サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

サムライブルー 日本代表のワールドカップが終わった…

2014年06月25日 | サッカー

コロンビアに敗れ、日本代表のワールドカップが終わりました。
とてもとても、もやもやした気分です。
グループリーグ敗退という結果はともかく、内容に疑問符がつくし、ブラジルで起こったことが見えてこない。

今大会は結果以上に内容が問われた大会、のはずでした。
前回大会でベスト16まで進んだものの、守備的に戦うことでは日本のサッカーに未来はない。守備的な戦術で例えグループリーグを突破出来ても、その先に進むことはできない。
ベスト8以上を目指すのであれば短期的な戦術でしのぐではなく、例え遠回りすることがあっても日本サッカーの長い歴史の礎となるような戦い方を示すことが、今大会期待されていました。すくなくとも私はそういったふうに期待していました。
前回大会が全く日本らしいサッカーではない、というわけではありません。守備的に戦ったとは言え、コンパクトさは保ち全ての局面でハードワーク、何よりもチームの一体感がありました。しかしラウンド16のパラグアイ戦ではガス欠を起こし攻め手もあまりなくなってしまいました。より高みをめざすためにはそれではいけないのではないか、4年前はそこからスタートした、私はそう解釈しています。
今大会ではバランスを重視しながらも、前から行くサッカーを志向し、そういったサッカーを見せてくれるはず。そのためには選手間の距離を近く、つまりラインを高く保ち全体をコンパクトにする。もちろん時間帯によっては下がる時間帯もあっていいわけですが、いずれにせよコンパクトであることが日本のサッカーの絶対条件です。
まず初戦のコートジボワールで、それがうまくいかなかった。何故かチームの意識が統一されなかった。
そのことがショックでした。もちろんラインを高く保ちコンパクトにする意識はあったと思いますが、結果として下げられてしまった。もちろん下げる時間帯があってもいいのですが、全体が間延びしてしまった。
コートジボワールのラムシ監督は日本のことを徹底的に研究し対策を施してきましたし、なかなか思った通りにはいかないということはよくわかるのですが。
初戦で負けたという結果だけではなく、いやな負け方をしたことが3戦目まで影響を与えたような気がします。

選手の起用やコンディションについてももよくわからないことが多々ありました。
ワールドカップは情報戦でもありますから、期間中の選手のコンディションなどがよくわかりません。選手起用にはそれなりの理由があった場合も当然あったでしょうが、見えてこない。
批判というより素朴な疑問としていくつか挙げておきます。
・初戦、今野選手は先発できないほど状態が悪かったのか?
 もちろん森重選手も良い選手ですが、今野選手はザックジャパンのある意味象徴的な選手。4年間の集大成ということを考えれば今野選手に先発してほしかった、すべきだったのではという思いはありました。
・2戦目、3戦目で遠藤選手の先発は考えられなかったのか?
 4年間のザックジャパンは遠藤選手のチームでもあったわけで、日本のサッカーを取り戻すためには遠藤選手の先発が近道のようだと思ったのですが。
・とてもとても調子の悪い香川選手を外す考えはなかったのか?
 2戦目では先発から外れましたが、大会全体を通して、いい時の香川選手とは別人のようでした。もちろん個人だけの問題ではなく選手の距離感のこともありますし、相手チームが研究し守備に忙殺させたという側面もありますが、調子が良いようにはまるで見えなかった。しかし清武選手や斉藤選手が輪をかけて調子が悪かった可能性もあります。ちなみに本田選手も決して調子はよくありませんでしたが、悪いなりの貢献はしていたと思います。香川選手の場合は、フィジカルやプレースタイルから考えて、悪いなりの貢献が出来にくいタイプの選手だと思います。

その他パワープレー、選手交代のタイミング、大久保選手の使われ方など采配上の疑問もありますが、コンディショニングはうまくいったのでしょうか、いかなかったのでしょうか?
初戦のコートジボワール戦で、相手に走らされたということもあるでしょうが、あまり“走れない”選手も多かった。TV観戦ですのでよくわからないこともありますが、解説の岡田さんも「走れていないことにショックを受けている」とまで発言されていました。
選手によってはコンディショニングがうまくいかなかった選手もいたのか、はたまたピークをあえて初戦ではなくもう少し後に持ってきた選手もいたのか?
例えば岡崎選手などは、3月のテストマッチやブンデスリーガなどでキレキレのパフォーマンスを見せていただけに、初戦、2戦目あたりは「何故?」という疑問がありました。もちろん使われる側の選手ですから、使う側がよくなければパフォーマンスを示せないということはありますが。
逆に怪我明けの選手たちの調整はうまくいったように思えました。

とにかくいろいろな疑問が渦巻く3戦でした。
ザッケローニ監督にブレはなかったのか???
そして、チームに本当の意味での一体感はあったのか?


大会期間中は情報がかなり規制されていることもあったでしょうから、今後の日本サッカーのためにも、日本はブラジルでどう戦ったのか?ブラジルで何があったのか? 詳しく検証される必要があると思いますし、メディアの方々にも期待しています。
もちろんブラジルだけのことではなく、23人の選手の人選など、4年間の振り返りも必要になってくると思います。


しかし大会はまだまだ続きます。
本当に面白いのは決勝トーナメントに入ってからです。
だからこそ日本代表にはそこにいてほしかったのですが…。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿