Cue Making - Full Splice Trials
本ハギ(フルスプライス)の作り方。
え~と。
これは職人さんでないと作れない
です(笑)。
こちら、インレイハギの作り方。
え~と。
職人さんじゃないと作れないす(笑)。
Cue Making - 6 point hi/low forearm
役のジャッキー・グレースン
も、ハーマン・ランボウの
キューを使っている。
透き通るような澄んだ高音を
発する。
す音ではない。
ない絶対定義がある。
性能も高いキューである、と
いう事。
ーは無い。イコールではない。
ハーマン・ランボウ作のキュー
ジョージ・バラブシュカ
(1912-1975)
ビリヤードのプールキュー作者
の神様である。アメリカ国籍。
元々は家具職人だったロシア移民。
ロシア名ではリードリヤという
発音で英語でならばグレゴリー
になるが、移民局担当官が聴き
取れずに「ジョージ」という米国
風の名前にしてしまった。
リードリヤはグレゴリー=グレゴリ
ア=グレゴリオであり、原初的な
ギリシア語では「注意深い」と
いう意味の名前で、キリスト教と
もとても関係が深い人名だ。
このバラブシュカは、米国の家具
メーカーのブランズウィック社
のビリヤードキューをばらして
いろいろな装飾を加えて再度
パーツを組み立てるというコン
バージョン方式でカスタムキュー
を作った。革命的な事だった。
程よく使い込まれた1920年代の
ハウスキューのうちの良品は、
すでに木のよじれ動きが止まっ
て整っており、バラブシュカが
さらに整えて作ったコンバー
ジョンは、極めて優秀な性能を
発揮して一躍プレーヤーズキュー
のトップとなった。
誰もがバラブシュカを求めた為
品薄になり、そうした中、バラ
ブシュカは1975年に63才で死亡
した。
死亡後、バラブシュカのキュー
は天井知らずの高額取引商品と
なった。プレミア青天井。
日本における名品茶器の骨董
価格が一つン百万円、ン千万円
というのと同じ現象だ。
まだキューなどは可愛いもんだ。
ストラディバリなどはン億円、
ピカソの絵などはン十憶、ン百
憶という値で競売される。
本物の初期のバラブシュカ。
このバラブシュカの精巧なニップル
木部はなかなか再現されなかった。
この精密さがよく締まり、かつ木部
によるキューの中心部の振動収束性
を高めた。これにより、適度に揺れ
ながらも振動に不正振動が起きずに
キューの中心から微振動が尻にスッ
と抜ける突き抜けの良さの性能が
生まれ出した。バットエンドのデル
リンにも機能的に深い意味があった。
バラブシュカ後にこのニップルを
正確に再現できた数少ない一人に
ロバート・ランデがいた。バラブ
シュカキュー再現者の稀有な一人。
ボブ・ランデが立ち上げたカンパニー
メーカーのショーンのキューは、
ジョイントとエンドキャップの
構造を極めてバラブシュカに酷似
させる程にバラブシュカに倣って
いた。ショーンはマスプロメーカー
となったが、1980年代中期までの
ショーンはカスタムキューその
ものといえる高質な作り込みだった。
世界チャンピオンを15回も
獲得した王者ウイリー・モス
コーニの晩年のスペシャル・バラ
ブシュカ。
市場には出ないが、出たとしたら
3,000万円程か。
バラブシュカは、ほんの15年程
の間に約1,200本程作ったとされ
ているが、平均計算では年間約
80本となり、月割で約7本割り
という計算になる。
多くも少なくもなく、ごく普通の
フルタイムビルダーの平均的な
製作本数なのではなかろうか。
ただ、年間80本だとすると、
1作品が今の価格で30万円(プレ
ミア無し時代の現代換算価格と
して)で新作が売れたとして、
年間2,400万円の売り上げとなる。
実費と納税等を引いても、決して
収入が貧しい稼業ではない。
現代のプールキュー作者は、卸
価格は不明だが、販売価格70万
円で業者卸が40万円として年間
80本で3,200万円収入。
直販ならば5,600万円の年収。
決して低所得者とはならない。
中には年間10本も作らないビルダー
もいるが、1本200万で売っていた
ならば、それだけでも2,000万円
にはなる。
かたや、日本刀製作者は、法律
規定により年間24作以上は製作
が禁じられている。
1口の実刀の打ち卸し値を仮に
30万円として、年間実収入は
毎回満杯のオーダーがあった
としても年収720万円。炭代
鋼代、材料費、光熱費、人件費
を差し引いたら、年に24作満タン
で製作している刀鍛冶(その
ような刀工は世の中に存在し
ない)でも相当な低所得者と
いう事になる。刀鍛冶では
暮らしていけない。
自分一人ならばなんとかなって
も、妻帯して子を養って私立
大学にまで進学させる事も
刀鍛冶になったらかなり難しい。
そうするとどうするか。
1口の現代日本刀の金額が500
万円とかで販売するような事を
し始める。博物館級名古刀でも
ないのに。骨董刀剣業者を絡めて。
それならば、年に3口ほど作れ
ば、どうにか人並みの生活は
できる。
また、特定業界のタニマチという
パトロンと人脈を結ぶと、その
方面の選手の昇進の時には注文
が入る。
そうしたズブズブの癒着構造に
身を置くか、何か特別に売れる
プロデュースをしないと新作
現代日本刀などは注文が無いし、
あっても法律の縛りで製作者は
低所得になるようになっている。
ビリヤードのキュー職人とて、
年がら年中満タン注文がある訳
ではないだろう。実勢はかなり
上掲試算よりも減額になる筈だ。
物を作って暮らすというのは、
とても厳しい。
これが敷地内にあったら最高だ。
これは、旧岩崎邸の撞球室。
浅いパティーナ(経年変化の変色)