かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

祝開催!UTMF2022(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)

2022-04-22 19:54:12 | 日記

すっかり忘れていた。今日から3日間の予定でUTMFが開催されているんだ。

第1回開催が2012年だから記念すべき10回大会となるが、昨年・一昨年とコロナのため中止となっていて、たしか2019年は、降雪のため途中打ち切りになって満足に開催されていなかった。いろいろあったが、とにかくも3年ぶりの開催おめでとうと言いたい。思えば、初回以降、自然保護や土地所有者の意向などで何度も開催時期やコース変更の憂き目にあっていて、主催者の鏑木毅さんたちはさぞかしご苦労されてきたことだろう。

50代前半にトレランにハマったオイラは、縁があって、この記念すべき第1回に参加できている。本来は、2011年の5月に開催される予定であったが東日本大震災により1年延期され、2011年にエントリーしていたオイラは2012年の参加権を得たという成り行き。もう50代後半のヨワイではあったが、オイラは「奇跡的に」完走できた。制限15分前だったか。

これに気を良くして、その後、2013年、14年と立て続けに参加したが、いずれも制限時間に入れずリタイアの憂き目にあう。

その後、この大会への最後の関わりとして2018年のSTYにも参加したが、これも制限にかかり沈没。

リタイヤはいずれも年齢のせいもあるが、まじめなトレーニングを怠ったせいであると自覚しているので悔しい覚えはなかった。リタイヤした大会も楽しくて楽しくてしょうがなかった。何千の若者といっしょの道を走れたのだから。

何と言っても「奇跡的に」完走できた第1回大会は、思い出すたび感慨にふける。河口湖をスタートし時計回りに冨士山麓を1周。5月と言っても2日目の夜間の天子山塊は眠気と寒さで意識朦朧となり、ただただ前をいくランナーの灯りを負ったがそのうち歩きながら眠ったのか、ハッと眠りから覚めたのが毛無山の山頂。そこからまた意識が薄れ、気が付いたら朝になっていて、雨ヶ岳から眺めた残雪の白い冨士の眺めの神々しさにしばし腰が抜けて眺めていた。

その後、樹海を突き抜けて河口湖に到る午後3時の制限時間までコースで費やした晴れて暖かな時を、何か麻薬でもうったような浮遊感で過ごすことができ、腕時計とのにらめっこであったが、制限時間に入れた。あるいは、人生で一番快楽なときをすごしたのかもしれない。

親切にもUTMFのサイトは、いまも2012年からのリザルトを掲載していてくれる。そのリザルトの完走者700人ばかりの最後のページに今もオイラの記念すべきフルネームが載っている。そのページにグレートトラバースの「田中陽希さん」の名前を見つけることができる。トップアスリートの陽希さんだが、精進湖近くのエイドでリタイヤしたようでDNFの名簿に載っている。「あの陽希さんに、オイラは勝ったのだ・・・」というのがオジサンのいまでもニコリとしてくる変な自慢。

野鳥の会などの反対もあって、5月から4月の開催となっているUTMF2022、今年は降雪もないだろうし何とか何事もなく終わってほしい。日本人だけの参加でさみしいが、来年以降は外国ランナーもやってくるのだろう。UTMB(ウルトラトレイル・モンブラン)なみに永く続いてほしい。

追伸、STYは2018年までで廃止されたが、今回KAI69というサブ大会が新設された。STYが「静岡から山梨まで」のアルファベット略だったので、果たしてKAIは何の略かと、頭の固いオジサンはしばし悩んだが・・・・「なあ~んだ山梨県だけのコースだから【甲斐】ということだったんだな」とやっとわかった。

 

UTMF2022

 

 

 

    

       2018年STY開会式の鏑木さんと富士(静岡県・富士こどもの国)

 

 

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青い鳥来たよ!

2022-04-21 20:01:29 | 日記

青葉の森は、日々というか、刻々と新緑の森と変容しているようだ。あと一週間もすれば、若葉から正真正銘「青葉の森」にふさわしい森の陰影を取り戻し、夏鳥たちの愛の巣を提供するのだろう。

と、思いながら、一昨年あの幸福の青い鳥オオルリくんと出会った尾根筋を歩いていると、突然目の前に青い飛翔体が枝をつたう。

双眼鏡を首にかけていたので、すばやくピントを合わせると「おおオオルリくん♂」ではないか。少しさえずったかとみえたが、ほどなく暗い針葉樹の谷に消えていった。残念ながら、G3Xくんはザックにしまっていたので姿を記録することができなかったが、2022年4月21日、この青葉の森にすでにオオルリさま御一行ははるけくも南の国から渡ってきていることをこの目で確認した。平年より早いのか遅いのか分からない。

あの2020年のオオルリくんと同一個体なのか家族なのか子孫なのか、それも分からないけれど「この森をまた訪ねてくれてありがとう!」というほのぼのとした気持ちになった。

「幸福の青い鳥」との邂逅。このエピソードも「ウクライナの地下に避難している子供たち」に届けたい。

 

      

 

     

      

      2020年5月26日に青葉の森で出会ったオオルリくん♂です。大きな声でさえずっていたよ。

 

(元日本野鳥の会会長の柳生博さんの訃報に接する。入院を嫌って八ヶ岳の山荘で永眠したとか。たくさんの野鳥のさえずりを耳底に共鳴させながら旅立ったのだろう。【合掌】。オイラも、そのような死に方を選択したいな。)

 

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面白山の青い花と白い花

2022-04-20 19:48:32 | 日記

あんまりの晴れ予報だったため、南面白山の頂上で真っ白な月山や蔵王の姿を眺めたいと、一番列車に乗って面白山高原駅へ。駅から1000mを超える北面白山にも南面白山にもすぐに登れるこの辺では大事な駅なのだが、駅に降りたのはオイラだけ。今年は、雪が多いため平日はまだ一般登山者は足を向けないのだろう。

 

それにしても、数年前に営業を止めた面白山スキー場の廃れぶりはさみしい。錆びたスキーリフトはそのまますべて放置され、スキースクールやロッジは大雪や地震や台風のせいなのだろうか、崩れ、吹き飛んだ建物の一部が、そのまま公道に放置され、誰も撤去しようとせず見苦しい。所有者も行政もなんという無責任なのだろう。どこも撤去費用がないのだろう。スキー場の廃れ具合は、ここ、面白山だけの話ではないのだろう。宮城に限っても知りうる限り、鳴子の花渕山、南蔵王の白石スキー場など今は人影はない。これが全国だとどうなんだろう。ブナ林などを皆伐してスキー場を開発した事業者、それを認めた行政が、営業を止める際には原状回復、せめて構造物や施設の撤去と植林などとそれらを保証する積立金などを義務付けなかったのは痛恨の極みだ。

そんなスキー場の滑走面跡に、薄紫と純白のキンポウゲ科キクザキイチゲ(菊咲一花)が隣り合って咲いていた。ユキワリソウの見られない宮城・山形県境では、大好きなキンポウゲの仲間。スキー場の去った後、ゆっくりと仲間を増やしていってほしいと願う。

     

     

 

今日の登山装備は、簡易アイゼンとストック一本。スキー場やその上の急な雪の壁を昇るのは困難と判断し、早々と南面白山の登頂をあきらめ、雪解けのスキー場後に顔を出したフキノトウをいただくために歩き回った。南面白山、八本爪アイゼンとピッケルで来週にでもリベンジしたい。春の山を甘く見ていた。

 

フキノトウをいっぱい収穫して、昼過ぎには家に戻り、天ぷら用・ピクルス用はまだ花が葉に覆われたもの、花が現れて少し苦みが増したものは「バッケ味噌」用に仕分けし、調理に勤しむ。

YouTubeで教わったとおり、天ぷらにはマヨネーズと炭酸水で小麦粉を溶かしたら、これまでになくパリッと仕上がった。いつものちくわ天と「塩」と「天つゆ」でいただき、もう今シーズン「フキノトウはいいや」というほど食べすぎる。

あとは、「バッケ味噌」と「バッケピクルス」の保存食で、もう少しだけ早春のおみやげををいただいていこう。

 

まだ花の出ないフキノトウを厳選。

パリッと揚がった、フキノトウとちくわの天ぷら。天ぷらのコツつかめてきたぞ。

 

 

 

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Magnolia(マグノリア)の木

2022-04-19 21:15:12 | 日記

4月のコブシ(辛夷)、5月のタムシバ(田虫葉)、いずれもモクレン科で学名にMagnoliaという名前がついている。樹の下から咲き誇るそれらのマグノリアの花たちを眺めると、その清楚のすがたに安らかな心地を覚える。

毎年、マグノリアたちに出会うと、

賢治さんの不可思議な「マグノリアの木」という童話あるいは仏教説話を読む。

このお話で、賢治さんは「マグノリアの木は寂静印(じゃくじょういん)です。」と書いているので、賢治さんもコブシやタムシバの樹の下でなんともいえない安らかな気持ちになったのだろう。

物語は、険しい峰々をいくつも苦難の末渡って来た主人公がやっと頂上と思しき平坦な場所に辿り着き、そこに立つマグノリアの木の下で聖者のような男と出会う。上の会話はその時のもの。何やら、われわれ登山者が苦しいルートを登りつめて山頂に立った時と同じ心地。

だが、物語はそう単純な話ではない、マグノリアは頂上よりもむしろ険しい山谷にいっぱい花を咲かせているという。そして聖者は、「その平らかさはけわしさに対する平かさだ。」という、だからマグノリアは寂静かだという。この物語のむつかしさは、この不可思議な論理を理解することにあるが、何度読んでも理解できない。だから、コブシやタムシバと出会うたびに、オイラはこの童話とも説話とも言い難い物語を毎年読み続けるのだろう。

ちなみに、今日図鑑で覚えたこと。コブシとタムシバの見分け方。コブシは花が開いているとき、花の下に葉を1枚つける。きのう青葉山で出会ったマグノリアは、間違いなくコブシだ。

賢治さんは、

「サンタ、マグノリア、枝にひかるはなんぞ」

「天に飛びたつ銀の鳩。」

と美しいレトリックを用いている。

 

(その銀の鳩が、遠いウクライナまで飛んでいきますように、合掌)

 

 

                   c

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みどりのいただきもの

2022-04-18 19:22:26 | 日記

晴れて、やっと暖かくなった青葉の森。

昨年より10日ばかり遅い春の船出、とはいえ、森はいつも通りの季節を調整しているかのような速度で遅れを取り戻そうとしているような気配。

大好きなコシアブラやハリギリが小さな芽を出していた。ウルイ(ギボウシ)も仏の光背のような衣装を地上に現わしていた。木の芽(サンショウ)も、あちこちの枝先から黄金色の葉を一生懸命伸ばしていた。

そして、いつもの場所で、リョウブの金色の葉が枝先から天をめがけて新芽を伸ばしていた。

青葉の森のこれらの「幸」を、少しづつ摘んで夜の晩餐とした。すこし欲張って摘みすぎたのかもしれない。晩の酒のあてとしてわずかだけでいいのだが、つい、新芽を見つけると手を伸ばしてしまうのは我欲という性(サガ)か。

帰って、缶ビールをいただきながら、よく洗って、おひたし、天ぷら、油みそ、リョウブごはん用醤油漬けを、30分程度でこしらえながら、メスティンでご飯を炊いた。

1年ぶりの「森の地霊の味」が口腔に満ちた。心身に春が舞い戻った。

 

     

 

     

 

     

 

 

 

 

 

 

 

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