1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「三文役者あなあきい伝」(殿山泰司)

2008-10-20 17:34:01 | 
 俳優殿山泰司の「三文役者あなあきい伝」を読みました。1973年、殿山泰司が
58歳の時に書いた自叙伝です。今の僕と同じ、50代の時の作品。あまりの違いに、
まずは驚きなのです。生きた時代、精神の奔放さ、経験した女性の数、そして僕の
何百倍もの喪失感。
 両親の離婚によって生みの母の愛を喪い、大東亜戦争によって最愛の弟まで喪っ
てしまう。国や家族なんてくそくらえという「あなあきいな」心情は、喪失感に
反比例して大きくなっていったように思うのです。タイチャンの奔放な生き方は、
僕にはちょっぴり哀しかったです。
 「オンナを縛って攻めるのは好きやけど、自分の精神や肉体を縛られるのはま
るっきりキライヤ。」うーーん、同感。殿山泰司の爪のあかでも飲んで、少しは
そのように生きれたらいいと思うけれど・・・・。人間関係のしがらみに縛られ、
ぬきさしならず生きていくのも、これもまた人生だと思うのです。