1日1日感動したことを書きたい

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人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」(ジェレミー・マーサー)

2010-12-13 20:50:48 | 
これは、老コミュニストが経営する書店のお話です。

シェイクスピア・アンド・カンパニーは、ヘンリー・ミラーやアナイス・ニン、アレン・ギンズバーグなど錚々たる作家が出入りしたことで知られるパリの名物書店です。またこの書店は、50年以上の長きに渡り、無一文の作家や詩人の卵たちに無料の宿を提供してきました。

この本の著書ジェレミー・マーサーも、犯罪記者の生活に疲れ、パリに流れ着いてこの書店で数ヶ月間おせわになったそうです。著者は、この時のシェイクスピア・アンド・カンパニーでの生活の様子を、共同体内部での人と人との軋轢も含めて、結構、正直に書いています。

著者は、86歳で20歳の女性に真剣に恋をし、わがままで、コミュニストであることを誇りに思う書店の経営者ジョージと、シェイクスピア・アンド・カンパニーについて次のように語っています。

「僕はジョージをだれよりも尊敬している。完璧にはほど遠いし、変なところも山ほどあるが、子どものような希望と楽観主義にあふれ、世界を変え、店にとまる人びとを変えることができるとまだ信じている。ともすればシニカルになりがちな時代にあって、それだけでも僕にとっては憧れの存在である。」

「何よりもシェイクスピア・アンド・カンパニーは、川の向こうの大聖堂のような一種の避難所なのだ。だれもが必要なものを取り、与えられるものを与えることのできる場所、店主がそれを許している場所なのである。」


うまくいかないところをいっぱい抱えながらも、シェイクスピア・アンド・カンパニー書店が60年近く存続してきたことに、ただただ拍手。

次にパリにいくことがあったら、とまる度胸はないけれど、必ずのぞいてみよう!!



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