1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

シャガール展

2008-10-16 08:42:15 | 美術館
兵庫県立美術館で開かれている「シャガール展」に行ってきました。
昨日が、最終日。ロシア国立トレチャコフ美術館所蔵の作品を中心に、
150点が展示されていました。
 二年前に大阪のサントリーミュージアムで開かれたシャガール展は、
「愛」が一つのテーマだったと思うのですが、今回の展覧会は、シャ
ガールの生れ故郷であるヴィトビスクの街とユダヤ人としてのアイデ
ンティティーが大きなテーマだったように思います。
 今回の展覧会で一番目を引いたのは、壁画の大作「ユダヤ劇場」でした。
なかなか迫力があったです。



 もっともシャガールらしい絵の一つである「街の上で」。宙に舞い上がらば
かりの愛の喜びが表現されているのですが、画面の左片隅に排便をしている人
が描かれているのを初めて知りました。同じような排便をしている絵がもう一枚
あったのですが、パリから帰ったシャガールにとって故郷ヴィトビスクのイメー
ジと言えば、この「道端で排便する人」だったのでしょうね。
 そういえば、僕が小さい頃には、路地や田んぼのあぜ道で小便をする人をも
っとみかけたっけ・・・。



 ロシアからパリ、パリからアメリカへ。同じ故郷を描いても、次第次第に色彩
の鮮やかさがなくなり、絵から遠近がぬけおちていくところに、故郷を離れた
シャガールの寂しさがあらわれているように思いました。

木曾駒ヶ岳

2008-10-15 06:31:06 | 日記
 木曾駒ヶ岳、とても気持ちが良かったです。

千畳敷カールから


八丁坂をとおって


駒ヶ岳山頂へ


富士山や八ヶ岳、槍ヶ岳などがくっきり見えました。


帰りは少し遠回り。このあたりで捻挫して


馬の背から濃ヶ池を回って帰ってきました。


紅葉がとても美しかったです。





駒ケ根高原美術館

2008-10-13 23:40:09 | 美術館
 木曾駒ケ岳から、今、帰ってきました。天気もよくて、とてもHappyな
山歩きでした。足をぐねったけど・・・。山登りについては、近いうちに
ブログに書きます。

 昨日、時間があったので木曾駒ケ岳の麓にある「駒ケ根高原美術館」に
行ってきました。<いのち>と<反戦平和の想い>にあふれた、とても素敵な
美術館でした。

 池田満寿夫の<いのちの輝き>にあふれた絵と縄文焼。

 草間彌生の<いのち=生殖>のエネルギー。

 藤原新也の「メメント・モリ」の写真からは、死と同時にある<生の
尊厳>がずしりと伝わってきました。

 戦争の悲惨さと核の愚かさを表現した浜田知明の作品、これもすばらしかった。

木曾駒ケ岳の行かれる方におすすめの美術館です。

 


 

「草すべり その他の短編」(南木佳士)

2008-10-11 23:54:41 | 
 「草すべり その他の短編」(南木佳士)を読みました。55歳の男性を主人公にした4つの短編集です。
老いた体と折り合いをつけるために、主人公は、50歳から山歩きを始めます。僕もそうだった。
 旧盆には父親のことを思い出し、自分より早く死んでいった同僚のことを思う。癌に苦しむ友人がいて、
山小屋で知り合った男性からは肺がんで手術をした話を聞く。主人公のすぐ隣にいろんな死があって、
とても人ごとのようには思えないのです。

 山登りについて、主人公は次のように語ります。

「からだの芯で確かな熱が発生し、全身の汗腺から汗が噴き出る。サウナに入って無理に絞りだす汗とは
異質な、からだがまっとうな代謝を行った証拠としての汗は、たったいまここに、まぎれもなく自分があると
いう事実をいかなる言葉よりも雄弁に保証してくれる。」

 <たったいまここに、まぎれもなく自分があるという事実>、大切な人とのつながりにおいて、僕が求めて
いるのも、これなんだろうなぁ。

 表題の「草すべり」という小説は、高校時代にあこがれていた女性と浅間山に登った時に、彼女が抗がん剤
の治療をしているということを知るという内容なのですが、彼女は次のように語ります。

 「まだ、もう少し歩いていたいよね。」

とても身にしみる一言でした。

 明日、明後日と木曾駒ケ岳に行きます。からだがまっとうな代謝を行った証拠としての汗をかきたいと
思っています。

日経平均 8,200円割れ・・・無言

2008-10-10 21:59:25 | 経済指標メモ
 今日は、九州に日帰り出張。帰りの新幹線で、日経平均が一時1,000円超
下げたのを知りました。たった10日間で、31.9%も下げたのですね。
円も97円台。オランダも銀行に公的資金注入。

 そして、サブプライムローン関連の損失が原因で、負債2,695億円をかかえて
大和生命が破綻。

 うーーん、無言。日本の地銀も、倒産するところがでてくるのかも知れない。

 しかし、阪神、優勝でけへんかった・・・これもショック。

企業倒産 増加

2008-10-09 08:35:28 | 経済指標メモ
 経済記事から目が離せないです。帝国データーバンクによると、2008年度
上半期(4-9月)の企業倒産による負債の総額は、前年同期比2.9倍の8兆4533億円
になったそうです。倒産件数は、前年同月比15.3%増の6,343件。
 業種別には、運輸・通信 34.9%増、不動産 25.8%象、建設業 21.2%増。

 新井組も449億円に負債を抱えて、民事再生法を申請。

 で、今日も日経平均さげるだろうけれど、銀行が持っている株式の含み損益の
悪化→銀行の自己資本比率の低下→中小企業への貸し渋りという負のサイクルは
ますます深まっていきそうです。

 ほんと、人ごとじゃないですわ 

金融機関損失、143兆円 & 12兆ドル(1200兆円)

2008-10-08 08:48:18 | 経済指標メモ
 サブプライムローン問題による世界の金融機関の損失は、今後数年間で
1兆4500億ドル(143兆円)になると、IMFは推計しています(日経新聞)。
今年の4月の推計では、9,450億ドルだったので、半年で1.5倍になりました。
その中には、サブプライムだけではなく、1,650億ドルの消費者金融での損失
も含まれています。損失額、こんなどころじゃないんだろうなと思います。

 同じく今日の日経。元日銀信用機構局長の田端氏が、インタビューの中で
今回の「金融安定化法案」で対象となる不良資産の規模は、簿価ベースで
12兆ドルにもなると語っています。で、今回買い取りに準備したお金は、
6%の7,000億ドル。買い取ってもらおうと思うと損切りしなければならないし、
持ち続けると簿価はどんどん下がっていくし。12兆ドルといいう数字をみると
1兆4500億ドルといういは、まだまだ入口のような気がします。

 同じく日経。投資家のウィルバー・ロスが、1,000を超える銀行が破たんする
と予測。

 アイスランドが非常事態宣言。中央銀行がロシアから40億ユーロの融資を受ける
交渉を開始。

 で、今日の日経平均の終値。952円安の9,203円。

 うーん、傷は深い。

「Little Tiny」(矢野沙織)

2008-10-07 21:01:08 | 音楽
 会社帰り、中古CD屋さんで、今日買ったCDです。
矢野沙織、去年の11月にこのCDを発売した時は21歳と書かれているから
今は、22歳。娘たちと同じぐらいの年頃なんですね。
矢野沙織のアルトサックス、たしかにうまくなったなぁと思いました。
最後の2曲、Danny Boy と Take The "A" Train は、感涙ものです。
Take The "A" Trainのボーカルは、17歳の時の美空ひばりなのです。
美空ひばりって、ほんとにうまいなぁ。天才やわ

 


「世界を不幸にするアメリカの戦争経済」(ジョセフ・E・スティグリッツ リンダ・ビルムズ)

2008-10-06 21:46:54 | 
「世界を不幸にするアメリカの戦争経済」(ジョセフ・E・スティグリッツ リンダ・ビルムズ)を読みました。ジョセフ・スティグリッツは、ノーベル賞を受賞した経済学者です。
 2003年にアメリカがイラクに侵攻して5年。イラクの混迷は、ますます深まっています。2010年までアメリカ軍が駐留した場合、イラク民衆の死者は100万人を超えるという試算さえあります。2001年以降イラクとアフガニスタンのために議会が承認した額は6450億ドル。2008年の2000億ドルを加えると、8000億ドルものお金が、イラクやアフガン民衆を苦しめるための戦争につかわれてきました。ちなみに「金融安定化法案」で、不良債権買い取りのために準備するお金は7000億ドルです。
 この本は、①イラクで戦争を遂行するためにすでに使っていた金に、②将来のコスト(退役軍人の医療費や障害補償、部隊と装備を引き上げるためのコスト)、③戦争に関連する”隠された”コスト、④戦費として借り入れた資金にかかる利息を加え、アメリカがイラクとの戦争に費やした経済コストを明らかにしようとしたものです。
 著者対の試算によると、その額は、控えめに見積もっても3兆ドル(315兆円)にもなります。IMFが試算したサブプライムローンに端を発した金融危機の損失コストは、世界全体で1兆3000億ドル(約138兆円)。 イラク戦争がなければ、世界の不良資産全額を買い取っても十分おつりがくるのですね。残りのお金は飢餓の撲滅にやくだっただろうに・・・。筆者達は、世界の原油高もサブプライム問題も、イラク侵攻が原因の一つであるとも主張しています。このあたりの、経済的な裏付けがもっとほしかったと思います。
 アメリカは、膨大な国債を発行して、イラクへの戦争を継続し、危機に瀕した金融機関と大企業の救済を行っていこうとしています。3兆ドルプラス不良債権の処理。財政赤字の拡大によるドルの没落は、避けられないのだろうな。
 アフガン・イラクへの介入と、サブプライム問題を契機とした金融危機。帝国アメリカの没落は確かに始まっていると実感させてくれる一冊でした。

「コロー 光と追憶の変奏曲」

2008-10-05 20:22:23 | 美術館
 今日は雨。山歩きをあきらめて、神戸市立博物館で開かれているコロー展
「コロー 光と追憶の変奏曲」に行ってきました。初期から晩年に至るコローの
作品、78点が展示されていました。
 コローの作品を初期のものから見ていると、この人は、歳を取るにつれてほん
とうにうまくなっていったなぁっと思いました。えらそうな言い方だけれど。
34歳の時に描いたヴィル=ダヴレの池の絵と、56歳の時に描いたヴィル=ダヴレ
の池の絵がならんで展示されているのだけれど、その差は歴然でした。若いとき
には平板だった絵が、歳を取るにつれて奥行きが加わっていくのです。
 自然を描き続けたコロー。熟練の深化と、歳を取るにつれて心の奥行きも
深まっていったんだろうな。

 近くにある、輪郭がもやっとした、傾いた樹木の暗い色と、遠景の光。

 

 ずうっと遠くまで続いていく道の光と影のコントラスト

 

 「真珠の女」は、とても美しい絵でした。やっぱりこの絵がベストかな。
 

 「ドゥエの鐘楼」は75歳の時のコローの絵です。亡くなったのが78歳。
 
 
 とても素敵に歳を取ったんだと思います、コローは。僕も、こんな風に
歳をとれたらなぁ
 

スペイン失業率 11.3%

2008-10-03 08:42:57 | 経済指標メモ
 スペインの8月の失業率は、前年同月比3ポイントアップして11.3%
になったのですね(日経)。メモです。
 アメリカの9月の新車販売も、前年同月比26%減。ヨーロッパも16.5%減。
トヨタも日産も減産と期間従業員の削減。
 森精機、ヤマザキマザック、オークマなどの工作機械大手も減産。
実体経済への影響、深刻になりつつあります。

「FOR NOW AND FOREVER」(Tonu Naissoo Trio)

2008-10-02 23:00:30 | 音楽
 会社帰りに、Tonu Naissoo Trioの新作「FOR NOW AND FOREVER」を
買いました。Tonu Naissooは、僕の大好きなピアニストの一人です。
この人のCDは、新しいのが出るとつい買ってしまいます。
前作を買ったときのブログを読み返すと、ちょっと恥ずかしくなるけれど・・
ライナーノートにも書かれているけれど、このCDの一曲目のFrank Millsという
曲は、出色のできだと思います。とても透明で、今日一日の仕事の荷物を、
そっとおろせそうな気がします。

     

11月の3日に、関西で演奏会があるのですね。ぜひ、行ってみよっと。

「中国低層訪談録」(廖亦武リャオイウ)

2008-10-01 17:20:39 | 
 「中国低層訪談録」(廖亦武リャオイウ)を読みました。リャオイウは、中国の反
体制の文学者です。天安門事件「大虐殺」という長編詩の録音と、映画詩「安魂」
の制作により、反革命扇動罪で4年間投獄された経歴があります
 リャオイウによると、「低層」とは、「ディスクールの権利を奪われ、社会に忘
れられ、うち捨てられた存在で、一生にわたり生存の問題に対処しても常に生存の
危機に直面する人たち」のことをいいます。この本は、中国社会の底辺で生きる人
31人へのインタビューです。
 浮浪児、出稼ぎ労働者、乞食の大将、麻薬中毒者、同性愛者、売春婦、人買い、
破産した企業家、老右派、老紅衛兵、「6・4天安門事件」反革命分子、チベット
巡礼者、法輪功修行者、地下カトリック教徒などなど。
 リャオイウが命をかけて集めたインタビューからは、中国社会の矛盾とそこで生
きる人たちの生の声が、生き生きと伝わってきます。都市の繁栄の一方で身を売ら
ざるを得ない辺境の農民の声。建国以降の政治的激動の中で、傷つき打ち捨てられ
ていった人々の声などなど。彼らの声は、今の中国の紛れもない姿であり、革命中
国が歩んできた歴史にほかなりません。
 とても良い本だと思いました。こんな良い本を、2001年に発行後すぐに発禁にし
た中国政府の度量の狭さに大きな失望を感じるとともに、今は四川大地震で被災し
た人々の声を集めているリャオイウに、心より敬意を表したいと思いました。