバク
チを禁じているのである。
賭けマージャンは1~2万円程度
ならば賭博にあたらない、という
とんでもない判例が近年出た。
それは検察庁の時期検事総長候補
の者がたわけた事に賭けマージャン
マニアで、バクチぶちを関係者を
誘って毎回催している常習者だっ
たからだ。
大審院の判例で金員の多寡に拘わ
らず賭博は違法という判例がある
のに、それの対抗判例が出ている。
理由は一つ。
権力者自身が大審院判例に違反し
てバクチマニアで陰で賭博をして
いたからだ。
蛭子画伯はなぜ賭けマージャンで
逮捕されたのか。
だが、同じ事をやっていても、
しかも司法のトップがやっていて
も、検事ならば賭博とはされない。
無法な世の中だ。
権力者の為に法解釈は書き換えら
バクチがらみの事件だが、『道頓
堀川』の映画の元日本一の賭け玉
師の武内鉄男が息子政夫に諭した
ように、バクチはすべての者を地
獄に引きずり込む。
法律さえも権力者を保護して権力
者に有利に働くように法解釈が
捻じ曲げられる。この世の闇だ。
無法を法の番人が行なう。それは
地獄がこの世だ。
そうした事をバクチは創り出して
しまう。
三権分立の司法さえもがカスで
クズの片棒を担ぐ事をしてしまう。
それがバクチだ。
狙った位置に手玉を出す。偶
然ではない。全てが狙い通り
だ。
角度なのにヒネリの技法撞
きでスロウさせて無理矢理
的玉を入れて手玉を出す。
(点玉)を倍額のサイドポケット
に次に狙う。
ットで6点だ。
たひと撞きで1,200円のショ
ット。
事をいう。
登場しない。
れている。実に巧いが、肝心
の的玉をポケットミスした。
の手筋だと、看取できる人に
は見抜く事ができるだろう。
ある。
高度な理知を働かせて直情的
な罪深き感情を抑制し、自己
制御しないと道を誤る。
ードだ。
のが悪魔である。
チョーク。