かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

グールドのピアノを聴きながら地図にルートを書き入れる

2022-04-27 18:49:31 | 日記

今年は、カナダが生んだ世界的ピアニスト、グレン・グールドのアニバーサリーイヤー。彼は、1932年に生まれて50歳になったばかりの1982年にこの世を去っているから、今年は、生誕90年、没後40年ということになる。

そのことを、昨日放送されたNHKFM「クラシックカフェ」を録音したものを聞いて今日知った。

放送の大部分は、バッハのゴールトベルク変奏曲を、彼が1955年にモノラル録音したものと、亡くなる前年1981年にデジタル録音したものを全曲聴かせるというものだった。

1955年版は、彼が23歳でレコードデビューした記念すべきもので、技量はもちろん若さと清新さで世間をアッと言わせた作品で、何と1956年のアルバムは、ルイアームストロングを抜いてヒットチャート1位にもなったのだという。

この1955年版と1981年版は、グールドらしく粒のそろった透明感のあるタッチであることは間違いないのだが、あまりにも違いすぎて驚く。

とにかく全曲のスピード。55年版が38分24秒なのに対して81年版は51分20秒と13分も長い。81年版がバッハの楽譜に忠実にくりかえし部分を演奏していることにもよるが、タッチも確実に遅くなっている。これがグールド26年間の人生の深みへの到達なのだろうが、オイラは若きグールドの笑顔あふれるジャケットの55年版を愛する。

その55年版を聴きながら、日本ロングトレイル協会の登録コースをダウンロードできる地図アプリ「トレイル巡り」から八ケ岳山麓スーパートレイルの170kのコース地図を見ながら、2007年版山と高原地図に、当該コースを赤い蛍光ペンで忠実になぞった。

通常の登山コースでない林道等が多数含まれていて正確になぞることを苦労したが、なんとグールドの55年版が終わろうとアリアを奏でた38分すぎに、始点の野辺山駅に辿り着くことができ、なぞりの作業を終えることができた。偶然のなせる業なのだろうか。グールドには悪いが、グールドの55年版のテンポは、作業用に最適だ。

 

スーパートレイルの地図をたどりながら、八ヶ岳周囲の山岳展望のみならず、自然・歴史・文化を肌で感じる素晴らしいコース設定であることが分かった。しかも、テント場、悪天時の宿、エスケープルートに事欠かない。1日20k歩いたとして予備をいれて10日間の計画を立てれば踏破できるだろう。行ってみるか。

そしてグールドイヤーか・・・今年はあちこちの山でグールドのバッハを聴いて偲ぼうか。オイラのもう一人の「孤高の人」だ。

 

 

 

 

グレン・グールド(Wikipedia)

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