デフサッカー女子日本代表は残念ながら第4戦及び3位決定戦を辞退することになり、ブラジルが不戦勝で3位。
決勝はアメリカとポーランド、予想通りの対戦となった。
アメリカはこれまで出場したすべての大会で優勝している強豪、一方のポーランドは前々大会4位、前大会は2位と着実に力をつけてきている。
アメリカは4-3-3 、ポーランドは 4-4-1-1でスタート。
(選手名はわからないが、備忘録として背番号だけスターティングメンバー書き出しておく。アメリカは、ディフェンス右から5,11,3,17、アンカーに2(cap)、インサイドハーフに9,14、前線右に22、左は6、トップに21。ポーランドは、ディフェンス右から3,9,20(cap),7、中盤右から14,21,6,8、トップに13、トップ下に10)。
アメリカはサイドからの崩しが多く、ポーランドは前線の13や10マルタ・カクズマルチクの個の能力を活かした攻めが多い印象。
立ち上がりはポーランドがアメリカゴールに迫る、21のシュートはアメリカGKの好守に阻まれる。
しかし前半11分アメリカが右サイド9のクロスに6が飛び込むとポーランドがファール、アメリカがPKを得た。だが11の蹴ったPKはポストをたたく。
その後もシュートまで持ち込むのはポーランドが多いが先制したのはアメリカ。
前半終了間際FKをゴール前に入れ、ポーランドのクリアが流れたところを左から6がヘディングで折り返し22がダイレクトで押し込んだ。
しかし後半2分にポーランドが同点に追いつく。
ポーランドの10マルタがアメリカのアンカー2からボールを奪いドリブルでゴール前に迫り、マークを引きつけて左の8へパス、8は左足ダイレクトでファーを狙いすましたゴールを決めた。
ポーランドのトップ下10マルタとアメリカのアンカー1枚(2)がマッチアップすることが多く、ポーランドがマイボールにしてチャンスを作り出すことが多い。だがアメリカはとりたてて10番対策をしているふうでもなく、あくまで自分たちのサッカーを貫いている印象。女王の女王たる所以か。
その後は球際の激しい闘いが続く。ポーランドのキャプテン、センターバック20は何度も痛むが走ることを止めない。
後半42分アメリカがFKのチャンスを得る。
5がずらして9が放ったシュートはポストを叩き、試合は2大会連続の延長戦へともつれ込んだ。
延長前半5分、アメリカがチャンスをむかえる。
ポーランドのクリアボールを拾ったアメリカ18が左サイドからアーリークロスを入れると、8がダイレクトで合わせ勝ち越し点。アメリカが2-1とリードした。
18,8両選手とも後半25分に交代出場したフレッシュな選手。層の厚さも見せつけた。
しかし延長後半9分、ポーランドにスーパーなゴールが生まれる。アメリカGKのパントキックをポーランド21がヘディングで前線へ、ポーランドトップ下10マルタとアメリカのアンカー14(後半25分からポジションチェンジ)の競り合いとなるが、10がうまく体を入れ替えて反転、右足を振り抜くと、40m級のロングシュートがネットを揺らした。
そして前回大会に引き続き決着はPK戦にもつれ込むことに。
両チームのGKを比べるとアメリカのほうが身体能力に勝っており、アメリカ有利かと思われた。
実際2本のPKを止め、4本目で勝敗が決し、アメリカは4度目の金メダル。出場した大会ですべて優勝という記録をまた一つ更新した。
しかし試合はどちらに転んでもおかしくないスリリングな展開だった。
試合はこちらで観ることができます。
Women's Football Gold Medal - USA x Poland - 15/05 | Caxias do Sul 2021 Deaflympics Summer Games - YouTube
ポーランドは2013年ブルガリアソフィアデフリンピックでは3位決定戦でPK戦負け、2017年トルコサムスンデフリンピックでは決勝ではPK戦負け、今大会も決勝でPK戦負けを喫し、悔しい銀メダルとなった。
尚、グルーリーグの成績は以下。
1位 アメリカ 勝ち点12 得失点差+20(得点20 失点0)
2位 ポーランド 勝ち点9 得失点差+14(得点18 失点4)
3位 ブラジル 勝ち点6 得失点差+11(得点7 失点4)
4位 日本 勝ち点3 得失点差+5(得点14 失点9)
5位 ケニア 勝ち点0 得失点差-43(得点1 失点44)
*日本VSブラジル戦は、ブラジルが3-0の不戦勝。
日本はグループリーグ1勝3敗、出場辞退がなければ3位決定戦で銅メダル獲得の可能性があった。