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初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

放送局の宿直

2009年05月21日 17時30分43秒 | Weblog
写真説明:見上げると飛行機雲が見えました。

 食堂、喫茶室に並んで、同じフロアーに、風呂場と宿直室がありました…。

 風呂場は、十人くらいが入れる広いもの…。

 宿直室は二段ベッドが並んだ寝室です…。

 毎日、その日の最後のニュースと、仮眠後の早朝、最初のニュース担当アナウンサーのベッドと報道局ニュース班の夜勤のスタッフのベッドは場所、ベッド番号が固定されています。

 警備室(交代勤務)の人に、起床時間になると起こしてもらえます。

 それ以外の、早朝勤務のスタッフなども起こしてもらえました。宿泊を申請して、ベッドの番号を貰いますと、そのベッド以外には泊れません。

 寝室の出入口に近いところはドアの開け閉めで寝られない…とか、
 ベッドによってエアコンの効き方が悪いから…などで、空いているベッドに移ると、警備室は、起こす人をベッド番号で起こしますから、違うベッドで寝たり、違う人が寝ていると間違えます。

 報道ニュース班、アナウンサーもローテーションで泊まりが決まります。ニュース班のAさんと、Bアナウンサーが泊ると、夜中に大事件が起こるとか、Cさんの泊りのときは平和だとかいうジンクスがありました。
 
 朝、起きたアナウンサーはすぐに声が出るわけではなく、発声のウォーミングアップとか、ニュースで読み上げる原稿のチェックなどあります。

 また、テレビのニュースの場合は顔出しがあります。男性アナウンサーでも、テレビ用のメーキャップを化粧室で行いますから、番組開始前早くから準備があります。

               … … …

 普段の早朝、深夜番組のときはよいのですが、「選挙速報」とか「阪神大震災」のときは、
 テレビドラマ用のリハーサル室に、レンタルした布団を敷き詰めて、ラジオ、テレビのスタッフが、泊りました。夜食などの用意は、スタジオをつぶして臨時の食堂としました。

               … … …

阪神大震災では、停電でテレビが駄目になり神戸では電池を入れれば聴取できるラジオが予想外に活躍して、あらためてラジオが見直されました。


放送局の喫茶室

2009年05月20日 18時52分29秒 | Weblog
写真説明:散歩の途中の念仏池。なにが釣れるのでしょう。銀塩カメラ、フィルムの銀塩プリント2Lプリントをキャノン複合プリンターMP-610でスキャンしました。

 
 昼食が済むと、昼食時間、休憩時間が決まっている事務系と、監視業務の技術系の社員は、隣の喫茶室に行きます。食後のコーヒーです。

 テレビ局の仕事はいろいろありまして、勤務時間もまちまちです。例えば、
技術系のマスター(主調整室勤務)の部員は、スタジオから送られてくる番組の映像、音声レベルの監視、外部からのネット回線の出入りの映像、音声の監視、等は気が抜けず神経を使う仕事です。

一日を二、三交代の勤務です。休憩時間には、近所を散歩したりして喫茶室にやってきます。

 マスター勤務に対して、スタジオ側の副調(ふくちょう)、サブ勤務(制作技術部)は、アナウンサー顔出しニュース番組、教養番組(座談会など)や料理番組などは、全部員のシフトで勤務します。

 単発のドラマのスタッフは日数がかかろうと固定されます。

 連続ドラマは、ワンクールの場合は、(1年を4つに分けてワンクールと云います)3カ月になります。ワンクールの連続ドラマは、ひと月4回で、13回、作ることになります。(1、4、7、10月がそれぞれワンクールの頭になります)

 ワンクール連続ドラマの場合のスタッフも、制作部(プロデューサー、ディレクター、AD)、制作技術部のスタッフ(カメラ、音声、照明)、大道具、小道具、は固定されます。

 同じ社員なのに、喫茶室で偶然会う以外に連続ドラマ班の連中とはめったに会えません…。

社内の 喫茶室は、食堂の隣以外に、二つほどあります。

 ラジオ番組の番組構成者とスタッフとの打ち合わせ。教養番組のVTRを撮り終えてのティータイム、お疲れ様のあいさつで、出演者と制作スタッフとのあいさつ。音楽番組の打ち合わせ、中継番組の外部の人との打ち合わせなど。

   結構、喫茶室は賑やかです…。


 会社側も、打ち合わせ用に部屋を用意していますが、広すぎたり、ちょっとした打ち合わせや顔つなぎのあいさつなどには、喫茶室の方が良いようでした…。

放送局の食堂

2009年05月19日 18時16分34秒 | Weblog
 テレビジョンが始まったころは、朝、10時から14時過ぎ。夕方の17時から22時ごろまでが放送時間でした。午前10時までは、受像機調整用のテストパターンが放送され、午前10時からテレビ放送が開始されました。テレビ局の始業は午前10時で8時間働いて18時終業ということになったのでしょう…。

そのうち、テレビの放送時間は10時前に、22時以後に広がりますが、テレビ局は朝10時から始業は変りませんでした…。

 ラジオはテレビの出現で斜陽化していきます…。
 各ラジオ局も、テレビ放送終了後の深夜に注目しました。

 ラジオの深夜放送は若者の深夜の勉強の仲間として「ながら族」などの言葉が生まれました。名ラジオのパーソナリティが数多く誕生しました。

 テレビ局も一般の会社のように、総務局、経理局などの事務系と監視業務の技術と番組制作の現場系にわかれています。現場は番組によって動きますから、食事の時間も不規則になります。出勤退社も時間もまちまちでした。

 テレビ局にも社員食堂はありますが、営業時間が普通の会社とちょっと違います。

 朝食は7時半~9時。昼食は11時~14時。夕食は17時~20時位。深夜食、24時~翌1時半くらい。

 一番忙しいのはやはり昼食時です。事務系は一斉にやってきますし、ラジオ、テレビの昼のニュースを終わったスタッフ、アナウンサー、報道ニュース班などが、押し掛けます。
 カウンターには、ヴァイキングスタイルでおかずが並んでいます。それを盆に取って、会計に並びます。前に記した暗算の得意で局内外に鳴り響いているおばさんがレジで待ち構えています。お盆を持った客の行列の二、三人先までおばさんには暗算で金額がわかっています。にいる若い女の子が客から受け取ります。

この社員食堂の昼食以外の時間帯は、
朝食,  7:30~8:30 味噌汁、塩鮭、納豆、焼きノリ、漬物…、
              パン、牛乳…、

昼食までと昼食後、    うどん、そば…、

夕食、 17:00~20:00
 
深夜食、23:00~翌1:00 あらかじめ申請して深夜食券と引きかえ。

 深夜食は、どれだけ必要かわからないので、あらかじめ総務局に申請して深夜食券をもらいます。総務局はあとで深夜食券分の費用を食堂に支払います。

続く…


ミニュアチュア

2009年05月18日 18時09分19秒 | Weblog
  テレビカメラの上に赤いライトが付いていて、時々点灯します。これをターリー(Tally Light)と云います。

 赤いライトが点灯すると、そのカメラは、スイッチャーを通って、放送されています。
 兎に角、目立つようにカメラの両側二つに点灯するようになったカメラもありました。カメラの背面のファインダー画面の上にも付いています。担当カメラマンに今放送中の注意を与えるためです。

 スタッフ、出演者は絶えずどのカメラにターリーがついているかに注意します。

 ウッカリこのターリーが点灯しているカメラに気づかずにセットとの間を横切る不届き者がいます…。

 カメラの画面に、フレームインしてきて、画面の真ん中あたりで気付きます。そして、ビックリした顔を残して、画面からフレームアウトします。かならず、ビックリしたリアクションをします。カメラを気づかずに横切ればまだ、目立たないのですが、ビックリしたリアクションを示すので、余計目立ちます…。
 
 生放送では、スタジオのカメラ、テロップ、フリップ以外の素材はありません。

 家の全景はスタジオの関係で撮れません。そこで、家の全景を作った精巧な模型を用意します。模型(ミニュアチュア)を作る部署があります。

 手先が器用で、模型を作ることの好きな人の集まりの特殊効果部です。

 ミニュアチュアの主役の映画は「ウルトラマン」「ゴジラ」でした。大きなゴジラが都市を壊してゆく話は、ゴジラをより大きく見せるために、小さな家、ビル、高圧線の鉄塔を縮尺で作り、ゴジラの動きをスローモーション撮影して効果を出していました。

 番組でのミニュアチュアは注文してすぐ出来るものではなく、暇なときにいろいろ想定して作りだめしていました。特殊効果部の部屋に行きますと、鉄道模型のレイアウトのように。色々ありました。あまりの出来栄えにミニュアチュアをタイトルバックに使ったドラマもありました。

 ある生ドラマの導入で田舎屋の門の全景からドラマが始まりました。ドラマのタイトルが済んでドラマが始まります。注意していたのですが、誰かが、門の向こうから覗いていました。ミニュチュアの門を狙っているカメラのターリーがつきました。

 ミニュチュアの小さな門と門一杯の顔がテレビに写ってしまいました…。


野球ファン

2009年05月17日 17時55分10秒 | Weblog
  社内には全球団の野球ファンがいます。自分で〇○球団のファンとは云いませんが、広島出身は「広島」名古屋生まれは「中日」らしいです。

 会社は毎月、社長の提言や、新しく始まる番組の内容。番組モニターの意見などを掲載した社内報が発行されます。

 硬い記事の他に、時々、部署を超えて同じ趣味、同好会の記事が載ります。

 あるとき、阪急ブレーブス・ファンの座談会の巻がありました。

 座談会の中で、誰かが、

「優勝したら、会社の社員全員に紅白の饅頭を配る…」

といいました。

 何と、その年度に阪急ブレーブスは優勝してしまいました…。

 阪急ブレーブス・ファンの誰かが世話役になって分担金を決めます…。

 勿論、饅頭で散財させられても、阪急ブレーブス・ファンは満足です…。

 出来上がった饅頭は、紅白のあんこ入りが二つ、熨斗紙に祝・阪急ブレーブス優勝記念と印刷された立派な箱でした…。

 それを、本社八百人ほどに配っただけでなく、手分けして、東京支社、名古屋支社にまで新幹線で届けたと聞きました…。

 最後に、阪急本社に届けて阪急を恐縮させ、阪急から優勝の記念品を貰ってきました…。

 阪急ブレーブスはまた優勝してしまいます。社内では面白がるやら、気の毒がるやらでまた紅白饅頭が配られました…。

               … … …
市民祭り会場の掃除をボランティアで毎年頼まれます。近所のシルバー人材センターのH畑仁郎さんという老人が、

「私はテレビで阪神戦のデイゲームを見たいから、早い時間の当番で行きます」

伺いますと、この方は野球少年出身の猛烈な「阪神タイガース」ファンでした。

大学ノートにスコアを付けているそうです。

勝率、防御率、盗塁成功率… …、

「コンピューターの計算ソフトですか?」

「いや」

「電卓ですか」

「いや」

「ソロバンです」

ソロバンでの加減乗除は、脳にとって最高のボケ防止の妙薬と思います。

 H畑さんは85歳です。

すごい「阪神タイガース」ファンです。

私にとっては頼もしい人生の先輩です…。


ID カード

2009年05月16日 18時29分51秒 | Weblog
手探りの状態で出発した民間テレビが、大きな装置のVTR数台の導入や、いろいろな資料の蓄積でテレビ局が手狭になりました。新社屋を建設することになりました。

新社屋の建設をきっかけに、この旧社内の悪癖を改めようということになりました。

 誰かが湯沸かし室で、太ったネズミを見たとかで衛生上好ましくないので、残業時の料理屋からの出前は禁止。無駄な資料を机に貯め込まない。「ファイリング」とか「ファイリング・システム」という言葉が流行りました。

 玄関受付に、ガードマン2人の常駐、外来者は必ず受付に来意を告げる。などです。

東京丸の内の「三菱重工爆破事件」や、政情不安定な国のクーデターで放送局の占拠、世の中が物騒になりました。

 やがて、IDカードの導入になります。よそのテレビ局も足並みを揃えて、カードといっても、IC埋め込みの本格的なものではなく、本人の写真と、所属などを記して、首から下げるものです。

それを入局する人間一人ひとりをチェックするようになりました。

たとえ、長年のベテラン社員でも、カードを忘れると、総務局に連絡して、仮のカードを出してもらいました。

 ラジオ番組のあるパーソナリティーがスタジオにタレント用のカードを忘れて外出してしまいました。

局に帰ってくるときに気付いたのですが、スタジオに入れません。手間取ったことがありました…。

 電通、博報堂、など広告代理店や一般会社でもカードを導入しています。

夏の甲子園・高校野球選手権大会は、主催者の朝日新聞社発行の首からさげるカードを中継制作技術管理部から担当の中継スタッフに配られます。

開会式のときは中継スタッフが増えます。カードの枚数が微妙に少し足りなくなります。

このカードがなければ、大会中の甲子園球場のどこへも行けません…。

カツドウヤ

2009年05月15日 17時27分05秒 | Weblog
写真説明:散歩の途中の畑で、じゃがいもの花 ?を見つけました。愛用のコンパクトデジカメ(Nikon L6)の接写モードで携帯のレフ板を左手に、右手でカメラを支えて撮りました。

                … … …
 映画の始まりは、活動写真と云われて、それに携わる人を「カツドウヤとか活動屋と云われていました。

 いまでもその名残はあります。服装は、帽子を被り、腰にタオルを挟んで、反対側の尻のポケットに台本を入れて、ラフなスタイルで歩き回っています…。

 この腰にタオルが、一目で分かる服装でした。帽子を被るのは、スタジオ内のセットの上に照明器具が鈴なりですから、それが頭に落ちてきてもケガが少ないようにという予防です。

 大抵、活動屋は撮影所の近所に住んでいました。職住接近です。近所でもその格好で生活しています…。

                … … …
 テレビが始まりました。スタジオのセットのあちこちに照明器具がありますが、帽子も被らず、ラフなスタイルで動き回っていました…。

 テレビ屋という服装もなく、雰囲気もありませんでした。

 テレビの歴史がまだ浅いからかなあと思っていました。

 夕方、仕事が終わって退社時間になると、スカッとした背広姿の背の高い青年が通ります。どこかで見たように思うのですが分かりません。

「あれは大道具の××ちゃんやないか…」

といわれました。

「こっちは、小道具の○〇ちゃん…」

 退社時、裏方さんは、風呂に入って背広に着替えて颯爽と帰ります。

 出入りのタレントさんが、どっちが俳優か分からないと感想を述べています。
 
 最近は服装でその人の職業がわからないといわれるようになりました。

 昔は、大工さんはいかにも大工さんという服装と雰囲気ですし、板前さんはいかにも料理人という雰囲気でした。それが、通勤電車に乗るためか、職業も雰囲気もわからなくなりました。

 映画のカツドウヤという独特の雰囲気に対して、テレビジョンのテレビ屋はどんな雰囲気が生まれるのかと思っていましたが、いまだに無味無臭のようです。

 次は、自由に出入りできるテレビ局の警備について記します。


ピアノを盗まれた

2009年05月14日 18時38分40秒 | Weblog
写真説明:大阪狭山市さやかホールです。直角の二面のガラス壁面にお互いの壁面が映って
面白く見えました。ここでは、落語会、エレクトーン教室発表会、ピアノ演奏会などが開かれます。南海電鉄・高野線、大阪狭山市駅、下車すぐです。地元の写真クラブの「第十七回大阪狭山写友会展」が展示ルームで開かれているので出掛けました。
                 … … …
 京都の太泰撮影所の広い入口は、自動車の出入り以外は鎖で閉めています。横の守衛室の狭いところから所員や業者は出入りしていました。顔なじみの社員は良いのですが、初めての業者などは手続きが面倒でした。これは、長い間にややこしい人間の訪問や熱心なファンで入口は大変でしたのでしょう…。

                 … … …
 大阪にテレビ放送局が出揃いました。どこの放送局の玄関も、普通の会社のように、広く開けっ放しで、普通の会社の入口のように広いカウンターに2人の若い女の子がいるだけでした。誰でもフリーパスです…。

 生放送からVTR番組が増えてきて徹夜組もありました。会社の就業時間後は裏の守衛室からの出入りになります…。

 夜食に、近くの食堂から出前をとっても、出前の兄ちゃんは、三階の机まで、持ってきてくれました。空の食器は各階の湯沸かし場にとりにきていました…。

 ある日、若い男の子がスタジオのあちこちをうろうろして、目を合わせると挨拶をします…。

そのうち

「あれは誰や…」

ということになりました。

「あいつと一緒に社内の風呂に入った…」

「宿直のベッドでよこにいたで…」

 その男の子は、テレビ局と云うかテレビジョンの雰囲気に憧れて、社内をあちこちうろうろしていただけでした…。

 そのうち、あるテレビ局で、ピアノを盗まれたというのです…。

白昼、堂々とトラックで来て、

「このピアノですか…」

とか云って、そして、その場のテレビ局員がご丁寧に手伝って、トラックに積み込んだというのでした。
 
その犯人の男があまりに堂々としていたので誰も疑わなかったのでしょう。

   続く…


聴取率・視聴率

2009年05月13日 18時41分52秒 | Weblog
写真説明:大阪府河内長野市の寺ケ池公園の広場の入口に車両進入止めの杭が五、六本並んでいます。その杭の頭のロープを通すところの可愛い飾りです。


 新聞の広告は、その新聞の発行部数(購読数)で、広告の料金が決まるそうです。発行部数が多い新聞の広告料は当然、高いことになります。

 民間放送(ラジオ)が日本で育つのかと言われていました。が、ラジオ放送を開始して、地元の商店街などの広告(CM)を放送すると、その商店街の売り上げが増えてCM効果が現れました。

 民間放送が始まるまでは、公共放送でしたから、誰がどれだけラジオを聴いているか問題にならなかったのです。民間放送のラジオではCMが入りますから、このCMを何人が聴いているかスポンサーは気になります。そこで、「聴取率」という新しい言葉で、数字が出てきました。

 それまで、番組のアンケート、簡単なクイズの解答はがきなどで、番組の関心度を測るしか方法がありませんでした。
この「聴取率」の数字はスポンサーに説得力がありました。

 ラジオの民間放送で軌道に乗ったところで今度はテレビです。これも最初は、共同出資で大阪に一つだけ、民間テレビができました。生放送ですから、番組が始まると、スタッフ、出演者ともども、一生懸命に番組に打ち込みます、冷静に番組を見ている人はいません。番組が無事終わって、スタジオから皆が顔を真っ赤にして出てきます。いままで、作っていた番組が面白かったのかどうか、分かりません。そして、この番組の評判はどうなのかも気になりました。

 いまから、四十数年前に、視聴率を調べる「ビデオ・リサーチ」ができました。また、アメリカから「ニールセン」もやってきました。

 音声放送のラジオは「聴取率」、映像放送のテレビは「視聴率」と区別されます。

 朝、出勤すると、各部の管理職の机に、前日の各番組の視聴率を示した、B5判の速報が乗せてあります。それを見て、スタッフは一喜一憂するのです。

 この「ビデオ・リサーチ」と「ニールセン」の数字は少し違いました。

 連続ドラマなど、回を追ってこの視聴率が右肩上がりで上がってきますと、局内で評判になり、肩身が広かったのでした。

 CM担当の営業局の担当は、統計の誤差に入ると言われている小数点以下の数字の上がり下がりにも一喜一憂します…。

 この「ビデオ・リサーチ」、「ニールセン」の統計の集め方や方法は、私は知りません…。


殺陣師 たてし

2009年05月12日 18時20分46秒 | Weblog
島田正吾と辰巳柳太郎、緒形拳などの劇団「新国劇」は激しい殺陣(たて)で人気がありました。池波正太郎も座付作者と言われるほど親密な関係にありました。

この激しい殺陣を仕上げる人が殺陣師(たてし)です。この劇団の殺陣をまかされていたのが、段平(だんぺい)でした。この人をテーマにした映画がありました。

時代劇映画の剣劇ものにも、チャンバラ(殺陣)があります。ここでも映画の殺陣師がいます。監督からチャンバラの筋立てを聞いて、段取りを考えます。

映画のタイトルに殺陣△△と名が出ています。その脇に××会とあります。これは、チャンバラ(殺陣)のうまい俳優さんが所属している会です。

スタジオで、殺陣師は主演の俳優さんと絡みの俳優さんにチャンバラの動きを振りつけます。

「そこを、千鳥で交わして、こう切りつけてください…」

「そこで、刀の血を振り払って、決まってください…」

監督の了解を取り付けて、動きが決まります。

絡みの俳優さんの難しい動きのときは、殺陣師のところで教えている俳優さんを割り当てます。

刀は竹光(たけみつ)に銀紙を張ったものを使います。
映画館で見ると本物らしく見えます。
また、小道具に竹光に銀紙を貼る名人がいました。

主演の俳優さんが、刀を構える大写しの場面では、本身を使うことがあります。本身を構えて少し動かすと、刀身がキラッと光って、格好よく決まります…。
しかし、アクションのチャンバラ(殺陣)では一切、本身は使いません。

嵐寛寿郎は強度の近眼でチャンバラ(殺陣)のシーンで、どこへ切り込んでくるのか相手をする俳優さんにわからないことがありました。

いくら竹光のチャンバラ(殺陣)でも、絡みの俳優さんに傷を負わすことがあるので、絡みの相手役の俳優さんは、体にさらしを巻いて、相手をしていたと聞きました…。

Kプロダクション映画のロケーションの現場で、本身を使っての事故がありました。

昔、テレビで芸術祭というのが秋にありました。そのためにスポンサーはその番組用のコマーシャルを新調したり、番組の予算も少し多めにだしたりしました。
時代劇のテレビドラマで、芸術祭だからと、チャンバラ(殺陣)のシーンの一部で本身を使いました。

わずかな手違いで、俳優さんが怪我をしてしまいました…。


竹光はいくら本物らしく見えても、手にした感覚がいかにも軽く、刀の構えに薄っぺらな感じになるらしいので、重たい本物、本身(ほんみ)に誘惑と魅力を感じるのかも知れません。

アメリカの西部劇の敵役の早撃ちガンマンが出てきます。決闘で零コンマ何秒かの差で、すご腕の敵役ガンマンを正義の味方保安官が倒す…。

時代劇映画の宮本武蔵が巌流島でイライラして待っている佐々木小次郎を倒すという…

西部劇と時代劇はなんとなく似ていると思っています。

黒澤明の「用心棒」がマカロニウェスタン「荒野の用心棒」に、「七人の侍」がアメリカ西部劇「荒野の七人」にリメークされています。