「草すべり その他の短編」(南木佳士)を読みました。55歳の男性を主人公にした4つの短編集です。
老いた体と折り合いをつけるために、主人公は、50歳から山歩きを始めます。僕もそうだった。
旧盆には父親のことを思い出し、自分より早く死んでいった同僚のことを思う。癌に苦しむ友人がいて、
山小屋で知り合った男性からは肺がんで手術をした話を聞く。主人公のすぐ隣にいろんな死があって、
とても人ごとのようには思えないのです。
山登りについて、主人公は次のように語ります。
「からだの芯で確かな熱が発生し、全身の汗腺から汗が噴き出る。サウナに入って無理に絞りだす汗とは
異質な、からだがまっとうな代謝を行った証拠としての汗は、たったいまここに、まぎれもなく自分があると
いう事実をいかなる言葉よりも雄弁に保証してくれる。」
<たったいまここに、まぎれもなく自分があるという事実>、大切な人とのつながりにおいて、僕が求めて
いるのも、これなんだろうなぁ。
表題の「草すべり」という小説は、高校時代にあこがれていた女性と浅間山に登った時に、彼女が抗がん剤
の治療をしているということを知るという内容なのですが、彼女は次のように語ります。
「まだ、もう少し歩いていたいよね。」
とても身にしみる一言でした。
明日、明後日と木曾駒ケ岳に行きます。からだがまっとうな代謝を行った証拠としての汗をかきたいと
思っています。
老いた体と折り合いをつけるために、主人公は、50歳から山歩きを始めます。僕もそうだった。
旧盆には父親のことを思い出し、自分より早く死んでいった同僚のことを思う。癌に苦しむ友人がいて、
山小屋で知り合った男性からは肺がんで手術をした話を聞く。主人公のすぐ隣にいろんな死があって、
とても人ごとのようには思えないのです。
山登りについて、主人公は次のように語ります。
「からだの芯で確かな熱が発生し、全身の汗腺から汗が噴き出る。サウナに入って無理に絞りだす汗とは
異質な、からだがまっとうな代謝を行った証拠としての汗は、たったいまここに、まぎれもなく自分があると
いう事実をいかなる言葉よりも雄弁に保証してくれる。」
<たったいまここに、まぎれもなく自分があるという事実>、大切な人とのつながりにおいて、僕が求めて
いるのも、これなんだろうなぁ。
表題の「草すべり」という小説は、高校時代にあこがれていた女性と浅間山に登った時に、彼女が抗がん剤
の治療をしているということを知るという内容なのですが、彼女は次のように語ります。
「まだ、もう少し歩いていたいよね。」
とても身にしみる一言でした。
明日、明後日と木曾駒ケ岳に行きます。からだがまっとうな代謝を行った証拠としての汗をかきたいと
思っています。