一人っ子のくちかずこは、未熟児だった。
で、虚弱児だった。(過去)
と、無口で内気な子だった。(はい、過去)
くち親の目標は、くち娘を元気に大きくすること。
毎日、卵の白身で体を洗い、何度もお洋服を着替えさせ、
毎年、新しいシンデレラの布団にくるみ・・・
ピアノを与えた。
少しも勉強を強要しない両親だったが、
ピアノのおけいこも強制しなかった。
(目標は、あくまで、元気に大きく)
「どうして、ピアノを習わせたの?」
と聞いたことがある。
すると・・・
辛い時、悲しい時、苦しんでいる時に、
ピアノが、心を慰めてくれるようにと、
ピアノが娘の一生の友達になってくれるようにと、
考えたらしい。
甘々の親のもと、練習は、本人の気の向くままだったが、
何故か辞めたいとは思わなかった。
でね・・・
子供の頃、ピアノを弾いていると、
ふっと、意識がなくなり、
気がつくと、両手が勝手に知らない曲をスラスラ弾いているんです。
それがね、結構、難解な曲で・・・
びっくりして、じっと、自分の勝手に動く手を見ていると・・・
しばらくして止まる・・・
そんな経験がよくあったので、誰にでもあることと、
子供心に理解していたのですが、
最近になって、考えると、やっぱり変。
大人になってからは、もうないんだけれど。
なんか・・・
幽霊?守護霊?ガーディアンスピリッツ?
とにかくその人?の才能なのか、中学校の頃、音大を薦められる。
が、父の転勤で引っ越し、違う先生に替わると、
重箱の角をつつくようなレッスンが嫌いで辞めてしまう。
で、看護師になったんだけど、
何故か、ご近所に頼まれてピアノを教えることに。
と、口コミで生徒が増加。
師長になった時に、お教室を閉じたものの、未だ、レッスン希望者が・・・
職場で、マタニティーコンサートのピンチヒッターをやったり、
伴奏を頼まれたり、
不思議にピアノと縁が切れない。
幽霊さん?の未練なのか・・・・???
でね、昨日、超久しぶりに弾いてみたんだけれど・・・
何故か、一番上にあった楽譜は、辛島みどりのサイレント・イブ・・・
なんで?で、1ページ弾いて、やっとエレクトーン譜であることに気づく。
気を取り直して、ショパンの子犬のワルツ・・・瀕死。
ふーむ、イルカのなごり雪・・・
力を振り絞り、バッハの主よ人の望みの喜びよ・・・
力尽きて、マッサージチェアーに倒れ込む。
ピアノを一生の友達として与えてくれたくち両親。
心血を注いでピアノを教えてくれた先生様。
幽霊様!!!
ごめんなさい!!!
くちかずこが悪うございました。
今後、精進させていただきますので、
本日のところはご容赦くださいませ!!!!!
とりあえず、元気に大きく50年育ちました。
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