かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

樹木の花々のことも忘れないで

2023-05-12 17:46:03 | 日記

青葉の森も葉が繁りはじめ、地上は薄暗くなりつつある。

スプリングエフェメラルのカタクリはすっかりその葉が地上に溶け、わずかに大きく膨らんで今にも弾けそうな蒴果だけを残して地上に痕跡をとどめている。弾けたカタクリのタネはアリが運んでくれるのだという。カタクリやスミレはそうやって領域を広げ、あるいは森を移動している。

地上の草はこうして昆虫たちのお世話になりながら、種を生きながらえさせているが、森へ届く光を真っ先に享受する樹木たちは、タネの移動を小鳥たちにも託しているという。すなわち、果実を飲み込んだ小鳥はどこかへ飛んでいき、未消化のタネをフンとともに少し離れた地上へ落とす。そうやって樹木たちは種族の生存場所を拡げ、あるいは移動している。

もちろん、草や樹木のタネの大半はネズミやリスのエサとなったり他の植物との競合に敗れ、芽を出すものはほんのわずかなのだろう。が、一つの種族が競争に敗れることもなく、森という均衡は長く保たれているようにみえる。(超高速度で何百年の歴史を一気に眼の前にしたら、あるいはそうではないかもしれないが)

そんなことを空を見上げながら、今を盛りとしている樹々の花々を見つめながら考えた。空を見上げるのは、夏鳥たちの姿を探すためではあるが、樹々の花々は、白や薄い黄色と控えめながら清楚で美しい仲間が多いことに気づかされる。樹々の花々や実も記録しておこうか。

この季節、森の樹々たちは、夏鳥たちにふるまう御馳走の準備を始めているに違いない。ミズキ(水木)、ナツグミ(夏茱萸)、サワフタギ(沢蓋木)、シラキ(白木)、タニウツギ(谷空木)、それぞれの花はそれぞれの実をまもなく色付かせ、青葉の森の野鳥たちに振舞うことだろう。その、お味はどうなのだろう。ミズキはキビタキの好物だという。グミはオイラもつまんでみたいし、タニウツギは実にも毒があるのだろうか。シラキは油分がいっぱいだとか。そんな、樹々たちの実にまつわることも学んでいこう。

 

 

ハイノキ科ハイノキ属サワフタギ

 

 

トウダイグサ科シラキ族シラキの花ツボミ

 

スイカズラ科タニウツギ属タニウツギ

 

グミ科グミ族ナツグミ あるいはアキグミかもしれないが、夏までに実がなったらナツグミ

 

ミズキ科サンシュユ属ミズキ  

 

 

 

 

 

 

 

 

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