NHKFMの聞き逃しで、「クラシックの庭」で放送された朝比奈隆さんが御年92歳でライブ演奏したという「ベートーベン第7交響曲」(通称ベトシチ)の第2楽章から第4楽章までを聴く。
とくに第3楽章から4楽章までの雄々しさと、そしてその迫力に度肝を抜かされる。正直、これまで聴いたベト7とはスケールと包容力が異なる、それがカルロス・クライバーのものであってもだ。
第1楽章が欠いていたので残念だったが、Youtubeには、同じ日に演奏されたものと思われるライブ動画がとてもいい音質で全楽章アップされていたので、投稿者に感謝したい。何と円熟の衣をまといながらも若々しい演奏だ。これが、92歳の音作りか・・・(唖然)
朝比奈さんは、翌年の12月に93歳で他界されており、大往生のほぼ1年前の演奏だが、矍鑠とした演奏姿には老いを微塵にも感じさせない。なんでも、死ぬまで立って演奏することを自己に命じていたとのことである。
それにしても、放送でも一部解説があったが、朝比奈さん93年の人生をあらためて眺めると、生まれ育ちの数奇と戦前・戦中の荒波に打たれながらも、それを乗り越えるだけの能力と意思とエネルギーが、あのような晩年の神々しいまでの演奏を可能せしめたのか、と思わざるを得ない。(このような方を大河ドラマでやってほしい)
しばらく、彼の残されたベートーベンやブルックナーを聴きながら、あらためて彼の偉業をしのびたい。
しかしまた、すごい日本人がいたものだ。
「1Furutwangler」さん提供
Beethoven - Symphony No 7 - Asahina, Osaka Philharmonic (2000)
2000年9月24日 大阪シンフォニーーホール
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