渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

お茶タイム

2020年06月27日 | open
 


お茶といっても葉っぱではなく豆汁なんで
すけどね。銀河系のような。
 
金剛砥の砥石目を大村砥で落として行き
ます。


刃先部分と左側をまだ残している段階。
金剛砥の砥石目というのは、要は断面に
対して細かい山と谷ができている状態
ので、案外その砥石目はすぐに研ぎ減っ
消えるんです。
大村砥での研ぎは重要な天草よりも大事
な工程だったりします。


下のほうと鎬近くは大村砥で落とし始め
ていますが、刃先と上のほうはまだ砥石
を当てていません。


この角度からだと判り易いかな。
これはスカンジではなくコンベックスに
します。大まかな鎬線は今の段階では出
していますが、ずっとあとの工程で微細
ソーメン並べ研ぎによってツルツルなR
にしていきます。ハマグリ刃は、決
して
しゃくり曲げてRを付けるのでは
ない。
その工程はまだまだ先。


肉眼でも見えてたけど、結構粒子の粗い
鋼になってるなあ。温度上げすぎなので
はなかろうか。
それでも硬くなくて粘り心があるのは、
単に炭素量が低いのだと思います。
刃先はこちら側に刃返りが向いているの
観察できます。


キンキンに研ぎ上げたら、どのような切れ
味になるのか、また、どのような切り味の
研ぎに応えてくれる鋼になっているのかが
楽しみです。
値段じゃないんですよね。
100均の包丁だって、正規の鬼研ぎしたら
そこらの超高額包丁よりも切れるようにな
る。
高炭素鋼で熱処理下手くそでポロポロと刃
こぼれする刃物よりも、低炭素であっても
低炭素ゆえ熱処理のまずさをカバーできて
いる鋼のほうが研ぎによっては良結果が出
たりもすることもある。
 
日本刀ではない刃物はどんな鋼を使っても
法的なタガはない。
トンカチを鍛え直して斧にするのだって
ありです。
 
てなこと書いてから、またちょいと押す。


先ほど残っていた金剛砥の砥石目を取り
す。


既に「鋼の素顔」が見えてくる。
研磨研ぎの場合、この素顔を起こしてやっ
たり伏せたりして持ち味の景色を出してや
るのですが、今回は実用研ぎなので、それ
はしません。




こちら裏側。斧としては表側。
まだ金剛砥のままです。
両サイド、鎬を蹴っていますが、これは
意図的です。肉置き(ししおき)について、
使用目的に沿ってある目的があって
やってい
ます。


てことで、こちら側も大村砥で押した。








どんどん砥石を替えて行きます。

本日ここまで。




マダニ注意

2020年06月27日 | open



人間にも悪影響及ぼします。
野山にも行きたいだろうけど、悪所には
近寄らないことです。
ほんとにタチ悪いから、ダニは。


工業用ハンマーを斧に鍛造し直す

2020年06月27日 | open
Hatchet Forged From Ball Peen Hammer 
Blacksmithing

これは笑った。
こういう方法は思いつかなかった。
斧の鍛造は柄を通す櫃穴の鍛造が難しいの
だけど、これは考えたな。
ハンマーはコンマ5くらいの炭素量なので、
切れる刃物にはなりにくいが、このような
戦闘斧だったとしたら十分だろう。
そして、これは形状からも薪割り用では
ない斧であることは明白だ。
これは面白い。
動力ハンマーではなく片手の手打ちのみで
やってるのもいいね。
火造だけだから、できないことはない。
これはなんとなーくだけど、日本でも鍛造
を趣味でやる人たちに流行りそうな予感。
切れ味を求めるのなら、割鋼をかましても
いいだろう。
ヤスリからナイフ作るのと同じくらいに
発想が面白い。

片手ハンマー


ところで、短い目立てヤスリとかをメタル
ファイアのマグネシウム棒のストライカー
とかにするのはダメなのかな。

刀のナカゴや小柄小刀の面のヤスリ面は
これで一本突きをします。
先端部分を両刃とも薄くサンダーで加工
した目立てヤスリで。
手のガードでビニテをヤスリ面に貼って
から。

磨き板

2020年06月27日 | open



磨き板を適当に作って手斧の柄(え)を
磨いてやろうかと。




野球のバットやビリヤードのキューのシャ
フトのようにツルツル瓶で押し磨きしたほ
うがいいかな。
あるいはオイルステンをかけてやるか。


ちびっとは締まって色も変わった。


げーっ!口金がサビサビやんけ!


おりはバカでしたよ。ブレードにしか
防錆油塗ってなかった。
このところの雨で、たった3日でサビサビ。


急遽、磨き板が錆落としに変身。


ペーパーを細い帯にして口金の錆を落とし
たけど、こりゃまた絶対に錆びるな(笑)


油を擦り込むように塗って、湿気を吸い
取る新聞紙にくるんで保管しとこっと。


マットをかじりたいだけかじってボロ
ボロにして、おらの横で寝てます。
斧を研いでる時には足元に来て大人しく
寝てた。くっついてまわりまする。


広告インパクト作戦

2020年06月27日 | open


この広告の家、いやだあ〜!(笑)



刃先のおろし

2020年06月27日 | open
 

ということで、研ぐ。
研ぐというよりも、研ぎの前の段階のおろ
しをやる。
動力を使う人も多いが、この斧は手研ぎで
やる。
 
なんだろ。この斧、焼入れしてるのかなあ。
金剛砥でキリに押したら、どんどん下り
て行く。
これは金剛砥から上の砥石で面の確認の
為に磨ったところ。まだ研ぎではなく、
身下ろしの段階だ。




金剛砥で刃先の返りが出るまですぐに下り
る。30分程で刃先が刃を付けられる程にま
で下りる。焼きがとても甘いか、焼入れし
いないか、焼入れしていても炭素量が
かなり低いかだ。


もしかすると、これで北欧斧のように
ナイフみたいにハツリ削りをするのは
無理かもしれない。粘りはあっても硬度
を感じない。




和斧が切れ味が良いのだが、この薄さは
和式斧には無い。この薄さが欲しかった
のだ。製造は大陸だろう。
ハルタホースにも断面形状が似ている気も
するが、こういう断面形状の物が汎用性が
高かったりする。


金剛砥の段階で刃先には刃返りが出る。


どうだろうと思って、一番最初の荒砥で
ある金剛砥の段階で木を削ってみる。
削り目は荒いが、今の段階でごくフツー
フェザーが作れる。
てことは、研ぎ上げたらこの斧はいける
かも。砥石は8種類ほど使用する。
 
む。家には丁度良い試し切り用の丸木が
あるではないか、とか思ったが、これは
尾道の先生が私にくれたお手製鍛錬
薩摩流儀の人が作ってくれた流派の打ち
込み稽古用のユス丸太木刀なので、これ
刃物の刃を入れる訳にはいかない。
ただの丸太ン棒ではないから。
二本ともすんげ重たい(笑)。
 
てことで、また金剛砥に戻して押す。
刃横の厚みを表裏整えて行く。
これは中央部刃先寄りに研ぎ溜まりの
低部ができている。


それを整えるとこう。


ビフォー


アフター


下地研ぎをきっかりやらないと刃物は
良い刃が付けられない。
日本刀も包丁もノミもカンナも大切な事
は下地研ぎだ。基礎工事がしっかりして
いないときちんとした家は建たない。
 
ほいたら、茶にするきに。
 

ネット通販にご注意

2020年06月27日 | open


なに?この送料。
ネットオークションで1円落札送料1万円
とかの詐欺のような出品がよくあります
が、オークションではない通常通販でも
このような業者が入り込んでいるので
充分にご注意ください。

同じ商品でも、まともな業者からの
販売告知ではこうなっています。


私のナイフの画像が勝手に商品個体である
かのように使われていた通販サイトもあっ
たので、くれぐれも皆様におかれては、
ネット通販で物を買う時にはご注意くだ
さい。
大陸アジア系の業者だけではないのよね。
日本の業者にもそのような悪辣な業者が
いたりするので、本当にお気をつけくだ
さい。

まあ、これなんですけどね。
私は業者をよく見てから買いました。


初期刃付けはすげ~。
焼き入れ直後の日本刀みたい。
刃が1ミリ厚ほどある。
石割楔のほうがまだ尖がっていそうな(笑)。
このような斧身が薄い物はハツリという
削り用なので、刃がキンキンに立って
いないと意味がありません。
昔の和式刃物などはこうだった。自分で
買った刃物には自分の刃を付ける事が
当たり前だった。
それがいつからか、箱出しで切れる刃が
ついているのが当たり前であるかのよう
に思い込む人が増えた。
刃物は自分で自分好みの刃を付けるもの。
これが本当の鉄板なのだけど、時代は
変わりました。なんでもお手軽時代に。
しかし、この個体の斧はやりすぎ。
これ、刀鍛冶の鍛冶押しのようなことが
できない人だとお手上げですがな(笑)。


キンキンの鬼切れナイフのように研ぎ
上げます。
金剛砥から仕上げは天然(30000番相当)
まで使って。


黒猫の目の色

2020年06月27日 | open


黒猫の目の色はいろいろあるが、山吹色
の目が多いようだ。

このおうちの黒猫も山吹色の目をしてる。




うちのベンタロは山吹色ではなくて、金色
に近い。透明感がある薄い金色だ。
目の色もいろいろあるんだね。


「大黒屋、おぬしもワルよのう」
「お奉行様、お戯れを。山吹色がお好き
なのはお奉行様も同じかと」
「ぐわっはっは」
そこで桃太郎侍が
「許さん。ひと〜つ、人より力持ち。
ふた〜つ、ふるさとあとにして」
と登場する。
その時の山吹色は日本の金貨の小判の事
なので、日本では金色は山吹色とも捉える
のだろね。
黄金(おうごん)と言うし、黄金(こがね)と
も言うし。
でも、金色のゴールドと黄金色は違うと
思うのだけどなあ。
イエローゴールドとは言わないもんね。
金の金さ加減というか金ぽさにおいては。
金的てやつ?
ま、金的は大切だよな。

きんいろよりもコンジキのほうが格調高く
感じるのは、ありゃ漢語が高尚であるとす
る虚像からだろうな。
きんいろ夜叉だと締まりがねえのは確か
だし。



性格がよく分かった件

2020年06月27日 | open



新人さん(人じゃないけど)が家に来て、
判った事。
このベンタロさんは、かなり性格がいい。
あと、何だか賢い。
犬ほどではないにしろ、人間の言葉を理解
しようとする。
話しかけると「なんだろ」と傾注する。
「おいで」と言うと来るし、「降りなさ
い」と言葉で言うと高いところから降り
る。「寝るよー」と言うと寝床に行くし、
「ご飯?」と訊くとサッと自分のお皿の
前に行く。何にも教えてはいない。
多分、学習によっていろいろ覚えていった
のだろうが、かなりの単語を理解している。
他の猫や犬の名を呼んで「ベンベン、○○
はどこ?」と訊くと、首を振ってそこら
を探し始める。
テレビも観るし、ほんまにおもろいやっ
ちゃ。
朝は毎朝起こしに来る。おはよー、という
ように鼻をツンツンと押しつけて、こちら
が目覚めると、じゃあねとばかりに去る。
子猫の面倒もよくみるし、お前、いい奴
だな。

子猫の時からベン蔵はテレビが好きだっ
た。


犬とも仲良し。


何だか、こいつはいい味出してる。


手仕事 〜木工品〜

2020年06月27日 | open



走り仲間に家のケヤキを切って乾燥させて
木工品を作った男がいる。
ノコと彫刻刀だけで。
























チミはナニモンかっつーの(笑)。

AKに至っては、もっと凄い。




これ、実銃やろ?みたいな。
スピルバーグなみのエイジングだ。
本人曰く、正規軍と戦う中東の非正規軍
みたいになってやり過ぎたかな、と。
まあ、リアルではある(笑)。

一方、時代物を時代物らしくもさせてい
る。さらりとしたエイジング。
チューバッカが乗るファルコン号程度か。






やあ。
これも実銃にしか見えないぞ。
好きだねえ(笑)。
この1930年代の古いサブマシンガン、
カッケーな。
大日本帝国式百短よりイケてるぞ。
望月三起也先生の初期の作品でよく出て
きたよね。

望月三起也作品風。


焚き火

2020年06月27日 | open



「おい。今度キャンツー行こうぜ」
盟友に言うと彼は言う。
「え〜?野宿でしょ?野宿は大学の時に
散々やったから」
いや、確かにキャンプは野宿ではあるんで
すけどね。野宿とは違うでしょうよ(笑)。
君が言う野宿は、ベンチでゴロ寝、これ
じゃ体にいいわきゃないよ、わかっちゃ
いるけどやめられない、みたいなやつで。

火を熾し、焚き火を眺めていると、炎の
中にロングドレスを着た天使が現れるか
もよ。


ブッシュクラフト日本スタイル

2020年06月27日 | open



思うに、北欧文化に馴染みは薄いが、幕末
から北米文化には触れて来た日本人がイ
メージしているブッシュクラフトは、多分
これに重なっているのでは、と。




アメリカのワイルドウエスト時代の野営。
もろに「必要な必然的なブッシュクラフ
ト」。
趣味や好みではやっていなかった本物の
野営。


そして、日本ではオートバイのツーリング
でキャンプではなくキャンプツーリングと
しての流れの形成が、いつしか最近ブッ
シュクラフトとの合流を模索しているライ
ダーが日本で増えている現象として現れて
来ている。
その背景も、馬が必須のこれの影響なの
では、と。


バイクの場合はタイヤに絡むと危険なの
で、このホースライディングの時の機能的
なカウボーイのダスターコートは着ない。


かつて大西部の男たちは馬に乗って旅を
した。


時に単騎で、時に仲間と連れ立って。


そして、夜はブッシュクラフトだ。


日本人のブッシュクラフターの頭の片隅
には、北欧文化としての野営よりも、北米
西部開拓時代のホースライダーたちの旅が
あるのではなかろうか。
日本のオートバイライダーがツーリング
キャンプからキャンプツーリングへと嗜好
の変遷の流れが作られ、それがさらに現在
キャンプからブッシュクラフトへと向かい
つつある現象が見られるのは、日米の150
年以上の付き合いを見ると、当然の流れの
ようにも感じる。
本来、北米スタイルはキャンプツーリング
ではなくツーリングキャンプであって、
キャンプは目的ではなく手段だった。
しかし、日本では現在、流れが逆転して
いるのは、主目的を野営に置くことで、
「必然としての野営」から「目的として
の野営」への方策を模索することで、何か
元来あった野営キャンプの原初を無意識
に求めているように思える。日本の場合。

日本がアメリカ相手に一回戦争したのは
世界情勢の中でやむなくあって、元々
日本人は北米人に対しては西欧人よりも
ウマが合ったのでは。アメリカ人のこと
を「品がないねえ」として英国を公式面
では手本とはしながらも、くだけたフラン
クな北米人の質感に対して、日本人の多数
はある種の憧憬を持っていたのではなかろ
うか。
戦前の1930年代から、日本人はアメリカ
の西部劇大好きだったしね。

アメリカ人って、子どもが大人になった
ような連中だけど、全体的な日本人と決定
的に違うことがある。
それは、どんなにブーイングしていた相手
でも、凄技の出来る事をやっているのを
見たらコロリとそれを素直に大絶賛するん
だよね。拍手喝采で。
日本人の場合は根に持って執拗にグヂグヂ
といつまでも粘着して、目を曇らせてその
相手を延々と全否定する。関係ないその
相手の家族の事まで揶揄したりして。
とんでもなく了見狭いし下卑た感じがす
と思うよ、日本人のそういうとこは。
おまん、まっことこんまい奴じゃのう、
そらあいかんぜよ、みたいな。
アメリカンはその点、朗らかにカラッと
している。遺恨は持たない江戸っ子みた
いに。
アメマンも江戸モンも頭はあんまし良く
ないけどね(笑)。
日本人の人口の1割以上が東京人だが、
江戸モンはさらに少数なので、日本国内で
は圧倒的なマイノリティなんだけどさ。
そりゃ、江戸のカラリとした笑顔の文化が
日本標準にはならねえ筈よ。日本の中でも
少ないんだから。ネチネチしてない連中
が。